米国最大の自動車メーカーゼネラルモーターズ の旧本社 デトロイト (英語 :Detroit [dɨˈtrɔɪt] 現地発音 :[ˈdiːtrɔɪt] )、正式にはデトロイト市 (デトロイトし英 :the City of Detroit )は、アメリカ合衆国 ミシガン州 ウェイン郡 の都市 。南北をエリー湖 とヒューロン湖 に挟まれており、デトロイト川 を挟んで東はカナダ のウィンザー市 に接し、市の中央に位置するハイランドパーク市 (英語版 ) とハムトラムク市 (英語版 ) を囲む。米国中西部 有数の世界都市 である。かつては自動車産業 で栄え、「自動車 の街」(モーターシティ)とも呼ばれる米国の自動車産業 の中心地である。また近年ではスタートアップ企業・次世代自動車(電気自動車 、水素自動車 など)産業・ロボット産業・医療産業などが盛んとなっている。
また失業率 ・貧困率 が高く、犯罪都市 としても知られていたが、2020年以降の犯罪率は依然高い水準にあるものの、ワースト10から脱却している年もある[要出典 ] 。
国勢調査 における人口 は、2020年 は約64万人(全米27位)で、ピーク時である1950年 の約185万人(全米5位)から約121万人も減少しており、その後も減少傾向が続いている。デトロイトの都市圏(大都市統計地域:MSA )の人口は約373万人(全米12位)、フリント などを含めた広域都市圏(合同統計地域:CSA )の人口は約439万人(全米14位)となっている。
1701年 7月24日にフランス の探検家アントワーヌ・ド・ラ・モト・カディヤック (英語版 ) がフォート・デトロイトを築いたのが始まりとされる。名称はフランス語 で「水道 」を意味する「ル・デトロワ(Le Détroit )」に由来し、セントクレア湖とエリー湖 をデトロイト川 が結んでいる同地の地形から名付けられた。
1805年 の大火の後に計画都市 としてオーガスタス・ウッドワード (英語版 ) 裁判官によって都市が設計 され、その後ピーター・シャルル・ランファン へと引き継がれる。元々馬車 ・自転車 製造が盛んだったが、1899年 に自動車工業 が興る。
そして1903年 にヘンリー・フォード が量産 型の自動車工場を建設し、「T型フォード 」のヒットとともにアメリカで一番の自動車 工業都市として発展した。後にゼネラルモーターズとクライスラー が創業し、フォード・モーター と共にビッグスリー と呼ばれた。パッカード などそれ以外の自動車メーカーもあって市はモーターシティ(モータウン )と呼ばれるようになり、全盛期には180万の人口を数えたが、その半数が自動車産業に関わっていた。
デトロイト暴動 (1967年7月23日)デトロイトの繁栄を支えた要素の1つとして南部から移住してきた多くのアフリカ系アメリカ人 労働者の存在があった。彼らの多くは低賃金の仕事のみを許され、ゾーニング によってスラム と認定された地域に押し込められていた。しかし、1948年 に行われたシェリー対クレーマー事件の最高裁判所の判決によって白人の居住地域から黒人を締め出すことが憲法違反 とされたことから、反発を受けながらもデトロイトの黒人居住区は拡大を始め、対してホワイト・フライト と呼ばれる白人の郊外 への脱出現象が出現する[ 2] 。同時期に自動車産業も郊外 へと移転が行われるようになり、デトロイトは1948年から20年の間に13万人の雇用を失った[ 2] 。
1967年 7月にアフリカ系アメリカ人による大規模なデトロイト暴動 が市内で発生して多数の死傷者を出し、ホワイト・フライトは加速した[ 2] 。1970年代 頃から安価・安全・コストパフォーマンス に優れた日本車 の台頭により自動車産業が深刻な打撃を受けると、企業は社員を大量解雇 し、下請けなどの関連企業は倒産 が相次いで市街地 の人口流出が深刻となった。同時にダウンタウン には浮浪者 が溢れ、治安 悪化が進んだ(インナーシティ 問題と呼ばれる)。
