Movatterモバイル変換


[0]ホーム

URL:


ミッションたぶんPossible

どこにでもいるシステムエンジニアのなんでもない日記です。たぶん。

この広告は、90日以上更新していないブログに表示しています。

マンガやアニメが出自で一般化した用語にはどんなものがあるのか?

はじめに

 さて世間はゴールデンウイークですね。例年は基本的にも応用的にもゴールデンウイークはオレは忙しいんですが (農繁期かつ友人が遊びに来てくれるので) 諸般の事情で今日は暇だったので久々にブログを書いてみました。

 で、人間ヒマだとろくでもないことしかしないもんでして、ご多分に漏れずオレもこれからろくでもないものを書くんですが、今日キーボードを手に取ったのは、以前ちょっと疑問に思ってSNSで意見を募った掲題の件についてです。


 たとえば「鬼滅の刃」の「全集中」という言葉は、作品人気も相まってあっという間に市民権を得て一般用語として浸透したように感じられます。こういった言葉はオタクが半世紀弱生きていると、なんのかんのとちょいちょい世に出てきているように感じているのですが、実際のところどのくらいあるのかな?と疑問を持ってSNSに投げかけたのが調べ始めのきっかけです。
 結果としてそこそこの分量が集まったので、せっかくだからここでちょっと並べてご紹介してみたいと思います。
もちろん、「こんなのも他にあるよ」とか「それは違うだろ」「出典が間違ってる」とかあると思うので、ぜひSNSなどで教えてもらえると助かります。Twitterだと「@takigawa401」にもらえると嬉しいです。Xとか一生言わん。



全集中


(引用元:https://online.aniplex.co.jp/itemfIMgcyYb.html)

 冒頭でも例に挙げた「全集中」。週刊少年ジャンプで2016-2020年に連載し、アニメ化・映画化も果たした社会現象にもなった大人気作品、「鬼滅の刃」作家は吾峠呼世晴氏です。
「全集中」は主人公:竈門炭治郎ら鬼滅隊の隊士が必殺技を用いる時に行う所作のこと。「〇〇の型」「〇〇〇〇の呼吸」と続くこともあります。並々ならぬ集中力を発揮してこれから繰り出す技に全力を注ぐことから転じて、驚異の集中力を発揮して作業に臨む場合に用いられます。

世界線


(引用元:https://steinsgate.jp/)

 元々は5pb.が2009年に発売したXBOX 360向けゲームソフトで、以降PCや各種ゲーム機に移植、アニメ化や映画化も果たした人気作品「シュタインズゲート」に頻出する用語です。
世界線」という言葉自体はそれ以前から物理用語?数学用語?ともかく学術用語として使われていました(Wikipedia参照 )が、この作品によって「ほんのちょっとしたきっかけでありえた別の世界」、いわゆる並行世界やパラレルワールドを指す用語として一般に定着しました。今はどのアニメや漫画でも当たり前のように「世界線」という言葉が使われるようになっています。すごいね。

禁則事項


(引用元:https://ws-tcg.com/cardlist/?cardno=SY/W08-049)

 「禁則事項」も元々存在する用語です。印刷・出版の用語で、印刷のための組版の際にやってはいけない文書や文字の並びを避ける処理のことを「禁則処理」と言い、それらのチェック項目を「禁則項目」「禁則事項」と呼ぶことがあります。
 ですが、話題になったのは、いとうのいぢ氏著のライトノベルで後に漫画・アニメ・劇場版にスピンアウトし社会現象に発展した「涼宮ハルヒの憂鬱」シリーズによるものです。未来人と名乗る少女:朝比奈みくるが自分の所属する組織に都合の悪い事柄への言及を避けるために用いた用語が「禁則事項」でした。以降、職務上・立場上答えることが出来ない、もしくは伏せておきたい大人の事情があるような場合に用いるケースがあります。

「特級呪物」


(引用元:https://english.tamashiiweb.com/item/13429/)

 Google検索すると経緯まで含めてまんま出てきますね。週刊少年ジャンプで連載し、アニメや劇場版にまで発展した芥見下々氏作の超人気漫画「呪術廻戦」が出自です。「特級呪物」とは、非常に強力で危険な呪いを帯びた物品を指しますが、それが転じて「危険なもの」や「扱いが難しいもの」を指す言葉として用いられるようになりました。
 半年開けてない当時炊き立てだったはずの炊飯器や1年以上通電せずに放置された冷蔵庫は特級呪物扱いされます。呪いとは人の営みや行いが巡り巡って災いとして人の身に降りかかる怨念、まぁそういうことです。

