オンラインカジノ会社の広告、問題ないの? お金賭ければ違法だけど

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御船紗子 後藤遼太
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 ネットのスポーツ中継などでオンラインカジノの運営会社の広告が流れ、問題になっている。日本では公営以外の賭博は違法なはずだが、なぜ広告は流されていたのか。

 サッカーやプロ野球などスポーツ動画を配信する「DAZN(ダゾーン)」では、試合中継の合間にオンラインカジノ最大手「ベラジョン」などの広告を流してきた。

写真・図版
オンラインカジノ「ベラジョン」の無料版ゲームサイト(左)と、有料のカジノサイト(右)

 実は、流れているのは、お金を賭けない「無料版ゲーム」の広告。ベラジョン無料版のサイトには、「超画期的なオンラインカジノ」「完全無料で楽しめちゃいます!」とある。

 消費者庁によると、たとえ「カジノ風」でも、お金を賭けなければ「あくまでゲーム」とみなされるという。

 DAZNジャパンは取材に、「無料版であること、違法の有料版に誘導されないことを前提に放映してきた」と回答。一方、「現在は基準見直しのため、配信はストップしている」という。

射幸心をあおらない」からOK? いまは見合わせ

 テレビなどでも問題になっている。

 テレビ朝日は2月25日の定例会見で、ベラジョン無料版の広告を2022~23年に放送したと説明。「有料版に誘引しない、射幸心をあおらない」などの基準を満たしていたが、「総合的に判断し」、放送を見合わせたという。

 BSテレビ東京は20~23年にベラジョンと「ミスティーノ」、BS―TBSは21~23年にベラジョンと「遊雅堂」無料版の広告を放送したと公表。ニッポン放送も無料版の広告の「放送の実績がある」と発表した。

 サッカーJ2の北海道コンサドーレ札幌は、無料カジノゲームサイトの運営会社とのスポンサー契約の見直しを含めて検討中だ。

 オンラインカジノの多くは、マルタやオランダ領キュラソーなどで登録され、「合法」とうたう。しかし、日本では競馬や競艇など法律で認められた公営ギャンブル以外でお金を賭ける行為は違法になる。日本からアクセスして賭ければ刑法の賭博罪が成立。罰則は50万円以下の罰金で、「常習賭博」の場合は3年以下の懲役だ。

薬物なら広告も違法、オンラインカジノは?

 例えば違法薬物なら、覚醒剤…

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この記事を書いた人
御船紗子
東京社会部|サイバー担当
専門・関心分野
サイバー、居場所、文化の継承
後藤遼太
東京社会部|メディア・平和担当
専門・関心分野
日本近現代史、平和、戦争、憲法