この様な状況を見て、1970年代 にはダウンタウン周辺に高層ビル・コンプレックス「ルネサンス・センター 」(GM 本社がテナント に入った)を建設したが好転せず、日本 がバブル を謳歌していた頃、特に市況 はどん底に陥っていた。その頃には、中国人の移民の若者ビンセント・チン が、反日感情 を高ぶらせた白人失業者に日本人と間違えられて殺害されるという事件も発生した(デトロイト大都市圏における日本人の歴史 、ジャパンバッシング も参照)。
事態を重く見た市は、1990年 頃から大規模な摩天楼 が林立するルネサンス・センターをシンボル に都市再生を目指し、ダウンタウンには新交通システム (英 :People mover - ピープルムーバー)が設けられている。日本総領事館 も、邦人 から治安のいい郊外に設置するよう強い希望があったが、デトロイト市行政当局の運動に協力する意味合いを含めて市街地に設置した経緯がある。また、自動車以外の産業を育てるべく、映画産業 の振興も行った[ 3] 。
だが、限られた街区 を更地にして巨大オフィスビル群を建設するルネサンス・センターの手法は、周囲の荒廃した地域に及ぼす波及効果が低く、都市再生 の手法としてはあまり成功していない。依然としてダウンタウン周辺の空洞化 は続いており、ダウンタウンには駐車場 や空地 、全くテナントのいない高層ビル も多く、具体的な解決を見ていない。また、富裕層 は郊外に移住して貧賤な層が取り残され、治安の改善もあまり進んでいないのが現状である。荒廃した地域では一戸建ての住宅 が1ドルで販売されているところもある。
2008年 のリーマン・ショック 後の金融危機でゼネラルモーターズ とクライスラー が破綻に追い込まれたが、その後経営状態は回復した。しかし、いずれの自動車会社も経営改善を進める中で生産設備の海外移転が進み、これら自動車会社の先導によるデトロイトの再開発は困難となった[ 3] 。
世界5大モーターショー の1つである北米国際オートショー の伝統的な開催地となっている他、自動車の殿堂 のヘンリー・フォード・ミュージアム を初めとする自動車関連の博物館 など、デトロイトが依然として全米随一のモーターシティー であることには変わりないが、市当局が産業構造の変革を模索しているのも事実である。
なお、2011年 あたりから他業種の研究機関 などもミシガン州 を中心に進出が相次ぐなど、全米の他都市と比較しても経済状況は回復しつつあり、2011年 の1月から2月の間に失業率が約1パーセント減少するなどしている。それだけに、市は治安で特にインナーシティの環境改善が急務であり、1920年代 に建設されて荒廃したままになっているビル群の再開発 ・再利用・郊外企業のダウンタウンへの移転などに取り組んでいた。
2013年 3月にリック・スナイダー州知事 はデトロイト市が債務超過の状態にあることからその財政危機を宣言し、緊急財務管理者を任命した。それに伴い、同年6月にスタンダード&プアーズ は財政破綻の懸念からデトロイト市の格付けをCCCマイナス、見通しをネガティブに引き下げた[ 4] 。
2013年 7月18日 に財政破綻 の声明を発表し、ミシガン州 の連邦地方裁判所 に連邦倒産法 第9章適用を申請した。負債総額は180億ドル(約1兆8000億円)を超えるとみられ、財政破綻した自治体の負債総額で2013年当時において全米一となった[ 5] [ 6] [ 7] [ 8] [ 9] [ 10] 。
市の発表している統計では子供の6割が貧困生活を強いられており、市民の半分が読み書きもできず、市内の住宅の3分の1が廃墟又は空き部屋となっており、市民の失業率(U3[ 注 1] )は18パーセントに達する。また、警官が通報を受けて現場に到着する平均時間は、人手不足のために58分かかる[ 11] 。
なお、デトロイト含めたミシガン州の自動車産業が没落したのは、海外だけでなく、国内との競争が熾烈化し、膠着していたミシガン州及びデトロイト市の制度及び相対的に高額な人件費が敬遠された理由もある。企業誘致への優遇制度をとっていたケンタッキー州 (トヨタ自動車 など)、サウスカロライナ州 (BMWなど)などでは外資系自動車産業の誘致に成功しており、経済発展に大きく貢献した。
