カルチャー
2023.04.08
【前回までのあらすじ】娘の高校受験が無事終わり、スーパーマルフルでのパートに復帰した千佳子。ハーブのマイさんのレシピ本をハーブ売り場に置いたら売れ行きが好調で、他の売り場でも応用できそうとパート仲間の野間さんの家で夢を語る。だが、野間さんはマルフルを卒業すると宣言した。
連載:saita オリジナル連載小説『漂うわたし』
「卒業って!? 野間さん、マルフルやめちゃうんですか?」
「あー、やっぱり佐藤さん、そういう顔しちゃうよね」
そういう顔がどういう顔なのか、手元に鏡がないので見られないが、千佳子は今、野間さんが予想した顔をしているらしい。野間さんを困らせる、困った顔だ。
「マルフルやめて、どうするんですか? 転職、とか?」
野間さんは元々、外資系広告代理店で働いていた。結婚してからも仕事を続けていたが、ダンナさんの海外転勤について行くことになり、会社を離れた。野間さんは中断のつもりだったけれど、再開はなかった。2児の母になって帰国した野間さんの復職をダンナさんが渋ったからだ。下の子が小学校に上がったときには、元の会社に野間さんの戻る場所はなかった。一旦降りたキャリアのレールに戻りそびれた野間さんは専業主婦を続けることになった。
再び働くようになったのは、息子さん2人が独り立ちした後だ。定年退職後の再雇用の任期も終えたダンナさんが突然亡くなり、野間さんはマルフルで働き始めた。キャリアを活かすためではなく、持て余した時間とやりきれなさを埋めるために。
腰かけのつもりだったのが、思いのほか長く続いているともいえる。それは、時間をお金に替える以上のやり甲斐や張り合いを野間さんが作り出してきたからだ。自分で自分の仕事を面白くしてきたのだ。
「実はね、社外取締役にならないかって本部から声がかかったの」
「パートから取締役って、すごいじゃないですか。なーんだ、マルフルを卒業するって、パートをやめるってことだったんですね」
千佳子はほっとして、言葉があふれる。
「野間さん、広告のことわかってるし、英語もできるし、現場もわかってるし、最強ですよね。野間さんと一緒に仕事できなくなるのは淋しいけど、大出世、おめでとうございます」
乾杯をしようと千佳子がグラスを持ち上げると、
「違うの。それでやめる踏ん切りがついたの」
持ち上げたグラスとお祝いの言葉が宙に浮いた。
野間さんは「もう一本開けよっか」と冷蔵庫へワインを取りに行った。席を外す理由を作ったのかもしれない。
2本目のスパークリングワインのコルクを抜くと、1本目ほど威勢のいい音はしなかった。
「あれ? 気が抜けちゃってる?」
野間さんは、空いている自分のグラスに少しだけ注いで、味を見る。
「微発泡になっちゃってるけど、これはこれでありかな。佐藤さん、注いじゃうから飲んで」
ボトルを傾け、千佳子が飲み干したグラスと自分のグラスにワインを注ぎ終えると、野間さんはもう一度グラスに口をつけて、「やっぱり気が抜けてる」と言った。
千佳子は「そんなことないです。おいしいです」と言いつつ、確かに気が抜けているなと思う。野間さんがマルフルからいなくなる淋しさで、千佳子の気も抜けてしまっている。
「わたし、文香が高校に上がったら、シフトふやそうと思ってたんです」
「そっか。私は逆。これからは間引いていこうって。ハーブも、ぎゅうぎゅう詰めだと、よく育たないからね」
野間さんがノマリー・アントワネットの庭に目をやる。あの辺りがハーブガーデンなんだなと千佳子も目で追う。
「私さ、ずっとがんばってたじゃない?」
「がんばってましたね」
