カルチャー
2025.03.01
【前回までのあらすじ】kirikabuのパンケーキに振られ、千佳子が本読み隊のサツキさんと共に足をのばした先は、以前アムステルダムから一時帰国中の野間さんと訪ねた新宿三丁目のカフェ。その訪問がきっかけで野間さんの留守宅に住むことになったマキマキさんと「パセリ先生」ことモリゾウさんとは地元ではなかなか会えていなかったが、店で再会する。香ばしいにおいをさせているシュー皮を「クリーム待ちのシュー」と紹介するマスター。空洞に何を詰めるか、妄想が盛り上がる様子を見て、演劇のようだと千佳子は思う。
連載:saita オリジナル連載小説『漂うわたし』
梅も桜も蕾はまだ開いておらず、人もまばらなのではと予想していた新宿御苑は、思ったよりにぎわっていた。葉を落とした木々は寒々しく、芝生は枯れて茶色いが、陽射しは明るく温かく、春が近いことを感じさせる。
芝生にビニールシートを広げ、ピクニックをしているカップルがいる。若いなと千佳子は思う。その視線に眩しさと親しみが混ざる。さっきまでのわたしたちの時間も芝生ピクニックみたいな非日常だった。その余韻が火照りのように残っている。
「ふふっ、まだいる」
同じことを考えていたかのように、サツキさんがコート越しにおなかをさすった。
「いますね」と千佳子もコート越しのおなかをさする。新宿三丁目のカフェから十数分歩いても、シュークリームで満たされている。
クリーム待ちのシューに何を詰めるか、エチュードのような会話がひとしきり盛り上がったところに、シュー皮を焼くのとは違う甘いにおいが漂ってきて、カウンターの中でマスターがカスタードクリームを煮詰めていた。クリームの熱が取れるのを待ちきれず、「温かいまま挟んで食べたい」とマキマキさんが言い、「りんごあります?」とサツキさんが言った。アップルパイみたいにカスタードと甘く煮たりんごを合わせてみてはという提案だった。
「砂糖待ちのりんご、あるで」
マスターがりんごの芯をくり抜いて輪切りにし、砂糖で煮た。仕上げにブランデーをドバドバと加え、「アルコールは飛ぶから大丈夫や」と豪快に言った。適当に作っているように見えたのに、「端っこ食べてみる?」と差し出された切れ端を味見させてもらうと、目を見張る完成度だった。
「気まぐれ料理のクオリティが高いのは、腕もセンスもバツグンってことです」とサツキさんがベタほめした。
「アイスって、あったりしますか?」
kirikabuのりんごのパンケーキにアイスクリームが添えられていることを思い出した千佳子が恐る恐る聞いてみると、
「ええな! アップルパイアイスシュー。ちゃうか、アップルパイシューアイス。どっちでもええな」
マスターも乗ってくれたが、冷凍庫にアイスのストックはなかった。
モリゾウさんが「買ってきます!」と言うなり店を出て、カップアイスを両手に一つずつ持って戻ってきた。店の数軒先にあるコンビニで調達したという。
「下宿で鍋してて、卵買いに行く学生みたいやな」とマスターが笑った。
学生の頃にそういう経験しなかったな、と千佳子は思い、この年になって学生みたいなことをしてる、と愉快になった。
シュー皮の内側を温かいカスタードクリームで満たし、輪切りのりんごの砂糖煮を重ね、その上にバニラアイスをのせ、さらに「追いカスター」をのせ、シュー皮のふたをかぶせると、背の高いシュークリームが完成した。
「ハンバーガーみたい」
マキマキさんと声が重なり、千佳子は顔を見合わせて笑った。
「シューの上と下が織姫と彦星になってる」とマスターが言うと、
「カスタードとりんごとアイスが天の川なんですね」とサツキさんが言い、
「ミルキーウェイ」とモリゾウさんが渋い声で言った。
お代わりしてもシュー皮はまだまだ残っていて、モリゾウさんがもう一度コンビニへ走り、アイスと一緒にバナナやプリンや缶詰のあずきを買ってきた。
「闇鍋シューやな」とマスターが苦笑いした。
誰が何を言っても笑って、どんどん楽しくなった。サツキさんは千佳子以上に楽しそうだった。
「実は、ちょっと心配してたんです」
枯れた芝生の上を歩きながら、隣を歩くサツキさんに言った。
「サツキさん、本読み隊で大変だったじゃないですか」