2013年の経営破綻から数年後、2018年でのデトロイトの失業率は7パーセント台にまで回復するなど景気が回復しており、また、全米各地から労働人口が流入している。スラム化したダウンタウンには活気が戻り、空洞化したオフィスビルには人が出入りしてオフィス占有率は90パーセント台まで回復し、激減した市域人口も下げ止まりした。下落した地価を逆手に取って、安い賃金を武器に積極的なスタートアップ企業やエンターテイメント産業を誘致した結果である。
また、多くの市民もデトロイトの再興を実感し始めており、雇用者は増大して生活水準も大幅に改善されている。デルタ航空 がハブ空港 を置き、Q LINEという路面電車(LRT)も稼働開始した。ウォーターフロント地区の再開発を皮切りに、スポーツやカルチャーに新たな資金が投入されている。その一方で急激に変化した地価、家賃、郊外に居留まる富裕層を呼び戻す動線、公共交通網の不足など課題も山積みの状態である。[ 12] [ 13]
また、主要産業の一角であって自動車産業も「国内の雇用回復」をモットーとしたドナルド・トランプ の経済政策により、メキシコなどへの工場の海外流出が阻止された一方で、国内工場誘致に対する優遇制度、企業法人税などの減税により、フィアット・クライスラー 、ゼネラル・モーターズ 、フォード・モーター ともどもデトロイト近郊の工場の雇用拡大を実施することが実現し、数千人単位の雇用が戻った。フォード創業家会長は北アメリカオートショーにて「デトロイトは、カムバックした街の仲間入りを果たした」と宣言しているなど、回復が見られている。[ 14] また、それに付随して産業用ロボット などのロボット産業が盛んとなっており、ABB 、川崎重工 [ 15] 、ファナック [ 16] などが研究開発、製造拠点を置くなど、全米最大規模のロボット産業都市となっている。
また、2020年以後は電気自動車 、水素自動車 など次世代自動車の研究、開発も盛んになっており、GMが近郊に電気自動車の開発拠点を設けたほか、道路から充電する電気バスを市街地で試験走行するなどの試みもある。
アメリカ航空宇宙局 (NASA)のランドサット7号(LANDSAT-7)が観測したデトロイトの衛星イメージアメリカ合衆国統計局 によると、この都市は総面積370.2km2 (142.9mi2 )である。このうち359.4km2 (138.8mi2 )が陸地で10.8km2 (4.2mi2 )が水地域である。総面積の2.92%が水地域となっている。
デトロイトはメトロ・デトロイトと東南ミシガン地方の主要都市である。デトロイトで最も高い標高 は670フィート(204m)で、大学地区の北西部デトロイトである。逆に、最も低い標高は河岸地域で、579フィート(176m)である。東にはデトロイト川 を隔ててカナダのオンタリオ州ウィンザー があり、デトロイトは主要都市のなかでカナダとの国境に接する唯一の都市である。
同市はハムトラミックとハイランド・パークを内包しており、北東の都市境にはグロス・ポイントがある。ワイアンドット 国立野生動物保護区はアメリカ合衆国で唯一の国際野生動物保護区である。保護区には、デトロイト川と西エリー湖の湖岸線48マイル(77km)に沿って島 、沿岸 の湿地 、沼地 、浅瀬 帯、ウォーターフロント の地域が含まれている。
3つのフランス式大通り がデトロイトの道路 網を交差している。ワシントンD.C. から影響された放射大通り とオハイオ川北西部 の道路網をなす東西を結ぶ大通りである。カナダのウィンザーへの交通網は4つあり、そのうち2つの自動車道でアンバサダー・ブリッジとデトロイト・ウィンザー・トンネルがある。鉄道網ではミシガン・セントラル鉄道 (英語版 ) のトンネルがデトロイト川 の下を通っており、残りはデトロイト・ウィンザー・トラック・フェリーによる海路である。フェリー の乗り場は、ウィンザー・ソルト・マインとツーク島である[ 17] 。
ケッペンの気候区分 では亜寒帯湿潤気候 (Dfa)に属する。
