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ミャンマー国軍、日本人外交官宅押し入り 外務省が抗議

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織田一 機動特派員・五十嵐誠
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ミャンマーの首都ネピドーで3月27日にあった国軍記念日の式典に出席するミンアウンフライン国軍最高司令官=ロイター
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 クーデターで権力を握ったミャンマーの国軍が4月中旬、最大都市ヤンゴンで現地の日本大使館員と国際協力機構(JICA)の日本人職員の住宅に押し入り、捜索していたことが関係者への取材で分かった。軍側は「手配していたミャンマー人の捜索だった」と説明したという。同居家族が銃口を向けられる場面もあったといい、外務省はミャンマー側に抗議した。

 日本外務省の幹部は「日本人を狙った捜索ではない」と受け止めており、対ミャンマー政策への直接的な影響は否定している。一方で「様々な事案を総合的に判断して方針を決めるなかで、当然、判断要素のひとつになる」としている。

 日本政府関係者らによると、4月17日深夜、武装した複数の軍人と警察官が、日本人の外交官とJICA職員が住むコンドミニアムを捜索した。「指名手配中のミャンマー人の捜索」としてコンドミニアムに来た軍人らに対して、受付のミャンマー人スタッフが「防犯カメラの記録を出すので捜索はやめてほしい」と訴えたが、殴られたという。

 日本人の居宅はいずれもドアに鍵がかかっていたが、マスターキーで開けられた。外交官は玄関で対応を迫られ、JICA職員宅では軍人らがリビングにまで入ってきて銃口を向けた。いずれも、日本人とわかると危害は加えず引き上げたという。

 外務省は、外交官の身体や居…

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    佐藤優
    (作家・元外務省主任分析官)
    2021年7月5日8時2分 投稿
    【視点】

     外交官には、ウイーン条約で身体の不可侵権、住居の不可侵権が付与されています。これは外交官個人に対してではなく、当該外交官が所属する国家に対して与えられたものです。従って、外交官は自分の判断で外交特権を放棄することはできません。 外交官

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