<実施形態1>
 本発明の実施形態1を図1から図15によって説明する。本実施形態では、視差バリアとして機能する液晶パネル(液晶素子)12を備えた液晶表示装置(表示装置)10について例示する。なお、各図面の一部にはX軸、Y軸及びZ軸を示しており、各軸方向が各図面で示した方向となるように描かれている。また、上下方向については、図1を基準とし、且つ同図上側を表側とするとともに同図下側を裏側とする。
 まず、液晶表示装置10の構成について説明する。液晶表示装置10は、図1及び図2に示すように、全体として平面に視て長方形状をなすとともにポートレイト(縦置き)またはランドスケープ(横置き)のいずれかの姿勢で使用されるものであり、画像を表示する液晶表示パネル(表示素子)11と、視差バリア機能を有する液晶パネル12と、液晶表示パネル11及び液晶パネル12に向けて光を照射する外部光源であるバックライト装置(照明装置)13とを備えている。さらに液晶表示装置10は、液晶表示パネル11及び液晶パネル12を保持(挟持)するベゼル14と、ベゼル14が取り付けられるとともにバックライト装置12を収容する筐体15とを備えている。
 このうち、液晶表示パネル11及び液晶パネル12は、図3に示すように、互いに主板面を対向状させつつ液晶パネル12が相対的に表側(光出射側、観察者側)に、液晶表示パネル11が相対的に裏側(バックライト装置13側、光出射側とは反対側)にそれぞれ配されるとともに間に介在する光硬化性接着材GLによって接着されることで一体化されている。この光硬化性接着材GLは、ほぼ透明となるような十分な透光性を有する光硬化性樹脂材料からなるものとされ、紫外線(UV光)などの特定の波長領域の光が照射されることで硬化する性質を有する。なお、本実施形態に係る液晶表示装置10は、携帯型情報端末(電子ブックやPDAなどを含む)、携帯電話(スマートフォンなどを含む)、ノートパソコン、デジタルフォトフレーム、携帯型ゲーム機などの各種電子機器(図示せず)に用いられるものである。このため、液晶表示装置10を構成する液晶表示パネル11及び液晶パネル12の画面サイズは、例えば3.36インチ、3.68インチ、4.29インチなど、数インチ~10数インチ程度とされ、一般的には小型または中小型に分類される大きさとされている。
 液晶表示パネル11について説明する。液晶表示パネル11は、図3,図4及び図7に示すように、長方形状をなす一対の透明な(透光性を有する)ガラス製の基板11a,11bと、両基板11a,11b間に配され(挟持され)、電界印加に伴って光学特性が変化する物質である液晶分子を含む液晶層20とを備え、両基板11a,11bが液晶層20の厚さ分の間隔(セル厚、ギャップ)を維持した状態で図示しないシール剤によって貼り合わせられている。なお、図示は省略するが、この液晶表示パネル11は、一対の基板11a,11b間の間隔を規制するためのスペーサをも有している。この液晶表示パネル11は、図4に示すように、画像が表示される表示領域AA(図4において一点鎖線にて囲った範囲)と、表示領域AAを取り囲む略枠状(額縁状)をなすとともに画像が表示されない非表示領域NAAとを有している。また、両基板11a,11bの外面側には、図3に示すように、それぞれ偏光板11c,11dが貼り付けられている。表裏一対の偏光板11c,11dのうち、表側(液晶パネル12側)の偏光板11dの表側を向いた外面、つまり液晶パネル12との対向面には、既述した光硬化性接着材GLがほぼ全域にわたって設けられている。この液晶表示パネル11は、図2に示すように、ポートレイトで使用される際には、長辺方向(Y軸方向)が観察者から視て縦方向(上下方向)と一致し、短辺方向(X軸方向)が観察者から視て横方向(左右方向、両目LE,REの並び方向)と一致しており、ランドスケープで使用される際には、長辺方向が観察者から視て横方向と一致し、短辺方向が観察者から視て縦方向と一致する。
 両基板11a,11bのうち表側(正面側)がCF基板11aとされ、裏側(背面側)がアレイ基板11bとされる。アレイ基板11bの内面(液晶層20側の板面、CF基板11aとの対向面)における表示領域AAには、図5及び図7に示すように、スイッチング素子であるTFT(Thin Film Transistor)16及び画素電極17がマトリクス状に多数個並列して設けられるとともに、これらTFT16及び画素電極17の周りには、格子状をなすゲート配線18及びソース配線19が取り囲むようにして配設されている。画素電極17は、ITO(Indium Tin Oxide:酸化インジウム錫)などのほぼ透明な透光性導電材料からなる。これに対し、ゲート配線18及びソース配線19は、共に銅やチタンなどの遮光性金属材料からなる。ゲート配線18とソース配線19とがそれぞれTFT16のゲート電極とソース電極とに接続され、画素電極17がTFT16のドレイン電極に接続されている。また、アレイ基板11bの内面における非表示領域NAAには、図4に示すように、ゲート配線18及びソース配線19が引き回されるとともにその端部に形成された端子部に対して液晶駆動用のドライバDRが接続されている。ドライバDRは、アレイ基板11bにおける長辺方向の一端部においてCOG(Chip On Glass)実装されており、接続された両配線18,19に対して駆動信号を供給可能とされる。アレイ基板11bの内面においてドライバDRに隣り合う位置(非表示領域NAA)には、表示用フレキシブル基板21の一端側が異方性導電膜ACFを介して圧着接続されている。この表示用フレキシブル基板21は、その他端側が図示しないコントロール基板に接続されることで、コントロール基板から供給される画像信号をドライバDRに伝送することが可能とされている。
 一方、CF基板11aにおける内面側(液晶層20側、アレイ基板11bとの対向面側)には、図6及び図7に示すように、アレイ基板11b側の各画素電極17と平面に視て重畳する位置に多数個のカラーフィルタが並んで設けられている。カラーフィルタは、R(赤色),G(緑色),B(青色)を呈する各着色部22がX軸方向に沿って交互に並ぶ配置とされる。着色部22は、平面に視て長方形状をなすとともに、その長辺方向及び短辺方向が基板11a,11bにおける長辺方向及び短辺方向と一致しており、CF基板11a上においてX軸方向及びY軸方向について多数個ずつマトリクス状に並列配置されている。カラーフィルタを構成する各着色部22間には、混色を防ぐための格子状をなす遮光部(ブラックマトリクス)23が形成されている。遮光部23は、アレイ基板11b側のゲート配線18及びソース配線19に対して平面視重畳する配置とされる。当該液晶表示パネル11においては、R,G,Bの3色の着色部22及びそれに対応する3つの画素電極17の組によって表示単位である1つの画素PXが構成されており、この画素PXは、両基板11a,11bの主板面、つまり表示面(X軸方向及びY軸方向)に沿って多数ずつマトリクス状に並列配置されている。各着色部22及び遮光部23の表面には、図7に示すように、アレイ基板11b側の画素電極17と対向する対向電極24が設けられている。また、両基板11a,11bの内面には、液晶層20に臨んで配されるとともに液晶層20に含まれる液晶分子を配向させるための配向膜25,26がそれぞれ形成されている。