デトロイト・メトロポリタン国際空港 (1981–2010年、極値1874年- )の気候月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 年 最高気温記録°C (°F ) 19 (67) 21 (70) 30 (86) 32 (89) 35 (95) 40 (104) 41 (105) 40 (104) 38 (100) 33 (92) 27 (81) 21 (69) 41 (105) 平均最高気温°C (°F ) 0 (32.0) 1.8 (35.2) 7.7 (45.8) 15.1 (59.1) 21.1 (69.9) 26.3 (79.3) 28.6 (83.4) 27.4 (81.4) 23.3 (74.0) 16.4 (61.6) 9.3 (48.8) 2.3 (36.1) 15 (59.0) 平均最低気温°C (°F ) −7.2 (19.1) −6.1 (21.0) −1.9 (28.6) 4.1 (39.4) 9.7 (49.4) 15.3 (59.5) 17.7 (63.9) 17 (62.6) 12.6 (54.7) 6.3 (43.3) 1.3 (34.3) −4.4 (24.1) 5.4 (41.8) 最低気温記録°C (°F ) −29 (−21) −29 (−20) −20 (−4) −13 (8) −4 (25) 2 (36) 6 (42) 3 (38) −2 (29) −8 (17) −18 (0) −24 (−11) −29 (−21) 降水量 mm (inch)49.8 (1.96) 51.3 (2.02) 57.9 (2.28) 73.7 (2.90) 85.9 (3.38) 89.4 (3.52) 85.6 (3.37) 76.2 (3.00) 83.1 (3.27) 64 (2.52) 70.9 (2.79) 62.5 (2.46) 850.1 (33.47) 降雪量 cm (inch)31.8 (12.5) 25.9 (10.2) 17.5 (6.9) 4.3 (1.7) — 0 (0) 0 (0) 0 (0) 0 (0) 0.3 (0.1) 3.8 (1.5) 24.4 (9.6) 108 (42.5) 平均降水日数(≥0.01 in) 13.1 10.6 11.7 12.2 12.1 10.2 10.4 9.6 9.5 9.8 11.6 13.7 134.5 平均降雪日数(≥0.1 in) 10.4 8.3 5.4 1.6 0 0 0 0 0 0.2 2.3 8.5 36.7 % 湿度 74.7 72.5 70.0 66.0 65.3 67.3 68.5 71.5 73.4 71.6 74.6 76.7 71.0 平均月間日照時間 119.9 138.3 184.9 217.0 275.9 301.8 317.0 283.5 227.6 176.0 106.3 87.7 2,435.9 日照率 41 47 50 54 61 66 69 66 61 51 36 31 55 出典:NOAA (relative humidity and sun 1961–1990)[ 18] [ 19] [ 20]
1942年のデトロイトのウッドワード・アヴェニュー デトロイト・ダウンタウンの夜景 デトロイトの全景において、ウォーターフロントは様々な建築構造のスタイルを垣間見ることができる。現代的なネオゴシック スタイルで設計されたワン・デトロイト・センターのコメリカ・タワーは、同市に所在するアール・デコ スタイルの超高層ビルに調和するように設計された。コメリカ・タワーは、ゼネラルモーターズ 本社であるルネサンス・センター と共に特徴的な景観を形成している。
デトロイトでアール・デコスタイルを採用した超高層ビルは、有名なフィッシャー・ ビルディングルを始め、ガーディアン・ビルディング(ユニオン・トラスト)、ペノウスコット・ビルディング、キャデラック・プレイスがある。
市内の中で、突出した構造をもつ建造物は、デトロイト美術館 、デトロイト・オペラ・ハウス、国内最大のフォックス・シアターがある。
超高層ビルはダウンタウンのニューセンター地域に集中しており、都市近郊の大部分は低階層建造物と一戸建の住宅からなっている。都市中心から外側に高層住宅がウッドワードの西からパーマー・パークとグロス・ポイントの方向に向かって建設されている。
