ロミといえば、『三面記事の歴史』という本で出会った作者であるが、この前、『乳房の神話学』というのを買った。図書館で『おなら大全』というのを読んでいたら止まらなくなったので泣く泣く帰宅した思い出がある。 日本のスカした文化研究者が面白くも何と…
ブックオフなどに行って、頭を昆虫レベルまで落として何か掴んでレジでお金を払い、その掴んだものを読むという行為に出ると、なぜか生きる力がわいてくるわたくしであるが、今回掴まされたのが「総理の椅子」(国友やすゆき)の第一巻。 いまのところあまり…
155号線沿いに詰田川を東にゆくとあるのは濱神社。鳥居の額には「濱神社/弁財天」と二行書き。新しい額ですが、鳥居そのものが平成七年のもの。弁財天講世話人が寄進している。 注連石は大正十五年のもの。 拝殿。平成八年に立てられたものらしいです。 本…
先の金比羅灯籠の目の前に居られるのが「荒削り地蔵」である。これも平成十五年にここに移ってきたそうだ。 万延元年のお地蔵さんである。荒削りなのではなく、こういう光背のデザインなのではなかろうか……と思った……。いろんな地蔵を見てきて思うのであるが…
詰田川は、高松市街の東、元山あたりから流れている川である。元山から4キロぐらいしかない気がするのであるが、案外でかい川なので、まったく平野の川というのは油断ができない。以前、台風の時にはすごく増水しててびっくりした記憶があるが……。 で、ほと…
娘シオンよ、大いに踊れ。 娘エルサレムよ、歓呼の声をあげよ。 見よ、あなたの王が来る。 彼は神に従い、勝利を与えらえた者 高ぶることなく、ろばに乗って来る 雌ろばの子であるろばに乗って。 ――ゼカリヤ書 この予言は、イエスのエルサレム入城で果たされ…
男は狼とか、酷い言いようであるが、――確かに狼が狙う羊を守る羊飼いの美少女というのは美少女美術史において重要であろう。わたくしがナボコフの『ロリータ』がきらいなのは、彼女が羊飼いじゃないからだ。わたくしが思う最強の少女は、羊飼いの少女が本を…
例えば、あるわたくしがどんな感じで労働しているかといえば、今日はこんな感じなのである。 ・起床(何時だったかは不明)、メールチェック→返信 ・朝ご飯つくる→食べる(同時にテレビでニュースをチェック、罵詈雑言を画面に浴びせる) ・ゼミの予習(いら…
き、きさま、いったい、な、何者だっ。」 二十面相は、追いつめられたけもののような、うめき声をたてました。 「わしか、わしは羽柴家のダイヤモンドをとりかえしに来たのだ。たった今、あれをわたせば、一命を助けてやる。」 おどろいたことには、仏像がも…
神を崇めるメシアンを崇める作曲家は多かったが、わたくしも作曲家ではないが崇めている。上は、彼の代表作であるとわたくしが思う「幼児イエズスに注ぐ20のまなざし」(1944)。大学の時に、ごく一部を弾いてみたが、恐ろしく大変で、ごくごく一部が弾けたに…
「セヴンティーン」はよく分かるような気がするのであるが、「政治少年死す」はよく分からない。というより、分からないことすら忘れていたが、最近ちょっと考えなきゃいけないことがあって、読み直して見ようと思う。われわれは、自意識過剰なくせに、それ…
最近、また「近代の超克」もどきの思想を持ちだしてくる人々がいるようであるが、まさにこういう人たちは、近代やら過去の自分やらを超越(忘却)するのが特徴である。弱い俺様はすごいダー、近代を超えるだー、戦後を超えるだー、等々の寝言は二百年ごとぐ…
仕事と会議と、読書は速水健朗の食物文化?研究。荒木優太氏の本も少し読む。
彼は、学校で蹴球(アソシエーション)をしていて、顔を蹴られ、顔中繃帯ほうたいをして病院へ通っていたのであった。実際間の抜けた話ではあるが、上から落ちてくる球をヘッディングしようとして、ちょっと頭をさげた途端に、その同じ球を狙った足に、下か…
