以下、第1の実施形態に係る表示機能付きミラー装置10について説明する。図1は、第1の実施形態に係る表示機能付きルームミラー1を正面であるミラー面21側から見た外観図である。表示機能付きルームミラー1は、通常のルームミラーと同様に、ユーザから見て車両の進行方向側のウィンドシールドの上部などに装着される。
 表示機能付きルームミラー1は、図1に示す外観においては、ユーザに後方等の風景を反射させるハーフミラーのミラー面21、ミラー面21を覆い筐体として機能するカバー20、および表示機能付きルームミラー1を回転可能に支持する回転支持部80を備える。
 図2は、図1に示す表示機能付きルームミラー1の1a-1a’の断面図を模式的に示している。
 図2に示すように、ミラー面21はハーフミラー22が構成する面である。カバー20の内側(ハーフミラー22の裏面側)には、ハーフミラー22とほぼ同一形状の液晶パネル31およびバックライト32が配置されている。液晶パネル31およびバックライト32とで、表示パネル30を構成する。表示面33は表示パネル30が構成する面である。
 表示パネル30は、表示される映像を光の発光により表示する構成であれば、液晶パネル31およびバックライト32の組合せに代えて、有機EL(Electro Luminescence)パネルなどの自発光表示パネルであってもよい。図2では、表示パネル30を駆動するための電源回路などは図示を省略している。
 図1および図2に示す表示機能付きルームミラー1は、表示パネル30の表示が行われていないときは、バックライト32が点灯していないため、ハーフミラー22はミラー面21に入射した光の大半を反射する。このため、表示機能付きルームミラー1は、ミラー面21の反射でユーザが後方を確認するミラーモードとして動作する。
 また、表示機能付きルームミラー1は、表示パネル30の表示が行われているときは、バックライト32が点灯しているため、バックライト32が発する光が液晶パネル31を介してハーフミラー22を透過する。このため、表示機能付きルームミラー1は、表示パネル30が映像を表示する表示モードとして動作する。
 図3は、第1の実施形態に係る表示機能付きミラー装置10の機能ブロック図を示している。表示機能付きミラー装置10は、表示機能付きルームミラー1、各種データを処理する制御部100、および回転角センサ82を備える。
 表示機能付きルームミラー1は、表示モードとして動作する場合は、撮像部200が撮影する映像を表示パネル30に表示する。撮像部200は、表示機能付きミラー装置10が搭載されている車両の後方を撮影するカメラである。
 制御部100は、各種データ処理を行うCPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)、メモリ等によって構成される。制御部100は、表示機能付きルームミラー1に内蔵されていてもよく、ナビゲーション装置や車載コンピュータなどの制御機能を用いてもよい。
 制御部100は、その機能に基づき、撮影制御部102、表示制御部104、切換制御部106、回転角取得制御部108を備える。各々の機能は、単一の装置に搭載される制御機能により実現されてもよく、分散された複数の装置に搭載される制御機能により各々の機能が実現されてもよい。
 回転角センサ82は、表示機能付きルームミラー1の回転支持部80に内蔵されるセンサであり、表示機能付きルームミラー1の回転角度に基づく信号を出力する。回転角センサ82の形態は限定しないが、具体例としては、回転支持部80の回転部分に装着されている磁石および非回転部分に装着されているホール素子に加えて、ホール素子の出力を制御部100に出力するマイコン等により形成される。
 表示パネル30、表示制御部104、切換制御部106は、切換部140を構成する。また、回転角センサ82および回転角取得制御部108は、表示機能付きルームミラー1の向きを検出する向き検出部120を構成する。
 撮影制御部102は、撮像部200のオン/オフや、撮像部200が撮影した映像データの処理等を行う。撮像部200は、基本的には表示機能付きミラー装置10が搭載されている車両が動作している間は撮影を継続しているが、撮影制御部102の制御によって、例えば表示モードとして動作している期間など必要な期間のみ動作するように制御されてもよい。