デトロイトの地域 デトロイトには警察署の管轄区、学区、選挙区などはあるが、厳格な意味での行政区画は存在しない。デトロイト川沿岸からウッドワード通りに沿って北へ広がるダウンタウン、ミッドタウン、新センター、ノースエンド。ハムトラミック とハイランドパーク に遮られた向こう側のパルマーパーク。その東西両側に広がるイーストサイドとウェストサイド。そしてダウンタウンの東から伸びるジェファーソン通り沿いのジェファーソン回廊とフォート通りに沿って南西方向に突き出したサウスウエストに分かれる。
就業者数で言うと1位:公立学校、2位:市役所、3位と4位が病院、5位:アメリカ合衆国連邦政府 、6位:ブルークロス・ブルーシールド協会 (保険会社の連合体)、7位:ウェイン州立大学 、8位:ミシガン州政府であり(9位:GM、10位:クライスラー)経済が崩壊状態であることがわかる[ 21] [ 22] [ 23] [ 24] 。
デトロイトは大きなカルデア人 住民及びこの国で最大のアラブ系アメリカ人 (英語版 ) コミュニティーの本拠地でもある。最近、この地域はアジア系アメリカ人 (ミャオ族 の支族であるモン人 が帰化したモン人系アメリカ人 (英語版 ) )及びヒスパニック ・コミュニティーが成長していると確認された。この都市の南西部側は大きなメキシコ系アメリカ人 コミュニティーが含まれる。クリント・イーストウッド が監督・プロデューサー・主演をつとめた2008年のアメリカ映画『グラン・トリノ 』(Gran Torino)は、このモン人系アメリカ人・コミュニティーを描いている。
デトロイト市内の人口の8割を黒人 が占める。その多くが、自動車産業関連の職を求めて南部から移住してきた人とその子孫である(アフリカ系アメリカ人の大移動 )。一方、白人の多くは郊外 の衛星都市 に住んでいる。郊外の衛星都市 の住民は9割以上を白人が占めている。
アメリカで最も治安が悪いと言われているデトロイト市内に比べて、郊外の衛星都市 には裕福な人々が多く住んでおり、治安は非常に良く対照的である。衛星都市に住む住民は治安の悪いデトロイト市内に入ること無しに生活が成り立っており、デトロイト市内の空洞化 に拍車をかけ、空き地や巨大廃墟ビル が多く見受けられる。長期の傾向としては人口減少が続いており、2020年においては1950年のピーク時から約65.4%減となっている。
高い犯罪 発生率、失業率 、そして貧困 率といった状況が労働力 を流出させ、人口減少に繋がっている[ 3] 。
デトロイト市 年代ごとの人口推移 [1] [ 25] 統計年 人口 順位 1840年 9,102人 40位 1850年 21,019人 30位 1860年 45,619人 19位 1870年 79,577人 18位 1880年 116,340人 18位 1890年 205,876人 15位 1900年 285,704人 13位 1910年 465,766人 9位 1920年 993,078人 4位 1930年 1,568,662人 4位 1940年 1,623,452人 4位 1950年 1,849,568人 5位 1960年 1,670,144人 5位 1970年 1,511,482人 5位 1980年 1,203,339人 6位 1990年 1,027,974人 7位 2000年 951,270人 10位 2010年 713,777人 18位 2020年 639,111人 27位
以下は2000年国勢調査 における人口統計データである。
