17日(水)。わが家に来てから今日で3991日目を迎え、中国外務省の副報道局長は15日の記者会見で、上野動物園のパンダ2頭が来年1月に中国に返還されることを巡り、新規貸与が今後あるかどうかの質問に直接答えず、「主管部門に問い合わせることを勧める」と述べた というニュースを見て感想を述べるモコタロです

習近平中国の外交の道具として使われてるパンダはもういらないんじゃね
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昨日、夕食に「ビーフカレー」「生野菜とモッツアレラチーズのサラダ」を作りました。今回ビーフは切り落としを使いました。サラダはいつもの市販のドレッシングではなく、オリーブオイルと塩少々を振りましたが、美味しかったです

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昨日、新宿ピカデリーでMETライブビューイング「ラ・ボエーム」を観ました。これは2025年11月8日に米ニューヨークのメトロポリタン歌劇場で上演されたオペラのライブ録画映像です
キャストはミミ=ジュリアナ・グリゴリアン、ロドルフォ=フレディ・デ・トマーゾ、 ムゼッタ=ハイディ・ストーバー、マルチェッロ=ルーカス・ミーチャム、ショナール=ショーン・マイケル・プラム、コルリーネ=パク・ジョンミン、ブノア/アルチンドロ=ドナルド・マックスウェル。管弦楽=メトロポリタン歌劇場管弦楽団、合唱=メトロポリタン歌劇場合唱団、指揮=ケリー=リン・ウィルソン、演出=フランコ・ゼフィレッリです

「ラ・ボエーム」はジャコモ・プッチーニ(1858-1924)が1892年から95年にかけて作曲、1896年にトリノのレージョ劇場で初演された全4幕から成るオペラです
物語の舞台は1830年頃のパリ。屋根裏部屋で4人の若者が暮らしている。詩人ロドルフォが1人になったところに、階下に住むお針子ミミがロウソクの火を借りに訪れ、2人はたちまち恋仲になる。続いて、クリスマスイヴのカルチェラタンで、画家マルチェッロも元恋人のムゼッタと再会する。しかし、ミミは肺病に侵されていた。彼女はロドルフォとの別れを決意し、マルチェッロとムゼッタの仲も壊れる。その後、ムゼッタが不意に屋根裏部屋に連れてきたのは、衰弱しきったミミだった

まず最初に触れなければならないのはフランコ・ゼフィレッリによる細部までこだわったリアルな舞台・演出です。とくに第2幕「カフェ・モミュス」の場面が圧巻です。この演出は1981年から使われていると言いますから、44年も続いていることになります。本演出はMETライブで何度も観たし、2011年6月のMET来日公演でも観ました。その時の指揮はファビオ・ルイージ、ミミはバルバラ・フリットリ(東日本大震災の影響で降板したアンナ・ネトレプコの代役)、ロドルフォはピョートル・ベチャワ、ムゼッタはスザンナ・フィリップスという超豪華メンバーでした。本当はネトレプコを聴きたかったのですが・・・

さて、今回の公演ですが、歌手陣は総じて絶好調でした
ミミ役のジュリアナ・グリゴリアンはアルメニア出身のソプラノです。エレバン国立音楽院で学び、2022年にプラシド・ドミンゴ主宰の「オペラリア」で最優秀賞と聴衆賞を受賞し、たちまちミラノ・スカラ座など主要な劇場にデビューし、今まさに飛ぶ鳥を落とす勢いの若手歌手です。役になり切った演技と卓越したヴォイス・コントロールでピアニシモからフォルまで美しい声でアリアを歌い上げ、聴衆を魅了しました。かのマリア・カラスは一時太ったため、ダイエットしてスマートになりましたが、グリゴリアンはダイエット明けのマリア・カラスに良く似ていると思いました
ロドルフォ役のフレディ・デ・トマーゾは1993年、イタリア人の父と英国人の母のもと英国で生まれたテノールです。英国王立音楽院で研鑽を積む。2018年にビニャス国際声楽コンクール第1位入賞を果たしています。リリカルかつドラマティックな歌唱が魅力で、演技力も素晴らしかったです
何度か聴けるミミとロドルフォの二重唱はドラマティックで、思わず感情移入してしまいます。プッチーニは何と感動的なオペラを書いたのでしょう!
ムゼッタ役のハイディ・ストーバーは1978年、米ウィスコンシン州生まれのソプラノです。2008年からベルリン・ドイツ・オペラに所属し幅広いレパートリーで活躍中です。美しく自然なコロラトゥーラが素晴らしかった

