今年の冬は寒くなりそうだ。短い秋が一気に紅葉を見せてくれたかと思えば、インフルエンザが流行し始めている。
規制はなくなったとはいえ、コロナ禍でインフルがほとんど流行しなかった“あの実績”を思い出し、マスクを買っておくことにした。
通っているドラッグストアのアプリには、一品だけ 15% 引きのクーポンがある。迷わずマスクに使うことにした。
レシートを見る。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| マスク代 | 698円 |
| 販促割引15% | −105円 |
| 消費税対象額 | 593円 |
| 消費税 | 59円 |
| 合計 | 652円 |
本来698円の商品が652円。
15%割引の割には……正直、あまり得した気がしない。
15%引きと聞くと、大きな割引に思える。
しかし実際には、割引後の金額に消費税が再び上乗せされるため、定価から少し“丸めた”程度の値段にしか見えない。
試しに10%クーポンならこうなる。
わずか 9円の差。
これで「お得だ!」と感じにくいのは、むしろ当然だと思う。
レシートを眺めていて、もう一つ気づいたことがある。
消費税10%になってから、10円単位で金額がきれいに揃うことはむしろ少ない。
そして驚くかもしれないが、端数処理には統一ルールがない。
どれを採用するかは、店ごとに異なる。
理由は単純で、
最終的に消費税を納めるのは販売店だから。
レシートの税額はあくまで“店内での計算方法”にすぎず、実際の納税額は次の通り。
売上の10% −仕入れの10%
(※その他、税がかかる経費分も差し引かれる)
端数処理は店の裁量に任されており、レジ段階での税額表示は納税額とは直接関係がない。
日常の買い物の中に、こうしたカラクリが潜んでいる。
その違和感に気づけるかどうかが、これからの時代には大事なのかもしれない。
昨今、YouTube配信を切り取りXの動画として投稿するポストをよく見かける。
主張したいことはわかるのだが、YouTubeは規約があってその行為を逸脱することは、法的問題に発展しかねないものだ。
X等のSNSにおいて、YouTube配信内容を切り取って発信できるのは、下記2点だけだ。
以下の場合はクリップ機能はUI上表示されない。
DVR(一時停止や巻き戻し)を使用しないライブ配信(純粋なリアルタイム配信)
DVRとは、視聴者がリアルタイムの映像しか見ることができないように設定されたYouTubeライブ配信のこと。(DVRを使用しないライブ配信や8時間を超えるライブ配信は、アーカイブ化されてもクリップ機能の対象外となることが多い。)
また、配信者がリアルタイム性の重視または、チャットの同期によるリアルタイムで視聴している人との会話が噛み合わなくなるのを避けるために意識的に使用しないに設定している。
YouTubeの公式機能(YouTube Premiumなど)を使ってオフライン再生用にダウンロードすることは可能だが、第三者の録画・ダウンロードアプリや、デバイスの画面録画機能を使ってコンテンツを取得し、それを他のプラットフォーム(Xなど)にアップロードすることは規約上禁止されている。(規約 許可と制限事項 1項)
これは、以下の点で問題がある。
また、スクリーンショットに関する判例※1 ※2は、静止画の引用に関するものであり、動画の複製・転載にそのまま適用できるかは、状況や裁判所の判断による。
※1X(旧Twitter)の投稿を無断転載→著作権侵害で賠償命令!その理由とは?