 液晶パネル12に先じてバックライト装置13について簡単に説明する。バックライト装置13は、いわゆるエッジライト型(サイドライト型)とされており、光源と、表側(液晶表示パネル11側、光出射側)に開口するとともに光源を収容する略箱型のシャーシと、光源が端部に対向状に配されるとともに光源からの光を導光してシャーシの開口部(光出射部)に向けて出射させる導光部材と、シャーシの開口部を覆うようにして配される光学部材とを備える。光源から発せられた光は、導光部材の端部に入射してから導光部材内を伝播してシャーシの開口部へ向けて出射された後、光学部材によって面内の輝度分布が均一な面状の光に変換されてから、液晶表示パネル11に照射されるようになっている。そして、液晶表示パネル11が有するTFT16の駆動によって液晶表示パネル11に対する光の透過率が表示面の面内において選択的に制御されることで、表示面に所定の画像を表示させることができる。なお、光源、シャーシ、導光部材及び光学部材について詳しい図示を省略するものとする。
 続いて、液晶パネル12について詳しく説明する。液晶パネル12は、図3,図8及び図11に示すように、平面に視て長方形状をなす一対の透明な(透光性を有する)ガラス製の基板12a,12bと、両基板12a,12b間に配され(挟持され)、電界印加に伴って光学特性が変化する物質である液晶分子を含む液晶層27とを備え、両基板12a,12bが液晶層27の厚さ分の間隔(セル厚、ギャップ)を維持した状態で図示しないシール剤によって貼り合わせられている。さらには、この液晶パネル12は、一対の基板12a,12b間の間隔を規制するためのスペーサ28をも有している。なお、スペーサ28に関しては後に詳しく説明する。液晶パネル12は、図8に示すように、液晶表示パネル11の表示領域AAと平面に視て重畳する表示重畳領域(図8において一点鎖線にて囲った範囲)OAAと、液晶表示パネル11の非表示領域NAAと平面に視て重畳する非表示重畳領域ONAAとを有しており、このうち非表示重畳領域ONAAが表示重畳領域OAAを取り囲む略枠状(額縁状)をなしている。なお、上記したシール剤は、非表示重畳領域ONAA内に配されるとともに、平面に視て非表示重畳領域ONAAに倣う枠状をなしており、このシール剤によって囲まれた領域(表示重畳領域OAAの全域と、非表示重畳領域ONAAの内周側部分とを含む)に上記したスペーサ28が所定量分散配置されている。
 液晶パネル12は、図3に示すように、液晶表示パネル11とほぼ同じ画面サイズを有するともに液晶表示パネル11に並行する姿勢で光硬化性接着材GLによって貼り合わせられており、ポートレイトで使用される際には、長辺方向(Y軸方向)が観察者から視て縦方向(上下方向)と一致し、短辺方向(X軸方向)が観察者から視て横方向(左右方向、両目LE,REの並び方向)と一致しており、ランドスケープで使用される際には、長辺方向が観察者から視て横方向と一致し、短辺方向が観察者から視て縦方向と一致する。液晶パネル12を構成する一対の基板12a,12bは、図8に示すように、短辺寸法(X軸方向の大きさ)がほぼ同じとされるのに対し、長辺寸法(Y軸方向の大きさ)については裏側(液晶表示パネル11側)の第1基板12aが表側の第2基板12bよりも大きく且つ液晶表示パネル11のアレイ基板11bとほぼ同じ程度とされる。また、表側の第2基板12bは、その長辺寸法が液晶表示パネル11のCF基板11aよりも大きくなっている。第1基板12aの裏側を向いた外面(液晶層27側とは反対側の板面)、つまり液晶表示パネル11との対向面には、図3に示すように、既述した光硬化性接着材GLが設けられている。第2基板12bの表側を向いた外面(液晶層27側とは反対側の板面)側には、偏光板12cが貼り付けられている。
 そして、この液晶パネル12は、液晶表示パネル11の表示面に表示される画像を視差により分離することで、立体画像(3D画像、三次元画像)として観察者に観察させるための視差バリアパターン29を有しており、視差バリアパネルとして機能する。液晶パネル12は、視差バリアパターン29によって液晶層27に所定の電圧を印加することで、その電圧値に応じて液晶分子の配向状態並びに液晶層27の光透過率を制御することができるとともに詳細は後述するバリア部BAを形成することが可能とされ、それにより液晶表示パネル11の画素PXに表示された画像を視差により分離して観察者に立体画像として観察させることができるものとされる(図12参照)。つまり、当該液晶パネル12は、液晶層27の光透過率をアクティブに制御することによって液晶表示パネル11の表示面に平面画像(2D画像、二次元画像)と立体画像(3D画像、三次元画像)とを切り替えて表示させることが可能なスイッチ液晶パネルであると言える。
 液晶パネル12を構成する一対の基板12a,12bにおける各内面(液晶層27側の板面)には、図9及び図10に示すように、視差バリアパターン29を構成する透光電極部30が互いに対向状をなす形でそれぞれ形成されている。透光電極部30は、液晶表示パネル11の画素電極17と同様にITOなどのほぼ透明な透光性導電材料からなるとともに、液晶パネル12における表示重畳領域OAAに配されている。これにより、液晶パネル12の表示重畳領域OAAでは、光透過率が高く保たれており、液晶表示パネル11の表示領域AAを透過した光をごく低損失でもって透過することが可能とされる。この透光電極部30は、裏側の第1基板12aと表側の第2基板12bとにそれぞれ一対ずつ設けられており、第1基板12aに設けられたものが第1透光電極部30A及び第2透光電極部30Bとされるのに対し、第2基板12bに設けられたものが第3透光電極部30C及び第4透光電極部30Dとされる。
 第1透光電極部30A及び第2透光電極部30Bは、図9に示すように、それぞれ櫛歯状をなすとともに平面に視て互いに噛み合うような形で配されている。詳しくは、第1透光電極部30A及び第2透光電極部30Bは、それぞれ第1基板12aの長辺方向(Y軸方向)に沿って延在するほぼ一定幅の帯状(ストライプ状)をなすとともに第1基板12aの短辺方向(X軸方向)について並列して配された複数本の帯状部30Aa,30Baと、各帯状部30Aa,30Baの端部同士を繋ぐとともに短辺方向(X軸方向)に沿って延在する繋ぎ部30Ab,30Bbとから構成されている。従って、第1基板12aの表示重畳領域OAAにおいては、第1透光電極部30Aの帯状部30Aaと、第2透光電極部30Bの帯状部30Baとが短辺方向(X軸方向)に沿って交互に並んで配されていることになる。
 これに対して、第3透光電極部30C及び第4透光電極部30Dは、図10に示すように、それぞれ櫛歯状をなすとともに平面に視て互いに噛み合うような形で配されている。詳しくは、第3透光電極部30C及び第4透光電極部30Dは、それぞれ第2基板12bの短辺方向(X軸方向)に沿って延在するほぼ一定幅の帯状(ストライプ状)をなすとともに第2基板12bの長辺方向(Y軸方向)について並列して配された複数本の帯状部30Ca,30Daと、各帯状部30Ca,30Daの端部同士を繋ぐとともに長辺方向(Y軸方向)に沿って延在する繋ぎ部30Cb,30Dbとから構成されている。従って、第2基板12bの表示重畳領域OAAにおいては、第3透光電極部30Cの帯状部30Caと、第4透光電極部30Dの帯状部30Daとが長辺方向(Y軸方向)に沿って交互に並んで配されていることになる。そして、両基板12a,12bを貼り合わせた状態では、図11に示すように、第1透光電極部30A及び第2透光電極部30Bの各帯状部30Ab,30Bbと、第3透光電極部30C及び第4透光電極部30Dの各帯状部30Ca,30Daとは、互いにその長さ方向をほぼ直交させつつ液晶層27を介して対向状に配されることになる。また、両基板12a,12bの内面には、液晶層27に臨んで配されるとともに液晶層27に含まれる液晶分子を配向させるための配向膜31,32がそれぞれ形成されている。