マルチェッロ役のルーカス・ミーチャムは1978年、米ノースカロライナ州生まれのバリトンです。2004年から05年にかけてサンフランシスコ歌劇場の若手育成プログラムに参加。その後シカゴ・リリック・オペラで活躍しました。力強くも叙情的な歌唱が印象的で、演技力も十分でした
ショナール役のショーン・マイケル・プラムは米ニューヨーク州生まれのバリトンです。カーティス音楽院で研鑽を積む。2016年にMETナショナル・カウンシル・オーディションの大賞をはじめ各種の賞を受賞しました。艶のある豊かな声が印象的でした
コルリーネ役のパク・ジョンミンは1986年韓国生まれのバスです。ミラノ・スカラ座研修所で研鑽を積む。2011年にチャイコフスキー国際コンクール第1位。ハンブルク州立歌劇場、ウィーン国立歌劇場に所属し、多くの役に出演しました。重厚な声で安定感のある歌唱が魅力でした
ブノア&アルチンドロ役のドナルド・マックスウェルは1948年、スコットランド生まれのバリトンです。エディンバラ大学で地理学を学ぶ。地理の教師を経て、1976年にスコティッシュ・オペラでデビュー。英国オペラの常連歌手です。歌唱はもちろん、大ベテランの貫禄で、両役にピッタリでした
また、ケリー=リン・ウィルソンは1967年カナダ生まれの女性指揮者。ジュリアード音楽院で指揮者を目指す。2014年に新国立劇場でプッチーニ「蝶々夫人」を指揮しました。ドラマティックな音楽作りで、オケからプッチーニのオペラの魅力を余すところなく引き出しました

METライブビューイング「ラ・ボエーム」は2回の休憩、歌手へのインタビューなどを含め約3時間25分です。都内では新宿ピカデリー、東銀座の東劇ほかで上映中です
なお、会場の入口にA5サイズの「タイムスケジュール」が置かれていますが、内容が間違っています
それによると、オープニング ⇒ 「第1幕」 ⇒ インタビュー ⇒休憩 ⇒ 特典映像 ⇒ 「第2幕」 ⇒ インタビュー ⇒休憩 ⇒ 次回作紹介・インタビュー ⇒ 「第3幕」となっています。
しかしこれは完全な間違いで、「ラ・ボエーム」は第4幕まであります。本公演の流れを大筋で言うと、「第1幕+第2幕」 ⇒休憩 ⇒ 「第3幕」 ⇒ 休憩 ⇒ 「第4幕」 となります
この「タイムスケジュール」を作っているのはどこなのでしょうか? 日本国内で配信している松竹だろうか🐯
16日(火)。わが家に来てから今日で3990日目を迎え、フィリピン沿岸警備隊は13日、南シナ海のサビナ礁周辺で12日に操業中だったフィリピン漁船が中国海警局から放水や妨害行為を受け、約20隻のうち2隻が損傷し、乗組員3人が負傷したと発表した というニュースを見て感想を述べるモコタロです🐇

覇権主義の習近平中国は 世界の海は中国のものと勘違いしてないか?
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昨日の夕食は隔週月曜日のローテにより「鶏のから揚げ」を作りました。今回も外カリカリ内ジューシーに出来ました(ピンぼけになってしまった💦)

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昨日、T.ジョイPRINCE品川で伊藤詩織監督による2024年製作イギリス・アメリカ・日本合作映画「Black Box Diaries」(102分)を観ました
この映画は映像ジャーナリストの伊藤詩織さんが長編初監督を務め、2017年に伊藤さんがTBSテレビ報道局記者・山口敬之からの性的暴行を訴えた記者会見の直後から延べ8年間をかけて製作しています
本件については、2015年4月に伊藤さんが被害届を提出して係争したが、2016年7月に東京地検は「不起訴処分」とした。その後、2017年に伊藤さんは山口に「同意のない性行為」に対する損害賠償を求める民事訴訟を起こし、2019年12月の東京地裁、22年の東京高裁で勝訴、そして最高裁で伊藤さんの勝訴が確定した
映画は伊藤さんが訴訟の一審で勝訴するまでの、自身の日常を中心に記録しています
この作品は昨年、まず海外で公開され、今年のアカデミー賞長編ドキュメンタリー賞候補となるなど内外で話題を集めました。その一方で「一部の映像や音声が、当事者の許可なく使用されている」との批判が出され、伊藤さん側は日本公開版では一部を修正して公開しています