※2ツイートは「著作物」、地裁がスクショ無断転載に賠償命令 過去には控訴審で“引用”焦点の逆転も
YouTube動画をX等のSNSで共有する場合は、切り取りではなく配信チャンネル全体を共有することだ。そして注目して欲しい部分がある場合は、以下の2通りがある。
共有ボタンのリンクをクリップボードにコピーして投稿記事に貼り付ける。この時、注目して欲しい時間を書くか、URLの最後に開始からの経過時間を指定する。例: https://youtu.be/ビデオID?t=90s → 開始から1分30秒後の配信が再生される。
共有ボタンの埋め込みリンクをクリップボードにコピーして、投稿記事に貼り付ける。これはオプションにて開始時間を指定できる。
YouTube動画の無断転載を見分ける方法は、動画UIに表示されるYouTubeのロゴの有無だ。
また、転載を許可されている場合は、その旨を明記されているか?だ。
以下は、YouTube配信のロゴの有無を確認する例だ。YouTubeのロゴがあることを確認できるはずだ。
YouTubeのロゴやアイコンが表示されることは、以下の2点を明確に示している。
出所の明示と著作権の保護:
そのコンテンツがYouTubeにホストされており、YouTubeのサーバーを経由して再生されていることを示す。これにより、著作権者がYouTubeにコンテンツを預けているという「出所」が明確になる。
規約遵守と安全性:
その共有方法が、動画ファイルを直接ダウンロードして再アップロードする無断転載ではない、YouTubeの利用規約に則った公式かつ安全な方法であることを保証する。
逆に、YouTubeのロゴが表示されずに、Xの標準的な動画プレーヤーで再生されている場合は、その動画は「ファイルをダウンロードし、Xに直接アップロードされたもの」であり、高確率で無断転載(著作権侵害)にあたる。
ロゴの有無は、その投稿が公式な共有方法によるものか、無断転載によるものかを判断する非常に明確な目印となる。
X(旧Twitter)やYouTubeのような巨大プラットフォームの通報システムは、毎日膨大な数の報告を処理する必要があるため、選択肢が限定的で、自動判定やAIによるスクリーニングを多用しているのが現状だ。その結果、個別の状況や複雑な著作権侵害のニュアンスが伝わりにくく、「問題無し」と判断されてしまうケースが多いと考えられる。
もし、非常に悪質な無断転載を発見した場合、一般ユーザーとしてできる最も効果的なアクションは、Xの通報機能の範囲内ではなく、著作権者が直接プラットフォームに申し立てることを促すこと。
ただし、一般ユーザーができることは限られているので、もし通報する機会があれば、以下を試してみることをお勧めする。
Xの「知的財産権の侵害」フォームを利用する:
通常の通報メニューではなく、Xの「著作権侵害の報告」専用フォーム(DMCA通知フォーム)にたどり着ければ、より詳細な情報を提出できる。ただし、多くの場合、このフォームも「著作権者またはその代理人」としての情報入力が求められる。
「スパム」や「なりすまし」も検討する:
その投稿が、元の投稿者の名前を騙ったり、収益目的が明確な悪質なものに見える場合は、「スパム」や「なりすまし」といったプラットフォーム規約の侵害に該当する項目を選ぶ方が、システムが反応しやすい場合がある。
「自分の配信ではないので、そもそも問題にならない」というのは、通報や削除の主体という点では正しい側面があるが、法的な問題や倫理的な問題としては、そうとは限らない。
