「法廷、会社、日本を侮辱した」  ゴーン氏を痛烈批判

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根津弥
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逃亡後に会見する日産自動車元会長のカルロス・ゴーン被告=2020年1月8日午後、レバノン・ベイルート、恵原弘太郎撮影
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 「法廷を侮辱し、会社を侮辱し、日本を侮辱した。恥ずべきことだ」――。日産自動車の元会長カルロス・ゴーン被告(66)が巨額の役員報酬を開示しなかったとされる事件の裁判。ゴーン元会長の逮捕につながる内部告発をしたハリ・ナダ専務執行役員(56)は、証人尋問の最終日となった10日、海外に逃亡した元会長を痛烈に批判した。

 ナダ氏は英国の法曹資格を持ち、2014年に元代表取締役グレッグ・ケリー被告(64)の後任として、秘書室などを担当する役員に就いた。大沼敏明・元秘書室長とともに検察と司法取引し、捜査への協力や裁判での証言を約束する代わりに不起訴となった。

 主役が不在の中、報酬隠しの共犯に問われているケリー元役員と法人としての日産に対してだけ進む公判に、1月中旬から証人として出廷。この日は最終日となる8日目の尋問に臨んだ。

 日産の弁護人からは、ゴーン元会長が18年11月に逮捕される約半年前まで、社内で不正を告発しなかった理由を問われた。ナダ氏は「取締役会のメンバーは全員がゴーン・チルドレンだった。とてもゴーンさんに進言できるとは思わなかった」と証言。「18年に今津(英敏・元監査役)さんが信頼できると感じるまで、不正の報告はできなかった」と述べた。

 ゴーン元会長は19年末にレ…

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この記事を書いた人
根津弥
東京社会部|会計検査院・調査報道担当
専門・関心分野
刑事司法、調査報道、人口減、災害復興