12月13日付朝日新聞朝刊は、伊藤さんや伊藤さんの弁護士などに取材した上で次のような記事を掲載しています ⇒
「記者と意識がもうろうとした伊藤さんを乗せたタクシー運転手から証言を聞き取る場面で、顔が映る映像」はカットし声を加工している。一方、伊藤さんの弁護士からの指摘=①「伊藤さんがホテルに連れ込まれた様子をとらえた防犯カメラの映像は、訴訟以外で使わない約束でホテルから提供されたのに、許諾なく使われている」、②「記者の逮捕が取りやめになった経緯を内々に伊藤さんに説明する警察官の音声は、『公益通報者を危険にさらす』恐れがある」については、許諾が取れないまま日本版でも使われている
①について伊藤さんは、ホテル側に説明を尽くしたとし、「警察が捜査に動いてくれたきっかけの重要な証拠」だと主張。「映像を使うことは、社会問題でもある性暴力の実態を伝える意味で公益にかなう」と正当性を訴えている。また、「背景やタクシー車両などはCGで加工している」と説明している
②については「(ジャーナリストとして)インタビューをさせてくれと頼んだうえで、『撮っています』とも伝えていた」とし、「顔を特定できる映像は使用しておらず、海外版の段階から音声は加工している」と主張している
伊藤さんは「まずは映画を観て、それから制作の問題について一緒に考えてほしい」と話した
一方、伊藤さんの弁護士は11日にコメントを発表し、「公開される映画は、これまで問題にしてきたことがほとんど改善されていないと聞いた。重大な人権上の問題をはらんでいる」と批判し、「法的な問題は解決されていない。問題のある映画を上映すること自体が問題」と強調した

朝日の記事を踏まえた上で、実際に映画を観て思うのは、記事で取り上げている「伊藤さんがホテルに連れ込まれた様子をとらえた防犯カメラの映像」は、伊藤さんが「警察が捜査に動いてくれたきっかけの重要な証拠」と語っているように、決定的な証拠映像です。したがって、この映像があるとないとではドキュメンタリーとしての力の強さが全く違ってくると思います。伊藤さんにとってはなくてはならない映像でしょう
また、ホテルのドアマンが伊藤さんに電話をかけてきた時のドアマンの音声と、応答する伊藤さんの姿が映し出されますが、「裁判で証言してもいい。ああいう奴は許せない。必要なら自分の名前を出してくれてもいい」と言われ、伊藤さんが懸命に涙をこらえて、やっとのことで「ありがとうございます」と感謝の言葉を述べるシーンは、この映画の白眉でしょう。ここまで言ってもらうために、どれほど伊藤さんが粘り強く説得してきたかが窺えます。彼の証言は一審には間に合いませんでしたが、東京高裁や最高裁での判決に影響を与えたことが想像できます
このドキュメンタリーが日本で公開されたのは大きな意義があると思います。「自分と同じような苦しみを味わってほしくない」という伊藤さんの強い願いにより、覚悟のうえで自身の顔と名前を出して性被害を訴えたことの重大性を考えるべきです。彼女の自己犠牲を無駄にしてはいけない。本作品は十分に社会的公共性があります
残念ながら、12月15日現在、本作が日本で上映されているのは東京の「T.ジョイPRINCE 品川」(品川駅前の品川プリンスホテル・アネックスタワー3階)のみです。本作は「無許諾映像」が含まれていることから、大手配給会社を中心に上映を控えているのではないかと想像します。伊藤さんの言う通り、まずは映画を観て、それから制作の問題について一緒に考えてほしい。1館でも多くの映画館で上映され、1人でも多くの人に観てほしいと願います🐯