分厚いプレゼン資料を抱えて本部に乗り込んだ野間さんを千佳子は思い出す。パセリのクリスマスツリーの手柄を店長に横取りされたと思い込んだ野間さんは、あれは自分たちがやったことだとアピールすることに躍起になっていた。たかがパセリにリボンを巻いただけなのにと野間さんの必死さに千佳子の気持ちは冷め、一時期は野間さんと距離を置いた。
認められることへの情熱が人一倍低く、人より抜きん出ようとすることに罪悪感すら覚えてしまう千佳子にとって、認められるためにそこまでがんばる野間さんは、同じ言葉を話すけれど違う文化圏に生きている人のようだった。
「びっくりするような年俸を提示されて、その数字見たら、気が済んじゃった」
気の抜けたスパークリングワインをジュースみたいに飲みながら野間さんが言う。びっくりするような年俸っていくらぐらいなんだろう。うちの夫より当然多いんだろうなと千佳子は想像する。
「やっぱり、どこかで意地があったんだよね。あんたがいなくたって私は元気だし、あんたが埋もれさせた私は、こんなに仕事ができるんだぞって」
あれっと千佳子は思う。野間さんをがんばらせていたのは、ダンナさんへの意地だったのか。
「良かったです。野間さんのがんばりが認められて」
「まぁ、私に値段がついたわけじゃないけどね。私の利用価値に値段がついただけだから」
「どういうことですか?」
「『パートから社外取締役に』っていうタイトルで取材受けてる自分が想像できちゃったの。マルフルが変わりますって広告打つより、記事で取り上げてもらうほうが安上がりじゃない? びっくりするような年俸の何倍もの宣伝効果を見込めるならお釣りが来る。それが透けて見えちゃった。そうなると、私が元々外資系広告代理店で働いていたとか、英語ができるとか、そういうスペックは邪魔になっちゃうかもしれない。パートのおばちゃんを抜擢したっていうストーリーが欲しいだけ」
頭の回転にお酒の勢いが加わって、野間さんの言葉は演説みたいに力強い。
「そんな都合のいいことって、あるんですか」
「あるよ。私、そういうストーリーを提案してきた側だから」
野間さんはあちら側の人なのだと千佳子はあらためて思う。本当だったら同じ職場で働ける人じゃないのだ。同じテーブルで、お揃いのグラスでワイン飲んだりできる人じゃないのだ。
ハーブガーデンの手前でゴールドクレストが新緑の葉を茂らせている。ダンナさんが亡くなったお悔やみに贈られた木だ。
「私、もうすぐダンナが亡くなった歳に追いつくの。だから、これからの時間、好きなことだけに使わせてもらう」
「例えば?」
「旅行かな」
野間さんがダンナさんの木から視線を移した先、リビングの棚の上に置かれた地球儀があった。インテリアになじむレトロ調の色合い。アンティークだろうか。30年間の結婚生活を労ってもらう約束だったと野間さんが話していたのを千佳子は思い出す。あの地球儀を回しながら、旅の計画を温めていたのかもしれない。そのアテが外れてしまった。
「行きたい場所、あるんですか」
「そりゃあマリー・アントワネットの庭でしょう」
野間さんの長い寄り道は役目を終えた。ダンナさんが突然いなくなって持て余した時間を、もう埋めなくていい。ぶつける相手のいなくなった鬱屈を、もう仕事にぶつけなくていい。気が抜けて、力が抜けたら、縮こまっていた羽を伸ばす余白ができた。
卒業おめでとう、野間さん。
千佳子はグラスを持ち上げ、心の中で小さく乾杯し、祝福を贈る。
野間さんに。庭のゴールドクレストの木に。
次の物語、連載小説『漂うわたし』第111回 伊澤直美(37)「四つ葉のクローバーに胸がざわつく」へ。
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著者
今井 雅子
