スキルアップしたいExcelの自動化からAI(人工知能)の開発まで、Pythonはバランスのよい簡潔さと強力な機能により、初心者から専門家まで幅広く支持されている言語です。
Pythonは人気や需要が高いだけでなく、AIや機械学習、ブロックチェーン技術などの先端技術で盛んに研究が行われていることもあり、利用しているユーザー数が非常に多い傾向にあります。
本記事では、Python初心者に向けて、Pythonで作れるアプリやPythonの基礎、プログラム言語としての特徴などを紹介します。
実際に業務効率を上げられるツールの作成手順も紹介していますので、ぜひ一緒に手を動かしながら読んでみてください。
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まずは、Python初心者でも作れるプログラムを5つ紹介します。紹介するプログラムは次のとおりです。
Pythonで作れる代表的なプログラムのひとつが、Excelの自動化プログラムです。
Excelには、すでにVBAというExcelの作業を自動化できるプログラミング言語が存在しています。しかし、VBAは、処理する量が増えると動作が重くなりやすいです。そこで、Pythonを利用してExcelの処理を自動化した場合、処理にかかる時間を大幅に短縮できる可能性があります。
Pythonを用いてExcel自動化プログラムを作成する場合、すべてのコードを手入力にて行うのもよいでしょう。しかし、Pythonにはさまざまなライブラリが用意されているため、初心者でも簡単に自動化プログラムを作ることができます。
ライブラリとは、いくつかのパッケージをまとめてひとつにしたものです。一方でパッケージとは、いくつかのモジュールをまとめてひとつにしたものです。モジュールは、Pythonファイル一つひとつのことを指しています。
Excel自動化プログラムは、パソコンにExcelをインストールしている人であれば完成後に実際使用できることから、実用性も高いです。
作成中につまずいたとしても、多くの人がWEB上に情報を公開しているため、疑問点を調べれば、問題解決しやすい特徴もあります。
スクレイピングとは、WEBサイト上を自動で巡回し、公開されている任意の情報を自動で収集できるプログラムのことです。
スクレイピングプログラムは、プログラムの構造がシンプルで理解しやすく、Python初心者でも比較的作りやすいプログラムとして有名です。さらに、スクレイピングプログラムにも多くの専用ライブラリが存在しており、それらを利用することでPython初心者でも簡単に作成できます。
WEB上の情報収集は、ジャンルを問わず必要不可欠な作業のひとつです。スクレイピングプログラムを作成できるようになれば、情報収集のやり方や分析方法を習得でき、今後の業務に大いに役立つでしょう。
ただし、WEB上の情報を自動で収集することをよしとしない企業が多いのも事実です。スクレイピングプログラムを使用する際は、対象WEBサイトの利用規約や著作権などに注意しなければなりません。
Pythonを利用した有名なプログラムのひとつが、画像認識プログラムです。
画像認識プログラムは、顔や物品、看板など任意の対象を認識するプログラムのことであり、「顔だと認識したら〇〇をする」といったさまざまな動作につなげられます。
Pythonには画像認識プログラムを作成する際に利用できるライブラリがすでに多数存在しているため、Python初心者でも簡単に作ることが可能です。応用すれば、監視カメラのように顔を検出したら枠線で強調したり、静止画像として保存したりするプログラムも作れるでしょう。
画像認識プログラムには、最先端技術のひとつであるAIが活用されています。そしてAI分野には、「学習」という概念が非常に重要です。そのため、画像認識プログラムの作成を通して、プログラムに学習をさせるという機械学習やディープラーニングの概念も同時に学べるメリットがあります。
ただし、AIに画像という複雑なデータを学習させるには、多くの時間が必要です。プログラムを学習させるための素材として大量の顔写真やその他データも必要となるため、学習だけでなく準備にも多くの時間がかかるでしょう。
Pythonで簡単に作れるゲームアプリを作成して、楽しみながらPython学習をしていくのもおすすめです。
たとえば、テトリスやブロック崩しゲームのようなクラシックゲーム、RPGゲームや横スクロール型アクションゲームなど、さまざまなゲームを作成できます。ゲームのロジックを考えながらアプリを作っていく中でプログラミングに必要な知識を習得することができます。また、完成後は自分でプレイを楽しめます。
Pythonにはゲーム作成用のライブラリやフレームワークもそろっているので、Python初心者がゲームプログラム作成に挑戦する際はぜひ活用しましょう。
Pythonを使って簡単な業務効率化アプリを作成すれば、Pythonの知識を得られるだけでなく、実際に業務効率化を実現できます。
Python初心者でも作れる代表的なものに、ToDoアプリのようなスケジュール管理アプリがあります。システムがシンプルかつ実用的なアプリであることから、Python初心者にぜひ挑戦していただきたいアプリです。
Pythonの扱いに慣れてくれば、単一の機能を持つアプリだけでなく、さまざまな作業を連続して行うプログラムも作成できるようになり、対応可能な業務の幅が広がるでしょう。
たとえば、前述したExcel自動化やスクレイピングプログラムを組み合わせることで、次のような一連の作業をまとめて自動化することも可能になります。
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Udemyで講座を探す >ここからは、実際にPythonを使って「下記のようなSlack上で動作するbot」を作成する手順を紹介します。
Slack上で動作するbotの主な機能は、次のとおりです。
Slack上で任意の文を打ち込めば、タスクとして追加され、メンバーに共有されます。
最後に、完了したことをコマンドで報告すれば、完了通知がメンバーに送信されるBOTです。
Slack上で動作するbotを作成する際の基本的な手順は、次のとおりです。
今回は、Googleが提供しているPythonの実行環境「Google Colaboratory」を利用して、プログラミングを行います。
「Google Colaboratory」は、Pythonのプログラミングが簡単にでき、その場で実行した結果も表示されるため非常に便利です。
まずは、「Google Colaboratory」を使用できるようにします。
Googleにサインインした状態で、「Google Colaboratory」の公式サイトを開きます。

