これから本格的に復元作業が行われる「彩雲」です。
「彩雲」は小型で高出力の意欲的な「誉」エンジン(「紫電改」や「疾風」も搭載)を搭載した偵察機。戦闘機にも劣らない速度を発揮でき「我に追いつく敵機無し」(”敵機” ではなく ”グラマン”という説も)の打電が有名です。
大戦後期に登場して終戦まで奮闘していました。(奇しくも今日は終戦記念日。)






今は胴体部分が鎮座している状態ですが、残骸とはいえ間近で機体構造をじっくり見られるのは貴重な機会です。数年前、復元途中の「隼」もこの場所に置かれていました。
2~3年位したら今展示されているの「隼」のように復元されるのか、と思うと楽しみですが、説明員の方にお話しをうかがったところ、彩雲はこの1機分の残骸しか入手できていないので、欠損部分の復元等、作業はかなり難しそうとのこと。
他に現物は無いし設計図も終戦時に殆どが処分されているので、書籍の写真等の資料を手掛かりに部品を作ったりしなければならないそうです。特にアメリカで出版された書籍でこの彩雲の詳細な写真が載っているそうで、これがかなり役に立つそうです。
実は「彩雲」はアメリカに1機あるとのこと。戦後の評価飛行テストのためにアメリカに搬送された機体があるそうです。ゆくゆくはレストアされて展示されるのでしょうが、現在は分解され博物館の倉庫で保管されているそうです。
この機体を直接見ることができれば復元作業も捗るのですがね....とのことでした。
その点、ゼロ戦や隼は数機分の残骸が入手できたので作業はまだ楽だったそうです。
それでも ”推測” で復元し無ければならなかった部分もあるとのこと。
ピトー管などは翼に埋め込まれている根元の部分の太さは分かるが、その先の太さや長さは写真を頼りに推測して作ったそうです。

エンジンの排気管後方に貼り付けれている遮熱版(防熱版)もそうで、考察の結果”こうであっただろう” というものを貼り付けているそうです。

この博物館では納得の出来ない復元作業はしなさそうなので、ゼロ戦や隼の隣に
「彩雲」が並ぶのは時間がかかるのかもしれませんが、その時は見に来たいと思います。

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