マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)のヴィジョンを描く単独ドラマ(タイトル未定)が、2026年にディズニープラスで配信となることがわかった。ヴィジョン役のポール・ベタニーが復帰し、ショーランナーには「スタートレック:ピカード」(2020-2023)テリー・マタラスが就任する。米Varietyが伝えた。
ヴィジョンは、MCUでは『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』内で登場した究極の人造人間。トニー・スタークが開発した人工知能J.A.R.V.I.S. に人工生体が与えられたことで誕生した、全知全能的な存在だ。スカーレット・ウィッチ/ワンダ・マキシモフと恋に落ちるが、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)サノスとの戦いで死亡。しかし、ドラマ「ワンダヴィジョン」では現実を確変させた「ヘックス」の中でワンダと結婚生活を送っていた。
「ワンダヴィジョン」内では、もう一人のヴィジョンであるホワイトヴィジョンが登場。記憶を復元した後にどこかに飛び去っており、行方不明となっていた。
ヴィジョン単独ドラマ化の情報はかねてより伝えられていた。物語は「ワンダヴィジョン」で消えたホワイトヴィジョンが自らの記憶と人間らしさを取り戻そうとするストーリーになるとみられている。
ショーランナーを務めるマタラスは「スタートレック:ピカード」のほか、「12モンキーズ」(2015-2018)など数々のドラマシリーズを手がけてきた人物で、脚本から監督、製作と幅広い領域で活躍する。「スタートレック:ピカード」シーズン3の最終エピソードでは全米脚本家組合賞にもノミネートされており、こうした功績に感銘を受けたマーベル・スタジオが指名オファーを与えたようだ。ちなみにマーベル・スタジオのケヴィン・ファイギはトレッキー(スター・トレックのファン)でもある。
マーベル・スタジオは作品数を減らして品質を向上させる方針を発表しており、ドラマシリーズは今後、年に2作程度に絞るという。現時点で2026年配信予定の実写ドラマシリーズはこのヴィジョンのみである。
この企画には、もともと「ワンダヴィジョン」の脚本・製作総指揮を務めたジャック・シェイファーが製作に戻ると伝えられていたが、Varietyの報告によると、現在シェイファーは同じく「ワンダヴィジョン」発となる新ドラマ「アガサ オール・アロング(原題)」の方に取り掛かっているという。
「ワンダヴィジョン」後の物語ということで、エリザベス・オルセンによるワンダが何らかの方法で再登場するのかが気になるところだろう。オルセンはかねてより「何も言えませんが、とにかく戻りたい」と復帰に前向きな構えを示しており、「彼女には救われてほしい」と愛着を見せたり、再演について尋ねられると「“出ると思います”以外にどう答えていいのか」と答えたりと、可能性を示唆するような発言を繰り返していた。
ちなみに「ワンダヴィジョン」からは、魔女のアガサ・ハークネスの単独シリーズ「アガサ オール・アロング」も2024年9月18日にディズニープラス配信予定。「ワンダヴィジョン」からの派生が相次ぐ展開となっている。
Source:Variety
THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。