次に、ノートブックを新規作成します。ノートブックとは、作業用フォルダとイメージしてもらえるとわかりやすいです。

新規ノートブックを作成したら、わかりやすい名前に変更しておきましょう。

「Google Colaboratory」の初期設定は以上です。
Pythonを使用してプログラミングをする場合、目的とするアプリを作るのにどのようなライブラリが必要か事前に調べて、最初にインストールしておく必要があります。
たとえば、ライブラリには次のようなものがあります。
今回作成するSlack上で動作するbotでは、さまざまな機能や動作が含まれているライブラリは必要ありません。今回は、Google ColaboratoryでSlackのプログラムを作る際に手助けしてくれるパッケージがあるので、そちらをインストールします。
次のコマンドを、コード入力セルに入力してください。
1 | !pipinstallslack_sdk |

入力したら、再生ボタンをクリックします。インストールが開始され、完了すると「Successfully~~」というメッセージが出現します。

パッケージのインストールは以上で終了です。
ここからは、Google Colaboratoryにサンプルコードを入力してSlack上で動作するbotを作成します。
Slack上で動作するbotを作成する際は、Slack APIよりSlackを外部ツールで使用するために使用する「Token」の発行が必要です。
今回はSlack API側の手順は割愛し、Tokenを入手しているものとして進めます。
コード入力セルに入力するサンプルコードは、次のとおりです。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 | importjson fromslack_sdkimportWEBClient fromslack_sdk.errorsimportSlackApiError #SlackトークンとチャンネルID SLACK_TOKEN=' xxxxxx' #ここにSlackのトークンを入力してください CHANNEL_ID=' xxxxxx' #ここにSlackチャンネルIDを入力してください #Slackクライアントの設定 client=WEBClient(token=SLACK_TOKEN) #タスクデータを保持するファイル名 TASKS_FILE='tasks.json' #タスクの保存/読み込み関数 defload_tasks(): try: withopen(TASKS_FILE,'r')asf: returnjson.load(f) exceptFileNotFoundError: return{} defsave_tasks(tasks): withopen(TASKS_FILE,'w')asf: json.dump(tasks,f,indent=4) #タスクを追加する関数 defadd_task(task_name,due_date): tasks=load_tasks() tasks[task_name]={"due_date":due_date,"status":"未完了"} save_tasks(tasks) returnf"タスク '{task_name}' が追加されました。締め切り: {due_date}" #タスクの一覧を表示する関数 deflist_tasks(): tasks=load_tasks() ifnottasks: return"現在、タスクはありません。" task_list=["現在のタスク一覧:"] fortask_name,detailsintasks.items(): task_list.append(f"・{task_name} (締め切り: {details['due_date']}, ステータス: {details['status']})") return"\n".join(task_list) #タスクを完了する関数 defcomplete_task(task_name): tasks=load_tasks() iftask_nameintasks: tasks[task_name]["status"]="完了" save_tasks(tasks) returnf"タスク '{task_name}' が完了しました。" else: returnf"タスク '{task_name}' が見つかりません。" #Slackに通知を送る関数 defsend_slack_message(channel,message): try: client.chat_postMessage(channel=channel,text=message) exceptSlackApiErrorase: print(f"Slackエラー: {e.response['error']}") #タスクのコマンドを処理する関数 defhandle_task_command(command): try: ifcommand.startswith("add"): parts=command.split('"') iflen(parts) >=4: task_name=parts[1] due_date=parts[3] message=add_task(task_name,due_date) else: message="タスクの追加に失敗しました。コマンドを確認してください。" elifcommand=="list": message=list_tasks() elifcommand.startswith("complete"): parts=command.split('"') iflen(parts) >=3: task_name=parts[1] message=complete_task(task_name) else: message="タスクの完了に失敗しました。コマンドを確認してください。" else: message="無効なコマンドです。使用可能なコマンド: add, list, complete" send_slack_message(CHANNEL_ID,message) exceptExceptionase: print(f"エラーが発生しました: {e}")#エラーが発生した場合、詳細をコンソールに出力 send_slack_message(CHANNEL_ID,"エラーが発生しました。")#Slackにエラーメッセージを送信 #サンプルコマンドの実行 handle_task_command('add "レポート作成1" "2024/09/25"') #新しいタスク1を追加 handle_task_command('add "レポート作成2" "2024/09/30"') #新しいタスク2を追加 handle_task_command('add "レポート作成3" "2024/10/1"') #新しいタスク3を追加 handle_task_command('list') #タスク一覧を表示 handle_task_command('complete "レポート作成1"') #タスクを完了 handle_task_command('list') #タスク一覧を表示 |
コード記入が完了したら、実行テストへ移ります。保存は自動で行われます。

