行政学の専門家として韓国の福祉政策と労働市場を研究しているなかで、「なぜ韓国の女性たちは労働市場の周縁にとどまっているのか」「なぜ一生懸命勉強した高学歴の女性たちは、労働市場から一度退場すると戻ってくるのが難しいのか」という疑問を抱いたチェ・ソンウンさん。この本で、歴史的に形づくられてきた構造的な性差別を考察し、現在の状況を論理的に分析することで、「私たちが今後どうするべきなのか、問いかけたかった」といいます。
「82年生まれ、キム・ジヨン」と同世代のソンウンさんにとって、ジェンダー平等という概念は後から学習して身に付けたもの。心は従来の固定観念に引っ張られて、自分を責めたり追い込んだりしてしまうこともあり、「そういう混乱の中で生きているのだと思います」。だからこそ、「私たちも自分の幸せを追求するべきなんだと思います。そうすれば、その幸せが子どもたちにもちゃんと伝わると思うので」という言葉を、何度でもかみしめたいものです。