Xのタイムラインなどで、動画をダウンロードして編集し、そのまま再アップロードしていると思われる投稿をよく見かけることが「普通に見られる」状態になっていることは、コンテンツの違法性が見過ごされやすい、投稿アカウント側のリスクがあり、著作権者(例:人気YouTuber、企業など)が本気で対処に乗り出した場合、アカウントの停止・凍結や、最悪の場合、損害賠償請求などの法的な措置を受けることになる。
安全な利用のために「多くの人がやっているから」という理由で、著作権侵害や規約違反となる行為に加わるのは非常に危険。視聴者として動画を共有したい場合は、必ずYouTubeの公式の「共有」「埋め込み」「切り取り(クリップ)」機能を利用すること。それが、投稿者をリスペクトし、ポストユーザーのXアカウントを守る最も確実な方法となる。
私は就労継続支援A型事業所に最近入所した。ここには、様々な事情を抱えながらも懸命に働こうとする人たちがいる。その中で出会った利用者の一人、Aさんの話は私に強い印象を残した。
Aさんは、郵便局で30年間にわたり配達の仕事を続けてきた。担当区域を歩けば、どの家、どの道にも思い出があるという。郵便局は職制によって別の局に異動する仕組みがあり、私の住む地域のほとんどを経験したそうだ。私が自分の住所を告げると、すぐに「ああ、あそこね」と返ってきた。その一言に、仕事への誇りがにじむ。
当時の小泉政権は郵政民営化を強く推し進めた。赤字や非効率を理由に掲げ、反対した郵政族議員を排除するため解散総選挙に踏み切り、刺客候補が多数当選したことも記憶に新しい。
そして民営化が実施されると、現場には大きな変化が生まれた。多くの職員が退職し、残ったのは中堅層と若い世代。現場の負担は一気に膨れあがった。
公務として行われていた事業が、利益追求を求められる民間企業に変わるということは、次のような構造変化を意味する。
これは郵便局に限らず、公共サービス全般に言える。
こうした“見える影響”だけでなく、残された職員の負担は想像を超えていた。人手不足の中で膨大な業務を抱え、精神的に追い詰められる人が増えていった。
Aさんは配達中の事故を機に内勤へ異動した。しかしそこで待っていたのは別の重圧だった。
心身は限界へと追い込まれ、複視や片頭痛に悩まされるようになった。そして、うつ病と診断され退職に至った。
Aさんの体験は個別の悲劇ではあるが、民営化の現場で広く生じてきた構造的な問題を象徴している。
郵便局だけの話ではない。近年の行政の業務委託化や人員削減は、次のような事態を引き起こしている。
私たちは、「公共サービスの縮小」がすでに暮らしの根幹を揺るがしていることを、もっと深刻に受け止める必要がある。
だからこそ、行政が行うべきなのだ。
採算を理由に切り捨てた瞬間、その地域から“公共性”も一緒に失われてしまう。
小泉政権がなかったら、私は定年まで郵便局で働けただろう
その言葉の重みは、決して一人の嘆きではない。
民営化の光と影──その影に取り残された人々の声を、私たちはもっと聞くべきなのだと思う。

財務省が毎年公表する財政資料は「借金の重さ」を印象づける内容です。
しかし、その数字はどこまで“現実の国の経済活動”を反映しているのでしょうか。
本稿では、歳出と歳入の構造を整理しながら、その見方を検証します。
資料(PDF p.4/本文1ページ)を見ると、歳出の内訳が円グラフで示してあります。そして次のように解説しています。
国の一般会計歳出では、社会保障関係費と地方交付税交付金等と国債費(国債の元利払いに充てられる費用)で歳出全体の約4分の3を占めています。
解説では歳出全体の4分の3を円グラフから直感的に感じるには難しく、計算が必要です。
4分の3とは具体的にどの部分を指すのでしょうか?
