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片道書簡のラブレター

大切な人を思い浮かべながら手紙を書きます。

日常ペースが狂う師走

12月は忙しない気持ちに追い込まれてしまうのが憂鬱だ。いつも通りのペースで過ごせばよいものの、世間のペースにつられてソワソワしてしまう自分が忌々しい。年末行事は大人になるにつれて増えてゆく一方だったが、ご隠居となった今はマイペースを優先させている。お仕事の忘年会などのお付き合いはもう無くなり、御歳暮、年賀状も卒業した。クリスマスに特別な事はしないし、年越し蕎麦も特に食べなくても問題ない。のし餅は一年中常備しているし、お供え餅も玄関飾りもしない。こんな年末年始はご先祖に嘆かれてしまうだろうか、というなそんな気持ちだけが残る。

晦日の昔話の代表作と言えば笠地蔵。お祖父さんは街で笠を売ってお正月に食べる餅を買おうとしたけれど、笠は売れず餅も買えなかった。雪の降る帰り道に並んだお地蔵様に笠を被せて、それを土産話にお祖母さんと静かな大晦日を過ごす。翌日お地蔵さんの運んだお礼のお餅が家の前に置いてあった。お正月はお餅があれば全てよし。



師走は何故か大晦日という締切に焦ってしまう。

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