脚本家。 テレビ作品に連続テレビ小説「てっぱん」、「昔話法廷」、「おじゃる丸」(以上NHK)。2022年「失恋めし」をamazon primeにて配信。「ミヤコが京都にやって来た!〜ふたりの夏〜」(ABCテレビ)を9月30日より3夜連続で、「束の間の一花」(日本テレビ)を10月期に放送。映画作品に「パコダテ人」、「子ぎつねヘレン」、「嘘八百」シリーズ(第3弾「嘘八百 なにわ夢の陣」2023年1月公開)。出版作品に「わにのだんす」、「ブレストガール!〜女子高生の戦略会議」、「産婆フジヤン〜明日を生きる力をくれる、93歳助産師一代記」、「来れば? ねこ占い屋」、「嘘八百」シリーズ。音声SNSのClubhouseで短編小説「膝枕」の朗読と二次創作をリレー中。故郷大阪府堺市の親善大使も務めている。
連載小説『漂うわたし』第182回 佐藤千佳子(62)「それぞれの空を見上げて」
連載小説『漂うわたし』第181回 佐藤千佳子(61)「シュークリーム即興劇」
連載小説『漂うわたし』 第180回 多賀麻希(60)「クリームのないシュークリーム」
連載小説『漂うわたし』 第179回 多賀麻希(59)「ドレスが目覚めるとき」
連載小説『漂うわたし』 第178回 伊澤直美(60)「魔法が解けた」
連載小説『漂うわたし』 第177回 伊澤直美(59)「『ある』がふえていく」
連載小説『漂うわたし』第176回 佐藤千佳子(60)「スカーフをふわりと広げて」
連載小説『漂うわたし』第175回 佐藤千佳子(59)「わたしたち同じページにいる」
連載小説『漂うわたし』 第174回 多賀麻希(58)「子ども服を着せたかもしれない過去」
連載小説『漂うわたし』 第173回 多賀麻希(57)「愛にハサミを入れられない」
連載小説『漂うわたし』 第172回 伊澤直美(58)「胎内記憶って本当にあるの?」
連載小説『漂うわたし』 第171回 伊澤直美(57)「生まれた日の記憶」
連載小説『漂うわたし』第170回 佐藤千佳子(58)「日と月と明るいほうへ」
連載小説『漂うわたし』第169回 佐藤千佳子(57)「太陽の引き立て役」
連載小説『漂うわたし』 第168回 多賀麻希(56)「特注のエコバッグ」
連載小説『漂うわたし』 第167回 多賀麻希(55)「その続きを読みたくて」
連載小説『漂うわたし』 第166回 伊澤直美(56)「やったねの種」
連載小説『漂うわたし』 第165回 伊澤直美(55)「おんなじ! おんなじ!」
連載小説『漂うわたし』第164回 佐藤千佳子(56)「種は飛びたがっている」
連載小説『漂うわたし』第163回 佐藤千佳子(55)「マルシェは一日で終わるけれど」
連載小説『漂うわたし』 第162回 多賀麻希(54)「不自由とダンスする」
連載小説『漂うわたし』 第161回 多賀麻希(53)「巻き込まれ上手になるには」
連載小説『漂うわたし』 第160回 伊澤直美(54)「プレゼンごっこだと思ってた」
連載小説『漂うわたし』 第159回 伊澤直美(53)「パンケーキ食べてる場合じゃない」
連載小説『漂うわたし』第158回 佐藤千佳子(54)「思い違いがくれたパワー」
連載小説『漂うわたし』第157回 佐藤千佳子(53)「推しが職場にやって来た」
連載小説『漂うわたし』 第156回 多賀麻希(52)「アドレスのないドレス」
連載小説『漂うわたし』 第155回 多賀麻希(51)「迷路の出口」
連載小説『漂うわたし』 第154回 伊澤直美(52)「配慮ってどうするんだっけ」
連載小説『漂うわたし』 第153回 伊澤直美(51)「思い出せそうで思い出せない人」
連載小説『漂うわたし』第152回 佐藤千佳子(52)「ウィンウィンの天才」
連載小説『漂うわたし』第151回 佐藤千佳子(51)「咲かない花と咲いた花」
