おはようございます。今日は21世紀に入ってホール&オーツの人気NO.1ソングの座に躍り出た「ユー・メイク・マイ・ドリームス(You Make My Dreams)」です。
What I want
You've got and it might be hard to handle
But like a flame that burns the candle
The candle feeds the flame, yeah, yeah
What I've got
Full stock of thoughts and dreams that scatter
And you pull them all together
And, uh, how? I can't explain
Oh, yeah, well, well, you
You make mydreams come true
Well, well, well, you
Oh, yeah, you make mydreams come true
Well, yeah
On a night when bad dreams become a screamer
When they're messin' with the dreamer,
I can laugh it in the face
Twist and shout my way out
and wrap yourself around me
'Cause I, I ain't the way you found me
and I'll never be the same
Oh, yeah, well, 'cause youMm-hmm
You make mydreams come true
Oh, yeah
Well, well, well, you
You make mydreams come true
Oh, yeah
Well, listen to this
I'm down on my daydream
Oh, that sleepwalk should be over by now, I know
Well, you Yeah-yeah
You make mydreams come true
Oh, yeah
I've been waiting for, waiting for you, girl
Oh, yeah, you make a-mydreams come true
Me, you, me, you, me
I've been waiting for, waiting for you, girl
Oh, my, you makin' mydreams come true
Woah-ooh-woah, I've been waitin' for, waitin' for, waitin' for
Waitin' for, waitin' for, waitin' for, waitin'
You make my dreams
I've been waitin' for you, girl
You make my dreams
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僕の欲しいものは
君が持っているけど扱うのは難しいかも
でもロウソクを燃やす炎のように
ロウソクは炎を養うんだ、そうさ
僕が持っているものは
散らばった思いや夢でいっぱいさ
でも君がそれを全部一つにしてくれる
どうやって?説明できないよ
Oh yeah, だって君が
僕の夢を叶えてくれるんだ
そうさ、そう、君が
僕の夢を叶えてくれるんだ
悪夢で叫び声を上げて
夢見る者を弄ぶ夜も
僕はそれを笑い飛ばせる
ツイスト&シャウトで抜け出して
君に包まれたら
もう君が出会った頃の僕じゃない
二度と同じには戻れない
ああそうさ, だって君が
僕の夢を叶えてくれるんだ
そうさ、君が
僕の夢を叶えてくれるんだ
聞いてくれよ
僕は白昼夢に耽っている
もうこんな夢遊病は終わりにすべきだって分かってる
でも君が
僕の夢を叶えてくれるんだ
そうさ
君を待ってたんだ、ずっと
君が僕の夢を叶えてくれるんだ
僕と君、僕と君、僕と君
君を待ってたんだ、ずっと
君が僕の夢を叶えてくれるんだ
おぉ、 ずっと待ってた
君が僕の夢を叶えてくれるんだ
君を待ってたんだ、ずっと
僕の夢を叶えてくれるんだ (拙訳)
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僕がこのブログのためにいろんな曲を調べている中で面白く思うのは、ネットの時代になって、数多くのアーティストの代表曲が”書き換えられている”ことなんです。
最も顕著な例をあげると、ビートルズで一番再生されている曲がレノン・マッカートニー作品じゃなく、ジョージ・ハリスンの「ヒア・カムズ・ザ・サン」だということでしょう。ローリング・ストーンズの一番人気が「黒くぬれ(Pait it ,Black)」というのにも驚きます。
そして、1980年代にたくさんの大ヒットを放ったホール&オーツの曲でサブスクで一番再生されているのがこの「ユー・メイク・マイ・ドリームス(You Make My Dreams)」なんですね。リアルタイムで彼らの曲を愛聴していた僕からしたら、かなり意表をつかれた感じがします。しかも、Spotifyだけで10億回以上再生されているのですから。