「円環の理」


(引用元:https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1112/27/news072.html)

 2011年にテレビ放映され、以降映画化やゲームなどスピンアウトを数多く生み出した、シャフト制作のアニメ「魔法少女まどか☆マギカ」が出展の用語です。こちらもインパクトのあるストーリーだったことや、東日本大震災直後にテレビ放送の最終回が放映されたこともあって社会現象にまで発展しました。
 この用語は、アニメの終盤で魔法少女の一人:巴マミが仲間を見送った時に発したものでしたが、巴マミはいわゆる中二b……もとい、多くの印象的な言葉を作中で発しており、この言葉もその一つになります。意味としては運命・宿命・人の命において定められたもの、みたいな使われ方をします。アニメ放映当時は深夜帯に放映されていたこともあり、残業続きのITエンジニアがやっと家に帰り着いてテレビをつけるとこのアニメがやっていた、なんて時間帯だったこともあり、「円環の理に導かれて会社を辞めて行ったエンジニアが大量に生まれた」なんて使われ方をしました。

「目が点」


(引用元:https://blog.goo.ne.jp/naonao228/e/eeb143723eefbe226cd52af0e07a7a38)

 真っ先に思い浮かぶのは所ジョージ氏がMCを務める日曜早朝の長寿番組「所さんの目がテン!」ですが、残念ながら所ジョージ氏はこの言葉の生みの親ではありません。ちなみに「所さんの目がテン!」は1989年から40年弱も続いてるみたいです。そういやオレの子供の頃に始まった気がするなぁ。

 元々は漫画家:谷岡ヤスジ氏の作風で驚いた時の表情の描き方として目を点にする表現が最初でした。そこから、ジャズピアニストの山下洋輔氏が驚いた様子を「目が点になった」と言語化したことから、一般的な言葉となっていきました。
 谷岡ヤスジ氏の作風では「鼻血ブー」なんかも語源となる表現を描いています。「鼻血ブー」は最近あまり使われなくなってきた気がしますが、小学生とか今も使ってんのかしら?

黒歴史


(引用元:https://p-bandai.jp/item/item-1000135890/)

 人や組織の恥ずかしい・忘れたい・なかったことにしたい過去のことを「黒歴史」と表現します。マンガ・アニメから一般化した代表格みたいな用語ですが、実はその歴史は案外浅く、1999年に放映された「∀(ターンエー)ガンダム」が出自、月人であるムーンレイスが、地球での過去の戦争や紛争(「黒歴史」)を封印し、忘れるようにしている設定が語源です。

 その歴史は案外浅く……とオレは前述しましたが、実は「∀ガンダム」って四半世紀も前の作品なんですね。時が経つのは本当に早い……。

「ポチっとな」


(引用元:https://x.com/macchiMC72/status/1470927988745437184)

 Webで何かを購入することを「購入ボタンを押す」動作になぞらえて「ポチる」なんて言いますが、さらにその語源になった「ポチっとな」はアニメ:タイムボカンシリーズは「ヤッターマン」の悪役:ボヤッキーが毎話で新兵器を発動させる際にボタンを押すと同時に発する名台詞でした。なんとこの「ポチっとな」、ボヤッキーの声優を務められた八奈見乗児氏のアドリブだったみたいです。さらに言うなら、その前に使われていたセリフ……やはりアドリブだったみたいですが、「ブチュっとな」だったそうです。もし「ブチュっとな」で定着していたら今も何かを買うことを「ブチュる」と言っていたかもしれない、と思うと面白いですね。

togetter.com

「ポテチ」


(引用元:https://www.b-ch.com/titles/2762/)

 薄切りのジャガイモを油で揚げた定番おやつのポテトチップス、その略称の「ポテチ」ですが、最初に世に出したのは「なかよし」という講談社出版の月刊少女漫画で連載し、アニメ化を果たした「きんぎょ注意報」という作品でした。作家は猫部ねこ氏です。主人公の少女:わぴこの大好物で、作中で頻繁に「ポテチ」という言葉と共に登場しています。