15日(月)。2026年3月30日(月)19時からサントリーホールで開かれる「トヨタ・マスター・プレイヤーズ、ウィーン2026」東京公演のチケットを取りました。プログラムは①ベートーヴェン「ピアノ、ヴァイオリンとチェロのための三重協奏曲 作品56」、②メンデルスゾーン:序曲「フィンガルの洞窟」、④同「交響曲第4番”イタリア”」です
演奏は①のピアノ独奏=阪田知樹、ヴァイオリン独奏&指揮=フォルクハルト・シュトイデ、チェロ独奏=ペーテル・ソモダリ、管弦楽=トヨタ・マスター・プレイヤーズ、ウィーンです
コロナ禍以前は毎年のように聴きに行っていましたが、その後は他公演と日時がダブっていたりでチケットを取りませんでした。久しぶりのコンサートです

ということで、わが家に来てから今日で3989日目を迎え、8日に再燃したタイとカンボジアの国境紛争を巡り、トランプ米大統領は双方の首相と12日に協議したと明らかにし、「全ての攻撃を今晩までにやめることに(両首相が)同意した」と主張したが、その後も戦闘が続いている というニュースを見て感想を述べるモコタロです🐇

トランプは紛争仲裁の実績が欲しいんだろうけど 当事者は納得してない
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NETFLIXでフェリシティ・モリス監督による2022年製作アメリカ映画「Tinder詐欺師 恋愛は大金を生む」(114分)を観ました
この映画はマッチングアプリ「Tinder(ティンダー)」を通じて起こった実際の詐欺事件を追ったドキュメンタリーです。Tinderでマッチングした相手を騙していた詐欺師の被害に遭った女性たちが、詐欺師の素性を明らかにし、彼を法の裁きにかけるため戦う様子を追っています

Tinderを使って出会いを求めていた女性セシリー・フィエルホイは、オンラインでは運命の相手になかなか巡り会えないと感じ始めていた。そんな矢先、サイモン・レヴィエフを名乗るハンサムな億万長者のプレイボーイとマッチし、運命的な出会いを果たす。ダイヤモンドで財を築き、自家用ジェットで世界を飛び回るビジネスマンだというレヴィエフだったが、その正体は、ネットで出会った女性たちから大金を騙し取る詐欺師だった。すべてを奪われたセシリーは復讐を誓う。そんな彼女が起こした行動によって、他の被害者の存在も明らかになる。セシリー、ペルニラ・ショーホルム、アイリーン・シャーロットの3人が結託することで、今度はレヴィエフの運命を狂わせていく

自称レヴィエフの手口は・・・Tinderで女性と出会い、危険なダイヤモンドビジネスで働く裕福な後継人であると信じ込ませ、遠距離恋愛を始める。その間に彼は「仕事で出張」しながら以前の被害者から巻き上げたお金で贅沢な暮らしをする。一人の女性としばらく付き合うと、彼は自分が危険な状態にあることを告げ、彼のボディガードが血を流している姿をビデオで送り、不安を煽る。次に、「”敵”から追跡されないように、他人名義のクレジットカードを使わなければならない」として「女性のカードを使わせてほしい」と持ち掛ける。恋愛感情を抱いている女性側は彼を助けたいと思い自分のカード情報を伝える。さらに「いざという時に現金が必要だ」として、女性に借金をさせて現金を運ばせる。彼は「必ず返すから」と約束するが返金は一切ない。この辺でやっと、女性たちは自分が騙されていることに気がつく・・・といった流れです
3人のうち、賢い人だなと思ったのはペルニラ・ショーホルムさんです。彼女はファッション業界で仕事をしている関係でレヴィエフが着ている服がどれくらいの価値があるか知ることができます。「服を売って現金化するから服を預けてほしい」と彼に伝え、スーツケース一杯の服を預かり、売買サイトで売って現金化します。しかし 彼に売上金を渡すことはしません。それでも自分が彼に渡したお金にはとうてい届かないわけですが、少しは仕返しが出来たと語っています