落合陽一の『デジタルネイチャー』というのを興味深く読んだ。昔だれかが浅田彰について、やつはサイバネティックスとかデジタルな何かについて語ろうとするけれども、彼自身は非常に生々しいというか肉惑的な?感じがする人間だ、みたいなことを言っていた…
宮本百合子が、批判的に紹介していた「文学者指導性座談会」というのが、昭和九年の『行動』に載っている。宮本の紹介の仕方はかなり乱暴で、ファシズムに興味があると言った新居格など、もう危険な領域に足を踏み入れているがごとくであるが、実際の座談会…
『ゲンロン8』で、東浩紀氏が、自分は哲学者や批評家といっても「表象文化論出身」のそれなのだ、と言っていた。わたくし(←氏と同い年)も「それ表象と言いたいだけちゃうんかみたいな人たち」の影響をかなり受けたと思う。東大を中心としたのか知らんが、…
に行ったが、その前に授業では漱石の「柿」の演習の続き。髪結いについてあんまりよく知らなかったので家に帰ってから調べた。
この前亡くなった日高六郎の『1960年5月19日』を読むと、そこにある「国民」という言葉が、ポッブス的自然状態から苦労して獲得された共同性の意識のことを指していて、そんなものを獲得しそこなった日本人が、はじめて「国民」らしき意識をもったのが、その…
板書まで疲れてきたわたくしであった。
トランプと金正恩の握手を見ていて、政治のことはどうも――将棋が苦手なわたくしなど、先の一手というのが読めず、――日本人にはこういうぼーっとしたわたくしみたいなのが多いと思うのであるが、演歌の世界を思い出した。例えば杉良太郎の「男の人生」では、…
今年はあるオムニバスの授業に参加しているのであるが、そこで今日はレッシングの「ラオコオン」などについて講義があったので、帰宅してから最初の方を読み直してみた。疲れたので、米山優氏のモナドロジーについての本をつまみ食いする。 「ラオコオン」を…
眼閉づれど、 心にうかぶ何もなし。 さびしくも、また、眼をあけるかな。 途中にてふと気が変り、 つとめ先を休みて、今日も、 河岸をさまよへり。 ――石川啄木「悲しき玩具」より ……わたくしが啄木と全く違うのは、土日でも出勤してしまうことがあり、勤め先…
我戀は細谷川の丸木橋わたるにや怕し渡らねばと謳ひかけしが、何をか思ひ出したやうにあゝ私は一寸失禮をします、御免なさいよとて三味線を置いて立つに、何處へゆく何處へゆく、逃げてはならないと坐中の騷ぐに照ちやん高さん少し頼むよ、直き歸るからとて…
ダウンタウン物語 5/5 したらいいと思う。
静かに朝が立ちそめて、小鳥がチクチク鳴きはじめました。ふっと気がつくと、とんび岩は、いままでのように、山の頂きにちゃんとすわっているのです。とんび岩はあッと喜びの声をあげました。 「ああ、前のところにいる。前のところにちゃんといるぞ……これは…
カズオ・イシグロ原作の「日の名残り」はなんだか好きな映画で、もう十回くらい観ているのであるが、きれいな画面だと思うのと、アンソニーホプキンスのオーラが主人公のキャラクターと絶対矛盾的に統一する妙な感じが心地よいからである。 原作は、どこまで…
「露錯タル事モ無ケレドモ、前ノ世ノ宿世ニテ、既ニ命ヲ召シツ。痛ク歎キ給ハデ御マセ。此ノ童ニ至テハ、自然ラ人ノ子ニ成テモ有ナム。嫗共何カニシ給ハムズラムト思フナム、殺サルル堪ヘ難サヨリモ増テ悲キ。今ハ、早ウ入給ヒネ。今一度御顔ヲ見奉ラムトテ…
雪国生れの人々は気候のために故郷を呪ひがちであつた。いつもいつも灰色の空。太陽は生命と希望の象徴であるが、象徴を失ふことが現実に希望と生命を去勢する無力さを、彼等は知らねばならなかつた。ためらひや要心や気憶れや、人間関係の弱さだけで沢山だ…
しんどい……
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