JazzやBluesなどでよくレイドバック(Laid Back)という言葉が出てきます。
今回はそのレイドバックをマスターしてみましょう。
「やってみたいけどどうすればいいのかよくわからない・・・」という初心者向けに簡単に解説したいと思います。
レイドバックそのものは「くつろいだ」とか「のんびりした」というような意味です。
アドリブなどでレイドバックというと、インテンポではなく、少しもたったようなリズムで演奏することを指します。
あまりアップテンポな曲よりも、ミディアムからスローな曲の場合に使われることが多いでしょう。
言葉では説明しづらいので例を見てみましょう。
このようなフレーズをインテンポで譜面通り弾くとこのようになります。
これをレイドバックさせてみましょう。
これはほんの一例です。
いろんなレイドバックのさせかたがあり、どれが正解ということはありません。
このレイドバックはできる人にとってはなんてことないのかもしれませんが、初心者にはなかなか難しいものです。
できる人に聞いても「感覚で・・・」とか「センスで・・・」などと言われて、ちゃんと説明してもらえないことのほうが多いのではないでしょうか。
そこで今回は「感覚」「センス」などというあやふやなものではなく、初心者でもすぐ実践できるように簡単な方法を解説したいと思います。
まずコツとしては「3連符」を感じるところから始めます。
このリズムを常に意識しておきましょう。
こんなフレーズも・・・
このように3連符を感じておくというのがポイントです。
そしてこのように3連符の中のどこかの位置に音符をずらし、レイドバックさせようというのが今回の主旨です。
「感覚でずらす」のではなく「3連符上でずらす」と決めればとても簡単です。
では先ほどのフレーズを例にレイドバックさせてみましょう。
2小節めが先ほどのフレーズです。
譜面通りインテンポで弾くとこのようになります。
これを3連符上で少し後ろにずらしてみましょう。
ドとレを3連符1つぶん、そしてミは3連符2つぶん後ろにずらしてみました。
3連符のどこかにハマる形でずらしているので、とてもわかりやすいと思います。
このように3連符上でずらすと決めていれば、感覚とかセンスなどというそんなあやふやなものは必要ありません。
この方法なら打ち込みでもとても簡単にレイドバックさせることができます。
グリッドを3連符にして、それに合わせてずらすだけです。
では実際の例をいくつか見てみましょう。
もっともシンプルな例です。
このように、アタマの音だけを三連符の1つぶん遅らせるのはよくあるパターンです。
下段はアタマをレイドバックさせたリズムで記譜してありますが、あくまでも上段の譜面を見て下段のように演奏するということです。
最初から下段のように記譜してあり、そのまま弾くならインテンポで譜面通り弾いただけということになるので、それはレイドバックとは言えません。
これも2小節めのアタマの音だけを3連符1つぶん遅らせたパターンです。
これも簡単で使いやすいと思います。
これは、3拍めと4拍めの4分音符をそれぞれ3連符1つぶん遅らせてあります。
2小節めのアタマはインテンポにしてありますが、もちろん遅らせてもかまいません。
1小節めの3拍めから2小節めまで少しずつ遅らせてみました。
今までの例よりかなりレイドバックしているように聞こえるのではないでしょうか。
遅らせる音符が多いほど強くレイドバックしているように感じるはずです。
これは遅らせる音符を少しずつ増やしてみた例です。
2番めより3番めのほうがよりレイドバックしているように感じるのではないでしょうか。
ここまでは「もともと3連系のリズムのフレーズを3連符上でずらす」ということをやってきましたが、このようにもともとが8ビートでもずらし方は同じです。
ではこの例では、元の譜面を見ながらレイドバックしたフレーズを聞いてみてください。
どのようにずらしたかわかったでしょうか。
このように2小節めの3拍めから少しずつずらしてありました。
しかし3小節めの最初の「ソ」の音は元の譜面と同じでアタマにしています。
そこからまた遅れていきます。
このように8ビートでも3連符上で遅らせると、ちゃんとレイドバックしているように聞こえます。
どの音符をどのようにずらすのかは自由ですが、3連符上でずらせば適当にやってもそれっぽくはなるので考えすぎる必要はありません。
ここまではアドリブっぽいフレーズでやってきましたが、歌メロにもこの方法は使えます。
たとえばこのようなメロがあったとしましょう。
これを少しレイドバックさせてみましょう。
よく聞く感じではないでしょうか。
どちらかというと演歌などに多いかもしれませんね。
しかしPopsなどにもじゅうぶん使えるので、ぜひ試してみてください。
今の例はこのようなリズムになっていました。
これまでと同じく3連符上で少し遅らせてあります。
譜面だけ見るととてもややこしいことをやっているようですが、3連符上でずらしてあるだけで、全く難しいことはしていません。
初心者には少しハードルの高いレイドバックについて解説してきました。
コツは元がどのようなリズムでも3連符を想定し、その上でずらすことです。
DTMなどに使うと打ち込みっぽさが少し緩和されるので、生っぽく聞かせたい場合などにはとても効果的です。
もちろん優れたプレイヤーは3連符だけでずらしているわけではなく、もっと微妙なニュアンスを使ってレイドバックさせています。
しかし初心者の入り口としては、3連符を使う方法がもっとも簡単でそれっぽく聞こえるのでおすすめです。
慣れたらもっと微妙なレイドバックに挑戦してみてください。
今回は3連符上でずらしましたが、6連符上だともっといろんなニュアンスが出せるはずです。
今回の解説動画はこちら↓
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