女性たちは同じ犯罪が繰り返されないように、新聞社に自分の顔写真を晒したうえで、どんな被害に遭ったかを語ります。すると、SNS上で彼女たちに同情する声がある一方、「金持ちだと思ったからマッチングで会ったんだろう」「バカ女たちだ」「強欲だ」といった批判の声が数多く寄せられてビックリしたと語っています。3人の女性は今なお返済を続けています
レヴィエフはイスラエルで偽パスポート所持により逮捕され、15か月の懲役刑となりましたが、3人の女性に対する詐欺罪には問われていません。彼は5か月で釈放され、現在ビジネス・アドヴァイザーの仕事をしながら自由に生活し、Tinderも再開したといいます。彼は世界中の女性たちから1000万ドルを奪ったと言われています。詐欺師にとってイスラエルは何と甘い国なのだろうか、と思わざるを得ません
日本では「ロマンス詐欺」と言われている手口ですが、「まさか自分が」ということのないように気を付けたいものです。「自分は資産がないから大丈夫」と言っても、詐欺師は借金をさせて貢がせようと攻めてくるので油断は禁物です🐯
14日(日)。昨日の日経朝刊「読書」ページのコラム「半歩遅れの読書術」に翻訳家の岸本佐和子さんが「『女二人のニューギニア』の衝撃 50年前の語りが生む奇跡」というタイトルでエッセイを寄せていました。有吉佐和子の『女二人のニューギニア』については、12月9日付のtoraブログに書きましたが、私も岸本さんと同じような衝撃(笑劇!)を受けました。岸本さんは最後に「復刊してくれた出版社に心より感謝」と書いていますが、本当にそう思います。まだお読みになっていない方にお薦めします

ということで、わが家に来てから今日で3988日目を迎え、ロシア連邦捜査委員会は12日、モスクワの裁判所が国際刑事裁判所(ICC)の赤根智子所長ら9人に対し、欠席裁判で懲役15年~3年6月の有罪判決を言い渡したと発表した というニュースを見て感想を述べるモコタロです🐇

ICCはプーチンに逮捕状を出してるからね 仕返しだろうが全く根拠ない
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昨夜、サントリーホールで東京交響楽団「第737回 定期演奏会」を聴きました。プログラムは①マルサリス「ヴァイオリン協奏曲 二長調」、コープランド「交響曲第3番」です。演奏は①のヴァイオリン独奏=大谷康子、指揮=ロス・ジェイミー・コリンズ です
ロス・ジェイミー・コリンズは英国生まれのフィンランド育ち。ロサンゼルス・フィルのドゥダメル・元フェロー、アイスランド響の常任指揮者などを歴任

1曲目はマルサリス「ヴァイオリン協奏曲 二長調」です。この曲はジャズ・トランペットの巨匠ウィントン・マルサリス(1961~)がスコットランド出身の二コラ・ベネデッティ(1987~)のために2015年に作曲、同年11月6日にロンドンで初演されました。第1楽章「ラプソディ」、第2楽章「ロンド・バーレスク」、第3楽章「ブルース」、第4楽章「フーテナニー」の4楽章から成ります
ヴァイオリン独奏の大谷康子は今年デビュー50周年を迎えた。1995年から東京交響楽団でコンサートマスター、ソロ・コンサートマスターを21年間務め、2016年退任時に名誉コンサートマスターの称号を贈られる。東京音楽大学教授として後進の指導にも当たる
オケは12型で 左奥にコントラバス、前に左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという対抗配置。コンマスは景山昌太郎です
真っ赤なステージ衣装の大谷康子が華やかに登場します。いつ見ても若いですね
第1楽章では中盤で警笛が鳴らされ、ガーシュイン「パリのアメリカ人」を思い出させました。第2楽章は変化に富んだメロディーが奏でられ、第3楽章を経て、第4楽章では弦楽奏者が足踏みをして音頭を取ったり、トロンボーンとテューバが立奏したりと、見た目も楽しい音楽が奏でられました。オケとソロのやり取りの音がだんだん小さくなっていき、なぜか大谷は弱音でヴァイオリンを弾きながら、ステージから指揮台近くの階段を下りて、客席の通路を歩いて来ました。そして最後の音を弾き終えると、ステージの方を向いて両手を挙げ、指揮者に「終わった!」の合図しました。その瞬間、会場いっぱいの拍手が起こりました。大谷は再びステージに上がり、カーテンコールが繰り返されました。小室敬幸氏のプログラム・ノートによると、どうやらこの曲は、「観客を巻き込む即興的なパフォーマンス」が求められているようでした
大谷はアルベニス「アストゥリアス(伝説)」を鮮やかに演奏、再び大きな拍手に包まれました
さて、この日のコンサートは秋山和慶氏が指揮をする予定でした。しかし、今年1月初旬の大怪我が元で逝去したため、代役を立てることになりました。東響で秋山氏の指揮のもとコンマスとして長年演奏してきた大谷さんにとって、本当は秋山氏と共演したかったに違いありません。それでも悲しみを乗り越えて、最後まで渾身の演奏で弾き切った大谷さんの姿を見て、彼方の世界の秋山氏も、いつもの笑顔で大きな拍手を送っていることでしょう

