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J-POPが激変した時代〜宇多田ヒカルの登場と20世紀の大掃除

2016年11月2日

小室哲哉さんは、宇多田ヒカルさんの登場を「時代が変わると思った」と振り返ります。一体何が衝撃だったのでしょうか?
CDから「聴き放題」のストリーミング配信への転換が進み、音楽ビジネスは新しい時代を迎えようとしています。音楽ジャーナリスト・柴那典さんがその実情と未来への指針を解き明かす新刊『ヒットの崩壊』(講談社現代新書)。11月15日の発売に先駆けて、cakesではその内容を特別先行掲載します(平日毎日更新)。

「刷り込み」によってヒットが生まれた

 音楽プロデューサーとして本格的に活動を始めた90年代の小室哲哉が最初にタイアップの威力を実感したのが、1994年7月、TMNの活動終了の直後にリリースした「篠原涼子 with t. komuro」名義のシングル『恋しさと切なさと心強さと』だった。

 「この曲、イニシャル(初回出荷枚数)が2万5000枚だったんです。『まあ、そんなに行かないだろうな』と思われていた。それが3ヵ月経って2週連続1位になったのは『ストリートファイターⅡ』の力が大きかった」

 1994年7月に発売されたこの曲のオリコン週間シングルランキング初登場順位は20位以下だったが、その年の8月に公開されたアニメーション映画『ストリートファイターⅡ MOVIE』の主題歌に用いられたことで話題を呼び、9月、10月に同ランキングで1位を獲得する。

 「映画を観た帰りに、小学生の男の子がお母さんに『これ買って』と言って、置いてあるCDを買ってくれたことで火がついた。映画の力、ゲームの力を借りて、枚数の結果が出た。その実数を見せたことで『売れたんだね。200万枚超えてるんだ』ということが、テレビやメディアにも広がっていった」

 90年代のヒットは「指標」ではなく「数字」だった、と彼は強調する。その背景にあったタイアップの仕組みについては「『いい曲』と『売れる曲』の間の架け橋になるもの」と位置づける。

 「やっぱり、刷り込みは必要なんですよね。それはたとえば映画でも同じです。たとえ面白くても、公開した時に認知度や知名度がなかったら、そこに人は集まらない。だから上映前に必死にプロモーションをかける。

 今の時代は、高校生から大人までいろんな人に実際に聴いてもらって『どう思う?』って訊いたら『かっこいい』とか『良い』って言ってくれる曲も多いんですけれど、その手前で、刷り込みができないままで終わっちゃうから沈んでいくような曲もたくさんある」

 ヒットを生み出すために重要なのは「刷り込み」だった、と小室は言う。そのために最も効果的だったのが地上波テレビへの露出だった。

 「CMでも、ドラマの主題歌でも、地上波のテレビに流れることで、楽曲をみんなに浸透させることができた。やっぱり『月9』が一番強かったですね。番組自体の視聴率も高いし、楽曲が番宣のCMにも使われる。何千万人が一気にそれを聴く。そこからCDが売れて、それがチャート1位になって、また注目を浴びる。相乗効果ですごい波及力を持っていたんです」

宇多田ヒカルの登場と20世紀の大掃除

 こうして90年代に一時代を築き上げた小室哲哉。ただ、その栄華は長くは続かなかった。

 彼は「宇多田ヒカルの登場が僕を終わらせた」と振り返る。

(PHOTO: Getty Images)

 「僕はヒカルちゃんが出てきた時に『時代が変わるんだろうな』って思いました。『Automatic』の時点で『やばいな、これ。次の来たな』って感じて。アルバムも案の定ものすごい枚数が売れた。でも、それと同時に『これ以上はCDの枚数は稼げないだろうな』という直感もあった。限界値、一つのピークに行き着いた感じがあったんです」

 宇多田ヒカルの登場は、単なる「ヒットチャートの主役交代」ではなかった。音楽ジャーナリスト・宇野維正は『1998年の宇多田ヒカル』(新潮社)の中で、デビュー時の彼女のプロモーション戦略が前述したような大型タイアップ主導のものではなかったことを解説している。彼女の登場は、様々な意味で「メガヒットの時代」だった90年代の終わりの象徴となった。

 ただ、どんな時も「それがバブルだった」とわかるのは後の時代になってからだ。00年代に突入した頃は、まだマーケットの中心はCDが支えていた。

 「僕自身は、次に行かなきゃいけないと思っていました。だから1995年から配信の実験をしていたし、 2003年に『iTunes Music Store』が始まって05年に日本に上陸した時も、『これが最先端で、これからはこれが主流になる』と思って、ロサンゼルスまでアップルの人に会いに行っていたんです。

 でも、時代はまだ20世紀を引きずっていた。90年代の芸能界の人たちが『まだCDでいける』と頑張ってビジネスをしていました」

 PCでのダウンロード配信は普及しつつあった。それ以上に、携帯電話が普及し「着うた」や「着うたフル」などのマーケットも拡大していた。しかし、単価はCDに比べると安く、収益にはなりづらい構造だった。

 「着うたもダウンロードもあくまでプラスアルファでした。やっぱりCDはエンドユーザーまで届く大動脈みたいなフォーマットになってましたからね。で、その間にもテレビの音楽番組を賑やかす新しいアーティストは出てくるし、その人たちには勢いではかなわない。かといって新しいことについてきてくれる人も業界の中ではすごく少ない。空回りな時代でした。

 振り返ると、00年代は、20世紀の〝大掃除〟が続く中で、新しいものが少しずつ生まれていた。非常に混沌とした時代だったと思います」

次回「AKB48とSNSの原理」は明日更新!

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音楽ビジネスの実情と未来への指針を解き明かす!
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この連載について

ヒットの崩壊

柴那典

「心のベストテン」でもおなじみ音楽ジャーナリスト・柴那典さん。新刊『ヒットの崩壊』では、アーティスト、プロデューサー、ヒットチャート、レーベル、プロダクション、テレビ、カラオケ……あらゆる角度から「激変する音楽業界」と「新しいヒットの...もっと読む

著者プロフィール
柴那典
柴那典(しば とものり)

1976年神奈川県生まれ。音楽ジャーナリスト。ロッキング・オン社を経て独立。雑誌、ウェブ、モバイルなど各方面にて編集とライティングを担当し、音楽やサブカルチャー分野を中心に幅広くインタビュー、記事執筆を手がける。主な執筆媒体は「AERA」「ナタリー」「CINRA.NET」「MUSICA」「リアルサウンド」「ミュージック・マガジン」「婦人公論」など。「cakes」と「フジテレビオンデマンド」にてダイノジ・大谷ノブ彦との対談「心のベストテン」連載中。新刊『ヒットの崩壊』(講談社現代新書)。ブログ:「日々の音色とことば」 Twitter:@shiba710

コメント

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TKcostume_bot#こむスケ11/16発売 講談社『ヒットの崩壊(講談社現代新書)』柴那典@shiba710(著)小室哲哉(@Tetsuya_Komuro)インタビュー先行公開中。11/2分はこちらhttps://t.co/ZNTFeXJym8#てっち衣装部約2時間前replyretweetfavorite

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