「テロ」とは何か 簡単でない定義と安易な言葉づかいに潜むリスク
防衛大学校・宮坂直史教授(テロリズム論)
日本で、世界で、「テロ」と称される事件が起きています。テロリズムとはどんな行為を指し、何を根拠にテロと判断すべきなのでしょうか。テロという言葉には、そう呼ぶことで「善悪」を決めつけてしまう性質もあります。テロ問題に詳しい防衛大学校の宮坂直史教授は「安易に使用することも、使うのをためらうことも、本質を見誤らせる」と指摘します。
――どんな行為をテロと呼ぶのでしょうか。
世界共通の定義はないということをまず理解しなければなりません。各国それぞれに定義があります。例えば日本の特定秘密保護法は「政治上その他の主義主張に基づき、国家もしくは他人にこれを強要し、または社会に不安若しくは恐怖を与える目的で人を殺傷し、または重要な施設その他の物を破壊するための活動をいう」としています。
そんななかでも、「政治的な動機と目的がある」点は万国共通で、おおむね国際社会の共通認識と言えます。ただ、「テロリスト」と言う時、その考え方は必ずしも一致していません。
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イスラエル・パレスチナ問題
2023年10月7日にイスラム組織ハマスがイスラエル領内を奇襲攻撃。報復としてイスラエル軍がパレスチナ自治区ガザ地区への空爆や地上侵攻を始め、6万7000人以上の犠牲者が出ています。25年10月、トランプ米大統領の停戦案に双方が合意しました。最新のニュースや解説をお届けします。[もっと見る]










































