プログラム後半はコープランド「交響曲第3番」です。この曲はアーロン・コープランド(1900-1990)が1944年から46年にかけて作曲、1946年10月18日にボストンで初演されました。第1楽章「モルト・モデラート」、第2楽章「アレグロ・モルト」、第3楽章「アンダンティーノ・クアジ・アレグレット」、第4楽章「モルト・デリベラート」の4楽章から成ります
オケは16型に拡大し、下手にはハープ2台、上手にはピアノが待機し、フルオーケストラ態勢になります
第1楽章は静かに始まり、次第に盛り上がっていきます。第2楽章はトランペット、トロンボーンなど金管楽器のファンファーレが心地よく鳴り響きます。第3楽章は冒頭、第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンが静かな対話を交わしますが、この箇所はヴァイオリン・セクションが左右に分かれる対抗配置が最も効果的に作用しました。第4楽章はコープランドの「市民のためのファンファーレ」の主題が支配します。トロンボーン、トランペットを中心とする金管楽器とティンパニとタムタム(銅鑼)のコラボによる迫力ある演奏が爽快です。オーケストラの総力を挙げてのフィナーレは圧巻でした
音楽を聴く限り、この作品が作曲された時代のアメリカは、現在よりもはるかに”良き時代”だったんだろうな、と思います。トランプ政権じゃないし・・・
満場の拍手とブラボーが飛び交う中、カーテンコールが繰り返されました


13日(土)。わが家に来てから今日で3987日目を迎え、ことし1年の世相を表す「今年の漢字」が京都・清水寺で発表され、最も応募の多かった「熊」に決まった というニュースを見て感想を述べるモコタロです🐇

全国で大暴れしたからね パンダの国もなんだパンダと攻撃してくるしね
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昨日の夕食は「もつ鍋」にしました。丸腸(小腸)とても美味しかったです


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NETFLIXでチャールズ・ファーガソン監督による2010年公開アメリカ映画「インサイド・ジョブ ~ 世界不況の知られざる真実」(109分)を観ました
これは2008年のリーマン・ショックに端を発する世界金融危機の真相に迫るドキュメンタリー作品です。危機の背景、発生、その後の影響を、専門家や当事者へのインタビューを交えながら詳細に分析し、金融業界の内部構造と倫理的問題を浮き彫りにしています。タイトルの「Inside job」は、インサイダー取引など 信頼を受ける立場の人間による内部犯行を意味しています

映画は大きく次の7つのパートから構成されています ⇒
1.危機に至るまでの経緯
2.住宅バブルの形成過程
3.サブプライムローンの拡大
4.証券化商品の複雑化
5.格付け機関の役割
6.危機の発生と拡大
7.危機の責任の所在
映画を通して浮かび上がってくるのは、「大手銀行が金融工学に基づいて複雑に仕組まれた住宅ローン商品を、顧客に借金をさせて売りさばいて莫大な利益を上げ、格付け機関がその商品に高い評価を与え、金融監督機関は何の規制もせず、有名大学の経済学者らが金融危機はないと主張したことが、世界的な経済不況をもたらした」という構図です
この映画が一番強く主張しているのは、最後の「危機の責任の所在」です
大手銀行を破綻させた銀行経営者たちは巨額のボーナスを手にし、危機後に返済することもしていない。格付け機関も何事もなかったようにビジネスを継続している。政府関係者や学者たちも金融業界から報酬を得て癒着している・・・こうした、危機を知りながら知らないふりをして、危機を回避することをせず、のうのうと生き残っている者たちを告発しています
この映画は第83回アカデミー賞で長編ドキュメンタリー映画賞を受賞しました
あらためて当時を振り返ると、裏でそういうことがあったのか、と初めて知ることも少なくなく、とても参考になりました
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今日はサントリーホールに東京交響楽団「第737回定期演奏会」を聴きに行きます🐯