 撮影制御部102は、撮像部200が撮影した映像データの処理例として、映像データのエンコード、画質調整等を行う。
 表示制御部104は、撮影制御部102が取得した映像データを、表示パネル30に表示させる処理を行う。具体的には、表示パネル30の形状に合わせた映像データの切り取りや、表示パネル30に表示する映像の輝度や色調の調整などを行う。
 また、表示制御部104は、切換部140の一部を構成し、切換制御部106の制御に応じて表示パネル30の表示およびバックライト32のオン/オフを制御する。
 切換制御部106は、回転角取得制御部108が取得した回転角センサ82の出力値に応じて、表示機能付きルームミラー1をミラーモードとして動作させるか表示モードとして動作させるかを判断するとともに、切換制御を行う。
 切換制御部106による具体的な切換制御として、表示機能付きルームミラー1をミラーモードとして動作させるときは、表示制御部104に表示パネル30を構成する液晶パネル31の映像表示を停止させ、バックライト32の点灯を停止させる。
 表示機能付きルームミラー1をミラーモードとして動作させるときは、表示制御部104は、液晶パネル31に撮影制御部102が取得した映像データを表示させるとともに、バックライト32を点灯させる。
 ミラーモードとしての動作と表示モードとしての動作の切換は、液晶パネル31の表示は継続した状態で、バックライト32のオン/オフのみで切り換えてもよい。
 回転角取得制御部108は、回転角センサ82が出力する回転角度に基づく信号を取得し、回転角度情報として切換制御部106に出力する。
 次に、第1の表示機能付きミラー装置10の動作例を図4に示すフローチャートを用いて説明する。
 まず、向き検出部120は表示機能付きルームミラー1の向き(角度)が変更されたか否かを検出する(ステップS101)。ステップS101において向きが変更されたか否かは、回転支持部80が外力によって回転され、向き検出部120を構成する回転角センサ82の出力に変動があったことを回転角取得制御部108が取得することによって検出される。
 ステップS101において、表示機能付きルームミラー1の向きが変更されたと判断された場合(ステップS101:Yes)、切換部140は、ステップS101において変更された表示機能付きルームミラー1の向きが、所定の角度範囲に含まれているか否かを判断する(ステップS102)。
 ステップS101において、表示機能付きルームミラー1の向きが変更されていないと判断された場合(ステップS101:No)、ステップS101の処理を継続する。ステップS101の処理は、例えば1m秒など所定時間毎に角度変更有無を検出し続けてもよく、角度の変更がトリガとなってステップS102以降の処理が開始されるようにしてもよい。
 ステップS102の処理に用いられる所定角度範囲とは、制御部100が備えるメモリ等に予め記憶され、回転角センサ82が検出した角度と、角度毎に表示モードとして動作させるかミラーモードとして動作させるか対応付けられているデータである。
 ステップS102において、所定角度範囲に含まれていると判断された場合(ステップS102:Yes)、切換部140は、表示機能付きルームミラー1が表示モードとして動作しているか否かを判断する(ステップS103)。表示モードとして動作していると判断された場合(ステップS103:Yes)、切換部140は、表示機能付きルームミラー1をミラーモードとして動作させ(ステップS104)、本処理を終了する。
 ステップS103において、表示モードではなくミラーモードとして動作していると判断された場合(ステップS103:No)、モードの変更は不要であるため、本処理を終了する。
 ステップS102において、所定角度範囲に含まれていないと判断された場合(ステップS102:No)、切換部140は、表示機能付きルームミラー1がミラーモードとして動作しているか否かを判断する(ステップS105)。ミラーモードとして動作していると判断された場合(ステップS105:Yes)、切換部140は、表示機能付きルームミラー1を表示モードとして動作させる(ステップS106)。
