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ローマ法王に神父の性的虐待もみ消し疑惑、枢機卿時代に

 発信地:ワシントンD.C./米国 [北米米国 ]

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ローマ法王に神父の性的虐待もみ消し疑惑、枢機卿時代に
バチカンのサンピエトロ広場(St. Peter's square)に到着し、信者に手を振るローマ法王ベネディクト16世(Benedict XVI、2010年3月24日撮影)。(c)AFP/Vincenzo Pinto
【3月25日 AFP】アイルランドでのカトリック神父らによる児童への性的虐待スキャンダルの対応に追われるローマ法王ベネディクト16世(Benedict XVI、82)をめぐり、法王が枢機卿だった1996年、米国の神父による聴覚障害のある児童最大200人への性的虐待を隠ぺいしたとの疑惑が浮上している。米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)が伝えた。

 同紙が入手した書類の中には、当時枢機卿だった現法王のヨゼフ・ラッツィンガー枢機卿(Cardinal Joseph Ratzinger)と、今回問題になっている、米ウィスコンシン(Wisconsin)州の聴覚障害児施設で働いていたローレンス・C・マーフィー(Lawrence C. Murphy)神父との間で交わされた書簡も含まれている。

 当時バチカンの教理省(Congregation for the Doctrine of the Faith)に属していたラッツィンガー枢機卿は、ウィスコンシン州の大司教からマーフィー神父に対する告発を知らせる2通の書簡を受け取ったが、これに対応することはなかった。

 一方、マーフィー神父に対する教会法に基づく裁判が進められていたが、枢機卿がマーフィー神父から「わたしは残された人生を神父時代の威厳の中で過ごしたいだけなのです。慈悲ある支援をお願いします」と裁判の中止を請う書簡を受け取った後、裁判は中止されたという。

 ニューヨーク・タイムズ紙が入手した書類の中には枢機卿から神父への返事は含まれていないが、神父はこの2年後、神父の肩書きのまま死去している。(c)AFP
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