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連れ連れなるままに大切な人や物・・・出来事について

by usa

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2006年 03月 07日

覚悟のいるやらなくてはならない事・・・
Mr.Leeは、心が決められなくて、迷いの中にいた。
薄闇の中、自問自答してみる。
愛するJをこの自分と同じ血を分け合う運命へと、連れ込んでしまってよいのか？
純血種ではない半ヴァンパイア・・・
けれど、血を必要としてしまうこの身体・・・
不老不死ではないが、人よりは永らえるこの命。
いつの日にかJと別れの時がやって来る・・・
それが、僕には耐えられるのか？
いや、Jのいない世界などありえない！！
それは、考えただけでも凍りついてしまいそうな世界だった。
色の無い、閉ざされた世界！
ならば、その日の訪れと共に、Jと一緒にこの命を絶つ以外には考えられない・・・
一日でも長くこの微笑に包まれていたい・・・
そして、半ヴァンパイアとはいえ、ヴァンパイアの王家の血引く、僕の背負っているもの。
いつの日にか、僕とJの愛する子供に恵まれるのならば、やはり、その子も僕と同じ運命を背負う事になるのだと思うと、胸が痛んだ。
そして、Jも苦しむだろう・・・
しかし、僕は、Jと共に生きることを選んだんだ！
父、アシュレーが母、リナと結ばれたことで僕は生まれた。
それが、僕の運命・・・
現代はヴァンパイアといえども、昔のような生き方とは全く異なる生活だが、まだ、闇の世界に隠れ潜む輩も存在はしている。
それを、ヴァンパイアの王であるお爺様が目を光らせているお蔭で、人間との間にこれといった取りざたは見られなかった。ただ、人より少し、血液銀行のお世話になる事が多いことくらいだろう。
そして、いずれ、その跡目を継がなければならない時が来る・・・
僕には責任がある・・・




Mr.Leeは、我が胸で子供のように安心して抱かれている、J姫の寝顔に見入っていた。
「J、起きて・・・」
「聞いて欲しい事があるんだ・・・」
「う～ん、Lee・・・」
「・・・何？」
J姫は、まだ、まどろみの中にいた。
焦点の定まらない瞳でMr.Leeをぼんやりと見つめている。
愛されすぎた余韻が彼女を包んで離さないのだろう・・・
（駄目だ。今は。）
「J、いいや、何でもない。」
「安心しておやすみ。僕はこここにいるから。」
Mr.Leeは、そっと、J姫を抱きしめ、その白い華奢な喉下を見つめながら・・・
僕にこの美しい陶器のように白く華奢な、愛するJの喉下に牙を立てるなんて事が、果たして、出来るのだろうか？
いや、僕は、未来永劫Jだけを愛する事には、誰にも負けない自信があった。
守ってみせる！！必ず！
だから、やはり、運命を共に生きてゆきたいと強く願った。
血の交わりがなければ、Jは人としての時間を生きる。
そして、僕はヴァンパイアとしての時間を・・・
J、お願いだ・・・僕と運命を共に・・・
Mr.Leeは、Jの望むようにと祈った・・・
J次第という逃げに入ったのではない！
誰より大切に思うから、Jの気持ちを何より優先したかっただけだった。
それが、J姫を苦しめる事になるなんて思いもせずに・・・