相場が気になって仕方がありません。億万投資家の方はこの状況にどう対応していますか?

日本経済新聞に「相場が気になって仕方がありません。億万投資家の方はこの状況にどう対応していますか?」という問いと回答が掲載されていました。
上記記事では、「業績拡大が見込める株に絞れ」という回答が太字で掲載されています。
質問者への回答としてはちょっと抽象的すぎるな、と思います。おそらく質問者は業績とは?売上高?利益?シェア?拡大とはどのくらい?10%増くらい?100%増?それ以上?見込めるかどうかはどうやって見分けるの?有価証券報告書?会社四季報?と不明点が続々出てきて、引き続き相場が気になって仕方がないことでしょう。
いちおう億り人でもある私ならこう答えます。
「資産配分の株式の比率を下げろ、もしくは投資金額そのものを下げろ」
相場が気になって仕方がないというのは、質問者が自分のリスク許容度を超えた投資をしている状態にあると想定されます。だから、保有資産のリスク(ボラティリティ)を下げればよい。
保有資産全体の資産配分において、株式の比率を下げて債券・現金比率を上げることで、保有資産全体のリスクを下げることができます。
株式のリスクが年率20%(1標準偏差)あるとして、2標準偏差をみておけば滅多にない暴落(発生確率3%以下)で、年間最大40%のダメージを負うことが想定されます。たとえば、保有資産の株式比率を半分にすれば、最大ダメージも半分の20%になります。それなら耐えられるという場合は多いでしょう。もちろん、環境や本人の生活にもよりますので、相場が気になりすぎないレベルまで保有資産の株式比率を下げていけばよいと思います。
また、投資金額そのものを下げることでもリスクが下がることは言うまでもないでしょう。
そもそも、保有資産のリスクを「数字」で把握することが、投資のプロセスとしては非常に重要ですが、一部の投資家は、リターンばかり見て、リスクは目安すら立てないまま投資をおこなっています。そりゃ不安にもなるでしょう。
抽象的なアドバイスに惑わされず、常に具体的な数字に基づいて投資判断を行うことが重要だと思います。
※言わずもがなですが、投資判断は自己責任でお願いいたします。
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