 ステップS105において、ミラーモードではなく表示モードとして動作していると判断された場合(ステップS103:No)、モードの変更は不要であるため、本処理を終了する。
 次に、図5から図7を用いてステップS102の判断に用いられる所定角度範囲を定義するデータについて説明する。図5は、制御部100が備えるメモリ等に予め記憶されている検出角度と動作モードとの対応データの例である。
 図5の例は、表示機能付きルームミラー1が回転支持部80の回転によって可動する可動範囲が±20度の場合を示している。図5における0度とは、表示機能付きルームミラー1のミラー面21が、表示機能付きルームミラー1が取り付けられている車両の進行方向に対して垂直の角度で進行方向後方を向いている状態であり、0度を基準として右方向の回転を+、左方向の回転を-とする。
 図5においては、表示機能付きルームミラー1の可動範囲において、-20度から+8度までの範囲である場合、表示機能付きルームミラー1は、ミラーモードとして動作し、+10度から+20度までの範囲である場合、表示モードとして動作する。検出角度のステップは2度を1ステップの例としたが、モードが変更される閾値となる角度のみを記憶してもよく、さらに細かい角度のステップに対応してもよい。
 図5におけるミラーモードの範囲は、運転者が、ハーフミラー22のミラー面21に映されて反射した後方を確認するために適切な角度から、運転者から見えなくとも助手席の着座者が、ミラー面21に映されて反射した後方を確認するための角度まで含む。
 図5の例は、表示機能付きルームミラー1が取り付けられている車両の運転者が右側座席に着座する場合の例であり、運転者が左側座席に着座する車両の場合は-20度から-10度までの範囲を表示モードとする。
 左右いずれの運転者位置にも対応するように、-20度から-10度までの範囲および+10度から+20度までの範囲を表示モードとしてもよい。図5に示すデータは、固定されたデータであってもよく、ユーザ設定や動作によって変更されてもよい。
 図6は、表示機能付きルームミラー1がミラーモードとして動作している場合の向きを示す概念図である。図7は、表示機能付きルームミラー1が表示モードとして動作している場合の向きを示す概念図である。図6および図7は、運転者300が右座席に着座する自動車の例であり、左座席に着座する場合は、各々の向きが左右対称となる。
 図6に示すミラーモード時の向きは、ミラー面21に車両の後方が映されて、反射映像がユーザである運転者300の方向に向かう向きであり、図7に示す表示モード時の向きは、運転者300に表示面33が対向する角度である。
 図6および図7における矢印は、運転者300の前方であり、車両の前方を示す。また、図6および図7における表示機能付きルームミラー1に重畳して記された一点鎖線は、図面の上下方向の線が車両の前方である進行方向に一致し、水平方向の線が表示機能付きルームミラー1の0度の角度に一致する。
 上述した第1の実施形態においては、ユーザによる表示機能付きルームミラー1の向きの変更動作に対して、表示機能付きルームミラー1は適切な動作モードで動作する。このため、表示機能付きルームミラー1の向きの変更に加えて、動作モードを手動で変更しなくても、ユーザの目的に合致した動作モードを利用することができる。
 次に、第2の実施形態に係る表示機能付きミラー装置11について説明する。第2の実施形態の説明において、第1の実施形態と同一の構成および処理の説明はその説明を省略することがある。
 図8は、第2の実施形態に係る表示機能付きルームミラー2を正面であるミラー面21側から見た外観図であり、装着位置や用い方は第1の実施形態に係る表示機能付きルームミラー1と同一である。
 第2の実施形態に係る表示機能付きルームミラー2における第1の実施形態に係る表示機能付きルームミラー1との差異は、回転支持部80に代えて構成の異なる回転支持部81を備え、カバー20にモーションセンサ40を備えたことである。
 回転支持部81は、回転支持部80と同様、回転角センサ82を備え、さらに、表示機能付きルームミラー2を回転させる回転機構部84(図10に図示)を備える。回転角センサ82および回転機構部84は、回転支持部81内に各々設けられてもよく、例えば回転機構部84の駆動源がステッピングモータによる駆動である場合は、ステッピングモータへの駆動信号や回転数を回転角に置き換えて回転角センサ82として用いてもよい。