 なお、第1基板12aにおける長辺方向の一端部には、図9に示すように、第1透光電極部30A及び第2透光電極部30Bから引き回された端子部(図示せず)が形成されており、この端子部には、バリア用フレキシブル基板33の一端側が接続されている。パネル用フレキシブル基板33は、端子部に対して異方性導電膜ACFを介して圧着接続されている。このパネル用フレキシブル基板33は、その他端側が図示しないコントロール基板に接続されることで、コントロール基板から供給されるバリア駆動信号を第1透光電極部30A及び第2透光電極部30Bに伝送することが可能とされている。なお、これら端子部及びパネル用フレキシブル基板33は、図8に示すように、視差バリア12のうち非表示重畳領域ONAAに配されている。また、第2基板12bに設けられた第3透光電極部30C及び第4透光電極部30Dは、液晶層27を貫くとともに両基板12a,12b間を繋ぐ形で配される導電柱部(図示せず)によって第1基板12a側の端子部に対して電気的に接続されるとともにそこからバリア駆動信号の供給が可能とされている。また、この第2基板12bは、図8に示すように、第1基板12aよりも長辺寸法が小さなものとされるとともに、第1基板12aに対して長辺方向の両端部のうち端子部及びパネル用フレキシブル基板33側とは反対側の端部を揃えた状態で貼り合わせられている。
 本実施形態に係る液晶パネル12としては、例えば、第1透光電極部30A及び第2透光電極部30Bと、第3透光電極部30C及び第4透光電極部30Dとの間の電位差を0としたときに液晶層27の光透過率が最大となって、全域にわたって最大限に光を透過することが可能な、いわゆるノーマリーホワイトモードのスイッチ液晶パネルを用いることができる。その上で、本実施形態に係る液晶パネル12は、各電極部30A~30Dに所定の電位が供給されることでその駆動が制御されるとともに、ポートレイトでの使用時とランドスケープでの使用時との双方において観察者に立体画像を観察させることが可能とされている。
 具体的には、液晶表示装置10をポートレイトで使用する場合には、例えば、第2透光電極部30B、第3透光電極部30C及び第4透光電極部30Dには基準電位を供給するのに対し、第1透光電極部30Aには基準電位とは異なる所定の電位を供給する。これにより、第2透光電極部30Bと第3透光電極部30C及び第4透光電極部30Dとの間には電位差が生じることがないものの、第1透光電極部30Aと第3透光電極部30C及び第4透光電極部30Dとの間には電位差が生じる。このため、図12に示すように、液晶パネル12における液晶層27のうち、第1透光電極部30Aと平面視重畳する領域の光透過率が例えば最小となってここに光を遮るバリア部BAが形成されるのに対し、第2透光電極部30Bと平面視重畳する領域の光透過率が最大となってここに光を透過するバリア開口部BOが形成される。バリア部BA及びバリア開口部BOは、共に第1透光電極部30A及び第2透光電極部30Bの各帯状部30Ab,30Bbと同様にY軸方向に沿って延在するストライプ状をなすとともに、X軸方向に沿って交互に並列する形で複数ずつ配される。バリア部BA及びバリア開口部BOの並び方向は、ポートレイトでの使用時における観察者の両目LE,REの並び方向(X軸方向)と一致しているから、この状態で液晶表示パネル11においてX軸方向に並んだ各画素PXに左目用画像と右目用画像とが交互に表示されるように駆動を制御すると、表示された右目用画像(右目用画素RPX)及び左目用画像(左目用画素LPX)は、それぞれバリア部BAによって観察角度が規制されるとともに、バリア開口部BOを通してそれぞれ観察者の右目REと左目LEとに分離して観察されることになる。これにより、ポートレイトでの使用時において両眼視差効果が得られるとともに観察者に立体画像を観察させることができるものとされる。
 その一方、液晶表示装置10をランドスケープで使用する場合には、例えば、第1透光電極部30A、第2透光電極部30B及び第4透光電極部30Dには基準電位を供給するのに対し、第3透光電極部30Cには基準電位とは異なる所定の電位を供給する。これにより、第1透光電極部30A及び第2透光電極部30Bと第4透光電極部30Dとの間には電位差が生じることがないものの、第1透光電極部30A及び第2透光電極部30Bと第3透光電極部30Cとの間には電位差が生じる。このため、図12に示すように、液晶パネル12における液晶層27のうち、第3透光電極部30Cと平面視重畳する領域の光透過率が例えば最小となってここに光を遮るバリア部BAが形成されるのに対し、第4透光電極部30Dと平面視重畳する領域の光透過率が最大となってここに光を透過するバリア開口部BOが形成される。バリア部BA及びバリア開口部BOは、共に第3透光電極部30C及び第4透光電極部30Dの各帯状部30Ca,30Daと同様にX軸方向に沿って延在するストライプ状をなすとともに、Y軸方向に沿って交互に並列する形で複数ずつ配される。バリア部BA及びバリア開口部BOの並び方向は、ランドスケープでの使用時における観察者の両目LE,REの並び方向(図12では括弧書きしているY軸方向)と一致しているから、この状態で液晶表示パネル11においてY軸方向に並んだ各画素PXに左目用画像と右目用画像とが交互に表示されるように駆動を制御すると、表示された右目用画像(右目用画素RPX)及び左目用画像(左目用画素LPX)は、それぞれバリア部BAによって観察角度が規制されるとともに、バリア開口部BOを通してそれぞれ観察者の右目REと左目LEとに分離して観察されることになる。これにより、ランドスケープでの使用時において両眼視差効果が得られるとともに観察者に立体画像を観察させることができるものとされる。
 このようにポートレイトでの使用時と、ランドスケープでの使用時との双方において立体表示が可能な液晶表示装置10には、図示しないジャイロセンサを内蔵させるとともにそのジャイロセンサによって液晶表示装置10の姿勢(ポートレイトであるか、ランドスケープであるか)を検出するようにし、その検出信号に基づいて液晶表示パネル11及び液晶パネル12の駆動をポートレイトモードとランドスケープモードとで自動的に切り替えるようにするのがより好ましい。また、観察者に平面画像を観察させる場合には、例えば全ての透光電極部30A~30Dに基準電位を供給すれば、第1透光電極部30A及び第2透光電極部30Bと第3透光電極部30C及び第4透光電極部30Dとの間に電位差が生じず、液晶層27における全域において光透過率が最大となる。これにより、液晶パネル12には、光を遮るバリア部BAが形成されることがない。従って、液晶表示パネル11の各画素PXに表示される画像には視差が生じることがなく、もって観察者に平面画像(2D画像、二次元画像)を観察させることができる。なお、全ての電極部30A~30Dに電位を供給しないようにすることで、第1透光電極部30A及び第2透光電極部30Bと第3透光電極部30C及び第4透光電極部30Dとの間に電位差を生じさせないようにしてもよい。
