
10月に入るとハロウィンの雰囲気が街にあふれてきますね。
日本でもハロウィンがもてはやされるようになってから、もうだいぶ経ちます。
10年ぐらいでしょうか?
おかげでクリスマスの影が少々薄くなったと感じるのですが、どう思います?
10月の終わり、そして12月と、ほぼほぼ近い時期に西洋かぶれのイベントが押し寄せてくるこのタイミング。
日本では慣れ親しんだクリスマスより、新興の勢い熱いハロウィンに気を持ってかれるのも無理ないですね。
個人的には大々的にみんながコスプレする空気ってのが好きです。
コスプレなんて、昔はそれはそれは日陰者扱いされていたものですしね……。
話が逸れましたが、、ハロウィンの象徴的な存在と言えばおわかりでしょう?
ジャック・オー・ランタンです!
今回はこのカボチャのお化けについて調べてみました。
ファンタジーの知識を知れば、より楽しい!
それでは今回も皆さまの創作活動やゲームなど没入感の参考になることを願って。
ぜひ最後までお付き合いくださいませ。
そもそもジャック・オー・ランタンとはなんぞや?
ジャック・オー・ランタンとは、ハロウィンの時によく飾られている、カボチャをくり抜いて頭に見立てたロウソク立てのお化けです。
元々はアイルランド、スコットランドといったイギリス地方発祥で、後にアメリカにも伝わり、そして世界中に広まりました。
特徴としては、
- カボチャ頭でマント姿
- あるいはカボチャの頭のみ
- 黒いマント姿、あるいは光るマント姿など
彼は沼地や湿地帯によく出現します。
暗闇にランタンの灯りだけが浮かび上がる、日本で言う所の「鬼火」の一種とされています。
その灯りで旅人を迷子にしたり、底なしの沼に引きずり込んだり、時には正しい道へと案内したりもします。
その正体は、ジャックという名の農夫なのです。
悪魔との契約
ジャックは農夫でした。
あるとき悪魔を騙して高い木の上に登らせました。
そして降りてこられないように、木の幹に十字の印を刻みました。
困り果てた悪魔が降ろしてくれと懇願するので、ジャックは悪魔にある約束をさせました。
「俺が死んでも地獄へ落とすな。約束するなら下ろしてやる」
悪魔は渋々その約束を結びました。
その後ジャックは寿命を迎えます。
悪魔と約束しているので、地獄へ落ちるはずはありません。
であるならば残った天国の方へと行けるはず。
ジャックは意気揚々と天国へと向かいます。
ですが、生前ずるがしこくイタズラばかりしていたジャックは、天国へは入れてもらえませんでした。
あれあれ?
じゃあ仕方ない、と地獄へ向かうもそこはちゃぁんと悪魔との約束が果たされており、地獄にもジャックは入れません。
じゃあいっか。
そう思いジャックは現世へと舞い戻ると、安住の地を求めいつまでもそこらをうろつくことになったのです。
もちろん今もね。
以上の逸話から、ジャック・オー・ランタンは成仏できず彷徨う死霊の類、いわゆる「アンデッド」に属するモノと思われます。
最初はカボチャじゃなかった
実は元々ジャック・オー・ランタンはカボチャ頭ではありませんでした。
では何かというと、「カブ」です。
あの白い根菜のカブです。
ルタバガという、厳密にはカブとは違う品種のようですが、まあほぼカブです。
今でもスコットランド地方ではジャック・オー・ランタンは白いカブ頭らしいです。
カボチャの始まりはイギリスからアメリカに渡った時。
アメリカで生産量の多かったカボチャが使われるようになり、その仕様が全世界に広まったようです。
なぜカブなのかも理由があります
白いカブは故人の頭蓋骨を模していたと言われます。
実際のところ頭蓋骨をロウソク立てに見立てて故人を偲ぶ地域は他にもあります。
頭蓋骨に光を灯すことで「魂」「霊魂」が宿り、その者が戻ってきたと祝う風習があったそうです。
ジャックも旅人を誰彼構わず底なし沼に引きずり込んでいたわけではありません。
邪悪な者にはそうしますが、善良な者には正しく安全な道へと案内したりもします。
さまよう死者であることからアンデッドだと言いましたが、上の風習のように帰還を祝う喜びを与えることからも、ジャック・オー・ランタンはいつしか「妖精」の仲間入りを果たしたのです。
実際一般人にとって特別な害悪や襲撃はしてこないし、神聖なる行いによって退治されたというエピソードもありません。
類似の現象、類似の名称
暗闇に浮かぶ鬼火の一種という性質から、時折「ウィル・オー・ウィスプ」との関連を問われます。
ウィスプは完全なる火の玉ですが、ジャックはおおよそヒト型です。
日本でも人魂(ひとだま)や鬼火という似た現象がありますね。
科学的には沼地などから発生するメタンガスが発火して起きる自然現象だとされています。
本当かは知りませんが。
またジャックという名を冠するものもよく見かけます。
これはジャックというのが男性一般を示す名前だからです。
日本だと「太郎」とか、そんな感じ。
ジャックの名を冠する妖精は他にもいますね。
代表的なのが「ジャック・フロスト」です。
直訳すれば「霜男」です。

さらにアメリカには「ジャック・ムー・ランタン」という誤訳したかのような名の妖精もいます。
ただしこちらは毛むくじゃらでぴょんぴょん飛び回る謎な生物らしいです。

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ジャック・オー・ランタンの出てくる作品
『真・女神転生』
日本ではハロウィンが語られないときから活躍していたメガテンのジャック・オー・ランタン。
彼の日本におけるイメージへの貢献は計り知れないものがありますでしょう。
ジャック・フロストの方が表に出ること多いですが。
まとめ
「トリック オア トリート」
いかがだったでしょうか。
ハロウィンってなんだか楽しいですよね。
お化けなんだけど、どこかコミカルな雰囲気が保たれていて。
それはきっとジャック・オー・ランタンのカボチャ頭がそうイメージさせるんだと思います。
すごく秀逸なデザインだとも思うんですよ。
秀逸過ぎてハロウィンシーズンにしか使えない。
これほど強力なコンテンツ、自分の手でも生み出してみたいと思いませんか?
みなさんの創作力ならきっとできると思いますよ。
そのときは是非教えて下さいね。
それではまた!
この記事を書いた人
漫画家になりたくて毎週のように出版社へ持ち込みをしてた人。
ケータイ用ミニゲームイラスト、アンソロジーコミック経験有。
執筆したファンタジー小説を投稿サイトにて公開中。
『亜人世界をつくろう! ~三匹のカエルと姫神になった七人のオンナ~』
小説家になろう/ノベルアッププラス
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