 モーションセンサ40は、ユーザによる操作の受付をモーションとして受け付けるためにモーションを検出するセンサである。モーションセンサ40は、表示機能付きルームミラー2の中央上部に配置しているが、ユーザの操作を目的としたモーションを誤認なく適切に認識可能であれば、配置場所は問わず、表示機能付きルームミラー1とは離れた位置に配置されてもよい。
 図9は、表示機能付きルームミラー2が用いるモーションセンサ40を概念的に示している。モーションセンサ40は、複数のフォトダイオードが組み合わされたセンサであり、4個のフォトダイオードが組み合わせられている場合は、4方向のモーションを検出可能である。
 モーションセンサ40は、その内部に上方向検出フォトダイオード41U、下方向検出フォトダイオード41D、左方向検出フォトダイオード41L、右方向検出フォトダイオード41Rを備える。これらの各々のフォトダイオードの上下左右は、図8に示すユーザから見た表示機能付きルームミラー2の上下左右と一致している。このようなモーションセンサ40が物体を検出可能な範囲は、モーションセンサ40の前方0.1m~0.2mである。
 図10は、第2の実施形態に係る表示機能付きミラー装置11の機能ブロック図を示している。表示機能付きミラー装置11は、表示機能付きルームミラー2、各種データを処理する制御部100、回転角センサ82、および回転機構部84を備える。制御部100は、その機能に基づき、モーション制御部107および駆動制御部109をさらに備える。
 モーション制御部107は、モーションセンサ40からの出力信号を取得し、モーションの方向等を検出する。モーション制御部107は、モーションセンサ40が備える4個のフォトダイオードの各々が物体を検出した場合の検出波形のピーク値の分布を解析し、モーションセンサ40の前方を、物体が上下左右のいずれの方向に物体が通過したのかを検出する。
 また、モーション制御部107は、所定時間内に上方向および下方向の物体通過が連続して検出された場合は、物体の上下方向の往復の動きを検出することができる。同様に、モーション制御部107は、物体の左右方向の往復の動きを検出することができる。
 モーション制御部107は、モーションを検出すべき期間中は、モーションセンサ40の各々のフォトダイオードからの出力値を常時取得する。モーション制御部107は、上方向検出フォトダイオード41Uの出力値Uout、下方向検出フォトダイオード41Dの出力値Dout、左方向検出フォトダイオード41Lの出力値Lout、右方向検出フォトダイオード41Rの出力値Routを取得する。
 モーション制御部107は、例えば、(Uout-Dout)/(Uout+Dout)、(Rout-Lout)/(Rout+Lout)のピーク波形より、モーション方向を判断する。また、モーション制御部107は、判断されたモーション方向に対して、例えば1秒~2秒に設定された所定時間内に反対方向のモーション方向を検出した場合は、往復のモーションであると判断する。
 駆動制御部109は、モーション制御部107の検出結果を回転機構部84を駆動させるトリガとして、回転機構部84の動作を制御する。具体的には、駆動制御部109は、モーション制御部107による検出結果に基づき、モーション制御部107が検出したモーション方向に表示機能付きルームミラー2を回転させるよう、回転機構部84を制御する。回転機構部84と駆動制御部109は、駆動部160を構成する。
 図11は、回転機構部84の構成例を示している。回転機構部84は、駆動制御部109からの指示信号に基づき動作する。具体例として、回転機構部84は、駆動モータ841、駆動ギヤ842、ミラー側ギヤ843、ミラー連結部844を備える。
 回転機構部84は、駆動制御部109からの指示信号に基づき、駆動モータ841が規定の回転数だけ回転し、その回転を駆動ギヤ842がミラー側ギヤ843に伝達し、ミラー連結部844を規定の角度だけミラー回転軸845を中心に回転させる。ミラー連結部844は、カバー20の一部を構成するか、カバー20に直接取り付けられる構造となっている。
