
大内奏
2014年11月20日04時03分
トヨタ自動車は19日、燃料電池車(FCV)「MIRAI(ミライ)」を12月に発売するのを前に、報道陣向けの試乗会を開いた。「持てる技術を全て投入した」とする次世代エコカーはどんなクルマなのか。記者が世界初の市販FCVの走りを体感した。
案内役のトヨタの社員に促されて運転席に座る。ハンドルやアクセルなどの場所はガソリン車とほぼ同じ。電源スイッチを押し、いよいよ出発だ。
エンジンで走るガソリン車と違い、FCVは大気中の酸素と燃料の水素を反応させてできた電気でモーターを回して走る。電池が作動しても、おなじみの振動や音はない。ブレーキを離すとそろりと動き出した。
アクセルを踏みこむと、体がシートに押しつけられるように急加速し始めた。「ヒュイーン」。静かだった室内に、発電のために空気を取り込む音が響く。わずか数秒で時速60キロに到達。普段は時速40キロまでしか出してはいけないというこの試乗コース、慌ててアクセルから足を離した。発進時の加速力はレース用の3・5リットル車並みという。窓ガラスを二重にしたりして、風を切る音などを聞こえにくくしている。静かでついついスピードを出してしまいそうだ。
コース3周(計4キロ)の試乗を終えた。スタート地点に戻り、「H2O」スイッチを押す。FCVは排ガスは出ないが、酸素と水素が結びついて水ができる。たまった水は走行中、定期的に捨てられるが、このスイッチで排出することも可能だ。うっかり自宅のガレージをぬらさずに済む。4キロ走ってできる水は240ミリリットルで、缶コーヒー1本程度。「シュー」。後輪近くの底部にある排水口から、勢いよく水が飛び出した。
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