 さて、液晶パネル12において一対の基板12a,12b間の間隔(セル厚、ギャップ)を規制するスペーサ28は、優れた透光性を有する(ほぼ透明な)合成樹脂材料(例えばシリカなどの無機材料やフェノール樹脂やエポキシ樹脂などの有機材料など)からなるものとされており、球状をなしていて弾性変形可能とされている。そして、この球状をなすスペーサ28は、図11に示すように、互いに平均粒径が異なる2種類のものから構成されている。すなわち、スペーサ28には、平均粒径AD1が相対的に大きな第1スペーサ(メインスペーサ)34と、平均粒径AD2が相対的に小さな第2スペーサ(サブスペーサ)35とが含まれている。このうち第1スペーサ34は、その平均粒径AD1が一対の基板12a,12b間の定常距離SDよりも相対的に大きなものとされるのに対し、第2スペーサ35は、その平均粒径AD2が一対の基板12a,12b間の定常距離SDよりも相対的に小さなものとされる。なお、ここで言う「一対の基板12a,12b間の定常距離SD」とは、常温環境(例えば5℃~35℃の温度環境)下において一対の基板12a,12bのいずれにも外部から押圧力などが作用していない状態での基板12a,12b間の間隔(距離)であり、より詳しくは各基板12a,12bの内面において液晶層27に臨む配向膜31,32間の間隔である。従って、常温環境下においては、第1スペーサ34は、一対の基板12a,12b間に挟まれることでやや潰れて弾性変形した状態となるのに対し、第2スペーサ35は、一対の基板12a,12b間にて変形することなく存在している。つまり、常温環境下では、第1スペーサ34は一対の基板12a,12b間の間隔を規制するのに寄与するのに対して、第2スペーサ35は一対の基板12a,12b間の間隔を規制するのに殆ど寄与しないことになる。
 詳しくは、第2スペーサ35は、その平均粒径AD2が第1スペーサ34の平均粒径AD1の80%~95%の範囲とされるのが好ましく、その中でも85%~95%の範囲とされるのがより好ましい。ここで、一対の基板12a,12bの少なくともいずれか一方に対して外部から押圧力が作用したとき、基板12a,12b間の間隔が第2スペーサ35の平均粒径AD2に達するまでは、第1スペーサ34の変形度合いが増し続けるため、仮に第2スペーサ35の平均粒径AD2が第1スペーサ34の平均粒径AD1の80%を下回ると、第1スペーサ34が過剰に変形されてしまい損傷や損壊が生じ易くなるなどの問題が生じ、十分な耐圧性を確保できなくなるおそれがある。一方、温度環境が常温環境下から低温環境(例えば5℃を下回る温度環境)へと変化すると、他の部材(各基板12a,12bやスペーサ27など)に比べて熱膨張率が相対的に大きな材料からなる液晶層27には相対的に大きな体積収縮が生じる。このとき、仮に第2スペーサ35の平均粒径AD2が第1スペーサ34の平均粒径AD1の95%を上回ると、第1スペーサ34と第2スペーサ35とで平均粒径AD1,AD2の差がごく僅かなものとなるため、液晶層27の体積収縮に追従して一対の基板12a,12b間の間隔が僅かに狭くなった段階で、第1スペーサ34に加えて第2スペーサ35が一対の基板12a,12b間の間隔を規制する。このため、一対の基板12a,12b間の間隔が液晶層27の体積収縮に追従してそれ以上狭くなるのが阻害されてしまい、それによって液晶層27中に真空気泡が発生し易くなるおそれがある。その点、上記したように第2スペーサ35の平均粒径AD2を、第1スペーサ34の平均粒径AD1の80%~95%の範囲とすることで、低温気泡の発生を防止することができるとともに十分な耐圧性を確保することができるのである。さらには、上記した第2スペーサ35の平均粒径AD2を、第1スペーサ34の平均粒径AD1の85%~95%の範囲とすることで、上記した効果をより確実に得ることができるものとされる。
 第1スペーサ34及び第2スペーサ35における粒度分布(粒径分布)は、図13に示すように、共にほぼ正規分布(つりがね状の曲線)となっており、その粒径のばらつきの度合いも概ね同等とされる。すなわち、第1スペーサ34及び第2スペーサ35における粒度分布は、粒径が各平均粒径AD1,AD2から遠ざかるに連れて個数が連続的に少なくなり、逆に粒径が各平均粒径AD1,AD2に近づくに連れて個数が連続的に多くなる傾向とされる。第1スペーサ34の粒度分布と、第2スペーサ35の粒度分布とは一部同士が重なり合う関係を有しており、具体的には第1スペーサ34の粒度分布における小径側端部と、第2スペーサ35の粒度分布における大径側端部とが重なり合っている。なお、図13では、各スペーサ34,35の粒度分布について互いに重なり合う部分を二点鎖線により図示している。また、第1スペーサ34の粒度分布における粒径の最小値は、一対の基板12a,12b間の定常距離SDよりも相対的に小さいものとされるため、第1スペーサ34にはその粒径が上記定常距離SDよりも相対的に小さいものが一部含まれていることになる。しかし、第1スペーサ34の大多数は、その粒径が上記定常距離SDよりも相対的に大きなものとされている。同様に、第2スペーサ35の粒度分布における粒径の最大値は、一対の基板12a,12b間の定常距離SDよりも相対的に大きいものとされるため、第2スペーサ35にはその粒径が上記定常距離SDよりも相対的に大きいものが一部含まれていることになるものの、第2スペーサ35の大多数は、その粒径が上記定常距離SDよりも相対的に小さいものとされている。なお、第1スペーサ34の粒度分布における粒径の最小値と一対の基板12a,12b間の定常距離SDとの差は、第2スペーサ35の粒度分布における粒径の最大値と一対の基板12a,12b間の定常距離SDとの差よりも相対的に大きくなる構成とされる。
 第2スペーサ35は、第1スペーサ34よりも設置数が相対的に多いものとされる。詳しくは、第2スペーサ35の平均粒径AD2に係る設置数(図13における個数のピーク値)は、第1スペーサ34の平均粒径AD1に係る設置数よりも相対的に多くなっている。このようにすれば、低温環境下において液晶層27に体積収縮が生じた場合、相対的に設置数が少ない第1スペーサ34が変形し易くなっているので、低温気泡がより発生し難くなるのに加え、一対の基板12a,12bの少なくともいずれか一方に外部から押圧力が作用した場合、相対的に設置数が多い第2スペーサ35によって第1スペーサ34が過剰に変形されて損傷や損壊するのを防ぐことができ、もってより高い耐圧性を確保することができる。また、第1スペーサ34は、低温環境下において生じる液晶層27の体積収縮に伴う基板12a,12b間の間隔の追従動作を妨げることがなく且つ常温環境下において基板12a,12b間の間隔を定常距離SDに保つのに十分な設置個数及び分布密度でもって配置されている。また、第2スペーサ35は、一対の基板12a,12bの少なくともいずれか一方に外部からの押圧力が作用したとき、第1スペーサ34と共にその押圧力に抗することで十分な耐圧性を確保できるような設置個数及び分布密度でもって配置されている。
 第2スペーサ35には、図11に示すように、その外面に固着性を有する固着層36が形成されている。固着層36は、熱可塑性樹脂材料からなるものであるため、加熱により軟化変形することで一対の基板12a,12b(配向膜31,32)のいずれか一方に対して接する面積が増加するようになっている。つまり、第2スペーサ35は、液晶パネル12の製造過程において、一対の基板12a,12bのいずれか一方の上に散布された後に加熱されることでその外面に形成された固着層36が軟化されて基板12a,12bのいずれかに対して固着され、もって移動が規制されるようになっている。これにより、一対の基板12a,12bを貼り合わせるまでの間、及び貼り合わせを行った後にも平均粒径AD2が一対の基板12a,12b間の定常距離SDよりも小さな第2スペーサ35が不用意に移動して凝集するのを防ぐことができる。この固着層36は、第2スペーサ35の外周面を覆うようにして配されている。なお、固着層36は、その軟化点が40℃~120℃の範囲とされているが、基板12a,12bとの固着性を高く保つには、40℃~70℃の範囲が好ましい。