連載小説『漂うわたし』第150回 多賀麻希(50)「ひとり・ふたり・ことり」
連載小説『漂うわたし』第149回 多賀麻希(49)「やがて住む部屋の前で」
連載小説『漂うわたし』 第148回 伊澤直美(50)「大人は子どもで子どもは大人で」
連載小説『漂うわたし』 第147回 伊澤直美(49)「大人が試されている」
連載小説『漂うわたし』第146回 佐藤千佳子(50)「ペディキュアがはみ出すほど恋してる」
連載小説『漂うわたし』第145回 佐藤千佳子(49)「みんな春を待っている」
連載小説『漂うわたし』第144回 多賀麻希(48)「わたしを納めるうつわ」
連載小説『漂うわたし』第143回 多賀麻希(47)「引っ越したくないのは幸せだから」
連載小説『漂うわたし』 第142回 伊澤直美(48)「今この瞬間がプレゼント」
連載小説『漂うわたし』第141回 伊澤直美(47)「クリスマスはここ!」
連載小説『漂うわたし』第140回 佐藤千佳子(48)「わたしの賞味期限問題」
連載小説『漂うわたし』第139回 佐藤千佳子(47)「真夜中の逢い引き」
連載小説『漂うわたし』第138回 多賀麻希(46)「いつか誰かのねじを巻く」
連載小説『漂うわたし』第137回 多賀麻希(45)「祝福のサラダ」
連載小説『漂うわたし』 第136回 伊澤直美(46)「種が芽吹くとき」
連載小説『漂うわたし』 第135回 伊澤直美(45)「会える確率は1分の1」
連載小説『漂うわたし』第134回 佐藤千佳子(46)「たちまち色づいたモノクローム」
連載小説『漂うわたし』第133回 佐藤千佳子(45)「母親の旬は過ぎたのか」
連載小説『漂うわたし』第132回 多賀麻希(44)「オリジナルって言い切れる?」
連載小説『漂うわたし』第131回 多賀麻希(43)「棺に入る分だけ残しなさい」
連載小説『漂うわたし』 第130回 伊澤直美(44)「母娘の残像」
連載小説『漂うわたし』第129回 伊澤直美(43)「今がいちばん可愛い」
連載小説『漂うわたし』第128回 佐藤千佳子(44)「子ども服はタイムカプセル」
連載小説『漂うわたし』第127回 佐藤千佳子(43)「ハダカのひまわりとスキップ」
連載小説『漂うわたし』第126回 多賀麻希(42)「なんのお祝いだっていい」
連載小説『漂うわたし』第125回 多賀麻希(41)「父を待ちながら」
連載小説『漂うわたし』第124回 伊澤直美(42)「近づきすぎると影が落ちるから」
連載小説『漂うわたし』第123回 伊澤直美(41)「ベランダ通勤の頭の中」
連載小説『漂うわたし』第122回 佐藤千佳子(42)「宝探しのパンケーキ」
連載小説『漂うわたし』第121回 佐藤千佳子(41)「日曜日と月曜日の手ざわり」
連載小説『漂うわたし』第120回 多賀麻希(40)「20年ぶりに咲いたドレス」
連載小説『漂うわたし』第119回 多賀麻希(39)「ドレスに蒔いた種」
連載小説『漂うわたし』第118回 伊澤直美(40)「あの日の花をもう一度」
連載小説『漂うわたし』第117回 伊澤直美(39)「その手をつなぐために空けておく」
連載小説『漂うわたし』第116回 佐藤千佳子(40)「チューリップの赤がしみる」
連載小説『漂うわたし』第115回 佐藤千佳子(39)「ペンネーム十文字パセリ」
連載小説『漂うわたし』第114回 多賀麻希(38)「ウェディングドレスを上書きする」
連載小説『漂うわたし』第113回 多賀麻希(37)「ウェディングドレスを着ない未来」
連載小説『漂うわたし』第112回 伊澤直美(38)「そこに答えはないってわかってるのに」
連載小説『漂うわたし』第111回 伊澤直美(37)「四つ葉のクローバーに胸がざわつく」
