
『SPEC』の完結以降、1年以上にわたってスクリーンから遠ざかっていた戸田恵梨香だが、もちろん、のほほんと遊んでいたわけではない。2014年に撮影に参加した3本の映画が今年に入って順に公開される。まず最初に公開となるのが『エイプリルフールズ』。27人ものアンサンブルキャストの中にあって堂々の主演を務めた。

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ドラマ『リーガルハイ』、映画『寄生獣』などいま最も注目を集める脚本家・古沢良太のオリジナル脚本による本作。27人もの登場人物たちの人生が小さな嘘に翻弄され、交錯していく。戸田が演じたのは“対人恐怖症の妊婦”新田あゆみ。一夜限りの関係を持った外科医・牧野亘(松坂桃李)に妊娠を告げ、子供の認知を迫るべく赴いたイタリアンレストランで大騒動を巻き起こす。
複数のシチュエーション、登場人物たちが巧みに絡み合っていく古沢の脚本に戸田も魅了された。「バラバラのようでみんな繋がっているんですが、その繋がりの見せ方がすごく面白い。字で追うとコメディなのに、後半部分ではその隙を突かれて思い切りやられた感があり、パンチ力のある脚本だと感じました」と最初の印象を語る。
本作の前に時代劇『駆込み女と駆出し男』の撮影があったが、まったくテイストの異なるエンターテイメントの脚本を前に「やらなくちゃいけない気がした」と出演を決めた。何より、あゆみという役が「これまでやったことのないタイプで魅力的でした。不器用ながらも一生懸命に伝えようとする、それが儚くて切なくてかわいらしさを感じた」という。役作りで参考にしたのは意外なキャラクターだった。「最初のインスピレーションで、“ちびまる子ちゃん”にしようと思ったんです(笑)。無愛想でぶっきらぼうで、憎たらしいけどそれがかわいい。どこかでちびまる子ちゃんと通じるところがあるなぁ、というイメージで入りました」。
ロクに話もできない対人恐怖症の妊婦がチャラい男に責任を取るように迫る。字面を追っただけでも相当にシュールな修羅場だが、これをどう現実に成立させるか? 試行錯誤を繰り返し、あゆみを作り上げていった。「自分の声のトーンを聴いて『これくらいかな?』と調整したり、これまで声を出すことがほとんどなかったから、きっと叫ぶときも声の出し方がヘタクソなんだろうなとイメージして作っていきました。ウチで練習してる時、愛犬が(戸田の声に)『大丈夫かな?』とこっちを見てるんです(笑)。あゆみが爆発しちゃうところでは明らかに彼女(=愛犬)はドキドキしていて、私に手を添えてジーッと見て顔をなめはじめて『なんかこれ、おかしいぞ』という感じで…。それを見て、これで行こうと思いました(笑)」。
本作、『駆込み女と駆出し男』、そしてエリート刑事を演じた『予告犯』とジャンルの違う作品、タイプの違う役柄が続くが、これは今後を見据えた戸田自身の選択によるもの。この決断の“前提”としてあるのが『SPEC』で演じた当麻紗綾という大きすぎる存在。「『SPEC』に出会う前から、自分が演じる役柄が持つ印象がすごく偏っているという思いがあって『SPEC』のお話をいただいた時、『これで自分は変われる』という期待を持ってやることに決めたんです。でも『SPEC』をやったことで、逆に当麻のイメージが強くなりすぎてコメディの話しか来ないってくらい、これまでとまた違う道が1本ザーッと出来ちゃって…(苦笑)。反発心が強いので『これを変えなくちゃ!』という思いになったんです」。
イメージで役柄が狭まることだけでなく戸田自身、自らの芝居が『SPEC』に引きずられてしまうことに危惧を覚えた。「『SPEC』をやったことで、自分の中で芝居に癖ができて、そこで役に肉付けをしていくやり方というか、自分なりにキャラクターを作る術というのを見つけたんですね。でもそれが時にマイナスにもなるとも気づいて『肉付けするのではない役をやろう』と思って、ドラマの『SPEC』の後に『阪急電車 片道15分の奇跡』や『大切なことはすべて君が教えてくれた』という“キャラ”ではない、ナチュラルな人間をやることにしたんです。あと3年ちょっとで30歳ですが、30代に向けていま何をするべきか? どう自分が大人に変化していけるのか? そこは常に考えてます。ドラマ畑の人間ですが、ドラマだけではなく映画で何か強いものを得たい――そう考えた時に選んだのが、昨年撮影した3本でした」。
先の発言にもある“反発心”、そして、安定・安住を良しとしない精神が幾度となく戸田を“脱皮”させてきた。「最初に石川(淳一)監督と話をしている時、明らかに(あゆみという役に対して)『SPEC』のイメージを持って話をしているなと思ったんです。だから『絶対にそれは変えてやる!』と思って、あゆみが出来上がったんです。当麻とは違う喋り方、トーン、叫び方…そういう挑戦がすごく楽しかったです!」。
手に入れたものを手離すことから始まった新たなステージ。改めて今年、注目すべき女優といえそうだ。
『エイプリルフールズ』
4月1日(水)全国東宝系にてロードショー
取材・文・写真:黒豆直樹
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