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うろたどな

"These fragments I have shored against my ruins."

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翻訳語考

One of Xs という言い回しは、単数複数を区別する西洋語特有のものであり、日本語には上手く移し替えられないものであるように感じていた。 たとえば、I’m one of the witnesses のようなセンテンスを、「わたしは目撃者のひとりです」とするのは、正確では…

はてなブックマーク - 翻訳語考。ワン・ノブ・ゼムの訳し方、または日本語と西洋語の視点の違い。

翻訳語考。Work は「労働」か。Worker は「労働者」か。 バルバラ・カッサンは『ひとつ以上の言語』のなかで、外国語を学ぶ利点のひとつは、母語における単語の連環がけっして普遍的なものではないと気づけることだと述べているけれど、「労働」もそのような…

はてなブックマーク - 翻訳語考。Work は「労働」か。Worker は「労働者」か。

翻訳語考。英語の、ひいては西洋語の3人称は、きわめて平等主義的なところがある。王もボスも父も、友も敵も、子も、現実における上下関係に頓着せず、he/his/him で名指せてしまう。もちろん、王の場合、His Majesty のような敬称的三人称はあるものの、代…

はてなブックマーク - 翻訳語考。英語の三人称の平等性、日本語の三人称のしがらみ。

翻訳語考。作家の書き癖はあるし、それが独特のものであることもめずらしくない。文法的に逸脱気味だったり、一般的に守るべきだとみなされている決まり事を平気で侵犯したり。 たとえばルグィンは、接続詞なしに2つのセンテンスをつなぐ書き方を多用するけ…

はてなブックマーク - 翻訳語考。作家の書き癖を尊重する。

翻訳語考。情報を後付けしていくばかりか、挿入句で奥行きをつける英語のセンテンス構造は、日本語の文章構造とそもそも相性がよくない。だから、原文の意味を取るという点では何の問題もないセンテンスが、翻訳するとなると難物として立ち現れてくる。たと…

はてなブックマーク - 翻訳語考。前置詞と関係詞で挟まれたフレーズの訳し方。

翻訳語考。英語の語順で読むとスッと入ってくるけれど、日本語にすると情報が拡散してしまい、情景が浮かびにくくなることがよくある。たとえば次のようなセンテンス。 He had your boots put where he could see them from his bed until he died. なぜ日本…

はてなブックマーク - 翻訳語考。空間描写、一回的行為、反復的行為の切り分けと置き換え。

翻訳語考。シンプルなワードで書かれたシンプルなセンテンスほど、実は意味がとりづらいし、日本語にするのも難しい。シンプルに書けるのは、その背後には厚いコンテクストがあるから、そこにはさまざまな残響があるからで、それをネイティヴは聞き取り、当…

はてなブックマーク - 翻訳語考。慣用表現ではないシンプルな原文をあたかも慣用表現であるかのように訳す。

翻訳語考。句読点をどう使うかは、訳文を異化するか同化するかの分かれ目でもある。 そもそも、西洋語と近代日本語では、使用する句読点の種類が異なる。コンマ(,)やピリオド(.)なら機械的に読点(、)と句点(。)に置き換えられなくもないが、コロン(…

はてなブックマーク - 翻訳語考。恣意的になりがちな句読点の恣意的すぎない使用法を考える。

翻訳語考。英語話者が「some」と書いているとき、何となく付けたのか、それとも、明確に数を念頭に置いてのことなのか、判断に窮することはめずらしくない。日本語話者がさしたる意味もなく「など」「とか」と言うように some を付け足しただけなのか、単数…

はてなブックマーク - 翻訳語考。Some の曖昧さ、「各地」の曖昧さ。

翻訳語考。最近図書館で見かけてパラッと読んだ本のタイトルに「プレイスメイキング」というフレーズが使われていたのだけれど、この手のカタカナ語はどれだけ一般読者に届くものなのだろう。これと似たところで気になっているのは「コミュニティ・オーガナ…