2月の本読み隊は、中学校受験で学校を休む子が多いので、6年生は登校している児童が1組の教室に集まり、始業前の10分と1時間目の授業を使って拡大読み聞かせを行った。サツキさんと千佳子で受け持ち、子どもたちには好評で、先生方にも感謝されたのだが、「受験しなかった子たちだけズルい」と言ってきた保護者がいた。
一人だけだったが、厄介な人だった。6年生の読み聞かせを担当したのが「部外者」で、「宗教や危険思想の押しつけの危険もある」と難癖をつけてきた。卒業生の親で在校時は活動メンバーだったし、部外者でも危険思想の持ち主でもないのにと動揺したし、傷ついた。事情を知った校長先生に「謝っていただく必要はありません」と労われたが、それは当然で、こっちが謝って欲しいんですけどとモヤモヤした。
今年度の本読み隊活動は2月までとなり、今後のことは4月からの次年度に見直されることになった。
「サツキさんは、もっとショックですよね。本読み隊を復活させたいって、あんなに頑張ってくれたのに」
「寝転がってみる?」
サツキさんは返事の代わりに唐突な提案をして、千佳子の返事を待たずに芝生にゴロンと転がった。
戸惑いながら千佳子も続く。陽射しに温められたのか、土に蓄えられた温もりなのか、コート越しの芝生を温かく感じた。
視界いっぱいに空が広がる。シュークリームみたいな雲があるなと思ったら、「似てる」とサツキさんが指差した。
「似てる」と千佳子も繰り返す。
シューにクリームを詰めて、サツキさんとの距離も詰まった気がする。余計なことを考えず、余計な力を入れなくていい。このくつろぎは、芝生に寝転がっているせいだけじゃない。
空白を会話で埋めようとしなくていいから、しばらく黙って空を見ていた。
いろんな音が降ってくる。風が葉っぱを揺らす音は、頭の上から。スマホのカメラで写真を撮る音は、足のほうから。日本語や外国語のおしゃべりも聞こえる。
英語。中国語。韓国語。たぶんイタリア語。何語なのか予想のつかない言葉。
観光で東京を訪れている人たちだろうか。目にした木々や、さっき食べたランチの感想を言い合っているのだろうか。ケンカしている人も怒っている人もいなくて、何を言っているのかわからないけれど、聴き心地の良い会話が交わされている。
英語はところどころ聞き取れる単語が顔を出す。そこだけ色がついたように、ハサミで切り抜いたように、くっきり聞こえる。パセリ先生の動画講座を何周も見て覚えた“explore”という単語が聞こえ、「探検する」という意味だと思い出す。シブヤを“explore”すると言っている。観光で見て回ることを“explore”と呼んでいるらしい。旅先の初めての道を歩くのは、確かに探検だ。
知っている単語がパズルのピースを埋めていく。知っている単語がもっとふえたら、パズルが埋まって絵の全体像が見える。パセリ先生の講座をまた観なきゃと千佳子は思う。最後に観たのはいつだっけ。視聴習慣を離れると、観ないことが習慣になってしまう。
動画の中の人だったパセリ先生が地元に引っ越してきて、パート先のスーパーに買い物に来るようになって、距離感が変わった。おかしくなった。次にパセリ先生の英語講座を観たら、今日のシュークリームを思い出してしまいそうだ。
「大丈夫」
左側からサツキさんの声がした。独り言のような、千佳子に話しかけているような、小さなつぶやき。
「あのママのこと気にしてるなら」
つけ加えられたその言葉で、本読み隊に難癖をつけてきた6年生の親のことを言っているのだとわかった。
「あんな風に言う人のこと、よくわかるの。だから平気」
「サツキさんって、強いですね。しなやかっていうのかな」
「それは、かいかぶりすぎ」
サツキさんはそう言ってから、「開花はまだだけど、かいかぶり」とつぶやいた。
「開花はまだだけど、かいかぶり」
千佳子も口の中で繰り返す。
「私もね、最初はクレーマーだったの」
「え?」
「読み聞かせする時間あったら、ドリルやらせてくださいって」
その言葉が空に吸い込まれて、サツキさんは黙った。
「そうだったんだ」
声に出さず、千佳子は空に向かってつぶやく。
シュークリームみたいな雲は、同じところに浮かんでいる。何も聞かなかったみたいな顔をして。
次回3月15日に伊澤直美(61)を公開予定です。
編集部note:https://note.com/saita_media