 回転機構部84は、上述した構成に限定されず、ステッピングモータの利用など様々な駆動機構が適用可能である。
 次に、第2の表示機能付きミラー装置11の動作例を図12に示すフローチャートを用いて説明する。
 まず、モーション制御部107は、モーションが検出されたか否かを判断する(ステップS201)。ステップS201において、モーションが検出されたか否かは、モーション制御部107がモーションセンサ40からの信号を検出している状態において、いずれかの方向に対応するモーションが検出されるか否かによって判断できる。ステップS201においてモーションが検出されていないと判断された場合(ステップS201:No)、ステップS201の処理を継続する。
 ステップS201においてモーションが検出されたと判断された場合(ステップS202:Yes)、モーション制御部107は、検出されたモーションが左方向のモーションであるか否かを判断する(ステップS202)。
 ステップS202において、左方向のモーションであると判断された場合(ステップS202:Yes)、駆動部160は表示機能付きルームミラー2を所定角度左回転させる(ステップS203)。
 ステップS202において、左方向のモーションではないと判断された場合(ステップS202:No)、モーション制御部107は、検出されたモーションが右方向のモーションであるか否かを判断する(ステップS204)。
 ステップS204において、右方向のモーションであると判断された場合(ステップS204:Yes)、駆動部160は表示機能付きルームミラー2を所定角度右回転させる(ステップS205)。
 ステップS204において、右方向のモーションではないと判断された場合(ステップS204:No)、ステップS101で検出されたモーションは、左方向および右方向のいずれの方向でもないため、ステップS201の処理に戻るか、または他の方向例として上方向のモーションまたは下方向のモーションに対応付けられた処理に移行する。
 ステップS203およびステップS205の以降の処理は、図4により説明した第1の実施形態と同一であり、ステップS206がステップS102、ステップS207がステップS103、ステップS208がステップS104、ステップS209がステップS105、ステップS210がステップS106に対応する。
 ステップS203およびステップS205において駆動部160が表示機能付きルームミラー2を回転させる所定角度は任意であるが、例えば1回の左方向または右方向のモーション検出に対応し、表示機能付きルームミラー2を4度ずつ回転させる。
 このような例の場合、表示機能付きルームミラー2がミラーモードとして動作している+2度の角度であった場合に、連続して2回の右方向モーションが検出されることによって+10度の角度まで回転する。この場合、ステップS102からステップS106の処理によって表示モードに切り換えられる。
 上述した第2の実施形態においては、表示機能付きルームミラー2に対してユーザがモーションを用いて向きの変更動作を行い、変更された向きに対して、表示機能付きルームミラー2は適切な動作モードで動作する。このため、ユーザは直感的に表示機能付きルームミラー2の向きを変更できるとともに、動作モードを手動で変更しなくても、ユーザの目的に合致した動作モードを利用することができる。
 次に、第2の実施形態に係る表示機能付きミラー装置11の動作の変形例を図13に示すフローチャートを用いて説明する。
 ステップS301、ステップS302およびステップS307の処理は、図12のステップS201、ステップS202およびステップS204の処理と同一である。
 ステップS302において左方向のモーションであると判断された場合(ステップS302:Yes)、切換部140は、表示機能付きルームミラー2が表示モードとして動作しているか否かを判断する(ステップS303)。
 ステップS303において、表示モードとして動作していると判断された場合(ステップS303:Yes)、駆動部160は表示機能付きルームミラー2をミラーモードとして動作する角度まで左回転させ(ステップS304)、切換部140は、表示機能付きルームミラー2をミラーモードとして動作させ(ステップS305)、本処理を終了する。