 実は「ぽてち」という言葉、商標登録はお菓子メーカーの湖池屋が行っているそうです。ただ時系列を並べてみると若干ながらきんぎょ注意報の方が早いっぽいです。

  • きんぎょ注意報:1989年2⽉ 講談社「なかよし」で連載開始
    • 1989年5⽉号:「ぽてち」が初登場 (第3話)
    • 1991年1⽉:テレビ朝⽇でアニメ第⼀話が放映
  • 湖池屋:1989年12⽉「ぽてち」を商標出願
    • 1992年11⽉:商標登録

 まぁ言うても食べ物の略称なんてそのうち誰かが勝手に付けてたでしょうし、おそらくは「きんぎょ注意報」以前にも使われていたんでしょうが、世に最初に知らしめたのは「きんぎょ注意報」ということになりそうです。

「中の人」


(引用元:https://bigcomics.jp/series/fd70c816729bb)

 小学館が発行する週刊ビッグコミックスピリッツにて、1989-1994年に連載された吉田戦車氏のシュールギャグ漫画「伝染るんです。」が語源という説が濃厚のようです。「伝染るんです。」の主要キャラクターであるかわうそが、着ぐるみの外側から見ると背が高い人物に見える状況で、「下の人などいない!」と発したセリフが「(着ぐるみの)中の人などいない」という意味合いで捉えられたのが由来とされています。
 それが転じて、VTuberの演者や着ぐるみショーなどのスーツアクター、アニメの声優さんなどを指して「中の人」と呼ぶように一般に定着しました。

 余談ですが、「中の人などいない」ならいいんですけど「中に誰もいませんよ」だと別の作品になっちゃうので注意しましょう。ちょっとした違いで大違い。

「ダークサイド」


(引用元:https://www.gizmodo.jp/2019/06/darth-vader-father.html)

 ダークサイド(暗黒面)については説明不要ですね。スターウォーズシリーズに登場するフォースの一側面で欲望、憎しみ、恐怖といった感情に支配された者が利用するフォースを指す言葉が転じて、闇落ちした人や人の負の側面を表す言葉として使われています。スターウォーズは実写映画からスタートしているので、「ダークサイド」も厳密にはマンガやアニメが出自の用語ではありませんが、スターウォーズ自体ファン層も広くアメコミ等にも発展していたりマンガやアニメにも多大な影響を与えているので今回は掲載してみました。

絶対領域


(引用元:https://www.flickr.com/photos/vr4msbfr/15943379359/)

 男の夢です!

 ……失礼、ミニスカートとニーハイソックスの間のわずかに太ももの素肌を露出したエリア、もしくはその服装を「絶対領域」と呼びます。マンガやアニメではすっかり定着していますが、一般ファッション用語としてはどうなんですかね?ぜひ詳しい人に伺ってみたいものです。

 元々はデスクトップアクセサリーアプリを中心にしたやり取りが由来みたいです。「何か。(仮)」(※現在は伺か:読みは「うかがか」) というデスクトップアクセサリーアプリがあり、そのアプリでは様々なイラストレーターさんが描いたキャラが動いてユーザーに情報を提示したりユーザーとコミュニケーションを取ったりできたそうです。このソフトウエアに登場する、ミニスカートとオーバーニーソックスの美少女キャラクター「まゆら」(作者:夢蛍氏)のデザインに対して、2001年3月にMIY氏(※別のキャラクター「せりこ」の作者)が自身のブログで「ミニスカートとニーソックス(?)の間の空間は無敵だ。神の絶対領域とでも言おうか(爆)」とコメントしたことから広まったといわれています。
 ちなみに絶対領域という言葉は2005年に株式会社バンプレストが商標登録を出願しているそうです。

「シーン (とする/となる)」


(引用元:https://x.com/ogatin/status/847063217293557760)

 マンガではよくオノマトペが背景に描き込まれますが、音が全く無い状態・静かな状態を表す「シーン」というオノマトペを最初に用いたのは手塚治虫氏だそうです。(ちなみに上の画像はそれっぽいですがパロディ漫画家の田中圭一氏のマンガ)
 それ以前からも「シンとなる」といったような表現を夏目漱石ら文豪が用いていたようですが、小説→マンガという段階を経て一般に浸透していったんでしょうね。

