正木伸城@nobushiromasaki

やばい。面白すぎ。悪い習慣を断ち切るのに意志力は役に立たない。例えばタバコ依存から脱した人に対し、僕らは「意志が強い＝よく我慢した」と思う。が、実はその人は想像以上に「我慢していない」。我慢と脱依存はほぼ関係がない。悪習慣を脱した人が何をしたかについて僕らは大いに誤解している。→「一般的に、人は『意志力』という言葉から、欲しいものを我慢し（たとえば、デザートのおかわりを断る）、面倒だがやらなければならないことをする（たとえば、ジムに行く）といった自制心のことを思い浮かべる。長いあいだ、『意志力の強い人』とは、タバコを吸いたい気持ちを抑える、ケーキではなくニンジンを選ぶなど、目下の衝動を断つのが上手な人だと思われてきた。しかし、この考え方が誤りであることを示す研究結果が増えている」そもそも、悪習慣は人間のチンケな意志で断ち切れるものではない。習慣の粘着力の凄まじさは最近の科学でもよく裏づけられている。人間の意志が弱いというより、悪習慣の定着力が強すぎるのだ。それも、圧倒的に。とはいえ、確かに悪習慣を手放したように見える人はいる。では、彼らの中ではそのとき何が起きているのか？実は、悪習慣そのものは彼らの中で生き続けている。ただ、それが潜伏しているだけなのだ。悪習慣を手放した人は、悪習慣を打ち消したのではない。断ち切ったのではない。実は彼らは「悪い習慣」よりも優先的に「良い習慣」が現れやすい環境や人々の中に身を置き、悪習慣の発動を避けているのである。それが、見た目には「自制心がある」ように見えるのである。「もし自制心の役割が『目標を達成するために欲求を抑えること』であるならば、自制心の強い人ほど欲求と目標との葛藤を多く経験し、頻繁に衝動に抗っているはずだ。しかし、結果はまったく逆であった。自制心の高い人は低い人に比べて葛藤が少なく、欲求に抗う回数も少なかったのである。さらに、自制心の高い人は概して欲求を経験する頻度が低く、感じている欲求の程度も低かった」「自制心が強いと思われる人は、衝動を抑えるのが得意なのではなく、そもそも自制心を働かせる必要性を回避することが得意であるようだ」つまり、自制心や意志力、克己心が強い人が悪習慣を手放すのではなく、そういった意志力や我慢を必要とする局面をうまくかわせる人が悪習慣から距離を置けるのだ。「私たちの行動はすべて、環境の影響を受けている。環境は、ある種の選択を許可または禁止し、人間の欲求や習慣の引き金となる刺激を与える」──それゆえ、条件がそろってしまえば、昔の悪習慣が20年ぶりに蘇る、といったことも起こり得る。ポルドラックの研究によると、私たちの行動は大きく二つの異なる脳システムによって制御されているという。一つは「行動制御系」と呼ばれるもの。目標指向的な行動を計画し、意図を持って行動を指導する。もう一つは「習慣システム」と呼ばれるもの。過去の報酬に基づいて自動的に行動を生成する。これらのシステムは同時に働き、さまざまな状況や条件に応じて私たちの行動を制御する。しかし、習慣システムが一度形成されると、その力は非常に強力であり、特にストレスや疲労などの状況下では、行動制御系よりも優位になりやすい。その結果、悪い習慣を断ち切ることが困難になる。繰り返し言う。自制心が強いと思われる人は、衝動を抑えるのが得意というよりも、そもそも自制心を働かせる必要性を回避する。我慢や努力を必要とする場には決して「行かない」「近づかない」。他方で、意志力や自制心がまったくの無力ではないこともつけ加えておきたい。自制心は、良い習慣を作る際の「始めの期間」においては役に立つ。なぜなら、良い習慣がまさに「習慣化」されるまでは努力が必要で、特に習慣化が始まった時に脳からドーパミンが出てくるようになるのだけれど、それまでは自制心の有無が影響するからである。と、言っても、その自制心はやはりそれほど強力ではない。良い習慣を身につけるにはコツが要る。それについても本書で詳しく述べられているので、興味のある方は、読んで確認してほしい。『習慣と脳の科学』著者：ラッセル・A・ポルドラック発行：みすず書房@misuzu_shobo