 ステップS304の処理は、例えば表示機能付きルームミラー2が表示モードとして動作している+18度の角度であった場合、1回の左方向のモーション検出により、ミラーモードとして動作する+8度の角度まで表示機能付きルームミラー2を回転させる。
 ステップS304において、表示モードではないと判断された場合(ステップS304:No)、図12のステップS203と同様に、駆動部160は表示機能付きルームミラー2を所定角度左回転させる(ステップS306)。
 また、ステップS307において右方向のモーションであると判断された場合(ステップS307:Yes)、切換部140は、表示機能付きルームミラー2がミラーモードとして動作しているか否かを判断する(ステップS308)。
 ステップS308において、ミラーモードとして動作していると判断された場合(ステップS308:Yes)、駆動部160は表示機能付きルームミラー2を表示モードとして動作する角度まで右回転させ(ステップS309)、切換部140は、表示機能付きルームミラー2を表示モードとして動作させ(ステップS310)、本処理を終了する。
 ステップS309の処理は、例えば表示機能付きルームミラー2がミラーモードとして動作している-4度の角度であった場合、1回の右方向のモーション検出により、表示モードとして動作する+10度の角度まで表示機能付きルームミラー2を回転させる。
 ステップS308において、ミラーモードではないと判断された場合(ステップS308:No)、図12のステップS205と同様に、駆動部160は表示機能付きルームミラー2を所定角度右回転させる(ステップS311)。
 上述した第2の実施形態の変形例においては、表示機能付きルームミラー2に対してユーザがモーションを用いて向きの変更動作を行い、変更された向きに応じて、表示機能付きルームミラー2は適切な動作モードで動作する。また、1回のモーション検出で動作モードの変更も可能である。このため、ユーザは直感的に表示機能付きルームミラー2の向きを変更できるとともに、動作モードを手動で変更しなくても、ユーザの目的に合致した動作モードを利用することができる。
 表示機能付きルームミラー1および表示機能付きルームミラー2は、表示モードとして動作しているときは、撮像部200が撮影する車両の後方画像を表示する。このため、表示機能付きルームミラー1および表示機能付きルームミラー2は、表示モードとして動作することによって、通常のルームミラーを代替することができる。したがって、表示機能付きルームミラー1および表示機能付きルームミラー2は、通常の動作として表示モードとして動作することが望ましい。
 このため、図4のステップS104、図12のステップS208、または図13のステップ305の処理を行って、表示モードからミラーモードへと変更したとき、切換部140は変更した時点から所定時間経過後に表示機能付きルームミラー1および表示機能付きルームミラー2を表示モードとして動作させる処理を行ってもよい。この場合の所定時間の例としては、3秒や5秒などである。
 その際に駆動部160は表示モードとして動作する角度まで表示機能付きルームミラー2を回転させてもよい。または、駆動部160はミラーモードとして動作する前の表示モードとしての動作時の角度を記憶し、記憶された角度まで表示機能付きルームミラー2を回転させてもよい。
 撮像部200の取り付け位置は、車両の外部後方であることが多く、表示機能付きルームミラー1および表示機能付きルームミラー2は、表示モードとして動作している場合は、撮像部200が撮影する車両の後方画像が表示されているために、車両の室内を表示機能付きルームミラー1および表示機能付きルームミラー2で確認することはできない。このため、ユーザは表示機能付きルームミラー1および表示機能付きルームミラー2を用いて車室内を確認する場合は、ミラーモードとして動作させる必要がある。
 上述したミラーモードから表示モードに自動的に戻す動作を加えることにより、一時的にミラーモードで動作させた場合であっても所定時間経過後に表示モードに戻るため、後方確認の安全性が確保される。
 次に、第3の実施形態に係る表示機能付きミラー装置について説明する。第3の実施形態に係る表示機能付きミラー装置10は、構成としては第1の実施形態に係る表示機能付きミラー装置10または第2の実施形態に係る表示機能付きミラー装置11と同一であるが、便宜的に表示機能付きミラー装置10として説明し、図示による説明は省略する。