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著者
今井 雅子
脚本家。 テレビ作品に連続テレビ小説「てっぱん」、「昔話法廷」、「おじゃる丸」(以上NHK)。2022年「失恋めし」をamazon primeにて配信。「ミヤコが京都にやって来た!〜ふたりの夏〜」(ABCテレビ)を9月30日より3夜連続で、「束の間の一花」(日本テレビ)を10月期に放送。映画作品に「パコダテ人」、「子ぎつねヘレン」、「嘘八百」シリーズ(第3弾「嘘八百 なにわ夢の陣」2023年1月公開)。出版作品に「わにのだんす」、「ブレストガール!〜女子高生の戦略会議」、「産婆フジヤン〜明日を生きる力をくれる、93歳助産師一代記」、「来れば? ねこ占い屋」、「嘘八百」シリーズ。音声SNSのClubhouseで短編小説「膝枕」の朗読と二次創作をリレー中。故郷大阪府堺市の親善大使も務めている。
連載小説『漂うわたし』第181回 佐藤千佳子(61)「シュークリーム即興劇」
連載小説『漂うわたし』 第180回 多賀麻希(60)「クリームのないシュークリーム」
連載小説『漂うわたし』 第179回 多賀麻希(59)「ドレスが目覚めるとき」
連載小説『漂うわたし』 第178回 伊澤直美(60)「魔法が解けた」
連載小説『漂うわたし』 第177回 伊澤直美(59)「『ある』がふえていく」
連載小説『漂うわたし』第176回 佐藤千佳子(60)「スカーフをふわりと広げて」
連載小説『漂うわたし』第175回 佐藤千佳子(59)「わたしたち同じページにいる」
連載小説『漂うわたし』 第174回 多賀麻希(58)「子ども服を着せたかもしれない過去」
連載小説『漂うわたし』 第173回 多賀麻希(57)「愛にハサミを入れられない」
連載小説『漂うわたし』 第172回 伊澤直美(58)「胎内記憶って本当にあるの?」
連載小説『漂うわたし』 第171回 伊澤直美(57)「生まれた日の記憶」
連載小説『漂うわたし』第170回 佐藤千佳子(58)「日と月と明るいほうへ」
連載小説『漂うわたし』第169回 佐藤千佳子(57)「太陽の引き立て役」
連載小説『漂うわたし』 第168回 多賀麻希(56)「特注のエコバッグ」
連載小説『漂うわたし』 第167回 多賀麻希(55)「その続きを読みたくて」
連載小説『漂うわたし』 第166回 伊澤直美(56)「やったねの種」
連載小説『漂うわたし』 第165回 伊澤直美(55)「おんなじ! おんなじ!」
連載小説『漂うわたし』第164回 佐藤千佳子(56)「種は飛びたがっている」
連載小説『漂うわたし』第163回 佐藤千佳子(55)「マルシェは一日で終わるけれど」
連載小説『漂うわたし』 第162回 多賀麻希(54)「不自由とダンスする」
連載小説『漂うわたし』 第161回 多賀麻希(53)「巻き込まれ上手になるには」
連載小説『漂うわたし』 第160回 伊澤直美(54)「プレゼンごっこだと思ってた」
連載小説『漂うわたし』 第159回 伊澤直美(53)「パンケーキ食べてる場合じゃない」
連載小説『漂うわたし』第158回 佐藤千佳子(54)「思い違いがくれたパワー」
連載小説『漂うわたし』第157回 佐藤千佳子(53)「推しが職場にやって来た」
連載小説『漂うわたし』 第156回 多賀麻希(52)「アドレスのないドレス」
連載小説『漂うわたし』 第155回 多賀麻希(51)「迷路の出口」
連載小説『漂うわたし』 第154回 伊澤直美(52)「配慮ってどうするんだっけ」
連載小説『漂うわたし』 第153回 伊澤直美(51)「思い出せそうで思い出せない人」
連載小説『漂うわたし』第152回 佐藤千佳子(52)「ウィンウィンの天才」
連載小説『漂うわたし』第151回 佐藤千佳子(51)「咲かない花と咲いた花」
連載小説『漂うわたし』第150回 多賀麻希(50)「ひとり・ふたり・ことり」
連載小説『漂うわたし』第149回 多賀麻希(49)「やがて住む部屋の前で」
連載小説『漂うわたし』 第148回 伊澤直美(50)「大人は子どもで子どもは大人で」
連載小説『漂うわたし』 第147回 伊澤直美(49)「大人が試されている」