連載小説『漂うわたし』第109回 佐藤千佳子(37)「埋蔵主婦を卒業します」
連載小説『漂うわたし』第108回 多賀麻希(36)「わたしの顔を見に来た彼女」
連載小説『漂うわたし』第107回 多賀麻希(35)「見知らぬ誰かを待ちながら」
連載小説『漂うわたし』第106回 伊澤直美(36)「サレ妻の逆襲」
連載小説『漂うわたし』第105回 伊澤直美(35)「何を証明しようとしているの?」
連載小説『漂うわたし』第104回 佐藤千佳子(36)「せっかく生まれてきたんですから」
連載小説『漂うわたし』第103回 佐藤千佳子(35)「そのままのあなたでいいんです」
連載小説『漂うわたし』第102回 多賀麻希(34)「呪うより祝うほうがめでたいから」
連載小説『漂うわたし』第101回 多賀麻希(33)「エゴサしたって傷つくだけなのに」
連載小説『漂うわたし』第100回 伊澤直美(34)「自分の機嫌は自分で取る!」
連載小説『漂うわたし』第99回 伊澤直美(33)「めでたい日のおめでたい人」
連載小説『漂うわたし』第98回 佐藤千佳子(34)「ふたりで月日を重ねて」
連載小説『漂うわたし』第97回 佐藤千佳子(33)「あなたの物語を読みたい」
連載小説『漂うわたし』第96回 多賀麻希(32)「上書きされた過去」
連載小説『漂うわたし』第95回 多賀麻希(31)「これ以上わたしから何も盗らないで」
連載小説『漂うわたし』第93回 伊澤直美(31)「ひなたと日陰の間で」
連載小説『漂うわたし』第92回 佐藤千佳子(32)「焼きいもを分け合う誰かがいれば」
連載小説『漂うわたし』第91回 佐藤千佳子(31)「モブキャラに秋がしみる」
連載小説『漂うわたし』第90回 多賀麻希(30)「まわりまわってひまわりバッグ」
連載小説『漂うわたし』第89回 多賀麻希(29)「世渡り上手の駆け引き構文」
連載小説『漂うわたし』第88回 伊澤直美(30)「母とわたしと犬とレモン」
連載小説『漂うわたし』第87回 伊澤直美(29)「記憶の地層から浮かび上がった母」
連載小説『漂うわたし』第86回 佐藤千佳子(30)勝ったり負けたり人生じゃんけん
連載小説『漂うわたし』第85回 佐藤千佳子(29)「義母が転がり込んできた」
連載小説『漂うわたし』第84回 多賀麻希(28)「『嫉妬してくれてるの?』の魔法」
連載小説『漂うわたし』第83回 多賀麻希(27)「彼と彼女の不完全燃焼」
連載小説『漂うわたし』第82回 伊澤直美(28)「本人に聞けばいいのに」
連載小説『漂うわたし』第81回 伊澤直美(27)「創作って埋め合わせだから」
連載小説『漂うわたし』第80回 佐藤千佳子(28)「振り上げたこぶしの下ろし方」
連載小説『漂うわたし』第79回 佐藤千佳子(27)「砂の入ったアイスクリーム」
連載小説『漂うわたし』第78回 多賀麻希(26)「17歳のわたしの続き」
連載小説『漂うわたし』第77回 多賀麻希(25)「閉じていなかった物語」
連載小説『漂うわたし』第76回 伊澤直美(26)「これは満たされてますアピールなのか」
連載小説『漂うわたし』第75回 伊澤直美(25)「スポットライトの当たる場所が変わっただけ」
連載小説『漂うわたし』第74回 佐藤千佳子(26)「正解も正義もひとつじゃない」
連載小説『漂うわたし』第73回 佐藤千佳子(25)「同じ景色を見ていると思っていたのに」
連載小説『漂うわたし』第72回 多賀麻希(24)「愛せないヒロイン」
連載小説『漂うわたし』第71回 多賀麻希(23)「それからのルーズソックスのそれから」
連載小説『漂うわたし』第70回 伊澤直美(24)「めぐるいのちを母乳にのせて」