「Google Colaboratory」で実行テストをする際は、コード入力セル左側にある再生ボタンを押してください。
成功していれば、再生ボタン左側に「緑色」のチェックマーク、失敗していれば「赤色」のエクスクラメーションマークがつきます。
コードにエラーがあるかないかは、この時点で把握可能です。そして、問題なくプログラムが動くまで、トライアンドエラーを繰り返します。
今回作成したslack上で動作するbotの動きは、下の画像を参考にしてください。

※ 「Google Colaboratory」は性質上、一度起動したプログラムが完了したのち、一定時間経つと接続が切断されてしまいます。
そのため、今回のプログラムは、プログラム内で指示したコマンドが正常に機能していることを「1回」確認するのみの仕様となっております。
常時受け答えをするSlack上で動作するbotを作成する場合は、さらに外部サーバー(Google Cloudなど)を用いてプログラムを稼働させる、または「ngrok」といったローカルPC上で稼働しているネットワークサービスを外部公開できるサービスを利用する、などといった対策が必要です。
これらは無料利用枠もありますが、超過後は有料のサービスとなります。
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講座を見てみるここからは、Pythonがプログラミング初心者におすすめな理由を4つ紹介します。
Pythonは、 他言語と比較した場合、比較的コードがシンプルでわかりやすい構文で記述できるように設計されています。
コードがシンプルなのは、結果的に記述するコード量も短くて済むことにつながります。そのため、他言語でプログラミングをするより必要な時間が短くて済むことが多いです。
そのほか、Pythonはシンプルなコードで覚えやすいと言われることが多いため、初心者におすすめのプログラミング言語と言えるでしょう。
前述したGoogle Colaboratoryのように、Pythonにはインストールするだけで開発環境が完了するパッケージが多く公開されています。
プログラミング言語のなかには、さまざまな事前準備が必要となる言語も存在するため、事前準備の段階で挫折してしまう人がいるのも事実です。
煩雑な事前準備をすることなくすぐにプログラミングを始められるため、Python初心者がプログラミングに触れる前に挫折してしまうリスクを軽減できます。
Pythonを使えば、初心者でもプログラミングの学習と並行して、実際に業務効率化を目指せます。
事前に実業務で自動化したい作業内容を考え、Python学習と並行して自動化したい作業内容をプログラミングすれば、Pythonの知識習得と業務効率化用アプリの両方を同時に手に入れられます。
誰でも使えるアプリができてしまえば、自分の作業だけでなく、チーム全体の作業効率も向上させられるでしょう。
Pythonは世界中で最も利用者数が多いと言われている言語です。
ソフトウェアの品質を定期的に調査している「TIOBE Software」が発表した2024年9月のプログラミング人気ランキング「TIOBE Index for September 2024」では、Pythonが1位であり、需要の高さが伺えます。
Pythonは利用者数が多いこともあり、WEB上に公開される情報も非常に多いです。そのため、学習中に壁にぶつかったとしても、検索をかければ多くの疑問を自分の力で解決できるでしょう。
初心者がPythonの学習を始める際、いくつか注意すべき点があります。
ここでは、3つ紹介します。
Python初心者がプログラミングを学習する際、「わからないところが出てきたらまずは自分で調べてみる」という癖をつけるのが重要です。
前述したように、Pythonはシンプルな作りのため、初心者でも比較的理解しやすい言語です。加えて、ユーザー数も多いことから、WEB上には多くの情報が公開されています。