正木伸城@nobushiromasaki

［追記］習慣は、日常の行動を効率的に進行させる役割を果たす。習慣は認知的な労力を節約し、一日の多くを迅速で無意識的に過ごすことを可能にする。それゆえ、習慣化の過程で脳はドーパミンを放出し、ゆるやかな快感を生み出すのだ──悪い習慣から離れ、良い習慣を身につけるためのコツを少しだけここにメモしておく。①環境をよく観察し、望まない行動の引き金となる状況を理解する──例えば、夜遅くにテレビを見ていると、ついついお菓子を食べてしまうという場合、テレビを見ている環境を変更することで、お菓子を食べたいという欲動を防ぐことができる。②選択構造を変えて、習慣の引き金を最小限に抑え、望ましい行動を促す──例えば、運動を習慣化したい場合は、運動しやすい環境を整えることで、運動を継続しやすくなる。断酒をしたければ、飲み友だちとの関係を断ち、夜の時間は飲まない人との時間にあてるようにすると効果がある。③行動変容の詳細な実行計画を立てる──例えば、1日10分間、運動をする、週に3回ジョギングをする等、具体的な目標と実行計画を立てる。すると、行動変容を成功させやすくなる。④目標に向けた進捗状況を注意深く監視し、うまくいかない場合には計画を修正する──行動変容は時間と努力を必要とする。目標に向けて進捗状況を注意深く監視し、うまくいかない場合には計画を修正することで、行動変容を成功させることができる。習慣を変えるためには、その習慣を引き起こす外部刺激から距離を置くことが効果的だ。もちろん、物理的に距離を置くことにも効果がある。引越しを行うという選択肢も当然アリである。このアプローチは、良い習慣を作り出すこと、悪い習慣を改善することのどちらにも有効である。習慣はぼくらの生活に深く根差し、日常の行動を効率的に進行させる役割を果たす。習慣は無意識的に行動を指導し、認知的な労力を節約するため、私たちが一日の多くを迅速で無意識的に過ごすことを可能にする。だから、習慣化の過程で脳はドーパミンを放出し、ゆるやかな快感を生み出すのだ。しかし、この効率性が逆に作用し、有害な習慣を形成したとき、それらを解消することは極めて難しい課題となる。 悪い習慣を変えるために一般的に提唱される「意志力に依存する」方法は、しばしば成功しない。悪い習慣を改善するためには、意志力に頼るよりも環境を変えるというアプローチの方がはるかに効果的であることを忘れないようにしたい。

こーあん@Teki@tror_Fortsatt

@nobushiromasaki良い習慣って何でしょう？「やりたい」ことと、「避けたい(悪習)」があり、「やりたい」にもっと時間を使いたいけど、上手くいかない。これは悪習慣を回避することが下手というより、良い習慣では無かった気がしました。

BuzzBuddyBeam@BuzzBeam90717

@nobushiromasaki スイーツを止めるためにはコンビニに行かないようにするってことですよね

rose history temple@rosehistory2022

@nobushiromasaki 癌が見つかり，すぐに手術をし，同時にたばこが原因で心臓にも問題があることがわかったので，なぜか素直に煙草を吸うのをやめました(19歳から吸い続けていました)。全然吸おうという気にならず，もうやめて7年になります。

Aki｜読書×ツール活用術🧠@AKI990xx

楽するチート術だよ。習慣化というとみんな興味を失うけど「努力しなくていい」工夫なんだよね。脳の仕組みを理解して、自動的に努力なしで求めてる方向に向かわせるのが習慣化。x.com/nobushiromasak…

sarkov28 （コロナ対策などの検証）@sarkov28

短く抜き出すと誤解を招きそうなのですが、短い方が目につくと思うから、敢えて：----習慣システムが一度形成されると、その力は非常に強力であり、----x.com/nobushiromasak…