歳出全体の4分の3=社会保障関係費(一般歳出の56.2%) 33.2% +地方交付税交付金 16.4% +国債費 24.5% =74.1% ≒ (75%)
おそらく、解説は我が国の予算は社会保障に重点を置いていると言いたいのでしょう。
歳出は通常国会で予算が成立した時点から執行が始まります。つまり2025年3月31日です。
資料(PDF p.5/本文2ページ)を見ると、歳出と同様に円グラフと解説があります。その解説は公債金を借金と位置づけますが、これは民間の負債とは性質が異なります。
その違いを理解することが、名目の数字に惑わされない第一歩となります。
令和7年度の一般会計予算における歳入のうち税収は約78兆円を見込んでいます。本来、その年の歳出はその年の税収やその他収入で賄うべきですが、令和7年度予算では歳出全体の約4分の3しか賄えていません。この結果、残りの約4分の1を公債金すなわち借金に依存しており、これは将来世代の負担となります。
歳出と違って、歳入は年度内に確定しません。よって、解説では「見込んでいます」と表現しています。
確定は少なくとも確定申告以降となります。
なぜならば、国債は借り換え(ロールオーバー)によって資金の流れが継続するためです。満期償還は同額の借換発行で継続されることが通例で、元金は実質相殺されます。そして実質は国債の利払いだけを支出するのです。
借り換えをわかりやすく説明すると、満期を迎えた国債を新たな国債の発行で“置き換える”仕組みを指します。したがって、国の財政は家計のように「完済」を目的とせず、信用の継続を前提に運営されています。また利払いにおいては、国債の保有率で日本銀行が約50%と半数を占めており、日銀保有分の利息は日銀の損益に取り込まれ、必要な引当等を差し引いた剰余金として後に国庫納付されます。(※年度により納付額は変動)
歳出の多くが社会保障と国債費に集中し、歳入の一部が国債で補われている構図です。
ここで重要なのは、“名目上の借金”が実際にどのように回っているのかという点です。
この節では、国債を歳入と歳出の両面から見直すことで、実質的な国家会計の姿を探っていきます。
実質の総額は国債の借り換えを差し引いた額となります。これは実際のお金の流れと言えます。
政府が示した数値は会計帳簿上正しいのですが、国債の借り換えと利払いを今までの内容で書き換えると、以下のようになります。
歳出と同様に帳簿上正しいです。国債の借り換えと利払いを今までの内容で書き換えると、以下のようになります。
日本銀行所有の国債の利払い費は、明確に計上されていませんが、その他収入として計上されます。
JGBは流動性・信用・担保価値の点で国内金融機関の有力な運用先となっており、オークションは通例安定的に消化されています(直接引受は不可・買オペは二次市場)。
今まで書いてきた内容は、貨幣のプール論や信用貨幣論(MMT)に関係なく事実の観測です。その観測結果を信用貨幣から見た歳入・歳出は次の通りに考えることができます。
新たな財源として国債発行を決めるのは財務省です。しかし財務省は国債を借金と称して財政健全化、さらにはPB黒字化を2026年度までに達成するという方向性があります。
国会で審議は行われますが、政府案が大幅に組み替えられる事例は多くありません。
国家のエリート集団である財務官僚は表面上借金=悪として装いますが、実際は国債発行=貨幣の創造であることを知っているのではと勘ぐってしまいます。それが予算案でいつも書かれている国債依存度による憂慮としながらも、実際は国債を増刷しているのかもしれません。
資料57ページ「Ⅲ PDCAサイクル」にはこのようにあります。
予算がどのように使われ、どのような成果をあげたかを評価・検証し、予算への反映等を行う、予算編成におけるPDCAサイクルの取組を実施しており、令和7年度予算編成においても以下の反映等を行っています。
PDCAは筆者が新卒入社した約40年前に、新人研修として教育を受けた品質管理(QC)の用語です。これはモノ作り日本のほどんどの企業がQCに関心を持つように考えられたもの。日本の品質のかなめでした。
そのPDCAのルーツが、戦後間もない1950年代に、アメリカの統計学者W・エドワーズ・デミング博士によって日本に紹介されたという事実があります。70年経った今、財務省が掲げるPDCAは2023年代より財務省資料で使われるようになりました。なんども遅い。皮肉なことに、提唱者のデミング博士自身は晩年、日本で広まった「Check」を「Study(研究・学習)」に変えるべき、つまりPDSAサイクルとして、より深い改善と学習を強調されていました。私もそうだと思います。

だが、生活実感から見ればまったく別の物語が見えてくる。
チーフストラテジストたちが注目しているのは、主に日米金利差と為替相場。
彼らの世界は、株式・債券・通貨という金融商品の動きで構成されている。
インフレ率やCPIも「金利政策をどう織り込むか」という市場の温度計にすぎない。
たとえば:
「日米金利差が縮まっても円が上がらない」
→ 「日銀が遅れている」
という図式。
ここで言う“遅れ”は投資家の期待に対して遅いという意味であって、
決して生活者の現実を指しているわけではない。
一方で家計や中小企業の視点では、
物価上昇は構造的な供給力の低下から来ている。
これらが重なって、企業は値上げせざるを得ず、家計は支出を減らせない。つまり、いわゆる「悪いインフレ」=スタグフレーション的状況だ。
利上げでこれを抑えようとすればどうなるか?