この曲は1980年リリースのアルバム『モダン・ヴォイス(Voices)』からシングルカットされ、1981年に全米5位まで上がるヒットにはなっています。ただ、そのアルバムからは「キス・オン・マイ・リスト」が全米1位になっていますし、その後も「プライベート・アイズ」(1982年)、「アイ・キャント・ゴー・フォー・ザット」1982年)、「マンイーター」(1983年)なんて大ヒットがあって、そっちの方がずっと、ホール&オーツの代表曲っていう感覚があります。
「ユー・メイク・マイ・ドリームス」の曲作りについてダリル・ホールはこう語っています。
「クレジットには他の人の名前も載っているけど、ほとんど僕が書いた曲なんだ。最初に一人でピアノを弾いていて、あのリフを思いついた。それがすごく気持ちよくて、そのまま曲を書き始めたんだ。最初に口から出た言葉が「You make mydreams come true(君は僕の夢を叶えてくれる)」だった。でも、そのときは「ダメだ、こんなのありきたりすぎる。もっと刺激的な言葉を考えなきゃ」と思ったんだ。でも結局、そのままいくことにしたんだよ」(BBC 9 June 2021)
デモと最終ヴァージョンの違いについては
「ほとんど変わらなかったよ。ただスタジオでバックグラウンド・ボーカルを作り込んだくらいかな。あの部分はこの曲にとってすごく重要だった。全体的に、パズルのピースがピタッとはまるように仕上がったんだ。作るのは比較的簡単な曲だったよ」(BBC 9 June 2021)
曲を作るきっかけとなったピアノのリフから感じられた「気持ちよさ」をそのまま生かすようにストレートに仕上げたようですね。当然、聴く側にもその気持ちよさは伝わるはずです。
さて、この「ユー・メイク・マイ・ドリームス」の”遅れた”ブレイクのきっかけになったと言われているのが2009年の映画『(500)日のサマー』で、ジョゼフ・ゴードン=レヴィット演じるキャラクターが街を歩きながら突然ダンスを始めるシーンで流れます。
曲のヒットを左右するのは、時代のタイミングと、効果的な映像とのマッチングなんだな、とつくづく思います。
ジョン・オーツはこう語っています。
「ある日、カリフォルニアを家族で歩いていたとき、映画館を見つけて「せっかくだし観に行こう」ってなったんだ。昼間だったから、僕たちと何人かの10代の女の子しかいなかった。で、ダンスシーンが始まった瞬間、彼女たちが拍手して歓声を上げたんだよ。すごく自然な、感情を爆発させるような反応だった。「これは普通じゃないな」と思ったよ。
そして今でも、あのシーンほど映画と音楽と動きが完璧にマッチした例は見たことがないね。まあ、『雨に唄えば』のジーン・ケリーには「ちょっと待った!」って言われそうだけど(笑)。それでも、あの映画のあのシーンは本当に素晴らしいと思うよ」(BBC 9 June 2021)
ちなみに、2013年の映画「怪盗グルーのミニオン危機一発」でもこの曲は使われています。
『(500)日のサマー』と同じような使われ方ですね。映像とマッチすることにより、思わず踊り出したくなるほど気分のいい時にぴったりの曲、というポジションをしっかり掴んだわけですね。
ビートルズの「ヒア・カムズ・ザ・サン」が人気なのも、明るい気分になりたい時に聴く曲というポジションをつかんだからですから、共通点がありますね。
そう考えると、サブスクで「ユー・メイク・マイ・ドリームス」を聴く決して少なくない割合の人がで”気分が良くなる”みたいなテーマのプレイリストで”受動的に”聴いているのかもしれません。これがホール&オーツというアーティストの曲だということも認識していない人も結構いるのかも、なんて思いますが。
ただ、一概にそれが悪いことだとも思えないんですよね。もうこれは時の流れというか。昔は気に入った曲を繰り返し聴くためには、そのアーティストのレコードやCDを買わなくてはいけなかったわけで、そうするとそのアーティストに思い入れを持つことになりますし、せっかく買ったのですから”前のめりに突っ込んで聴く”わけで、その面白さは間違いなくあったと思います。ただ反面それが知らないうちにいろんな偏見やバイアスになって、プレーンな耳で他の音楽を聴けなかった面もあったように僕自身のことを考えると、思うんですよね。
今の時代は日々膨大な音楽がネットでアップされ、20世紀の伝説的なアーティストの曲も、ワンルームで宅録している名も知らぬ大学生の曲も同列に並んで、それがアルゴリズムで仕分けられ、世界中のリスナーに届けられています。
その中で、この曲のようにたくさんの人たちの気分を良くしたり、何か心に良い働きかけをするものがあるのなら、それはそれで十分価値があることのように思います。それに受動的に音楽を聴く時代でも、前のめりに聴く人もきっといるはずですから。
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堀 克巳 音楽プロデューサー/作詞家
ソニー・ミュージックに15年勤務後、VOZ Records(ボズレコード)というレーベルを立ち上げ20年以上になります。
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