昨日の広島牛田の夕方の天気はちょっと不思議な感じでした。西の空には遠くの方に明るみの中に夕焼けが見えて、東の空には大きな虹がかかっていて、厚い黒い雲に覆われ、凄い雨が降っていました。SF映画の異星のワンシーンみたいでしたよ(2014、8、30…
1998年 ビー・エス・ピー 98年といえば、ぼくが東京に住んでいたころだ。 いつもなら古本屋にいってもマンガ本はスルーす るのだが、ビビビビッとくるものがあって、手に 取ると、なんかおもしろそうだ、と判断、つづき ものでもないらしく、即買いだ…
ナマコのからえばり 2011年 集英社文庫 2010年から書かれていて、その頃、丁度、例の 東北の大震災があった。お気楽なシーナ氏もさすが に笑っていられなくなったようで、原発の災害に対 する怒りを感じる。東電に対する疑問も多々あるよ うだ。 ま…
角川文庫 明治四十一 夢にみたのだろうか10コの短い話しが出てくる 第一夜を書いてみて、これはいけるぞ、と思ったのか 第一夜が一番いい。 なんとも、死に間際のきれいなうら若い(勝手にこっち でそう思っている)女というのがなんとも色っぽい。 女と死…
№21君の苦悩 君は激しく嗚咽するように泣いている 心は突風の如く吹きすさんでいる 僕は助けることなどできやしないのだ 僕は無力で君の苦悩など分かろうはずもない 君はとても辛い思いをして湖底に沈みこんでいる 君は恋に破れたのかも知れないし あるい…
友枝 康子・訳 「ディック傑作集4」所収。 ともすると、中絶を容認するともとれる、実際、中絶 反対団体から抗議の手紙をうけとったというから、この 短篇の持つ、中絶に対する考え方の一応の答えが垣間見 えるのではないか。 ぼくとしての考え方はちょっと…
ポーク ・ティシューペーパーを捨てたポーク ポークは完璧なまでに人工スクランブル バッドな夢の中でガリガリに飢えている 夢を食いながら果てしなく前進していく 赤い皿の上にいるのは油塗れのVツイン Pを作ったときイライラしたポークたちを前に 色つき…
角川文庫 明治41年 昔、ぼくが幼いころ、インコを飼っていたのだが、いつしか 忘れ去られて、エサもやらず、餓死させてしまった、という 笑うに笑えぬはなしが我が家にはあるのだが、それと同じ文 鳥にエサをやり忘れ、殺してしまった、というオチだとは思…
「ディック傑作集4」所収 小川隆・訳 アメージング誌1954年5月号 ジオラマに43歳のハスケル氏はのめりこんでいる。その 世界にすっかり入りこんでしまい、その世界の住人となり、 妻のマッジ、浮気性のマッジもその世界の住人となり果てる。 この作…
小川隆・訳 「ディック傑作集4」所収。 ギャラクシィ誌1964年10月号 Yイコール非Yに行きつくというのも、ヘンなはなしだ。 YはYじゃないから非Yなのだから、イコールなはずはない。 この論理はヘンだ。けど、思考的には、そうならざるこ ともないことも…
浅倉久志・訳 「ディック傑作集4」所収 フューチャーSF誌1954年6月号 ロボットが、ファスラッドというなんでも再生させて直し てしまうという機械を押し売りする、そこからおこる悲劇。 TVってCMばかりだよな。ぼくはメモリーに録っているから、 自然…
角川文庫 6ページの小品。京都でのおはなしのようだが、 京都は冬は凍えるほど寒く、夏はうだるほど、 暑い。ぼくのおじさんは、学生のころ、京大に 行くために、京都で暮らしたことが原因で早死に したと聞く。すごくきびしい土地柄だそうだ。この 作品で…
小学館 1992年 二階建てのバスの景色は素晴らしいですよォ、とその おばあさんは力説していた。そのおばあさんの捨てる 本のなかにこの本があった。そのおばあさんはこの前、 クルマの免許を返して、バスに慣れてきたらしい。この 前のときは大きなクル…
