さようなら瀬戸内海 こんにちは、人も雪も少ない木曽。 中学の大合併話を聞いた。
今年読んだ本でよかったもの…… ・多和田葉子『献灯使』 ・野中英次『未来町内会』 ・土門拳『筑豊の子どもたち』 ・沖浦和光『幻の漂泊民・サンカ』 ・中沢啓治『広島カープ誕生物語』 ・ミシェル・ウェルベック『服従』 ・山内志朗『小さな倫理学入門』 ・…
どうも、フォースを持つ連中というのは暗黒面に墜ちるか否かで悩むらしいのである。しかし、まず、そのフォースとやらを捨ててしまえば何の問題もないのではなかろうか。ヨーダもほかのジェダイも、そのフォーストやらで未来を視てしまう能力があるらしいの…
戦争の罪の問題は、永久に終わらないのが特徴である。国家が何をしようと終わらない。 細君と「スターウォーズⅣ」を久しぶりに観たのだが、ただのドタバタコメディであった。 しかし、このあと、この話がどんな風に膨らんでしまったかは、みんなが知ってると…
和泉式部の素晴らしく魔性な世界がNHKを通じて明らかになりました。もっとも、文学部の王朝研とかはもっとただれた話題で盛り上がっているのであるが…… 大久保さんの「それ人としてどうなんだろう……」という発言が一番的を射ている。 挿入される現代のド…
賢一郎 (昂然と)僕たちに父親があるわけはない。そんなものがあるもんか。 父 (激しき憤怒を抑えながら)なんやと! 賢一郎 (やや冷やかに)俺たちに父親があれば、八歳の年に築港からおたあさんに手を引かれて身投げをせいでも済んどる。あの時おたあさ…
「やっぱり、はあ、真白な膚に薄紅のさした紅茸だあね。おなじものでも位が違うだ。人間に、神主様も飴屋もあると同一でな。……従七位様は何も知らっしゃらねえ。あはは、松蕈なんぞは正七位の御前様だ。錦の褥で、のほんとして、お姫様を視めておるだ。」 「…
「ディアベリ変奏曲」を聴き惚れる
そうして今夜、五年振りに、しかも全く思いがけなく私と逢って、母のよろこびと子のよろこびと、どちらのほうが大きいのだろう。私にはなぜだか、この子の喜びのほうが母の喜びよりも純粋で深いもののように思われた。果してそうならば、私もいまから自分の…
少し前から、Eテレで「恋する百人一首」という番組をやっている。第一回「ベッドイン」から内容的にも様子が変なのだが、百人一首の内容なんかはもともとかなりイカレておるので別になんとも思わない。 それより、出演者がすごい魔圏を作り出している。 山…
木曽の家では、トントゥ(フィンランドの妖精)を作っていたようです。 フィンランド国――芬蘭土語ではスオミ、Suomi ――の首府へルシングフォウス――芬蘭土語でヘルシンキ――は、密林と海にかこまれた、泣き出したいほどさびしい貧しい町だった。 一九一八年に…
David Maslankaはサクソフォーン四重奏曲しか知らなかったが、いろいろあると知りました。
寒い日々
翌日中隊は、早朝から、烏が渦巻いている空の下へ出かけて行った。烏は、既に、浅猿しくも、雪の上に群がって、貪慾な嘴で、そこをかきさがしつついていた。 兵士達が行くと、烏は、かあかあ鳴き叫び、雲のように空へまい上った。 そこには、半ば貪り啄かれ…
「月山」を読む第一回終了。今日は「山の文学」の歴史を振り返りました。祝い歌「高い山」やみこしまくりの話、霊山と「山の民」の話とか……「崇高さ」とか……。次回から本文をちゃんと語ろうと思ってます。 ――夜は、国語研究室の忘年(忘れてたまるかよ)会
木曽人なのに最低気温五度ぐらいでブルブルきているおれはたぶん別人
一本腕は橋の下に来て、まず体に一面に食っ附いた雪を振り落した。川の岸が、涜されたことのない処女の純潔に譬えてもいいように、真っ白くなっているので、橋の穹窿の下は一層暗く見えた。しかしほどなく目が闇に馴れた。数日前から夜ごとに来て寝る穴が、…
「人知れず失恋していたのだ」 位のことはおしまいに言うかも知れぬ。 こうして私の死は永久に無意識に葬られるであろう。今までにいくつとなく出来たであろうこうした無意義な、かつ不可解な轢死体と一緒に…………。 カタリ……とシグナルが上った音……。 「馬鹿……
Nはいたるところの収容所を訪ね廻って、重傷者の顔を覗き込んだ。どの顔も悲惨のきわみではあったが、彼の妻の顔ではなかった。そうして、三日三晩、死体と火傷患者をうんざりするほど見てすごした挙句、Nは最後にまた妻の勤め先である女学校の焼跡を訪れ…
しゃべっただけ
フーコーのいくつかとともに、文学部でこれを読んだふりをしていない人間はもぐりとみなされるところの――『想像の共同体』のベネディクト・アンダーソンが亡くなったそうである。大学の時、無名戦士の墓というのがナショナリズムを表象するのだ、という箇所…
磯前順一氏の本はよく読む。これは島薗進氏の退官記念の本らしい。宗教学者にとって宗教とはなんだろうな……。我々のような文学の学徒にとって文学とは何かというのが大問題であるように、問題であるに違いない。 この問題と、公共空間にはどうやら宗教的な何…
しかし、私はそれを誰にも言えぬ。考えてみると、それは婦女子の為すべき奉公で、別段誇るべきほどのことでも無かった。私はやっぱり阿呆みたいに、時流にうとい様子の、謂わば「遊戯文学」を書いている。私は、「ぶん」を知っている。私は、矮小の市民であ…
ある学生から自主的に「痴人の愛」の感想が送られてきた。数年前、共通科目で会った学生である。こういう学生は、積極性や主体性があるというより精神が柔軟なのである。……しかしまあ、愛と憎しみが、選択肢になってしまう主体的=形式主義的な人間こそ、文…
の跋扈する 冬の空
やなことばかり
なにもなし
わたしが来たのは、地上に火を投げるためだ。かかる火が既に燃えていたらと、どんなに願っていることか。しかしながら、わたしには受けねばならぬバプテスマがある。それが終わるまで、わたしはどんなに苦しむことであろう。あなたがたは、わたしが地上に平…
にもなし
なし
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