基礎データ 人口:951,270人 世帯数:336,428世帯 家族数:218,341家族 人口密度 :6,855.1人/mi2 (2,646.7人/km2 )住居数:375,096軒 住居密度:2,703.0軒/mi2 (1,043.6軒/km2 ) 人種別人口構成 年齢別人口構成 18歳未満:31.1% 18-24歳:9.7% 25-44歳:29.5% 45-64歳:19.3% 65歳以上:10.4% 年齢の中央値:31歳 性比(女性100人あたり男性の人口) 世帯と家族(対世帯数) 18歳未満の子供がいる:33.9% 結婚・同居している夫婦 :26.7% 未婚・離別・死別女性が世帯主:31.6% 非家族世帯:35.1% 単身世帯:29.7% 65歳以上の老人1人暮らし:9.2% 平均構成人数 収入と家計 収入の中央値世帯:29,526米ドル 家族:33,853米ドル 性別 人口1人当たりの収入:14,717米ドル 貧困線 以下対人口:26.1 % 対家族数:21.7 % 18歳未満:34.5 % 65歳以上:18.6 %
上述したとおりデトロイトの治安 は名実ともに悪い事で知られており、全米100大都市での犯罪発生率は最悪である。2008年には、人口10万人あたり1,220件の暴力事件が発生している。2009年、『フォーブス 』が「アメリカで最も危険な街」と名指ししたほか、2010年にはCNN が「世界の治安ワースト10都市」の1つに選んだ[ 27] 。2012年 に発表されたFBI の統計では、人口1,000人当たりの暴力的犯罪件数は21.4件で、全米2位(1位は近隣のフリント市 )、殺人 件数は344件に及んだ[ 28] 。2013年当時のミシガン州 知事、リック・スナイダー (英語版 ) は、デトロイトの財政破綻に関連して「財政に持続可能性はなく、治安の悪化にも歯止めがかからない現状を踏まえると、デトロイト市は崩壊していると言える」と語っている[ 29] 。
ゼネラル・モーターズが破綻した際には、総額6,900万ドルの失業対策及び、警察官 の雇用費用が打ち出された[ 3] 。
デトロイト市をサービスしている主要日刊紙 はDetroit Free Press 及びDetroit News である。他のデトロイトの新聞は週刊The Metro Timesである。デトロイト市はこの州で最大なアフリカン・アメリカン所有新聞、週刊Michigan Chronicle、及びアフリカン・アメリカン読者向けの他の新聞、Michigan Citizenの本拠地でもある。
デトロイト市のテレビジョン市場はアメリカ合衆国内で11番目に最大である[2] 。デトロイトから放送している多くのテレビジョン放送局 はほぼすべてのデトロイトを本拠地としている放送局の送信施設がある、サウスフィールド にスタジオを所有している。デトロイトから放送している放送局はWJBK (Fox )、WDIV-TV (NBC )、WXYZ (ABC )(広島ホームテレビ (テレビ朝日系)と姉妹局提携)、及びWWJ-TV (CBS ) が含まれる。他のデトロイト大都市圏のテレビジョン放送局はWMYD (My )、WKBD (CW )、WPXD-TV (Pax TV )及びWADL-TV (主要なインフォマーシャル放送)が含まれる。WTVS はこの都市のPBS 会員局である。デトロイトの人々は Windsor 内を本拠地としているCBCテレビジョン 系列、CBET Ch. 9からの放送波も受信できる。視聴者の場所によってはTVOntario 、CTV 及びSRC ネットワークも受信できる。コムキャスト はこの都市向けにケーブルTVを提供している。
デトロイトはまた多様なラジオ放送局 によってサービスされている。主要なAM 放送局はWJR 760(ニュース/トーク)、WWJ 950(ニュース)、CKLW (カナダの一般的なトーク)及びWDFN 1130(スポーツ)である。いくつかのFM 放送局はWNIC 100.3(複合ジャンル)、WJLB 97.9(アーバンコンテンポラリー)、WMXD(アーバンアダルトコンテンポラリー)、及びWOMC 104.3(オールディーズ)が含まれる。WDET 101.9はこの都市のNPR 放送局である。WUOM 91.7及びWEMU 89.1は地域 NPR 系列でもあるWDET。Windsor ラジオ放送局CIMX 88.7及びCBC 89.9 はデトロイト地域でも聞く事ができる。