 なお、一対の基板12a,12b間の定常距離SDに対する第1スペーサ34の平均粒径AD1の比率は、例えば1.0~1.03とされるのに対し、一対の基板12a,12b間の定常距離SDに対する第2スペーサ35の平均粒径AD1の比率は、例えば0.86~0.94とされる。
 本実施形態は以上のような構造であり、続いてその作用を説明する。上記した液晶表示装置10を製造するにあたっては、それぞれ別途に製造された液晶表示パネル11及び液晶パネル12に対して各フレキシブル基板21,33を接続した後、液晶表示パネル11と液晶パネル12とを光硬化性接着材GLを介して接着するようにしている。このうち、液晶パネル12の製造方法について詳しく説明する。
 液晶パネル12の製造に際しては、まず第1基板12a及び第2基板12bに対してフォトリソグラフィ法によって各透光電極部30A~30Dなどをそれぞれ形成した後、各配向膜31,32をそれぞれ形成するとともに配向処理を行う。それから、図14に示すように、例えば第1基板12a上に球状のスペーサ28である第1スペーサ34及び第2スペーサ35を所定個数ずつ散布して分散配置する。なお、図14で図示される第1スペーサ34及び第2スペーサ35は共に変形されていない状態とされる。この状態で、図示しない加熱装置によって第1基板12aを加熱すると、第2スペーサ35の外面に配された固着層36が軟化変形することで第1基板12aの配向膜31に接する面積が増加される。これにより、第2スペーサ35が第1基板12a上に固着されてその移動が規制される。その後、第1基板34にスペーサ28の配置領域を取り囲むようにして枠状のシール剤(図示せず)を塗布してから、そのシール剤の内側の領域に液晶層27を構成する液晶を滴下する。
 続いて、第1基板12aに対して第2基板12bを対向配置し、その第2基板12bを第1基板12aに向けて接近させることで、両基板12a,12bの貼り合わせ作業を行う。一対の基板12a,12b間の間隔が定常距離SDに達したところで、シール剤を硬化させることで、両基板12a,12bが貼り合わせ状態に保たれる。なお、図14では、貼り合わせ後の第2基板12bを二点鎖線にて図示している。この貼り合わせに伴い、第1スペーサ34は、その平均粒径AD1が一対の基板12a,12b間の定常距離SDよりも相対的に大きなことから、図11に示すように、両基板12a,12b間に挟み込まれることでやや潰れるよう弾性変形されて扁平な形状となる。この第1スペーサ34により一対の基板12a,12b間の間隔が規制されるとともに、定常距離SDに安定的に保たれる。一方、第2スペーサ35については、その平均粒径AD2が一対の基板12a,12b間の定常距離SDよりも相対的に小さなことから、変形されることなく両基板12a,12b間に介在している。貼り合わせ作業を終えた後、第2基板12bにおける外側の板面には、偏光板12cが貼り付けられる。なお、上記した液晶パネル12の具体的な製造手順は適宜に変更することが可能であり、例えばスペーサ28を散布する工程を行うのに先立ってシール剤を塗布する工程を行うようにしても構わない。
 上記のようにして製造された液晶パネル12を備える液晶表示装置10は、様々な温度環境で使用されることがあり、温度環境が例えば常温環境から低温環境へと変化した場合には、液晶パネル12の各構成部品に体積収縮が生じることがあるが、特に熱膨張率が高い液晶層27については体積収縮量が大きなものとなっている。液晶層27は、その周りがシール剤によって封止されているため、上記のような温度変化に伴って液晶層27に体積収縮が生じると、図15に示すように、それに追従して一対の基板12a,12b間の間隔が定常距離SDから徐々に狭くなっていく。このとき、両基板12a,12b間の間隔が狭くなるのに伴って、第1スペーサ34は常温環境下よりもさらに変形度合いが増し続けるものの、第2スペーサ35については一対の基板12a,12b間の間隔が第2スペーサ35の平均粒径AD2に達するまでの間は殆ど変形することがない。従って、仮に全てのスペーサを第1スペーサ34とした場合に一対の基板12a,12b間の間隔を規制する力が過大になって液晶層27の体積収縮に追従できなくなるのに比べると、一対の基板12a,12b間の間隔が液晶層27の体積収縮に追従して狭まり易くなっている。これにより、液晶層27中に真空気泡が発生し難くなっている。しかも、本実施形態では、第2スペーサ35の平均粒径AD2が、第1スペーサ34の平均粒径AD1の95%以下とされているから、仮に第2スペーサ35の平均粒径AD2が第1スペーサ34の平均粒径AD1の95%を上回った場合に比べると、第1スペーサ34と第2スペーサ35との平均粒径AD1,AD2の差が十分に確保される。従って、液晶層27の体積収縮に追従して一対の基板12a,12b間の間隔が狭くなる際のマージンが十分に確保され、それにより真空気泡の発生がより生じ難いものとなっている。上記した真空気泡は、液晶パネル12の光透過率にムラを生じさせ得るものであるため、真空気泡の発生を防ぐことで、液晶パネル12を介して観察者に視認される液晶表示パネル11の表示画像に係る表示品位を高いものとすることができる。
 一方、液晶パネル12は、液晶表示装置10において液晶表示パネル11よりも使用者(観察者)側に配される部材であるため、外部から押圧力を受け易くなっている。例えば一対の基板12a,12bのうち、表側の第2基板12bに押圧力が作用した場合、一対の基板12a,12b間の間隔が定常距離SDから狭くなり、それに伴って第1スペーサ34が押圧力に抗しつつさらに変形度合いが増し続ける。そして、一対の基板12a,12b間の間隔が第2スペーサ35の平均粒径SD2に達したところで、第1スペーサ34に加えて第2スペーサ35が一対の基板12a,12b間に挟み込まれてその間隔を規制するのに寄与する。これにより、第1スペーサ34の変形が過剰となって弾性限度を超えることで損傷や損壊が生じるのが防がれる。もって、高い耐圧性が得られる。しかも、本実施形態では、第2スペーサ35の平均粒径AD2が、第1スペーサ34の平均粒径AD1の80%以上とされているから、仮に第2スペーサ35の平均粒径AD2が第1スペーサ34の平均粒径AD1の80%を下回った場合に比べると、第1スペーサ34が弾性限度を超えて過剰に変形される、といった問題をより生じ難くすることができ、それによりより高い耐圧性を得ることができる。なお、図15では、一対の基板12a,12b間の間隔が第2スペーサ35の平均粒径AD2よりもやや小さく、第2スペーサ35がやや潰れて弾性変形された状態を例示している。
 以上説明したように本実施形態の液晶パネル(液晶素子)12は、一対の基板12a,12bと、一対の基板12a,12b間に配される液晶層27と、一対の基板12a,12b間の間隔を規制するものであって、一対の基板12a,12b間の定常距離SDに比べて平均粒径AD1が相対的に大きな第1スペーサ34と、一対の基板12a,12b間の間隔を規制するものであって、一対の基板12a,12b間の定常距離SDに比べて平均粒径AD2が相対的に小さな第2スペーサ35とを備える。
 このように、第1スペーサ34は、その平均粒径AD1が一対の基板12a,12b間の定常距離SDに比べて相対的に大きいことから、ほぼ常時変形した状態で一対の基板12a,12b間の間隔を規制することが可能とされている。なお、ここで言う「一対の基板12a,12b間の定常距離SD」とは、常温環境(例えば5℃~35℃の温度環境)下において一対の基板12a,12bのいずれにも外部から押圧力などが作用していない状態での基板12a,12b間の間隔である。
