まずは中川さんの現在の仕事内容について教えてください。

ナショナルサイバートレーニングセンターでは、サイバー攻撃を受けてしまった時にどのように対応したらよいのかを学べるCYDER演習を実施しています。

そのCYDER演習に使用するシステムやコンテンツの企画をとりまとめるのが私の仕事です。

具体的には演習環境である「CYDERANGE」の機能開発、オンライン機能を活用した新しい演習プログラムの企画、CYDER演習運営全般に関するとりまとめ業務に携わっています。

業務内容も幅広いんですね！

どんな点が仕事のやりがいになっていますか？

CYDER演習の主な受講対象者は、国の機関、地方公共団体や重要インフラ事業者等の組織の方です。

受講した方々の組織がインシデント発生時に何をすれば良いかを正しく理解して、最適な対策の計画が立てられるようになり、常にサイバー攻撃に備えることができることを目標としています。

そのため、自分の担当している仕事が日本社会全体のセキュリティインシデント対応能力の向上に直接貢献しています。

日本のセキュリティリテラシーを高めるための一役を担ってると考えると、とてもやりがいがありますね。

社会貢献実感をダイレクトに味わうことができそうですね。

NICTが6年以上継続的に実施しているCYDERの集合演習は、毎年全国の会場で100回以上約3000人に受講し続けていただいています。

この積み重ねでこれまで累計約2万人という受講者数を達成。これほど多くの方に自分の関係した演習を提供できるということが魅力ですし、実際にCYDER演習を受講された方から「自組織でインシデントが発生した場合に、どのように対処するべきかを流れを追って確認することができてとても役にたった」とポジティブなフィードバックを直接もらえるのも嬉しいです。

どんな人がこの仕事に向いてると思いますか？

CYDER演習の提供に必要となる業務領域は、演習の運営からシナリオの開発、プロモーション活動にいたるまで多岐にわたり、さまざまなバックグラウンドの方とチームで仕事をする必要があります。

そのため、人と協力をしながら仕事を進めることが好きな人が向いていると思います。

また、研究機関と聞くと少しお堅いイメージを持つ方もいると思いますが、仕事の内容は毎年変化し続けています。

そのため、同じ仕事ではなく常に変化や成長を求める適応力のある方に特に来てもらいたいですね。

最後に、中川さんのこれからのキャリアの展望やチャレンジしてみたいことについて教えてください。

地理的・時間的要因が理由で、CYDERの集合演習の受講機会を逃している方がまだまだたくさんいます。

演習環境である「CYDERANGE」には、仮想演習端末を用いたログ解析などのハンズオンをオンライン環境で実施できる機能を組み込んでいるので、今後はこのような機能を活用して、集合演習と同じくらい演習効果の高いオンライン完結の演習プログラムを開発したいと考えています。

オンライン環境で、講師やチューターが受講者をどのようにサポートすべきかなど課題点は多いですが、ひとつずつクリアにして実現したいと考えています。