連載小説『漂うわたし』第146回 佐藤千佳子(50)「ペディキュアがはみ出すほど恋してる」
連載小説『漂うわたし』第145回 佐藤千佳子(49)「みんな春を待っている」
連載小説『漂うわたし』第144回 多賀麻希(48)「わたしを納めるうつわ」
連載小説『漂うわたし』第143回 多賀麻希(47)「引っ越したくないのは幸せだから」
連載小説『漂うわたし』 第142回 伊澤直美(48)「今この瞬間がプレゼント」
連載小説『漂うわたし』第141回 伊澤直美(47)「クリスマスはここ!」
連載小説『漂うわたし』第140回 佐藤千佳子(48)「わたしの賞味期限問題」
連載小説『漂うわたし』第139回 佐藤千佳子(47)「真夜中の逢い引き」
連載小説『漂うわたし』第138回 多賀麻希(46)「いつか誰かのねじを巻く」
連載小説『漂うわたし』第137回 多賀麻希(45)「祝福のサラダ」
連載小説『漂うわたし』 第136回 伊澤直美(46)「種が芽吹くとき」
連載小説『漂うわたし』 第135回 伊澤直美(45)「会える確率は1分の1」
連載小説『漂うわたし』第134回 佐藤千佳子(46)「たちまち色づいたモノクローム」
連載小説『漂うわたし』第133回 佐藤千佳子(45)「母親の旬は過ぎたのか」
連載小説『漂うわたし』第132回 多賀麻希(44)「オリジナルって言い切れる?」
連載小説『漂うわたし』第131回 多賀麻希(43)「棺に入る分だけ残しなさい」
連載小説『漂うわたし』 第130回 伊澤直美(44)「母娘の残像」
連載小説『漂うわたし』第129回 伊澤直美(43)「今がいちばん可愛い」
連載小説『漂うわたし』第128回 佐藤千佳子(44)「子ども服はタイムカプセル」
連載小説『漂うわたし』第127回 佐藤千佳子(43)「ハダカのひまわりとスキップ」
連載小説『漂うわたし』第126回 多賀麻希(42)「なんのお祝いだっていい」
連載小説『漂うわたし』第125回 多賀麻希(41)「父を待ちながら」
連載小説『漂うわたし』第124回 伊澤直美(42)「近づきすぎると影が落ちるから」
連載小説『漂うわたし』第123回 伊澤直美(41)「ベランダ通勤の頭の中」
連載小説『漂うわたし』第122回 佐藤千佳子(42)「宝探しのパンケーキ」
連載小説『漂うわたし』第121回 佐藤千佳子(41)「日曜日と月曜日の手ざわり」
連載小説『漂うわたし』第120回 多賀麻希(40)「20年ぶりに咲いたドレス」
連載小説『漂うわたし』第119回 多賀麻希(39)「ドレスに蒔いた種」
連載小説『漂うわたし』第118回 伊澤直美(40)「あの日の花をもう一度」
連載小説『漂うわたし』第117回 伊澤直美(39)「その手をつなぐために空けておく」
連載小説『漂うわたし』第116回 佐藤千佳子(40)「チューリップの赤がしみる」
連載小説『漂うわたし』第115回 佐藤千佳子(39)「ペンネーム十文字パセリ」
連載小説『漂うわたし』第114回 多賀麻希(38)「ウェディングドレスを上書きする」
連載小説『漂うわたし』第113回 多賀麻希(37)「ウェディングドレスを着ない未来」
連載小説『漂うわたし』第112回 伊澤直美(38)「そこに答えはないってわかってるのに」
連載小説『漂うわたし』第111回 伊澤直美(37)「四つ葉のクローバーに胸がざわつく」
連載小説『漂うわたし』第110回 佐藤千佳子(38)「埋蔵主婦の値段」
連載小説『漂うわたし』第109回 佐藤千佳子(37)「埋蔵主婦を卒業します」
連載小説『漂うわたし』第108回 多賀麻希(36)「わたしの顔を見に来た彼女」
連載小説『漂うわたし』第107回 多賀麻希(35)「見知らぬ誰かを待ちながら」
連載小説『漂うわたし』第106回 伊澤直美(36)「サレ妻の逆襲」
連載小説『漂うわたし』第105回 伊澤直美(35)「何を証明しようとしているの?」
連載小説『漂うわたし』第104回 佐藤千佳子(36)「せっかく生まれてきたんですから」
連載小説『漂うわたし』第103回 佐藤千佳子(35)「そのままのあなたでいいんです」
連載小説『漂うわたし』第102回 多賀麻希(34)「呪うより祝うほうがめでたいから」