 これに対し、第2スペーサ35は、その平均粒径AD2が一対の基板12a,12b間の定常距離SDに比べて相対的に小さいことから、常温環境下において一対の基板12a,12bのいずれにも外部から押圧力などが作用していない状態では一対の基板12a,12b間の間隔を規制することがない。ここで、温度環境が常温環境から低温環境(例えば5℃を下回る温度環境)へと変化し、それに伴って液晶層27に体積収縮が生じると、一対の基板12a,12b間の間隔が定常距離SDから狭くなる場合がある。このとき、第1スペーサ34は常温環境下よりもさらに変形されるものの、第2スペーサ35については一対の基板12a,12b間の間隔が第2スペーサ35の平均粒径AD2に達するまでの間は殆ど変形することがない。従って、一対の基板12a,12b間の間隔が液晶層27の体積収縮に追従して狭まり易くなっており、もって真空気泡が発生し難くなっている。それに加えて、常温環境下において一対の基板12a,12bの少なくともいずれか一方に対して外部から押圧力が作用した場合には、一対の基板12a,12b間の間隔が定常距離SDから狭くなって第2スペーサ35の平均粒径AD2に達したところで、第1スペーサ34に加えて第2スペーサ35によって一対の基板12a,12b間の間隔が規制される。これにより、第1スペーサ34が過剰に変形されて損傷または損壊するなどの問題を防ぐことができ、もって十分に高い耐圧性を確保することができる。本実施形態によれば、低温気泡の発生を防止するとともに、十分な耐圧性を得ることができる。
 また、第2スペーサ35は、その平均粒径AD2が第1スペーサ34の平均粒径AD1の80%~95%の範囲となるものとされる。仮に第2スペーサ35の平均粒径AD2が第1スペーサ34の平均粒径AD1の80%を下回ると、一対の基板12a,12bの少なくともいずれか一方に対して外部から押圧力が作用したときに、第1スペーサ34が過剰に変形されてしまい損傷や損壊が生じ易くなるなどの問題が生じ、十分な耐圧性を確保できなくなるおそれがある。一方、仮に第2スペーサ35の平均粒径AD2が第1スペーサ34の平均粒径AD1の95%を上回ると、第1スペーサ34と第2スペーサ35とで平均粒径AD1,AD2の差がごく僅かなものとなるため、低温環境下において液晶層27の体積収縮に一対の基板12a,12b間の間隔が追従し難くなり、低温気泡が発生し易くなるおそれがある。その点、上記したように第2スペーサ35の平均粒径AD2を、第1スペーサ34の平均粒径AD1の80%~95%の範囲とすれば、低温気泡の発生防止と耐圧性の確保との両立を図る上でより好適となる。
 また、第2スペーサ35には、一対の基板12a,12bの少なくともいずれか一方に対して固着される固着層36が形成されている。第2スペーサ35は、その平均粒径AD2が一対の基板12a,12b間の定常距離SDに比べて小さいため、常温環境下において一対の基板12a,12b間に挟まれて変形される第1スペーサ34に比べると、移動が生じ易い、という事情がある。その第2スペーサ35に固着層36を形成し、一対の基板12a,12bの少なくともいずれか一方に対して固着させることで、第2スペーサ35を移動し難くすることができ、もって第2スペーサ35が凝集するなどといった事態を回避することができる。
 また、第1スペーサ34は、第2スペーサ35よりも設置数が相対的に少ないものとされる。このようにすれば、仮に第1スペーサ34の設置数を第2スペーサ35の設置数と同じにした場合、または第2スペーサ35の設置数よりも相対的に多くした場合に比べると、低温環境下において一対の基板12a,12b間の間隔が液晶層27の体積収縮に追従して狭まり易くなるから、低温気泡がより発生し難くなる。それに加え、一対の基板12a,12bの少なくともいずれか一方に対して外部から押圧力が作用したとき、第1スペーサ34よりも相対的に設置数が多い第2スペーサ35によって一対の基板12a,12b間の間隔をより適切に規制することができるから、第1スペーサ34が過剰に変形されて損傷または損壊するなどの問題を防ぐ上で一層好適となる。
 また、一対の基板12a,12bの少なくともいずれか一方の板面には、視差バリアパターン29が形成されている。このようにすれば、例えば、観察者が当該液晶パネル12を介して画像を観察した場合、視差バリアパターン29によって画像を視差により分離することができるから、画像を立体画像として観察者に観察させることができる。
 また、視差バリアパターン29は、一対の基板12a,12bにおける液晶層27側の板面に、互いに対向状をなすよう形成される一対の透光電極部30により構成されており、一対の透光電極部30間の電圧値を制御することで、光を遮る複数のバリア部BAと、隣り合うバリア部BA間に配されるとともに光を透過するバリア開口部BOとが形成可能とされる。このようにすれば、例えば当該液晶パネル12を介して画像を観察した場合、バリア部BA及びバリア開口部BOを形成すると、隣り合うバリア部BA間に配されるバリア開口部BOを通して、画像を観察することができる観察角度が特定のものとなり、もって画像を視差によって分離することができる。そして、一対の透光電極部30間の電圧値を制御することで、バリア部BA及びバリア開口部BOの形成の是非を選択することができ、もって観察される画像を立体画像と平面画像とに切り替えることができる。
 さらには、本実施形態に係る液晶表示装置(表示装置)10は、上記した液晶パネル12と、液晶パネル12に対して積層するよう配されるとともに画像を表示する液晶表示パネル(表示素子)11とを備える。このような液晶表示装置10によると、画像を表示する液晶表示パネル11に対して積層するよう配される液晶パネル12が、低温気泡の発生防止と耐圧性の確保とを両立したものであるから、表示品質の優れた表示を実現することができるとともに製品寿命に優れる。
 また、液晶表示装置10が備える液晶パネル12は、液晶表示パネル11に表示される画像を視差により分離することが可能な視差バリアパターン29を有している。このようにすれば、観察者が液晶パネル12を介して液晶表示パネル11に表示された画像を観察した場合、視差バリアパターン29によって画像を視差により分離することができるから、画像を立体画像として観察者に観察させることができる。
 また、液晶表示装置10が備える液晶パネル12は、液晶表示パネル11に対して観察者側に配されている。液晶表示パネル11に対して観察者側に配された液晶パネル12には、例えば観察者が触れるなどすることで、外部からの押圧力が作用し易いものの、その液晶パネル12は、一対の基板12a,12b間の間隔を規制する第1スペーサ34及び第2スペーサ35によって十分に高い耐圧性が確保されているから、上記のような構成において特に有用である。
 また、液晶表示装置10が備える液晶表示パネル11に光を照射するバックライト装置(照明装置)12を備える。このようにすれば、バックライト装置12から照射される光を利用して液晶表示パネル11に画像を表示することができる。
 <実施形態2>
 本発明の実施形態2を図16から図20によって説明する。この実施形態2では、液晶パネル112にタッチパネル機能を併有させたものを示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
