第3回戦場へ送られる恐怖から、1キロ泳いで国外へ 脱走や徴兵逃れ問題化

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チェルニヒウ=藤原学思
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多くの市民を避難させたアルテム・ラキティンさん。ロシア軍の攻撃によって負傷した右目の傷痕が今も残る=2025年2月12日、ウクライナ北部チェルニヒウ、藤原伸雄撮影
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 毎月3千人――。ウクライナでは、それだけの人数が動員されている。

 ロシアによる全面侵攻が続くなか、兵士がいなくなれば、さらに領土が奪われ、ウクライナという国家が存在しなくなるおそれがある。

 それは、国民の多くが理解している。ただ、自分や家族が死ぬのは避けたい。その感情もまた、多くが共有している。

 2022年11月、ペトロさん(42歳、姓は非公表)はウクライナ軍に徴兵された。同年2月の全面侵攻開始の直後に志願し、当時は断られていたのに。

 東部戦線で戦い、負傷した。治療を受けてまた戦場に戻り、再度負傷した。背骨に2カ所。心身が、もう限界だった。

 不満が募っていた。軍備品は…

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この記事を書いた人
藤原学思
ロンドン支局長
専門・関心分野
ウクライナ情勢、英国政治、偽情報、陰謀論
ウクライナ情勢

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