昭和47年 新潮文庫 古本屋みたいなことをやっていると、いろんな 本が持ち込まれてくる。この本もそうだ。 49年前の本かあ、と何気なくよんでみると、ハ マってよんでしまった。大して、シチリアとかイ タリアにはキョーミはないのだが、初期塩野作品 ら…
集英社文庫 2010年 何冊か積んどくしていたので、読んでみると、やっぱり おもしろい。 問題は「ダシ」なのである、の、「東京駅 サスペンス 劇場」だ。うんこ的なものが風雲急を告げて、でそうに なっての奮闘記だが、シーナ氏はこの手の文章を書かせ …
「ディック傑作集4」所収 友枝康子・訳 この作品の重要なテーマは、侵略者がおバカだったら どうなるか、であろう。 人間に変身するのはいいが、六十センチしかない彼ら は化けたらすぐに判明してしまう。 その度に殺すのだが、次々と化けて出る。そのうち…
大瀧啓裕・訳 「ディック傑作集4」所収 タイム・マシーンもの。ヘイスンが時航機にのって、 人類の滅亡した理由を探りにいく。 写真を撮るたびに滅亡具合がひどくなり、とうとうヘ イスンの出番となるのだが、100年後に行くと、蝶 がいる。キレイな蝶だ…
たとえば、俺とか彼女たち、とか 彼女たちは快感を求める 冒険と無秩序が空を覆う頃 俺は空に星を見る 虚しさを取り戻すため 俺は一歩、漆黒の闇の中に踏み込む 夏の危険な遊びをしてる人たち……。 僕とはあまり縁がないですね。僕の 危険な遊びといえば、3…
ちくま文庫 2004年 仲良し夫婦っていいなあ、と思う。たまにケンカしたり して、鈴虫がきっかけで仲直りなんかしちゃって、なん てステキなんだ。僕は結婚したことがないが、虹を教え てくれたり、ひょっとこのメークをして笑ってくれる人 がいたらいい…
ヤツの住処 ためらいと興奮のただ中にいて 俺は無秩序に並んだパーツのような気分 今にも破壊の大王が降臨しそうな空の下、俺はヤツを蔑んだ 崖の下にも木の幹の中にも土くれの中にもヤツはいた そこは混沌の渦の爆発的生命の根源の一隅で そここそヤツの住…
2005年 幻冬舎アウトロー文庫 ぼくはこういう危険にみちみちたアジアの紀行本が 大好物である。 例にもれず、この本も著者が体験した(であろう) ことが赤裸々に書かれております。 お湯のでないホテルなんて当たりまえ。たぶん、想 像の斜め上をいって…
太陽のわめき 照りつける太陽が僕らを刺す 僕らの日常が非日常を誘う 僕らの行くところは何処にもないんだ 僕らの敵は心にいる 孤独なのは僕らではなく照りつける太陽だ短い詩ですが、夏の詩ですね。きっと、書いてるとき凄く暑かったんだと思いますよ……合掌…
フォークソング 自由なる大地で自分を見つけるだろう、と僕に予言した老医者 拡大していく社会の中で孤立していく僕はむしろ寂しがり屋だ 自分が何者なのか分からないまま僕の心は彷徨う 世界では僕は無力でいつも通り無名だ 誰も助けてはくれないこの世界で…
浅倉久志・訳 「ディック傑作集2」所収 究極のSF 1974年。 この作品のテーマはくり返される時間だ。このテーマで 思い出されるのは涼宮ハルヒの憂鬱であろう。すでに47 年も前にすでにこのアイデアがあったとは驚きだ。 僕がふと想像したのは、キリス…
「河童」所収 集英社文庫 昭和二年七月 あの有名な「ただぼんやりした不安」である。僕が思うに 体調があまり芳しくなかったのではないか、と思う。 敗北に敗北して、最後、自殺に至ったというが、僕の所見 では、芥川は現代の状況を笑っているのでは、ほく…
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