結果的に、物価は下がらず景気だけ冷える。
利上げはむしろ逆効果になりうる。
市場が言う「ビハインド・ザ・カーブ」は、
日銀の金融政策の遅れを意味する。
だが本当に遅れているのは、政府の供給力回復策だ。財政支出を絞り、設備投資も教育も社会基盤も細らせてきた。その結果、いまや日銀の金利操作では立て直せない局面にある。
金融でコントロールできる範囲を超えて、
「日本という経済システムそのものの生産能力」が縮んでいる。
それこそが、いまの物価高の本質である。
統計で経済を読む人と、生活で経済を感じる人。この二つの物語は、もはや同じ線上にはない。
市場はグラフを追い、生活はレシートを見つめている。
だから私は思う。
「ビハインド・ザ・カーブ」と言う前に、
現実を直視する政治のほうこそ構造的に遅れているのではないか、と。
そして失われた供給能力は二度と戻らない。
回復するためには数十年の歳月がかかる。これこそ真の遅れなのだ。

日本では、1989年の導入時から「社会保障の財源確保」や「広く公平な負担」が掲げられた。しかし、この説明には決定的に欠けている前提がある。
実は、日本の消費税のモデルは西欧の付加価値税(VAT:Value Added Tax)であり、その原型には明確にこう書かれている。
「輸出競争力の強化(enhancement of international competitiveness)」
つまり、欧州では輸出産業を国際市場で優位に立たせるための税制設計として導入されたのだ。
付加価値税は、国内の取引すべてに課税しつつ、輸出には課税しない。そのため、輸出企業は仕入時に支払った税金を「還付(refund)」として受け取ることができる。
| 区分 | VATの扱い | 実質的効果 |
|---|---|---|
| 国内取引 | 課税 | 消費者が負担 |
| 輸出取引 | 非課税 | (免税)+仕入税控除 輸出企業に還付=補助金効果 |
この仕組みが「国際競争力の強化」と明記された理由である。政府が国内の消費から税を取り、輸出企業に“税制上の補助”を行う。これがVATの本質である。
日本の消費税は、制度設計そのものをVATから輸入した。にもかかわらず、法律にも国会審議にも、「国際競争力の強化」という言葉は一度も登場しない。
建前:公平・中立な税
実際:還付を通じて輸出大企業を優遇する税
つまり、制度のDNAはそのままに、目的の文言だけが削ぎ落とされた。この“目的の隠蔽”こそ、日本の消費税が持つ最大の構造的問題である。
消費税が導入されてから現在までの累積税収は約500兆円。一方、同期間における輸出還付金(免税分+控除分)は毎年5〜7兆円規模。累計で数十兆円が、実質的に国際企業への「見えない補助金」として流れている。
その裏で、内需は冷え込み、中小事業者はインボイス対応に追われ、消費者は所得停滞のなかで可処分所得を奪われている。
信用貨幣論の観点から見ると、政府の支出は本来「信用の創造」であり、国民経済を支える通貨供給の根幹だ。
だが消費税はその流れを逆転させる。
国内から吸い上げた通貨を、外国市場で競争する輸出企業に“還流”させる。
つまり、国民の支出が国際競争の燃料にされる構造。貨幣の流れが国内循環ではなく対外循環に固定されてしまっているのだ。
良いものが売れる社会とは、本来、政府が内需に投資し、技術・人材・基盤を育てることで達成されるべきだ。しかし、税制によって企業を選別する現在の仕組みは、市場の自然淘汰をゆがめ、社会全体の供給力を弱体化させている。
政府が投資を怠り、税で輸出を支える。
これこそが、日本経済の“構造的赤字”である。
公平な税とは、誰にどのように使われるかが明らかな税である。
「国際競争力の強化」という言葉を隠したまま、消費税を“公平な負担”と呼ぶのは欺瞞だ。
いま必要なのは、外需のための税制ではなく、内需と生活のための投資制度である。真の競争力とは、国民全体の生活基盤から生まれる。
