技術書典3が開催決定しました!
ということで、今回は「みんなも技術系同人誌書こうよ!」といった話をしたいと思います。
ところで、技術系同人誌といったものをご存知でしょうか?
そして突然ですが、エンジニアの皆さん、技術系同人誌を書きませんか?
あなたが普段インプットしている知識を求めている方は沢山います。そんな方に、あなたの知識を同人誌にしてにして送ることができるんです。素敵なことだと思いませんか?
ということで、今回は
について、金銭面やスケジュールの面にも細かく触れて書いていきたいと思います。
そもそも技術系同人誌とはどういったものなのでしょうか?
技術系同人誌とは、プログラミング・工作等の成果発表や技術解説をする同人誌のことを指します。
有名なサークルだと、
techbooster.orgocreilly.meiji-ncc.tech
辺りが挙げられます。
電子(ブログ、GitHub)媒体ではないメリットとしては、金銭を出して買ってもらえるため、お金と時間をかけられる点ですね。
あとは、内容に責任が発生するという点があります。売るものとなれば、適当なことや嘘は書けませんよね?
どちらがいいという話ではありませんが、「キチンと本格的に技術的なものを書きたい」ということであれば向いていると思います。
ざっくばらんにまとめると、技術系同人誌を売るまでの流れは以下のようになります。
といった流れになります。以降、それぞれ説明したいと思います。
技術系同人誌を書くにあたって「どんな内容にするか」といったことは一番最初に決めるべきことです。
自分は「GAS、日本の資料少ないし、同人誌出したら流行らないかな~~」みたいな感じでした。
他にも、以下のような決め方が一般的だと思います。
ここで大事なことは「好きなことについて書く」ということです。
誰かに強制されているわけではないので、自分が書きたいことを書けばいいのです。そういった側面も同人誌の魅力です。
今回自分は「技術書典2」に申し込みました。
1回目(技術書典)の開催は一般参加者(つまりは買う側の人間)でした。そのときに「ブースの向こう側の存在」に強い憧れを抱きました。
これが同人誌を書こうと考えたきっかけでもあります。
ちなみに、同人誌頒布への申込ですが、基本的にお金がかかります。これは、運営や施設利用費として活用されるものです。
技術書典2では「7000円」必要でした。他のイベントでも大体はこんな感じです。
学生には厳しい。
日程的には、イベントの半年~3か月前になります。*1
これが一番のメイン作業になります。基本的には2パターンあると思います。
で、これは印刷について説明するときに話しますが、初心者の方はPDFの形式で完成させるのがお勧めです。
とすると、最終的にPDFにすることのできる形で原稿を書く必要があります。
以下のようなものを使うと、そのままPDF出力が可能です。
今回私は、あえて実験的にVivliostyle.jsといったものを使用しました。
これは、HTML&CSSを本のレイアウトとして表示することのできるJSフレームワークなのですが、とても扱いやすく便利でした。

かなり端折りますが、要するにHTMLを用意すればPDFにできるわけです。
私はMarkDownという記法で原稿執筆を進めました。
MarkDownとは、見出しや箇条書きをシンプルに描くことのできる記法です。ちなみに、はてなブログの記事もMarkDownで記述が可能です。
以下は私の原稿の一部です。

これをHTMLにコンバートする処理を適当に作ってやりました。
Vivliostyle.jsについてはもう少し詳しく書きたいですが、別の記事にでも書きます。
自分は、コンセプトアート(表紙絵)の制作から行いました。

