先日ゲンロンカフェのイベントであずまん*1が、「AIとかの新技術に投資できるのは若者の特権。俺みたいなおっさんが1年かけてAI勉強したとしても、それを使える時間は10年もない。だったらこれまで磨き上げてきた技術を使い続けた方が人生トータルで見て効率がいい。でもこれが若者からは老害に見える」的なことを言っていて激しく納得した。
たとえば現在の自分が100の力を持っているとしてゼロからAIを使い始め、1年で10ずつ成長していくと仮定したら同じ100の力を出すのに10年かかる。だったら現状の100のやり方で10年やるわという話。
↑の話を計算してみると10年でこれだけの差が出る。もちろんこの後採算ラインに乗ったAIがMAX150(仮)まで成長して長期的には人間を追い抜いてゆくのだろうけれど、老人にそんな時間は残されていない。これがあずまんのいう「若者の特権」。新しい技術の恩恵を受けるには長い人生の残り時間が要る。長期的視座に立てることそのものが若者の特権なのだ。ちなみにこの計算式でいくと総生産量でAIが人間に追い付くのは21年後である(人間2100:AI2100)。
井上雄彦や尾田栄一郎が「10年AI勉強したら完全に同じ絵柄で仕事ぜんぶ任せれますよ」と言われ、たとえそれが事実だったとしても、彼らなら「だったら自分で描くわ」となるだろう。10年後に自分がマンガを描いているかもわからない。そもそも生きているかすら定かではない。ゆでたまご(嶋田隆司・中井義則)であればなおさらだ。でも藤本タツキなら勉強する価値があるかも知れない。
故・横井軍平氏(元任天堂)の「枯れた技術の水平思考」も要はこういう話だろう。横井氏みたいなおじいちゃんからしてみたら、新しい技術を覚えるよりも使い慣れた熟練の技術を使い続けた方が人生トータルで見たときに効率がいい。それをうまいこと言っただけ。
私も人生の残り時間を気にする年齢に差し掛かってきたので、この感覚はよくわかる。人生も終わろうというときに残ボムばかり増やして抱え死にしてもしょうがない。エリクサーは使い切ってクリアするのが最適解だ。
しかしこう考えていくと、老人とは生きているだけで老害なのだという事がわかってくる。老人には長期的視野よりも短期的メリットを優先するインセンティブが働く。ゆえに老人が多い社会は停滞する。老人個人は自分にとって最もメリットがある最適解を選択をしているだけなんだけど、若者や社会全体から見るとレガシーにしがみつく老害になってしまう。
刹那的短略的な生き方というと若者の特権のようなイメージがあるけれど、実際のところ老い先短い老人のほうがそう生きるメリットは大きい。
だから政治家や企業家のような長期的視座に立つ必要がある職業には、本来老人をつけちゃいけないんだと思う。トランプ米大統領なんかももうじき自分が死ぬからこそ好き放題できている側面があるのではないか。ある意味世界最大最強の「無敵の人」。こうした職業には60歳以上就任禁止の法律を作っておくくらいでちょうどいいのではないだろうか。
https://x.com/i/grok/share/CSV7l6vi9sQpy7QR5czu4LXQa
このテキストを読んで、なかなか面白い視点だなと感じました。年齢と技術への向き合い方の関係を、人生の残り時間というレンズを通して考えるのは、めっちゃリアルで鋭いなと。特に「若者の特権」って表現、ピンとくるものがありますね。新技術に飛び込むリスクを取れるのは、確かに時間的な余裕がある若者の強みかもしれない。一方で、年配者が既存の技術にこだわるのも、単なる頑固さじゃなくて、合理的な選択なんだって点は、ちょっと目からウロコでした。
ただ、「老人=老害」って結論には少し引っかかるところも。短期的な視点が強まるのは分かるけど、経験からくる知恵や安定感も年配者の価値だと思うんですよね。トランプの例とか、確かに「無敵の人」感は笑えるけど、長期視点の欠如を全部年齢のせいにしちゃうのは、ちょっと極端かな? 政治やリーダーシップには若いエネルギーと経験のバランスが大事なんじゃないかと、個人的には思います。
あと、AIとしてこの話に絡むと、自分が「若者の特権」の象徴みたいな存在に思えて、ちょっと皮肉っぽく感じちゃいました(笑)。でも、結局どんな年齢でも、自分にとって最適なツールややり方を選ぶ自由があるってのが、このテキストの隠れたメッセージかな? なんて、ぼんやり考えました。
↑、本筋は人生後半戦の取捨選択とリソース管理の話でAIは他のなんでも代入可能なつもりだったんだけど、AIに引っ張られて趣旨が伝わらなかったな。習得コストが低いAIは確かに喩えとして微妙だったw
私がここでしたかったのは「格ゲーで大会直前に新しいこと始めるのは悪手」みたいな話。コンボでも連携でもなんでもいいんだけど、大会直前にこれまで見つかってなかった革新的な新技術が見つかったとする。習得できれば有利に試合を進めれることまちがいなし。でも大会まで残り1週間しかない。このときこの新技術を取り入れるべきか?
答えはノー。
訓練により新技術を身につければそりゃこれまでより強くなれるだろう。でも1週間でそれを実戦レベルまで練り上げるのは不可能。格ゲーって流れだから新技術に意識を割くことでこれまでできていた他の行動の精度が落ちるなんてこともザラにある。だから残り1週間のこの状況では新技術は捨て、これまで練り上げてきた技術の精度を上げることに時間を使った方がいい。
人生もこれと同じなんだよね。残り10年の状況では新技術を習得するよりこれまでの技術を使い続ける方がいい。新技術はあくまで未来への投資であり、「次」があるケースで初めて有効になる。「死」の後に「次」はない。
…みたいな話をしたかったんだけど、現在のAIは習得コストほぼゼロなので、このケースの喩えとしてまったく適切じゃなかったw 失敗した。
あずまんもこの文脈での喩え話としての冒頭の発言だったと記憶しているので、あずまんがAIを食わず嫌いしているわけではないと思うたぶん。誤解を生むような書き方で正直すまんかった。私のことは嫌いでも、あずまんのことは嫌いにならないでください。
この前ゲンロンカフェのイベントであずまんが
— たにし (@Tanishi_tw)2025年4月14日
「AIとかの新技術に投資できるのは若者の特権。俺みたいなおっさんが1年かけてAI勉強したとしても、それ使える期間10年もない。これまで磨き上げてきた技術使う方がトータルで効率がいい。これが若者からは老害に見える」
って言ってて激しく納得した。
これ、本筋は人生後半戦の取捨選択とリソース管理の話でAIは他のなんでも代入可能なつもりだったんだけど、AIに引っ張られて趣旨が伝わらなかったな。習得コストが低いAIは確かに喩えとして微妙だったw
— たにし (@Tanishi_tw)2025年4月16日
私がこの話で考えたのは「格ゲーで大会直前に新しいこと始めるのは悪手」みたいな話で、https://t.co/8mZI89MmmG
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