■ この本を読んだのは1981年のこと。当時の文庫本が手元にあるが、小さな活字がびっしり、それに本のとじ目がバラバラになってしまいそうで再読を諦めていた。書店の新刊の文庫のコーナーにこの本が平積みされていた。名作復刊! 迷うことなく購入した。…
■『日本の景観 ふるさとの原型』樋口忠彦/ちくま学芸文庫。この本は以前とり上げたことがあります。これから再読しようと思います。単行本の刊行が1981年ですから、もう26年も前のことです。名著だと思いますが、文庫化されて現在でも入手できるのは…
■『思春期をめぐる冒険』には「心理療法と村上春樹の世界」というサブタイトルがついている。心理療法のありようが実はその人の物語の生成にあると、この本の著者、岩宮恵子さんは指摘している。**「向こう側」にかかわる多層的な現実のなかに自分を位置づ…
■「週刊ブックレビュー」 日曜日の朝、この番組を観てBモードに切り替えています。読書な日曜日にしようと思うわけです。「読書な日曜日」って変な表現ですが、マ、いいでしょう。本のタイトルの「もっとコロッケな日本語を」、コロッケな日本語ってどんな…
■ ドーダとは、自己愛に源を発するすべての表現行為である。鹿島茂さんは東海林さだおさんがとり上げた「ドーダ、おれってスゴイだろ」をこのように定義した。さらに陽ドーダ、陰ドーダ、内ドーダ、外ドーダとドーダを細かく規定している。**西郷隆盛の生…
■ 学生の「必読書」といわれる本は何冊かあると思う。それは時代と共に変わるのかもしれないが。私が学生だったころ、この『代謝建築論 か・かた・かたち』彰国社は何冊かある必読書の一冊だった。たとえ読んでいなくても書棚に並べないと落ち着かない本だっ…
『モスラの精神史』小野俊太郎/講談社現代新書随分幅広の帯がかけられている。いっそのことカバーデザインを変えてしまえばいいのに、と思ってしまう。今回はアルコールしながら書こう。新書はタイトルが勝負だと以前も書いた。この本はタイトルで買った。…
■ 朝5時の外気温は19度だった。半袖では肌寒いくらい。窓を開けて冷気を室内に取り込む。「アサッテの人」を涼しい室内で読了。芥川賞の選考委員に今回から小川洋子さんと川上弘美さん、ふたりの人気作家が加わった。だから、どんな作品が選出されるのか興…
■ ラザーニャだかラニーニャだか、パスタみたいな名前の現象が原因だとか聞きますが、猛暑が続きます。国内最高気温を74年ぶりに更新したそうですね。こんな時はできるだけ外出を控えた方がよさそうです。『ドーダの近代史』鹿島茂/朝日新聞社 を読み始め…
■「春樹をめぐる冒険」がようやく終った。すこし関連本を読んでみようと先ず手にしたのがこの本。著者の藤井さんは中国、台湾、香港の現代文学を研究する大学教授で現在「東アジアと村上春樹」の国際共同研究を続行中だとカバーの折り返しに紹介されている。…
■ 村上春樹の世界を可視化しようという試み。村上春樹の世界とはどういうものだろう・・・。それが単一の「層」ではなく「二層」、「多層」から成るものだ、ということは感覚的に理解できる。その具体的なイメージを思い描こうとするが、なかなか浮かんでこ…
■ 好きな本を3冊に絞り込むことができなかったので4冊挙げます。順位はつけていません。『風の歌を聴け』『1973年のピンボール』『羊をめぐる冒険』『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』『ノルウェイの森』『ダンス・ダンス・ダンス』『国…
■ 昨日の新聞のお天気欄に「しばらく厳しい暑さが続くので、熱中症に注意」と載っていた。今日も暑かった。子どもの頃の夏は、午後真白な積乱雲いや入道雲の方が相応しいか、がモクモクと成長して夕方になると雷と共に夕立が激しく地面を屋根をたたく日が多…
■ 池田晶子さんの文章を読んでみたいと以前から思っていたが、なかなかその機会をもてなかった。しばらく前書店で平積みされていた本のなかから表紙の美しいこの『暮らしの哲学』毎日新聞社を買い求めた。が、未読。池田さんは哲学を平易な文章で解く方。中…
■「ドーダ」という言葉が登場するのは東海林さだお氏の『もっとコロッケな日本語を』文春文庫。ブログでもこの本は以前とり上げたが、「いそがし自慢ドーダ」や「教養ドーダ」、「経済力ドーダ」などドーダな人が何人も登場する。ドーダは「ドーダ、おれって…
■ 前稿の「消去の美学」の実践、写真をギリギリまでトリミング。グラフィカルな表現になった。『ねじまき鳥クロニクル』いよいよ第3部。村上春樹の長編小説を巡る旅も最後となった。先日、満月の表面のパターンがうさぎに見えるのは、そういう先入観で見る…
■ 「赤い建築」秋野不矩美術館 藤森照信 (051112)■ 「白い建築」金沢21世紀美術館 妹島和世(050723)■ 藤森照信さんの定義を再度書いておく。赤派とは「もの」としての建築の実在性を求める建築家のこと、白派とは抽象性を求める建築家のこと。藤森さん…
■ 以前、私は「知らないことは見えない」とこのブログに書きました。あらかじめ見るべきものを用意しているんですね。先入観によって見る、といってもいいかもしれません。ケプラーが惑星の運動法則を発見できたのも、神様は美しくてシンプルなものをつくっ…
7月のブックレビュー(070801)■ 今日から8月、関東甲信地方が梅雨明けした。『複合汚染』も『五重塔』も再読したわけではない。ただブログでとり上げただけだから、7月は村上春樹しか読んでいないことになる。村上春樹の小説に登場する主人公「僕」はビ…
火の見ヤグラー一級建築士・・・・・信州の鄙里で暮らしています。なんでも見て、かんでも考え、なんでもかんでも書いてみよう。・・・・・ブログ開始2006年4月16日(GOOブログ)2025年4月29日(はてなブログ)
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