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さちゅりこん2――渡邊史郎と縦塗横抹

世界が矛盾的自己同一的形成として、現在において過去と未来とが一となるという時、我々は反省的である。(西田幾多郎)

最終的、不可逆的

戦争の罪の問題は、永久に終わらないのが特徴である。国家が何をしようと終わらない。

細君と「スターウォーズⅣ」を久しぶりに観たのだが、ただのドタバタコメディであった。

しかし、このあと、この話がどんな風に膨らんでしまったかは、みんなが知ってるとおりだ。なぜかといえば、とにかくこの話では人が死にまくっているからだ。「Ⅳ」がベトナム戦争大敗北で暗くなっているアメリカの一部を元気にし、視る者の脳内も元気にしてしまったのは一部確かである。しかも、それが日本刀や日本の兜、並びに「フォースとともにあらんことを」みたいな精神論――を伴った映画だったことは重要である。アメリカは戦争の罪を認めたくないときに、なんとやらかした罪を忘れる技量に長けた日本を使ったのである。確かに、このシリーズに描かれているように、戦争は相互浸透の法則を忘れない。

何回もフォースを持った騎士がゾンビのように復活してくるこのシリーズであるが、復活するのは悪の力の方ではなく、罪の方だ。主人公たちは、悪夢を克服して、良き力にも悪の力にも目覚める。希望とか覚醒とかはそうやって起きる。悪夢は罪である。そう意識されない罪である。

「Ⅳ」で、主人公はデススターに住んでいる無垢の住民を虐殺した。もうだめだ。


ルーク、わしが最終的、不可逆的に父親だ。

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