はてなブックマーク - 翻訳語考。仕方のないカタカナ語(しかしそれでいいのか)。

翻訳語考。the appalling general ignorance of religion というフレーズは、英語の言い回しとして特別に複雑ということはない。 general にどのような訳語を当てるか、ちょっと難しいし、appalling というのも日本語にしにくい。おそらくこの文脈では、gene…

はてなブックマーク - 翻訳語考。語順の問題、または何を基準に語順を決めるか。

翻訳語考。often を「しばしば」とするのは、定訳というよりも、機械的な変換と言ってよいものではないかと思うのだけれど、日本語の文章でそれほどしばしば目にする言い回しでもないような気がする。すくなくとも、自分はあまり使わない表現だ。 にもかかわ…

はてなブックマーク - 翻訳語考。often の機械的置き換えとしての「しばしば」。

翻訳語考。原語よりも日本語のほうが「主義」が強くなる。一般的に「主義」は「ism」の訳語として定着しているが、「ism」ではないのに「主義」と訳される語はすくなからずある。 代表例は「democracy」の「民主主義」だろう。語源となるギリシア語にさかの…

はてなブックマーク - 翻訳語考。「主義」の付加。

翻訳語考。集団生活においてほとんど自然発生的に立ち上がってくるような関係を、単純に権力的なものに転化させないためには、かなり繊細な用語選択が必要であるように思うのだけれど、そうなっていないことが多い。というよりも、西欧語と(近代)日本語の…

はてなブックマーク - 翻訳語考。近代日本語(西欧語の翻訳のための造語)の権威性・権力性

翻訳語考。日本語になりにくい英単語はある。それは英単語の多義性が日本語の考え方とシンクロしない場合に起こりがちである。たとえば justice。 英語の justice は「正義」であると同時に「司法」を意味する。それはたしかに「正しさ」をめぐるものではあ…

はてなブックマーク - 翻訳語考。Just/Justice の翻訳可能性。

翻訳語考。訳語に詰まって辞書を引いていると、思わぬ意味を発見するというか、「えっ、そういう捉え方のほうが大元にあったの?」ということに気がついて、過去の自分の翻訳を思い出して背筋が寒くなることがある。最近そのような経験をしたのは develop 。…

はてなブックマーク - 翻訳語考。develop の discover と create のニュアンス。

翻訳語考。autonomy とその形容詞 autonomous の訳語が意外と難物だ。哲学用語として使うなら「自律」で統一して問題ないと思うけれど、政治の文脈ではむしろ「自治」のほうが適切かもしれない。 しかし日本語の「自治」は安売りされているのではないかとい…

はてなブックマーク - 翻訳語考。autonomy は「自律」か「自治」か。

翻訳語考。カタカナ語として一部では通用しているものの、まだ広く受け入れられているとはいえない語はどうしたものか。それが普及する未来を当て込んでカタカナにするか、現在の読者のために時代遅れになるかもしれないリスクを引き受けて説明的な訳語を当…

はてなブックマーク - 翻訳語考。「コレクティヴ」は許容範囲内か。

翻訳語考。定冠詞の the をどのように意味に反映させるかは、簡単なようで難しい。しかし、ちょっとした変更で意外と反映させられるものでもある。 たとえば、the two suspects というフレーズを最初は「二人の容疑者」と訳していたのだけれど、いま手直しを…

はてなブックマーク - 翻訳語考。定冠詞の the の訳し方。

翻訳語考。Policing をどう訳そうか、悩む。リーダーズには police の動詞形は立項されており、「…に警察を置く; …の治安を維持する, 警備する; 管理[支配]下に置く, 監視[規制]する, 取り締まる」などの意味が記載されている。ネット上にあるプログレッシブ…