12日(金)。東京フィルから2026年シーズンのチケット(サントリー定期:8枚)が送られてきました。このうち2月18日(水)の定期演奏会は新国立オペラ「リゴレット}初日公演と時間がダブっているので、東京フィルの方を2月23日(月・祝)に振り替える予定です

ということで、わが家に来てから今日で3986日目を迎え、NHKから国民を守る党と党首の立花孝志氏が、債権者への支払いが困難な状況に陥っているとして、私的整理を開始することが明らかになった というニュースを見て感想を述べるモコタロです🐇

SNSで人を誹謗中傷して死に追いやった結果が 自己破産ということだな
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昨日の日経朝刊 文化欄に「回顧2025 音楽」が掲載されていました。記事はポピュラー音楽とクラシック音楽が半々のスペースで紹介されています。瀬崎久見子編集委員によるクラシック音楽界に関する回顧の概要は以下の通りです ⇒
「2人の若手指揮者の人気が沸騰した。一人はN響のファン投票企画『最も心に残ったN響コンサート』で1位に輝いたフィンランド出身の25歳、タルモ・ぺルトコスキ。もう一人はパリ管とロイヤル・コンセルトヘボウ管と共に 年に2度来日した同じフィンランド出身の29歳、クラウス・マケラ。マケラは27年秋からコンセルトヘボウ管の首席指揮者とシカゴ響音楽監督という欧米の超一流楽団を率いる。大阪・関西万博の影響もあり来日公演は活況を呈した。ベルリン・フィルは2度来日した。オペラではウィーン国立歌劇場管弦楽団がR.シュトラウス「ばらの騎士」等を上演した。ネット上が湧いたのはショパン国際ピアノコンクールだった。無料配信の動画の再生回数が数十万 ~ 百万回以上を記録する奏者が続出し、入賞者以外にも人気のピアニストが生まれた。しかしこうした活況の半面、物価上昇、円安などで、海外からの招聘事業は困難で、『チケット代が高くても売れる人気者しか呼べない』という関係者の声もある。国内のオーケストラもコンサートマスターの世代交代で活気づくが、運営側と楽員の対立も一部のオケで起きた。指揮者の秋山和慶、山形交響楽団の創立者・村川千秋が逝去した」
記事を補足すると、タルモ・ぺルトコスキとクラウス・マケラの指揮活動上の共通点はシベリウス・アカデミーで名教師ヨルマ・パヌラに師事していることです
「運営側と楽員の対立も一部のオケで起きた」というのは、「パシフィック・フィルハーモニア東京(PPT)」のことを指しています。同楽団は元は「東京ニュー・シティ管弦楽団」という名称で運営されてきましたが、2022年4月から「鉄人化計画」創業者・日野洋一氏に経営主体が移り、「パシフィック・フィルハーモニア東京(PPT)」という名称により再出発し定期演奏会を開いてきました(日野氏は25年7月16日付で退任)
私はxに投稿されたPPT関係者の記事を読んで、初めて厳しい労働契約実態を知ったのですが、詳細を知らないのでネットで調べてみました。すると概要次のように書かれていました ⇒
「パシフィック・フィルハーモニア東京は、2024年3月31日に16名の楽団員が退団したと発表した。この退団は内部での問題が表面化した結果とされている。また、2025年5月28日には、日本音楽家ユニオンがPPTと団体交渉を行い、雇用契約を締結している楽団員に対し、正式な給与ではなく『エキストラ料金』しか支払われていない賃金未払いという違法状態にあることが発覚した。この状況は、PPTの運営が厳しく、楽団員の労働条件が脅かされていることを示している」
これに関連して、パシフィック・フィルハーモニア東京のホームページを見ると、25年12月1日付で以下の「退団のお知らせ」が掲載されていました ⇒
「一部報道等にもありましたとおり、楽団員の皆様と協議を続けておりましたが、この度、双方合意をもって円満に解決し、11月30日付で以下の19名が退団いたしました」
その下にヴァイオリン奏者6名をはじめとする楽団員19名の名前が列挙されています
その退団を受けてでしょうか、同ホームページの「楽団について」の中の「楽団員」ページを見ると、ヴァイオリンの5名はじめ各セクションの楽団員の名前が顔写真入りで紹介されていますが、弦楽器が計15名、管・打楽器を含め合計で24名しか在籍していません。これは客観的に見れば、室内楽オーケストラの規模です
私は同楽団が「東京ニュー・シティ管弦楽団」の時に数回コンサートを聴きに行ったことがありますが(いずれも満席でした)、パシフィック・フィルになってからは1度も聴いていません
パシフィック・フィルは、今月18日には東京芸術劇場で「第九」を、来年1月31日には定期演奏会を開きますが、この状態だと、急きょ新たに楽団員を入団させるか、エキストラでしのぐかしか方法がないように思います
一人のクラシック愛好家として思うのは、楽団の組織と楽団員の生活を守る覚悟がない経営者は、最初から楽団運営に手を出すべきではないということ。そして、現経営陣には楽団員が安心して演奏活動を続けられるように楽団を運営してほしいということです
・・・話が違う方向に行ってしまいましたが、この後は 朝日の吉田純子編集委員による「回顧2025 音楽」を楽しみに待ちたいと思います🐯
11日(木)。わが家に来てから今日で3985日目を迎え、英フィナンシャル・タイムズは9日、トランプ米大統領がウクライナのゼレンスキー大統領に和平案への回答を「数日以内」に示すよう要求していると報じた というニュースを見て感想を述べるモコタロです🐇