そのため、複雑な問題でない限り、WEB上で検索すれば答えに辿り着ける可能性は高いです。
まずは、不明点を自分で調べる習慣を身に付けて、自走できるようにしていくのがよいでしょう。
Pythonではさまざまなことを実現できます。
WEB上には初心者が把握しきれないほどの情報で溢れており、いろいろな情報を見ていると目移りしてしまうことも。
Python学習をするうえで大事なのは、明確な目標を立てて、目標達成に必要なツールや知識を学んでいくことです。
目標を明確にすれば、Pythonのなかでもどのような分野の知識が必要で、自分に足りないところがどこかの把握につながるでしょう。
前述したように、Pythonは初心者でも理解しやすいシンプルな作りをしています。
しかし、プログラミングをするうえでエラーは付き物です。エラーが出るたびに不安になっていると、そのうち辟易してしまうかもしれません。
プログラミングをするうえで、トライアンドエラーの考え方は非常に重要です。トライアンドエラーを繰り返し、コードを動かし続けることが経験につながります。
それだけでなく、開発においては99%完成していたとしても、1%の確率でエラーが出てくるかもしれない、という心構えをしておくことが大切です。
Python学習を進めていき、より高度なPythonプログラミングの知識を習得すれば、次のような複雑なシステムを作れるようになります。
特にAIの開発では、機械学習やディープラーニングといった技術が必要不可欠です。Pythonは、開発の手助けになるライブラリが多く提供されており、基本操作さえ覚えれば初心者でもAIの機械学習を容易に始められます。
画像処理・音声処理に関連したAI開発やブロックチェーン開発、大規模なデータ分析など、高度なプログラミングにより実現できることは数えきれないでしょう。たとえば、ソフトバンク社が開発した「Pepper(ペッパーくん)」は、AIが搭載された人型ロボットとして有名です。
そのほか、強固なセキュリティに守られた取引記録を実現する暗号処理技術であるブロックチェーンや、スマホひとつで家電を動かせるIoTなど、最先端技術の多くをPythonにより開発可能です。
Pythonは初心者でも理解しやすいプログラミング言語として人気が高く、汎用性の高さや機械学習、ディープラーニングに強いことから世界中にユーザーがいます。
Pythonには、Excel自動化プログラムのように「実務で使えるプログラムを学習しながら作れる」、という実用性も兼ね備えています。
しかしながら、「シンプルな構文で理解しやすい」と信じて独学で学習を始めてしまい、壁にぶつかってしまった際に解決できないまま挫折してしまう可能性もあります。
一人で学習するのが不安な方は、体系的に学習ができる教材を利用するのがおすすめです。目標に向けてどのような知識をつけていけばよいかがわかるため、道に迷うことなく学習を進められます。
プログラミング学習においては、自分にあった勉強法を見つけ、継続することが大切です。
Udemyでは、買い切り型の講座が20万講座以上もあるオンライン学習プラットフォームです。現場で活躍するプロの講師から動画でわかりやすく学ぶことができ、体系的にPythonの基礎から応用まで学べます。今話題の人工知能と機械学習をPython初心者からでも学べるAI講座を受けて、未来を切り開くAI技術を習得してみませんか。
下記講座のレビューを一部紹介
評価:★★★★★
Pythonを使用した簡単なアプリを何個か開発した後にこの講義を視聴したところ、新たな発見が多数ありました。基本的な内容ですが知らなければいけないことが多数発見でき、大変有意義です。
評価:★★★★★
Pythonの基礎からニューラルネットワーク構築・機械学習と順を追って学ぶことができ、非常に分かり易く実践的なコースでした。ありがとうございました。