連載小説『漂うわたし』第101回 多賀麻希(33)「エゴサしたって傷つくだけなのに」
連載小説『漂うわたし』第100回 伊澤直美(34)「自分の機嫌は自分で取る!」
連載小説『漂うわたし』第99回 伊澤直美(33)「めでたい日のおめでたい人」
連載小説『漂うわたし』第98回 佐藤千佳子(34)「ふたりで月日を重ねて」
連載小説『漂うわたし』第97回 佐藤千佳子(33)「あなたの物語を読みたい」
連載小説『漂うわたし』第96回 多賀麻希(32)「上書きされた過去」
連載小説『漂うわたし』第95回 多賀麻希(31)「これ以上わたしから何も盗らないで」
連載小説『漂うわたし』第93回 伊澤直美(31)「ひなたと日陰の間で」
連載小説『漂うわたし』第92回 佐藤千佳子(32)「焼きいもを分け合う誰かがいれば」
連載小説『漂うわたし』第91回 佐藤千佳子(31)「モブキャラに秋がしみる」
連載小説『漂うわたし』第90回 多賀麻希(30)「まわりまわってひまわりバッグ」
連載小説『漂うわたし』第89回 多賀麻希(29)「世渡り上手の駆け引き構文」
連載小説『漂うわたし』第88回 伊澤直美(30)「母とわたしと犬とレモン」
連載小説『漂うわたし』第87回 伊澤直美(29)「記憶の地層から浮かび上がった母」
連載小説『漂うわたし』第86回 佐藤千佳子(30)勝ったり負けたり人生じゃんけん
連載小説『漂うわたし』第85回 佐藤千佳子(29)「義母が転がり込んできた」
連載小説『漂うわたし』第84回 多賀麻希(28)「『嫉妬してくれてるの?』の魔法」
連載小説『漂うわたし』第83回 多賀麻希(27)「彼と彼女の不完全燃焼」
連載小説『漂うわたし』第82回 伊澤直美(28)「本人に聞けばいいのに」
連載小説『漂うわたし』第81回 伊澤直美(27)「創作って埋め合わせだから」
連載小説『漂うわたし』第80回 佐藤千佳子(28)「振り上げたこぶしの下ろし方」
連載小説『漂うわたし』第79回 佐藤千佳子(27)「砂の入ったアイスクリーム」
連載小説『漂うわたし』第78回 多賀麻希(26)「17歳のわたしの続き」
連載小説『漂うわたし』第77回 多賀麻希(25)「閉じていなかった物語」
連載小説『漂うわたし』第76回 伊澤直美(26)「これは満たされてますアピールなのか」
連載小説『漂うわたし』第75回 伊澤直美(25)「スポットライトの当たる場所が変わっただけ」
連載小説『漂うわたし』第74回 佐藤千佳子(26)「正解も正義もひとつじゃない」
連載小説『漂うわたし』第73回 佐藤千佳子(25)「同じ景色を見ていると思っていたのに」
連載小説『漂うわたし』第72回 多賀麻希(24)「愛せないヒロイン」
連載小説『漂うわたし』第71回 多賀麻希(23)「それからのルーズソックスのそれから」
連載小説『漂うわたし』第70回 伊澤直美(24)「めぐるいのちを母乳にのせて」
連載小説『漂うわたし』第69回 伊澤直美(23)「母乳神話のスッタモンダ」
連載小説『漂うわたし』第68回 佐藤千佳子(24)「透明人間にされたわたしたち」
連載小説『漂うわたし』第67回 佐藤千佳子(23)「この国の損失」
連載小説『漂うわたし』第66回 多賀麻希(22)「制服のシンデレラ」
連載小説『漂うわたし』第65回 多賀麻希(21)「彼の指が見つけたエンダツ」
連載小説『漂うわたし』第64回 伊澤直美(22)「名前は人生で最初のプレゼント」
連載小説『漂うわたし』第63回 伊澤直美(21)「消えた赤ちゃんと現れた母」
連載小説『漂うわたし』第62回 佐藤千佳子(22)「男女っていつから逆転するの?」
連載小説『漂うわたし』第61回 佐藤千佳子(21)「こぼれた大豆に哀しみを覚えた頃」
連載小説『漂うわたし』第60回 多賀麻希(20)「どこにも行かないでと彼が言った理由」
連載小説『漂うわたし』第59回 多賀麻希(19)「長い夜が明けるまで」
連載小説『漂うわたし』第58回 伊澤直美(20)「キスしてよ脳内モルヒネ出るから」
連載小説『漂うわたし』第57回 伊澤直美(19)「もうキスしないかもしれない」
連載小説『漂うわたし』第56回 佐藤千佳子(20)「ママ、娘よりも成長してない?」