「国際競争力」という言葉を隠した税制は、結局、誰のための税なのか。
私は先日、Wi-FiモデルのAndroidタブレットを購入しました。
「以前使っていたSIMフリータブレットでGoogleマップが使えたのだから、古いスマホでテザリングすれば、Wi-Fiモデルでも屋外でナビゲーションができるはずだ」—そう考えていた私にとって、これはまさに大きな落とし穴でした。
価格の安さで選んだ結果、屋外でGoogleマップ のナビ機能が使えず、用途に沿わないタブレットになってしまったのです。
原因は驚くほどシンプル。
しかし、その「仕組み」を知らないと、誰でも同じ罠にはまります。
SIMフリー(セルラー)モデルのタブレットやスマートフォンには、衛星からの信号を受信するGPSチップ(GNSSチップ)が内蔵されています。
しかし、安価なWi-Fiモデルのタブレットは、コスト削減のためこのGPSチップを搭載していません。そのため、衛星からの正確な位置情報を物理的に受信できないのです。
「テザリングでスマホのインターネットを共有しているのだから、スマホのGPS情報もタブレットに渡せるのでは?」と思いますよね。
私もそう考えて、GNSS Masterのようなアプリを使って、スマホのGPS信号をタブレットのシステムに「擬似ロケーション(Mock Location)」として注入しようと試みました。
しかし、ここでGoogleマップのセキュリティ対策に阻まれました。
Googleマップは、位置情報の信頼性を確保し、とくにポケモンGOのような位置情報ゲームで横行した「位置偽装(チート)」を防ぐため、非常に厳格なルールで動いています。
Googleマップは、システムに組み込まれた複合的な位置情報システムであるFused Location Provider (FLP) を利用しています。このFLPは、外部アプリから提供された「擬似ロケーション」の情報を検出すると、それがいくらスマホの正確なGPS信号であっても、「不正な情報源」として拒否するように設計されているのです。
私のタブレットにしてみれば、「Wi-Fi経由で高精度の位置情報が届いたとしても、システムがそれを怪しいと判断してブロックしてしまう」という、何とも残念な状況でした。
私の失敗経験から、あなたに強くお伝えしたいのは以下の点です。
ここまで試した結果、私が痛感したのは「使う目的で選ぶモデルが違う」ということです。
| 目的 | 必要なモデル | 理由 |
|---|---|---|
| 屋外でGoogleマップのナビゲーションをしたい | SIM(セルラー)モデル | GPSチップが内蔵されていることが必須です。 |
| 家やカフェでWeb閲覧や動画視聴をしたい | Wi-Fiモデル | GPSが不要であれば、テザリングで十分です。 |
私が陥った「SIMフリータブレットが使えたから、Wi-Fiモデルでも大丈夫だろう」という判断は、GPSチップの有無を見落とした、まさしく落とし穴でした。
現在のところ、Wi-FiモデルのタブレットでGoogleマップを安定して使うには、以下のいずれかの方法しかありません。
結局、私は費用対効果を考え、屋外でのGoogleマップ利用はスマホに任せるという「諦める」という選択をしました。
もし私と同じように、Wi-Fiモデルのタブレットを屋外ナビゲーションに使おうと考えている方がいれば、必ずGPSチップの有無を確認してください。
そして、あの時ポケモンGOで羽目を外した一部のユーザーたちへ。
その影響で、私たちのように正しく使いたかった人の自由まで制限されたことを、どうか忘れないでほしい。
この経験が、同じ“落とし穴”を避けたい誰かの道しるべになれば幸いです。
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