AkiraShuei@XDeli(クロスデリ)@AkiraShuei

これとAtomic Habitsは本当に飲むと行動が変わる名著だと思います。x.com/nobushiromasak…

ゆー@asakayusuke

この考え方広まって欲しいなあ。意志力とはちょっと違うけど、「理性があるから我慢できる」みたいな論調は嫌いで。これと根っこは同じだと思う。「条件が揃ってしまった」ら、人は誰しも間違いを犯してしまう生き物だと思うんだ。x.com/nobushiromasak…

梨@mo7326693148971

面白いなぁ読んでみたい！x.com/nobushiromasak…

うずら@vtorukan

覚えておきたい。「自制心を働かせる必要性を回避する。」「我慢や努力を必要とする場には決して『行かない』『近づかない』。」x.com/nobushiromasak…

ランディー@kwbxg6741

〉自制心が強いと思われる人は、衝動を抑えるのが得意というよりもそもそも自制心を働かせる必要性を回避する退社後にジム行くなら出勤時に服も詰める→一旦家に帰りジムをサボるという選択肢をはなから発生させない、とかか。言われてみたらそうやねx.com/nobushiromasak…

Hiro Yoshioka@hyoshiok

へー、そーなんだー。興味深いですね。x.com/nobushiromasak…

TEOREMA CAFE@TEOREMA_CAFE

本当にそう。絶対にやめないだろうと思っていた煙草は ふと面倒になってそれから20年以上吸っていない。なんの努力も辛さもなかった。そして 好きな洋服屋さんには近づかない。x.com/nobushiromasak…

地図カフェ店主の個人的つぶやき@Tdenny1970

20歳から36歳まで喫煙、禁煙してから18年…。x.com/nobushiromasak…

NANTES WICCI@akemiXpost

私は、健康に悪いと思うものは、すぐにやめられるし、逆に、健康に良いと思うものは、不味くても、毎日食べられる。悪習慣の依存症にはならないタイプかも。x.com/nobushiromasak…

東京4130@rockdacypher

意志は微力だが０ではないので蓄積や拡大が可能。加速した力は慣性の法則で習慣化し自走できる。そのときもう意志は必要ないし、なんなら脳の報酬系であるドーパミンが放出されルーティンはより強化される。最初の一歩は微々たる力だが偉大な一撃なのだx.com/nobushiromasak…

lumpenproletariat@DieT_oLive

「繰り返し言う。自制心が強いと思われる人は、衝動を抑えるのが得意というよりも、そもそも自制心を働かせる必要性を回避する。我慢や努力を必要とする場には決して『行かない』『近づかない』」…Xのことかなァ？😅x.com/nobushiromasak…

WACCA＠JapaneseSpiceCurry@sekime_wacca

「自制心が強いと思われる人は、衝動を抑えるのが得意なのではなく、そもそも自制心を働かせる必要性を回避することが得意であるようだ」ああ、めちゃめちゃ分かる。タバコやめた時も1ヶ月で20キロ痩せた時もまさにそうだった。その局面に至らないように根本から切り離すモードみたいな感じか。x.com/nobushiromasak…

ソロ嫌いの元金管吹き@garnetgreen07

小学校の頃に習った「知らない人についていかない」の習慣化と同じとか思ったらあかんな。いや、ワンチャン同じなんかな？x.com/nobushiromasak…

ぎんふくのはは@gin_huku

「自制心が強いと思われる人は、衝動を抑えるのが得意なのではなく、そもそも自制心を働かせる必要性を回避することが得意であるようだ」推しの解像度がまた１つ上がった気がするx.com/nobushiromasak…

ニャーベー在住@b180a

根源的には ほぼ遺伝子が決めるってことではx.com/nobushiromasak…