はてなブックマーク - 翻訳語考。Policing の行為主体に焦点を当てるか、行為に焦点を当てるか。

翻訳語考。訳し分けが難しい言葉群がある。たとえば local と regional と rural。どれも雑に言えば「地方の」と訳して間違いとは言えないものの、ニュアンスは異なる。それを的確に捕まえてくれる日本語がいまひとつ思いつかない。 このような場合に個人的…

はてなブックマーク - 翻訳語考。訳し分けの難しい単語群(local と rural と regional)。

翻訳語考。英単語の音をカタカナで転写するのは翻訳の放棄ではあるものの、カタカナ語が十分に日本語になっていれば、翻訳者の怠慢とまでは言えない。それに、下手に古臭い日本語にするよりも、カタカナにしたほうがフレッシュで、現代的なニュアンスを強く…

はてなブックマーク - 翻訳語考。「共同体 community」と「コミュニティ community」の微妙なズレ。

翻訳語考。Well-ordered のような単語を日本語にするのは意外と難しい。リーダーズが掲げる日本語は「よく整理(整頓)された、秩序立った」。「well」をどこまで訳出すべきか、やはり考えてしまう。リーダーズの「(整頓)」はそのような逡巡の現われのよう…

はてなブックマーク - 翻訳語考。Well-ordered を「〈よく〉秩序立った」とするのは過剰か。

翻訳語考。Federation を何と訳したものか。 国家形態を意味する語としては「連邦」とするのが妥当だろう。たとえば「ロシア連邦」は「Российская Федерация (Russian Federation)」であるし、「ドイツ連邦共和国」は「Bundesrepublik Deutschland (Federal …

はてなブックマーク - 翻訳語考。Federation を「連邦」で固定できない理由。

翻訳語考。比較級というのは実は厄介なものである。というのも、そこには、明言されていない文脈があり、言外のイメージがあるため、直訳すると言葉足らずになりがちだからだ。 Three more recent examples are worth a mention を「より近年の三例は言及に…

はてなブックマーク - 翻訳語考。厄介な比較級。

翻訳語考。-ist についてもうひとつ。個人的には、形容詞の「-ist」を「イスト」と転写して、あたかも名詞形「-ist」の「~人」のように読ませるのは、翻訳者の傲慢だとは思うけれど、そのようにあえて「誤訳」したほうがわかりやすくなるケースはある。 た…

はてなブックマーク - 翻訳語考。-ist についてさらにもうひとつ。

翻訳語考。以前、-ist は名詞で使えば「~人」で、形容詞で使えば「~的」だが、そのことを十分に意識しないまま -ist をカタカナに転写して済ませるのは問題ではないかと書いたけれど、これはなかなか面白い問題であるような気もしてきた。 つまり、nationa…

はてなブックマーク - 翻訳語考。-ist の問題をもう一度。

翻訳語考。as I will show in this chapter というのは、よく目にする定番フレーズではあるものの、あえて直訳調スタイルの翻訳を実践する身としては、処理に困る言い回しでもある。 もちろん意味としては簡単だ。「わたしがこの章で示すように」と直訳すれ…

はてなブックマーク - 翻訳語考。as I will show in this chapter の訳しにくさ。

翻訳語考。Govern は「統治」で確定だろうとやや安易に思っていたのだけれど、OED を引いてみたら、訳語を考え直すべきかという気もしてきた。 一番の驚きは、govern の最初の意味として挙がっていたのが「統治する」ではなく、ヴィクトリア朝期の小説読者に…

はてなブックマーク - 翻訳語考。「Govern=統治」の再検討。

翻訳語考。Rule of law は「法の支配」でよいのだろうか。ここでは rule の訳語について考えてみたい。 当然ながら、rule を「支配」とすることが誤訳ということはない。ただ、英語には、「支配」の意味をもつ単語はいくつもある。名詞では control、dominat…

はてなブックマーク - 翻訳語考。Rule of law は「法の支配」でよいのだろうか。2。Rule は「支配」でよいのか。
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