連載小説『漂うわたし』第69回 伊澤直美(23)「母乳神話のスッタモンダ」
連載小説『漂うわたし』第68回 佐藤千佳子(24)「透明人間にされたわたしたち」
連載小説『漂うわたし』第67回 佐藤千佳子(23)「この国の損失」
連載小説『漂うわたし』第66回 多賀麻希(22)「制服のシンデレラ」
連載小説『漂うわたし』第65回 多賀麻希(21)「彼の指が見つけたエンダツ」
連載小説『漂うわたし』第64回 伊澤直美(22)「名前は人生で最初のプレゼント」
連載小説『漂うわたし』第63回 伊澤直美(21)「消えた赤ちゃんと現れた母」
連載小説『漂うわたし』第62回 佐藤千佳子(22)「男女っていつから逆転するの?」
連載小説『漂うわたし』第61回 佐藤千佳子(21)「こぼれた大豆に哀しみを覚えた頃」
連載小説『漂うわたし』第60回 多賀麻希(20)「どこにも行かないでと彼が言った理由」
連載小説『漂うわたし』第59回 多賀麻希(19)「長い夜が明けるまで」
連載小説『漂うわたし』第58回 伊澤直美(20)「キスしてよ脳内モルヒネ出るから」
連載小説『漂うわたし』第57回 伊澤直美(19)「もうキスしないかもしれない」
連載小説『漂うわたし』第56回 佐藤千佳子(20)「ママ、娘よりも成長してない?」
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連載小説『漂うわたし』第53回 多賀麻希(17)「彼を試す自己開示ギャンブル」
連載小説『漂うわたし』第52回 伊澤直美(18)「受精卵だった頃の名残」
連載小説『漂うわたし』第51回 伊澤直美(17)「男でも女でもない妊婦という性」
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連載小説『漂うわたし』第20回 佐藤千佳子(8)「真昼の逢い引き」
連載小説『漂うわたし』第19回 佐藤千佳子(7)「人妻だって恋をする」
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連載小説『漂うわたし』第17回 多賀麻希(5)「彼の寝息を聞きながら」
連載小説『漂うわたし』第16回 伊澤直美(6)「HAPPYが壊れた結婚4年目」
連載小説『漂うわたし』第15回 伊澤直美(5)「夫と恋人時代に戻って」
連載小説『漂うわたし』第14回 佐藤千佳子(6)「口紅のとびらを開けて」
連載小説『漂うわたし』第13回 佐藤千佳子(5)「ママと『きれい』は二択じゃない」
連載小説『漂うわたし』第12回 多賀麻希(4)「年下の男の子」
連載小説『漂うわたし』第11回 多賀麻希(3)「昔のあだ名で呼ばれてみたら」
連載小説『漂うわたし』第10回 伊澤直美(4)「産まないって決めたわけじゃないのに」
連載小説『漂うわたし』第9回 伊澤直美(3)「子育てより仕事のほうがラク!?」
連載小説『漂うわたし』第8回 佐藤千佳子(4)「パセリが主役になる日」
連載小説『漂うわたし』第7回 佐藤千佳子(3)「ママを引いたら何が残る?」
連載小説『漂うわたし』第6回 多賀麻希(2)「39歳の再就職活動」
連載小説『漂うわたし』第5回 多賀麻希(1)「派遣切りのたびに削られる」
連載小説『漂うわたし』第4回 伊澤直美(2)「どっちが産むか選べたらいいのに」
連載小説『漂うわたし』第3回 伊澤直美(1)「給料日にモヤモヤする理由」
連載小説『漂うわたし』第2回 佐藤千佳子(2)「このままじゃダメ?」
連載小説『漂うわたし』第1回 佐藤千佳子(1)「母になった記念日」
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