 本実施形態に係る液晶パネル112は、図16に示すように、上記した実施形態1にて説明した「視差バリア機能」に加えて、使用者が液晶表示パネル11の表示面の面内における位置情報を入力する「タッチパネル機能(位置入力機能)」を併せ持っており、いわば複合機能型の液晶パネルとされている。従って、本実施形態に係る液晶パネル112は、液晶表示パネル11に表示される画像を視差により分離することが可能な「視差バリアパネル」であるとともに、観察者が入力した位置を検出することが可能な「タッチパネル(位置入力パネル)」である、と言える。また、本実施形態に係る液晶パネル112のさらに表側には、液晶パネル112を保護するためのカバーガラス(カバーパネル)37が接着材GL2によって接着されている。このカバーガラス37は、ほぼ透明なガラス製とされ、使用者がタッチパネル機能を使用するに際して直接触れる部材である。
 液晶パネル112が有するタッチパネル機能に係る構成について詳しく説明する。液晶パネル112を構成する一対の基板112a,112bのうち、表側(使用者側、液晶表示パネル11側とは反対側)の第2基板112bにおける表側を向いた外面(液晶層27側とは反対側の板面、透光電極部30の形成面とは反対側の板面)には、図17に示すように、いわゆる投影型静電容量方式のタッチパネルパターン38を構成するタッチパネル用透光電極部39が形成されている。タッチパネル用透光電極部39は、上記した実施形態1に記載した視差バリアパターン29を構成する透光電極部(視差バリア用透光電極部)30と同様にITOなどのほぼ透明な透光性導電材料からなるとともに、液晶パネル112における表示重畳領域OAAに配されている。これにより、液晶パネル112の表示重畳領域OAAでは、光透過率が高く保たれており、液晶表示パネル11の表示領域AAを透過した光をごく低損失でもって透過することが可能とされる。タッチパネル用透光電極部39は、第2基板112bの長辺方向(Y軸方向)に沿って延在する複数列の第1タッチパネル用透光電極部39Aと、第2基板112bの短辺方向(X軸方向)に沿って延在する複数列の第2タッチパネル用透光電極部39Bとからなる。
 第1タッチパネル用透光電極部39Aは、図18に示すように、平面に視て菱形形状をなすとともにY軸方向に沿って並列配置された複数の第1電極パッド部39Aaと、隣り合う第1電極パッド部39Aa同士を繋ぐ第1繋ぎ部39Abとから構成されている。Y軸方向に沿って延在する形態の第1タッチパネル用透光電極部39Aは、X軸方向について複数が所定の間隔を空けつつ並列して配されている。これに対し、第2タッチパネル用透光電極部39Bは、平面に視て菱形形状をなすとともにX軸方向に沿って並列配置された複数の第2電極パッド部39Baと、隣り合う第2電極パッド部39Ba同士を繋ぐ第2繋ぎ部39Bbとから構成されている。X軸方向に沿って延在する形態の第2タッチパネル用透光電極部39Bは、Y軸方向について複数が所定の間隔を空けつつ並列して配されている。従って、第2基板112bには、第1タッチパネル用透光電極部39Aを構成する第1電極パッド部39Aaと、第2タッチパネル用透光電極部39Bを構成する第2電極パッド部39BaとがX軸方向及びY軸方向について複数ずつマトリクス状に並列して配されている。
 第1タッチパネル用透光電極部39Aを構成する第1電極パッド部39Aa及び第1繋ぎ部39Abと、第2タッチパネル用透光電極部39Bを構成する第2電極パッド部39Baとは、図19に示すように、第2基板112b上において同一のレイヤー(層)に配されている。これに対し、第2タッチパネル用透光電極部39Bを構成する第2繋ぎ部39Bbは、図20に示すように、第1繋ぎ部39Abに対して絶縁層40を介して上層側に積層されている。これにより、第1タッチパネル用透光電極部39Aと第2タッチパネル用透光電極部39Bとがその交差部において短絡することが回避されている。また、上記した構成の各タッチパネル用透光電極部39A,39B及び絶縁層40は、その外側に積層して形成される、絶縁性材料からなる保護層42によって覆われることで、保護が図られている。偏光板112cは、この保護層42の外面に貼り付けられている。
 第2基板112bにおける長辺方向の一端部には、図17に示すように、第1タッチパネル用透光電極部39A及び第2タッチパネル用透光電極部39Bから引き回された端子部(図示せず)が形成されており、この端子部には、タッチパネル用フレキシブル基板41の一端側が接続されている。タッチパネル用フレキシブル基板41は、端子部に対して異方性導電膜ACFを介して圧着接続されている。このタッチパネル用フレキシブル基板41は、その他端側が図示しない検出回路に接続されている。なお、これら端子部及びタッチパネル用フレキシブル基板41は、液晶パネル112のうち非表示重畳領域ONAAに配されている。そして、複数列の第1タッチパネル用透光電極部39A及び複数列の第2タッチパネル用透光電極部39Bに順次に電圧を印加した状態で、液晶パネル112の操作面に導電体である使用者の指が接触または接近すると、いずれかのタッチパネル用透光電極部39A,39Bと使用者の指との間で容量が生じるため、そのタッチパネル用透光電極部39A,39Bにおける静電容量値は、他のタッチパネル用透光電極部39A,39Bにおける静電容量値とは異なるものとなる。この静電容量の差が生じたタッチパネル用透光電極部39A,39Bを検出回路により検出することで、そのタッチパネル用透光電極部39A,39Bの交点の座標が、使用者による操作位置の二次元(X軸方向及びY軸方向)の位置情報として入力されるようになっている。従って、この液晶パネル112では、使用者が操作面の面内における複数箇所に同時に位置入力した場合の多点検出(マルチタッチ)が可能とされている。
 上記した構成の液晶表示装置110においては、タッチパネル機能を利用するために使用者がカバーガラス37に頻繁に触れることになる。このため、カバーガラス37によって保護されているとはいえ、液晶パネル112のうちタッチパネルパターン38を有する第2基板112bには、外部からの押圧力が頻繁に作用し且つその押圧力も大きくなりがちとなっている。その点、本実施形態に係る液晶パネル112は、平均粒径AD1が一対の基板112a,112b間の定常距離SDよりも相対的に大きな第1スペーサ34と、平均粒径AD2が一対の基板112a,112b間の定常距離SDよりも相対的に大きな第2スペーサ35とを有していて、上記した実施形態1にて説明した通り、十分な耐圧性が確保されているから、外部からの頻繁に且つ大きな押圧力が作用しても、その機能(視差バリア機能及びタッチパネル機能)が損なわれることなく発揮される。つまり、耐久性及び製品寿命に優れる。
 以上説明したように本実施形態によれば、一対の基板112a,112bのいずれか一方における液晶層27側とは反対側の板面には、使用者が入力した位置を検出するタッチパネルパターン38が形成されている。このようにすれば、タッチパネルパターン38によって使用者が入力した位置を検出することができる。このタッチパネルパターン38が形成された基板112a,112bには、外部から押圧力が作用する頻度が高く、また押圧力も大きくなりがちであるものの、当該液晶パネル112は、一対の基板112a,112b間の間隔を規制する第1スペーサ34及び第2スペーサ35によって十分に高い耐圧性を確保されているから、上記のような構成において特に有用である。
 <他の実施形態>
 本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