ショタコン


(引用元:https://www.feel-kobe.jp/facilities/0000000126/)

 少年の男子への恋愛感情(性癖)やその恋愛感情を持つ人を表す「ショタコン」という用語ですが、元々はロボットアニメ「鉄腕28号」から来ています。1981年、アニメ雑誌「ふぁんろーど」の編集長だった浜松克樹氏が、読者からの質問コーナーで「少女を好きな男性はロリコンと呼ばれるが、では少年を好きな女性は何と呼ぶべきか?」という内容の問いに対し、半ズボンの似合う少年の代表として「鉄人28号」の主人公:金田正太郎の名を挙げ、そこから名を取って「ショタコン」と回答したのが始まりとされています。
 厳密に言うと「鉄腕28号」から生まれた、というよりは、あとから別の人が勝手に「鉄腕28号」になすりつけてきた、みたいなところがありますが、まぁ正太郎少年が「ショタコン」という言葉の由来になっているという点では間違いではなさそうです。

 ちなみに対比として引用された「ロリコン」ですが、正式には「ロリータ・コンプレックス」と言い、ウラジーミル・ナボコフの小説「ロリータ」が由来となっています。主人公の中年男性が14歳の少女に恋をしてしまい最終的には破滅していく、というあらすじだそうです。

「怪獣」


(引用元:https://www.amazon.co.jp/Beast-20-000-Fathoms-DVD/dp/B01KK3LWM6)

 昔からありそうな用語が気がしますが、「怪獣」は実は洋画の翻訳で生み出された造語です。1953年に制作されたユージン・ルーリー監督によるモノクロ特撮怪獣映画が「TheBeast from 20,000 Fathoms」で、これが邦題では「原子怪獣現わる」と翻訳されました。以降「怪獣」という言葉が特撮を中心に活用されるようになったそうです。
 この「原子怪獣現わる」ですが大人気シリーズ「ゴジラ」といったその後の作品らにも大きな影響を与えました。その辺の経緯を考慮してなのか、庵野秀明監督作品「シン・ゴジラ」では「怪獣」という概念が存在しない設定となっており、「巨大不明生物」という呼称に統一されています。

ツインテール


(引用元:https://hobby.volks.co.jp/products/ohc-snr-0002.html)

 女性のヘアスタイルとしてすっかり定着した「ツインテール」ですが、元々は大人気シリーズ「ウルトラマン」に登場する古代怪獣の名前です。初出は「帰ってきたウルトラマン」で以降何回も登場する人気怪獣です。文字通り2本の長い尾を持ちます。割と強烈に虫っぽいビジュアルですが、これが女性のヘアスタイルに発展するってかなり衝撃的ですね。

「変身」


(引用元:https://www.kamen-rider-official.com/zukan/characters/1409)

 ヒーローものや魔法少女ものでは定番の変身シーンですが、最初に「変身」が戦闘ユニフォームに早着替え(?)する意味で用いられたのは初代仮面ライダーだそうです。それまではフランツ・カフカの小説「変身」のように単に姿が異形に変わることを指したみたいです。仮面ライダーはショッカーに改造されたバッタ人間なので、従来の意味合いが強いのかもしれませんが、以降はヒーローのユニフォームチェンジの意味合いが強くなっていったと思われます。



おわりに

 いかがでしたでしょうか?

 SNSでオレが意見を募った時にはもっと色んな用語についても頂いていたんですが、調べてみるとマンガやアニメ由来とは言い切れなかったり、そもそも一般に定着してるとはいいがたい用語もあって、残念ながらここに掲載するに至れないものも数多くありました。

 逆に、ここに掲載できていないマンが・アニメ由来で一般に定着したと判断できる用語もいっぱいあるでしょうし、今後もたくさんの用語が、マンガ・アニメから生まれてくるのでしょう。再来年あたり「ゼクノヴァ」とかが定着してたり「マブ」とかがこれまでと異なる意味で使われだしたりする可能性もあるかもですね。

プロフィール
id:takigawa401id:takigawa401

どこにでもいるシステムエンジニアのなんでもない日記です。たぶん。

検索

引用をストックしました

引用するにはまずログインしてください

引用をストックできませんでした。再度お試しください

限定公開記事のため引用できません。

読者です読者をやめる読者になる読者になる

[8]ページ先頭

©2009-2025 Movatter.jp