デトロイト交響楽団 が市内のマックス・F・フィッシャー・ミュージック・センターに本拠を置いている。このオーケストラは、ポール・パレー が音楽監督をつとめた1951年から1962年と、アンタル・ドラティ の音楽監督をつとめた1977年から1981年に飛躍的な発展を遂げ、アメリカ十大オーケストラのひとつに数えられ、大量の録音によって世界的な名声を博した。現在の音楽監督はレナード・スラットキン である。
モータウンミュージック の発祥の地である[ 30] 。
デトロイトは北米で4つの主要なスポーツを代表するプロフェッショナルチームの本拠地である。
デトロイト・タイガースの本拠地コメリカパークの三塁側後方に隣接するフォード・フィールドは、デトロイト・ライオンズのホームスタジアムである。 1982年から1988年まで、先述のルネッサンス・センターを中心とした市街地を利用して、F1 が開催された。F1は一つの国で一開催という原則があるが、アメリカは国土が広いことから一時期複数回のF1が開催されており、「アメリカ東GP」(「アメリカ西GP」はカリフォルニア州のロングビーチ 市街地)または「デトロイトGP」という名称が用いられた。また1989年から1992年まで、インディカー・シリーズ (当時はCART として)が、同じコースで開催されている。CART(チャンプカー)はその後、ベルアイル島Belle Isle に開催の舞台を移し、2001年までCARTのレースとして開催。2007年からはインディカー(IRL)のレースとして開催されている(なお、インディカーとチャンプカーは1996年から2007年までの12年間分裂状態にあった)。なお、シルベスター・スタローン 監督のカーレースをテーマにした映画「ドリヴン 」では、このベルアイル島のCARTレースの模様が映画のシーンに用いられている。メインスポンサーであるゼネラル・モーターズの経営不振により、2008年から2011年までは開催が見送られていたが、2012年にインディカー・シリーズのカレンダーに復活した。
無制限の水上滑走艇ボートレース APBA ゴールドカップは1990年以来毎年デトロイトで開催される。このレースはBelle Isle 近くのデトロイト川で開催される。
コメリカ・パークは2005年7月12日の2005年のMLBオールスターゲーム の開催地となり、フォード・フィールドは2006年2月5日の第40回スーパーボウル の開催地となる。
また、デトロイトは1944年大会 、1952年大会 、1956年大会 、1960年大会 、1964年大会 、1968年大会 、及び1972年大会 と、過去7回オリンピックの開催都市に立候補した(いずれも落選)。
デトロイト市は I-75、I-94、I-96、I-696、I-275、及びI-375を含む、6つの主要な州間高速道路 が交わっている。
シカゴ -ポンティアック 間を結ぶアムトラック のデトロイト駅 (ミシガン・セントラル駅 とは異なる)が存在する。
デトロイト市の輸送機関サービスはデトロイト市交通局 (Detroit Department of Transportation 略:DDOT)によって提供されている。デトロイト交通局は路線バスと障害者向けのパラトランジットサービスを直営で行っている。なお、デトロイト市を含むデトロイト大都市圏の4つの郡が共同で地域交通局(Suburban Mobility Authority for Regional Transportation 略:SMART)を運営しており、そのバスもデトロイト市内に乗り入れている。
ダウンタウンには4.7kmのループ状のライトレールがあり、「デトロイト・ピープル・ムーバー (英語版 ) 」として知られる。全線高架式でリニアモーター で駆動する。
2017年、路面電車のQLine (英語版 ) が開業した。
デトロイト市はいくつかの都市と姉妹都市 の提携をしている。このうち、豊田、トリノはそれぞれトヨタ自動車 、フィアット の本拠地であり、自動車工業の街として知られている。
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注: 順位は2020年国勢調査時の市域人口による。50州およびコロンビア特別区の都市のみを含む。 ウィキポータル :北アメリカ -ウィキプロジェクト :アメリカ合衆国