 (1)上記した各実施形態では、第1スペーサの粒度分布に関して、その平均粒径AD1の最小値が一対の基板間の定常距離SDよりも相対的に小さくなるもの(図13を参照)を示したが、第1スペーサの粒度分布における粒径の最小値が一対の基板間の定常距離SDよりも相対的に大きくなるようにしたり、或いは定常距離SDとほぼ同じ値となるようにしてもよい。
 (2)上記した各実施形態では、第2スペーサの粒度分布に関して、その平均粒径AD2の最大値が一対の基板間の定常距離SDよりも相対的に大きくなるもの(図13を参照)を示したが、第2スペーサの粒度分布における粒径の最大値が一対の基板間の定常距離SDよりも相対的に小さくなるようにしたり、或いは定常距離SDとほぼ同じ値となるようにしてもよい。
 (3)上記した各実施形態では、第1スペーサ及び第2スペーサの粒度分布に関して、第1スペーサの粒径の最小値が、第2スペーサの粒径の最大値よりも相対的に小さくなるもの(図13を参照)を示したが、第1スペーサの粒径の最小値が、第2スペーサの粒径の最大値よりも相対的に大きくなるようにしてもよい。この場合、第1スペーサの粒度分布と、第2スペーサの粒度分布とが重なり合わない関係となる。このような構成において、第1スペーサの粒度分布及び第2スペーサの粒度分布に対して、一対の基板間の定常距離SDの具体的な値は、適宜に設定することができ、例えば第1スペーサの粒径の最小値と第2スペーサの粒径の最大値との間となる値としたり、第1スペーサの粒径の最小値よりも大きくなる値(但し、第1スペーサの平均粒径よりは小さい値)としたり、また第2スペーサの粒径の最大値よりも小さくなる値(但し、第2スペーサの平均粒径よりは大きい値)とすることが可能である。
 (4)上記した各実施形態では、第2スペーサの平均粒径AD2が第1スペーサの平均粒径AD1の80%~95%の範囲とされたものを示したが、第2スペーサの平均粒径が第1スペーサの平均粒径の80%を下回る構成としたものや、第2スペーサの平均粒径が第1スペーサの平均粒径の95%を上回る構成としたものも本発明に含まれる。
 (5)上記した各実施形態では、第2スペーサの設置数が第1スペーサの設置数よりも相対的に多くなる構成のものを示したが、第1スペーサと第2スペーサとの設置数がほぼ同じになる構成としたり、また第1スペーサの設置数が第2スペーサの設置数よりも相対的に多くなる構成とすることも可能である。
 (6)上記した各実施形態では、第2スペーサにその外周面を覆う形で固着層を形成したものを示したが、固着層が第2スペーサの外周面を部分的に覆う形で形成されたものも本発明に含まれる。
 (7)上記した各実施形態では、第2スペーサのみに固着層を形成したものを示したが、第1スペーサにも固着層を形成するようにしても構わない。逆に、第1スペーサ及び第2スペーサが共に固着層を有さない構成とすることも可能である。
 (8)上記した各実施形態以外にも、各スペーサの具体的な粒度分布の態様や各スペーサに用いる材料などは適宜に変更可能である。例えば、第1スペーサの粒度分布における粒径の最小値と一対の基板間の定常距離SDとの差が、第2スペーサの粒度分布における粒径の最大値と一対の基板間の定常距離SDとの差よりも相対的に小さくなる構成とすることも可能であり、さらには第1スペーサの粒度分布における粒径の最小値と一対の基板間の定常距離SDとの差と、第2スペーサの粒度分布における粒径の最大値と一対の基板間の定常距離SDとの差とがほぼ等しくなる構成とすることも可能である。それ以外にも、粒度分布の態様としては、例えば、第1スペーサの粒度分布と第2スペーサの粒度分布との具体的な重なり方や、各スペーサの粒度分布の具体的な形状(裾部の広がり方など)は、様々に変更することができる。
 (9)上記した実施形態2では、保護部材としてガラス製のカバーガラスを用いた場合を例示したが、合成樹脂製の保護部材を用いることも可能である。
 (10)上記した実施形態1において、実施形態2に記載したカバーガラスのような保護部材を用いることも可能である。その場合、上記した(9)を適用して合成樹脂製の保護部材を使用することも可能である。
 (11)上記した各実施形態では、視差バリア機能を有する液晶パネルに本発明を適用した場合を例示したが、表示素子である液晶表示パネルにも本発明は勿論適用可能である。その場合、視差バリア機能を有する液晶パネルを省略し、液晶表示パネルのみを有する構成の液晶表示装置にも本発明は適用可能である。
 (12)上記した(11)において、液晶表示パネルを構成する基板(例えばCF基板)における外側の板面に、上記した実施形態2に記載したようなタッチパネルパターンを形成するようにしても構わない。
 (13)上記した各実施形態では、液晶パネルが液晶表示パネルに対して表側に積層される構成のものを示したが、液晶パネルが液晶表示パネルに対して裏側に積層される構成とすることも可能である。
 (14)上記した実施形態2では、液晶パネルに形成するタッチパネルパターンとして投影型静電容量方式のものを例示したが、それ以外にも、表面型静電容量方式、抵抗膜方式、電磁誘導方式などのタッチパネルパターンを採用したものにも本発明は適用可能である。
 (15)上記した各実施形態では、液晶表示装置をポートレイト(縦置き)で使用した場合と、ランドスケープ(横置き)で使用した場合との双方において、立体画像を表示することが可能な構成のものを例示したが、ポートレイトまたはランドスケープのいずれか一方においてのみ、立体画像を表示することが可能な構成としたものにも本発明は適用可能である。
 (16)上記した各実施形態では、使用者に立体画像を観察させるのに機能する液晶パネルを用いたものを示したが、例えば異なる2方向以上の視角に存する使用者に対して異なる画像を観察させる、いわゆるマルチビュー機能を得るための液晶パネルを用いたものにも本発明は適用可能である。
 (17)上記した各実施形態では、液晶パネルが、平面画像表示と立体画像表示とを切り替え可能なスイッチ液晶パネルとされた場合を示したが、例えば液晶パネルにバリア部を常時形成することで、常時立体画像を表示させるようにしても構わない。
 (18)上記(17)以外にも、液晶パネルを構成する基板のいずれかに対して、所定の遮光パターンを有するマスクフィルタを形成することで、常時立体画像を表示させるようにし、平面画像表示との切り替えが不可能とされる構成とすることも可能である。
 (19)上記した各実施形態では、液晶表示装置が備えるバックライト装置としてエッジライト型のものを例示したが、直下型のバックライト装置を用いるようにしたものも本発明に含まれる。
 (20)上記した各実施形態では、外部光源であるバックライト装置を備えた透過型の液晶表示装置を例示したが、本発明は、外光を利用して表示を行う反射型液晶表示装置にも適用可能であり、その場合はバックライト装置を省略することができる。
 (21)上記した各実施形態では、表示画面が長方形状をなす液晶表示装置を例示したが、表示画面が正方形とされる液晶表示装置も本発明に含まれる。
 (22)上記した各実施形態では、液晶表示装置を構成する液晶表示パネルにスイッチング素子としてTFTを用いたが、TFT以外のスイッチング素子(例えば薄膜ダイオード(TFD))を用いた液晶表示パネルを備える液晶表示装置にも適用可能であり、カラー表示する液晶表示パネルを備えた液晶表示装置以外にも、白黒表示する液晶表示パネルを備えた液晶表示装置にも適用可能である。
 (23)上記した各実施形態では、表示パネルとして液晶表示パネルを用いた液晶表示装置を例示したが、他の種類の表示パネル(PDPや有機ELパネルなど)を用いた表示装置にも本発明は適用可能である。その場合、バックライト装置を省略することも可能である。