絵に関しては描きたくない人もいると思うのですが、直観的に見てみると表紙絵のある同人誌の方が目を引く傾向にあると思います。
依頼等してでも、絵を用意する価値はあると思います。
次に、告知サイトを制作しました。1から作るのもありですが、以下のようなツールを使うという手もあります。
また、告知サイトはスマートフォン等からでも見栄えの良いデザインの方が良いですね。アクセス解析をした結果ですが、PCよりスマートフォンの方が見る方が多い傾向にありました。
さらに、告知サイトにはシェアボタンを設置して各種SNSへ投稿できるようにしておきます。FaceBookやTwitterなんかは押さえておきたいですね。
自分でもシェアを定期的にしておきましょう。
因みに自分が実際に作った告知サイトはこちらです。参考までに。takanakahiko.me
ここから同人誌っぽくなって楽しくなってきます。印刷についてはいろいろな方法があります。
前者はいわゆる「コピー本」と言われるやつですね。安価ですので惜しみなく印刷できることが強みです。
今回、自分は後者を選びました。理由はですね、ほら、なんか本にしたら嬉しいじゃないですか(適当)
ということで、業者に頼む方を説明します。
業者は何社かありますが、以下の要素で選ぶことになります。
提出様式に関してですが、基本的にPDFがあればどこでも大丈夫そうな感じはしました。(各章はありませんが)
私は、印刷会社「ねこのしっぽ」を利用しました。以下に特徴を述べます。
僕自身同人デビュー作でしたので、対応が親切というのはかなり決め手となりました。
例えば、原稿を出した際に、以下のような連絡があり、非常に助かりました。
ほかの印刷会社にはない神対応です。(間違っていても問答無用で刷られます)心配だったらここを選びましょう。
印刷所によっては「早割り」や「特急」といったプランがあります。
大体、2週間前までに提出できれば「早割り」に間に合うと思います。
逆にギリギリになると割高になるので注意です。
ということで本番当日です
準備段階では以下のことをしました。
で、これ自身は自分の失敗談になるんですけど、お釣りの用意を完璧に忘れていました。
平日なら銀行で両替できますので、早めに準備できるといいですね。
実際に販売した時に感じたこととしては、予想してたよりも10倍ぐらい速いペースで売れたということです。11時~17時のイベントでしたが、13時に完売しました。
前途の告知の効果が大きかったらしいです。
お客さんは基本的に見本を読んでから購入するので、見本用の冊子を置いておけば、気軽に手に取ってもらえます。
反省点としては、思ったより長丁場なので、少し寒かったです。季節によってはひざ掛け等の装備が必要です。
また、事前にご飯を買うのを忘れてしまって、夕方まで何も口にできませんでした。食べ盛りの学生にはつらかった。
大体、金銭面の諸々の金額としては以下のようになりました。
といってもピンと来ないかもしれませんね。
要するに、純利益は「1,3000円」でした。
まあ書いた甲斐があったというものです。
とはいえ、交通費、割いた時間、いろいろ考慮すれば…、という点はあります。
単純に小遣い稼ぎであれば同人活動はお勧めできません。
???「先ほど購入したものです」
ぼく「ありがとうございます」
???「実はインプレスR&Dの者ですが、よかったらウチで商業出版しませんか」
ぼく「!?!?!?!?!?」
ええ、びっくりしましたとも。
なんと、イベント当日に、出版社「インプレスR&D」さんにお声かけていただき、商業書籍化が決定しました。
こうやって認めていただいて、更に発信の機会を増やしていただけるなんて、とてもありがたいことだと感じています。
商業書籍版では更に事例を増やした特大版となる予定です。
また、仕事でつかえるシリーズの一つとして販売予定です。
初心者の僕でも意外とどうにかなってしましました。
要するに「技術系同人誌は敷居低いからどんどんみんな書こうぜ」といったことをお伝えしたかったのですがどうでしたか?
一番最初にも述べましたが、技術書典3が開催決定しましたので、良かったら皆さんもエントリーしてみては?
ということで、今回は締めさせていただきます。
実は、実際に今回書いた同人誌の余りをBoothで販売しています。
内容としては、GoogleAppsScriptで自動化を行う際のTipsです。
あなたの毎日をより快適に、煩わしい作業からの脱却を手助けしたい、そんな思いから誕生した1冊です。
「メールを自動で送りたい」「slackのbotを作りたい」といった方へオススメです。
購入していただけると嬉しいです。
以上です。読んでいただき、ありがとうございました。
同人誌や生地に関する質問、意見はこちらまで
たくさんの閲覧、ありがとうございます。
日程に関する説明が抜けていたので追記しました。
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