トランプは何が何でもノーベル平和賞が欲しいんだろうな 焦りが見える
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昨日、夕食に千葉県勝浦市在住の大学時代の友人S君が送ってくれた「鯵」を塩焼きにして、「生野菜とモッツアレラチーズのサラダ」「山芋の擦りおろし」「豚汁」と一緒に食べました。鯵は新鮮で美味しかったです

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昨日、池袋のシネマ・ロサでマチュー・デポルト & アエレクサンドル・ド・ラ・パトリエール共同監督による2024年製作フランス映画「モンテ・クリスト伯」(178分)を観ました
これは19世紀フランスの文豪アレクサンドル・デュマによる小説で「巌窟王」の名前でも知られる復讐劇の金字塔「モンテ・クリスト伯」を実写映画化した作品です

若き航海士エドモン・ダンテス(ピエール・二ネ)は船長への昇進が決まりメルセデス(アナイス・ドゥムースティエ)との結婚も控えていたが、エドモンに恨みを抱く者たちの策略により無実の罪で投獄されてしまう。絶望の中で生きる気力を失っていくダンテスだったが、投獄4年後に脱獄を企てるファリア司祭(ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ)との出会いを通じて希望を取り戻していく。司祭は彼に学問と教養を授け、さらにテンプル騎士団の隠し財宝の存在を打ち明ける。囚われの身となってから14年後、獄死した司祭を残し、奇跡的に脱獄を果たしたダンテスは莫大な財宝を手に入れ、ついに復讐を果たすべく動き出す。謎に包まれた大富豪「モンテ・クリスト伯」としてパリ社交界に姿を現した彼は、自らの人生を奪った3人の男たち(メルセデスを奪ったフェルナン、検事のヴィルフォール、密告者の航海士ダングラール)に巧妙に近づいていく

「モンテ・クリスト伯」は小さい頃に子供向けの世界文学全集のような本で読んだ記憶がありますが、内容は全く覚えていませんでした。したがって、映画を観て、ああこういうストーリーだったんだなとうっすらと思い出しました
「脱獄劇」の部分では、スティーヴ・マックイーンの「パピヨン」を思い出しました
本来は登場人物の多い長い物語ですが、2人の共同監督は巧みに3時間作品に凝縮しており、ストーリーのテンポが速いので、あっという間に時間が経過します
この映画では、復讐劇の主役たちの子ども世代の「ロメオとジュリエット」的な恋のゆくえも描いていますが、これは多分原作にはないんだろうと思います
モンテ・クリスト伯の「待て、そして希望せよ」という言葉が、説得力を持ちます
「待て」は、「復讐するには慌てるな。十分準備をして決行のタイミングを待て」ということだろうし、「希望せよ」は「苦難に陥っても、自分が正しければ、いつか誰かが救ってくれるかもしれない。最後まで希望を捨てるな」ということだと思います
なお、「モンテ・クリスト伯」の原作者はアレクサンドル・デュマ(1802-1870)ですが、彼の息子はヴェルディの歌劇「椿姫」の原作者であるアレクサンドル・デュマ・フィス(1824-1895)です。紛らわしいですね🐯

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