メディアの円安・円高報道に踊らされない! 為替との適度なつきあい方

Xに何気なく投稿した内容が、たくさんいいねされていたのでブログにも記録しておきます。
リーマンショック後、1ドル70円台の時、マスメディアは「円高による不景気で日本終了」と騒いでいました
— 水瀬ケンイチ (@minasek)April 26, 2024
現在、1ドル150円台で、マスメディアは「円安による物価高で日本終了」と騒いでいます
有史以来ずっと日本は終了していないので、終了しているのはマスメディアではないでしょうか
戦後、1ドル360円の固定相場制が続き、変動相場制に移行後、プラザ合意の頃には1ドル230円台となりました。その後、リーマンショックの頃には1ドル70円台まで円高が進み、現在は1ドル150円台に位置しています。為替相場はかなりダイナミックに変動してきましたが、円高でも円安でも、マスメディアはいつも「円安(円高)で日本はもうだめだ」と悲観的な情報ばかりを流してきました。
今日の状況は以下の調子です↓
為替レートは2国間の通貨交換レートに過ぎず、一方が一方に対して価値がゼロになることは通常起こりません。様々な要因によって上昇したり下落したりします。そして、輸入企業にとっては円高が有利ですが、輸出企業にとっては円安が有利です。また、日本から海外へ旅行をする人にとっては円高が有利ですが、海外から日本へのインバウンド消費を狙うお店にとっては円安が有利です。ポジションによって見解は多岐にわたります。
しかし、マスメディアはその時々でいつも悲観的なことばかりを伝えて注目を集めようとしてきました。「なんでもいいから目立って注目されれば売上になる」という卑しい商業主義と、世の中を悲観的に語ることで知的に見えるといういわゆる「知識人バイアス」が加わり、いつも悲観的で愚かな為替レート評価や予測がなされています。
こうしたことについて話すと、「メディアは大衆が求めるものを提供しているのだから、大衆が愚かなのだ」と主張する昭和の業界人のような意見が出てくるかもしれません。しかし、令和の現在はマスメディアの過去の情報発信がデータとして残り、いい加減な情報発信を誰もがいくらでもネットで検索可能です。メディアの情報が愚かなのは視聴者のせいではなく、メディア自体の責任であることを理解すべきです。
最近では、上記のマスメディアの「悪いところ」を縮小コピーしたような収益(インプレッション)狙いの個人SNSアカウントが、悲観的情報をノリノリで発信している例もあり、状況はますますカオスです。
私としては、外貨を保有すること自体にリスクプレミアムはほぼなく、期待リターン向上にはほぼ貢献しないと考えています。あくまで、世界中の企業や事業に投資する過程で為替リスクは付いて回るものであり、それを受け入れざるを得ないという見方です。為替ヘッジを行っても、相応の為替ヘッジコストがかかり、為替リスクを完全に回避することはできないため、円・ドル・ユーロなど、投資先の通貨を分散しておくことが望ましいという程度のものです。
投資のリターンの源泉は何なのか(為替ではないこと)をしっかりと腹落ちさせ、為替に関するマスメディアの悲観的な情報に惑わされないようにしたいものです。
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