連載小説『漂うわたし』第55回 佐藤千佳子(19)「母と娘のロウバイの季節」
連載小説『漂うわたし』第54回 多賀麻希(18)「回りくどい女が欲しかった一言」
連載小説『漂うわたし』第53回 多賀麻希(17)「彼を試す自己開示ギャンブル」
連載小説『漂うわたし』第52回 伊澤直美(18)「受精卵だった頃の名残」
連載小説『漂うわたし』第51回 伊澤直美(17)「男でも女でもない妊婦という性」
連載小説『漂うわたし』第50回 佐藤千佳子(18)「リボンを巻く人生と巻かない人生」
連載小説『漂うわたし』第49回 佐藤千佳子(17)「この出会いにリボンをかけたい」
連載小説『漂うわたし』第48回 多賀麻希(16)「30代最後の年に青春が始まった」
連載小説『漂うわたし』第47回 多賀麻希(15)「『鬱金香』って何の花?」
連載小説『漂うわたし』第46回 伊澤直美(16)「母親って『良かれ教』の教祖だから」
連載小説『漂うわたし』第45回 伊澤直美(15)「『良かれ教』の困った人たち」
連載小説『漂うわたし』第44回 佐藤千佳子(16)「においと音で描く地図」
連載小説『漂うわたし』第43回 佐藤千佳子(15)「自分の人生に振り落とされないようにしなくちゃ」
連載小説『漂うわたし』第42回 多賀麻希(14)「作家と呼んでくれた彼のシナリオ」
連載小説『漂うわたし』第41回 多賀麻希(13)「自分で自分に値段をつけるのって難しい」
連載小説『漂うわたし』第40回 伊澤直美(14)「お母さんの人生、返して」
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連載小説『漂うわたし』第35回 多賀麻希(11)「シュークリームが膨らむ予感」
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連載小説『漂うわたし』第24回 多賀麻希(8)「いなくなっても同じなんて言わないで!」
連載小説『漂うわたし』第23回 多賀麻希(7)「最後の恋人によく似た彼」
連載小説『漂うわたし』第22回 伊澤直美(8)「子どもよりわたしを欲しがってよ」
連載小説『漂うわたし』第21回 伊澤直美(7)「先延ばしの呪いを解く方法」
連載小説『漂うわたし』第20回 佐藤千佳子(8)「真昼の逢い引き」
連載小説『漂うわたし』第19回 佐藤千佳子(7)「人妻だって恋をする」
連載小説『漂うわたし』第18回 多賀麻希(6)「幸せの合格ラインを下げる」
連載小説『漂うわたし』第17回 多賀麻希(5)「彼の寝息を聞きながら」
連載小説『漂うわたし』第16回 伊澤直美(6)「HAPPYが壊れた結婚4年目」
連載小説『漂うわたし』第15回 伊澤直美(5)「夫と恋人時代に戻って」
連載小説『漂うわたし』第14回 佐藤千佳子(6)「口紅のとびらを開けて」
連載小説『漂うわたし』第13回 佐藤千佳子(5)「ママと『きれい』は二択じゃない」
連載小説『漂うわたし』第12回 多賀麻希(4)「年下の男の子」
連載小説『漂うわたし』第11回 多賀麻希(3)「昔のあだ名で呼ばれてみたら」
連載小説『漂うわたし』第10回 伊澤直美(4)「産まないって決めたわけじゃないのに」
連載小説『漂うわたし』第9回 伊澤直美(3)「子育てより仕事のほうがラク!?」
連載小説『漂うわたし』第8回 佐藤千佳子(4)「パセリが主役になる日」
連載小説『漂うわたし』第7回 佐藤千佳子(3)「ママを引いたら何が残る?」
連載小説『漂うわたし』第6回 多賀麻希(2)「39歳の再就職活動」
連載小説『漂うわたし』第5回 多賀麻希(1)「派遣切りのたびに削られる」
連載小説『漂うわたし』第4回 伊澤直美(2)「どっちが産むか選べたらいいのに」
連載小説『漂うわたし』第3回 伊澤直美(1)「給料日にモヤモヤする理由」
連載小説『漂うわたし』第2回 佐藤千佳子(2)「このままじゃダメ?」
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家のこと
2025.03.06
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