アモイ大学、テンセントなどが協働して、世界初の甲骨文AI「殷契行止」を発表した。これまで数年かかっていた拓本の整理統合がわずか10分で完了する。国内研究者だけでなく、海外や一般の愛好者にも開放され、甲骨文研究が一気に加速することになると廈門日報が報じた。
漢字の起源である甲骨文。甲骨文とは殷(商)の時代に使われた漢字の原型で、亀の甲羅や牛の肩甲骨に刻んで記録に使われたものだ。しかし、まだ謎は多い。発掘調査から約4000文字が収集されているが、それが今日のどの漢字に相当するか、確定している文字は1/3程度でしかない。まだまだ解読作業の途中なのだ。
アモイ大学、テンセント、安陽師範学院は協働して、世界初の甲骨文専用AI「殷契行止」を発表した。

アモイ大学AI研究院の甲骨文研究チームの責任者、金泰松は廈門日報の取材に応えた。「私たちは、甲骨文研究の専門家を代替するためではなく、専門家を反復労働から解放し、解読と研究に集中できるようにするために、このAIを開発しました」。
殷契行止は、甲骨文字を含む骨片の写真をアップロードするだけで、甲骨文字のデータベースと照合し、書かれている文字がどれであるかを識別し、その文字に関する解釈や参考文献のリンクを提示する。
この作業はこれまで手作業で、研究者の多くの時間を奪っていた。これが自動化される。

甲骨文字の研究は、文字が描かれている骨片写真ではなく、拓本が使われることが多い。写真では文字が見えづらいことがあるが、拓本であれば、文字をはっきりと見ることができるからだ。
ところが、この拓本は、研究のためだけでなく、コレクションするためや販売するためにも取られるため、同じ骨片の拓本が複数流通している。同じ内容の拓本を特定して整理することも研究を進める上で重要な基本業務になっていた。
しかし、殷契行止はこの作業をわずか10分で完了する。これまで数年かかっていた仕事が一瞬で終わるのだ。

この殷契行止が注目されるのは、一般の人にも開放されていることだ。研究者であれば「甲骨文AI協同プラットフォーム」(https://www.jgwlbq.org.cn/home)にアクセスをし、アカウントを作成すれば、甲骨文の写真、拓本、写本の画像データをアップロードすることで、そこに書かれている文字を特定し、関連する参考文献を表示してくれる。
また、一般の愛好者には、ミニプログラム「了不起的甲骨文」(すごい甲骨文)が用意され、甲骨文について学ぶことができる。さらには、未解読の文字の一覧もあり、意見を投稿することができる。

甲骨文は海外にも多くが流出している。世界16カ国の博物館などに展示されている。その甲骨文を中国に返還してもらうことは簡単ではないが、デジタルの形で殷契行止に登録してもらうことは可能だ。現在、殷契行止には1525枚の甲骨文骨片が登録されているが、そのうちの950枚は海外にあるものだという。
殷契行止は、研究者の負担を軽減するだけでなく、国際的な協力を容易にし、さらには民間研究者、愛好者までをも結ぶものになろうとしている。甲骨文の解読研究が加速することが期待されている。

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