
葬儀の翌日。心の整理より先に、部屋の整理が始まった。
というのも、私のベッドが仏間に置かれていたからだ。
福祉用具会社さんが朝一番で来てくれて、介護ベッドを運び出した。
そのついでに、私のベッドを介護ベッドがあった所に移動。
福祉用具の方の手伝いがありがたかった。
いきなり二部屋の模様替えとなり、朝からドタバタ。
まずは仏間を最優先で整える。掃除をして、お供えや諸々を体裁良く並べる。
きれいになった仏間は、それまでとがらっと雰囲気が変わる。
訪看さんが見たら、びっくりするかも。
これまで私のベッドや介護用品等で埋まっていたので、日頃リビングとの境のふすまは閉めていた。
しかし、そのふすまも開け放たれ、リビングから光が差し込む明るい部屋となった。
さくらさんの遺影の笑顔が、リビングからもよく見える。
「気持ちいいねえ」と言ってくれてるんじゃないかな。
ほっとした瞬間、ご近所さんが早速お参りに来てくださった。
間に合って良かった〜。
その方は、数年前に亡くなったご主人の遺骨をずっと手元に置いていて、時々開けて触っているそうだ。
自分が亡くなったら夫婦まとめて灰にしてもらい、散骨してもらうと決めているとのこと。
子どもたちに後々墓参りの負担を感じさせたくないという理由だ。
子どもを思う親の気持ちとして、これも一つの良いアイデアかもしれない。
葬儀社から届いた残りの花束を、新鮮なうちにと御礼を兼ねてご近所へお届け。
各家に仏壇があるので、少しでも役立てば嬉しい。
足が悪くて参列できず、香典だけ預けてくださった方のお宅にも伺えた。
ずっと会えていなくて気になっていた方なので、久しぶりにお話できてほっとした。
戻ってからは、さくらさんの部屋(=今後の私の部屋)の片付けを続行。
オムツや介護用品、酸素吸入器など大量に残っていて、ひとまず廊下へ。
さくらさんの物はそのまま置いていても大丈夫なので、そこは助かった。
ただ、細々した物の移動だけでかなりの重労働。
朝からベッドを動かしたせいで、腰痛が悪化。
そして、足も筋肉痛。
これは、もしかしたら、通夜から火葬場まで慣れないヒールで歩きまわったせいかも?情けない。とほほ。
うちの市役所には“おくやみコーナー”なるものがある。
市役所での手続きが、まとめてできるブースがあるらしい。
予約をしたら、土日も挟んで6日後とのこと。
法務局の手続きもあるので、すべてはその日以降にまとめてやることに。
おかげで、少しだけ時間と心にゆとりができた。
勤務してないと、慌てなくてもいいのはありがたいことだ。
夕食は従姉がグラタンを持ってきてくれた。ありがたい。
葬儀社さんが、葬儀の写真をアルバムにして届けてくれたので、一緒に眺めた。
参列してくださった人たちがもれなく写っていたし、美しい祭壇に改めて満足した。
親戚の中にはこの祭壇がすごく気に入って、「私もこれと同じ物にして」と言っていた人もいた。
従姉も、「こんなに心の底から満足できた葬儀は初めてだった」と言ってくれた。
何年も、さくらさんのところへ通い続けてくれた人だから、余計にほっとしたのだろう。そう思ってもらえてありがたい。
疲れていたけれど、早いうちにと香典のまとめや葬儀のファイル作り。
その途中で、御礼を伝えきれていない県外の親戚の存在に気づいた。
翌日に回さなくて正解だった。明日、連絡をしよう。
こうして、葬儀翌日も慌ただしく過ぎた一日だったが、
気になっていたことを進められて、ほっとした日でもあった。
朝から二部屋の模様替えでバタバタ
仏間が光の入る明るい場所に
ご近所さんへのご挨拶で久しぶりの再会も
掃除と片付けで腰が悲鳴
“おくやみコーナー”のおかげで手続きに余裕
従姉のグラタンに癒される
夜は香典整理とファイル作りで締めくくり
引用をストックしました
引用するにはまずログインしてください
引用をストックできませんでした。再度お試しください
限定公開記事のため引用できません。