 第3の実施形態に係る表示機能付きルームミラーも、第1の実施形態に係る表示機能付きルームミラー1または第2の実施形態に係る表示機能付きルームミラー2と構成が同一であるため、便宜的に表示機能付きるルームミラー1として説明し、図示による説明は省略する。
 第3の実施形態に係る表示機能付きミラー装置10は、第1の実施形態または第2の実施形態に対して、表示制御部104の動作が異なる。
 表示機能付きルームミラー1を手動または駆動部160の動作によってその向きを変更するとき、向きの変更を向き検出部120が検出した後に向きの変更開始から変更終了までには、例えば2秒から5秒などの向き変更期間が生じる。
 この向き変更期間中における所望のタイミングで、切換部140はミラーモードと表示モードとの間の切換えを行う。向き変更期間の途中でミラーモードと表示モードとの間の切換えが行われ、表示モードとして動作している期間は、向きの変更が行われているにも関わらず、表示パネル30に表示されている映像は向きの変更に関わらず固定の方向を向いている。
 このため、ミラーモードと表示モードとの間の切換え時に、ハーフミラー22の反射によって後方を確認していた確認範囲と、表示パネルに表示されている後方の映像による視認位置とが大きく乖離し、違和感を生ずることがある。
 図14は、撮影制御部102が取得した撮像部200による車両の後方映像500を、表示制御部104が切り取り範囲501を変更して切り出していることを概念的に示している。第3の実施形態においても他の実施形態と同様に、表示機能付きルームミラー1が取り付けられている車両の運転者が右側座席に着座する場合の例として説明する。
 図14における車両の後方映像500は、車両の後方を向いて撮影されるため、図14(a)における切り出し範囲501は、車両の後方を見て左側に偏重した切り出し範囲である。同様に、図14(f)における切り出し範囲501は、車両の後方中央を向いた切り出し範囲である。図14においては、便宜的に図14(a)から図14(f)まで段階的に切り出し範囲が変更されるように記載されているが、実際には段階的ではなく連続的に変更されることが適切である。
 図14の例において、図14(a)における後方映像500の切り出し範囲を切り出し範囲aと定義し、図14(b)から図14(f)においても同様に、切り出し範囲b、切り出し範囲c、切り出し範囲d、切り出し範囲eおよび切り出し範囲fとする。
 図15は、制御部100が備えるメモリ等に予め記憶されている検出角度と動作モードおよび表示範囲との対応データの例である。図15における検出角度と動作モードについては、図5の説明と同一であるため、説明を省略する。
 向き検出部120が検出した検出角度において、表示モードとして動作する+10度から+20度までの範囲において、表示制御部104は、検出された向きに対応した表示範囲を表示するための切り出し範囲で後方映像500を切り出し、表示パネル30に表示させる。
 第3の実施形態における検出された向きに対応した表示範囲の例は、検出角度が+20であるときに、表示面33が運転者に対向して向く角度であるとして、車両の後方中央が表示パネル30に表示される切り出し範囲に対応付けられている。
 検出角度が+18度から+10度の範囲の場合においては、表示面33が運転者に対向して向く角度から車両の後方を向く角度への変化に対応した方向に偏重した切り出し範囲で後方映像500が切り出され、表示パネル30に表示される。
 このような処理を行うことで、ミラーモードと表示モードとの間の切換え時に、表示モードとして動作している期間に表示される後方の映像が、向きの変更動作に追従した範囲として表示される。よって、ハーフミラー22の反射によって後方を確認していた確認範囲と、表示パネルに表示されている後方の映像による視認位置との整合がとれ、違和感を低減することができる。第3の実施形態は、ミラーモードから表示モードへ変更するときも、表示モードからミラーモードへ変更するときのいずれにも適用可能である。
 本発明の実施の形態は、その要旨を逸脱しない限り様々に変更可能である。