本発明は、上記の課題に鑑みて創作されたものである。本発明は、表示パネルと視差バリアとの間が貼り合わされてなる表示装置において、衝撃等の応力によって表示パネル又は視差バリアが割れることを防止ないし抑制できる技術を提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段)
本発明は、画像を表示可能な表示領域と、前記表示領域の周辺に位置する表示周辺領域と、を有する表示パネルと、前記表示パネルに表示される画像を視差により分離可能な分離領域と、前記分離領域の周辺に位置する分離周辺領域と、を有し、前記分離周辺領域と前記表示パネルの前記表示周辺領域との間に隙間が設けられた状態で、前記表示パネルと貼り合わされた視差バリアと、前記隙間に配され、前記表示パネルの前記表示周辺領域と前記視差バリアの前記分離周辺領域との間の距離を規制するスペーサ部材と、を備える表示装置に関する。
上記の表示装置によると、表示パネルの表示周辺領域又は視差バリアの分離周辺領域に対して両者の間の隙間側へ向かう応力が生じた場合であっても、表示パネル又は視差バリアがスペーサ部材と当接して表示パネル又は視差バリアがそれ以上撓むことが防止ないし抑制されるので、表示パネル又は視差バリアが割れて破損することを防止ないし抑制することができる。即ち、表示パネルと視差バリアとの間が貼り合わされてなる表示装置において、衝撃等の応力によって表示パネル又は視差バリアが割れることを防止ないし抑制することができる。
前記スペーサ部材が、前記表示パネルの前記表示周辺領域における前記隙間側に露出する面に貼り付けられていてもよい。
この構成によると、スペーサ部材が位置ずれすることを防止ないし抑制することができる。
前記スペーサ部材が、前記視差バリアの前記分離周辺領域における前記隙間側に露出する面に貼り付けられていてもよい。
この構成によると、スペーサ部材が位置ずれすることを防止ないし抑制することができる。
前記スペーサ部材が、両面テープによって前記表示パネル又は前記視差バリアの前記隙間側に露出する面に貼り付けられていてもよい。
両面テープは容易にその厚みを調節することができる。このため、上記の構成では、表示パネルの表示周辺領域と視差バリアの分離周辺領域との間の距離をスペーサ部材及び両面テープによって効果的に規制することができる。
前記スペーサ部材が複数の材料によりなっており、該材料の少なくとも1つが弾性体によりなってもよい。
この構成によると、一方側に内側(隙間側)向きの応力が生じた場合に当該応力が弾性体によって吸収されるので、当該一方側の部材に過度な負荷が加わるのを防止ないし抑制することができる。
前記スペーサ部材は、前記表示パネルの前記表示周辺領域と前記視差バリアの前記分離周辺領域とのいずれかと所定の距離を設けて対向する対向面と、該対向面に設けられた複数の凸部と、を有してもよい。
この構成によると、スペーサ部材に加わる応力を複数の凸部によって分散させることができる。
前記凸部が球面状とされていてもよい。
この構成によると、スペーサ部材に加わる応力を複数の凸部によって効果的に分散させることができる。
前記表示パネルは、間に液晶層を介して積層されたアレイ基板と、カラーフィルタ基板と、を有し、前記視差バリアは、積層された第1基板と、第2基板と、を有し、前記隙間は、前記アレイ基板の前記表示周辺領域と前記第1基板の前記分離周辺領域に設けられ、前記スペーサ部材の厚みが、前記アレイ基板の前記表示領域と前記第1基板の前記分離領域との間の距離以下とされていてもよい。
アレイ基板の表示周辺領域と第1基板の分離周辺領域との間にスペーサ部材が配されている場合、スペーサ部材の厚みがアレイ基板の表示領域と第1基板の分離領域との間の距離よりも大きいものとされていると、スペーサ部材がアレイ基板の表示周辺領域と第1基板の分離周辺領域とにそれぞれ当接して両者を押し上げ、両者に対して隙間側とは反対側(外側)へ向かう応力が生じることとなる。この場合、アレイ基板の表示周辺領域と第1基板の分離周辺領域とがそれぞれ外側へ撓むので、衝撃等によって両者のいずれか又は両方が破損する虞がある。上記の構成によると、アレイ基板の表示周辺領域と第1基板の分離周辺領域とに対してこのような外側に向かう応力が生じることがないため、スペーサ部材によってアレイ基板や第1基板が破損することを防止ないし抑制することができる。
表示面側から順に前記第2基板と前記第1基板と前記カラーフィルタ基板と前記アレイ基板とが積層されており、前記カラーフィルタ基板の前記表示領域と前記第1基板の前記分離領域とが前記貼り合わされていてもよい。
この構成によると、表示面側から順に視差バリアと表示パネルが積層された表示装置を実現することができる。
前記アレイ基板の前記表示周辺領域に第1指標部が設けられ、前記第1基板の前記分離周辺領域に第2指標部が設けられ、前記カラーフィルタ基板と前記第2基板とは、平面視において、前記第1指標部と前記第2指標部とが重畳するような位置関係で貼り合わされ、前記スペーサ部材は、平面視において、前記第1指標部及び前記第2指標部と重畳しない位置関係で配されていてもよい。
この構成によると、表示パネルと視差バリアとの位置決めに必要な第1指標部及び第2指標部を覆うことなくスペーサ部材を配することができるので、表示パネルと視差バリアとが第1指標部及び第2指標部によって所定の位置で位置決めされ、貼り合わされた構成を実現することができる。
前記表示パネルの前記表示周辺領域の外端部に第1フレキシブル基板が接続され、前記視差バリアの前記分離周辺領域の外端部に第2フレキシブル基板が接続され、前記スペーサ部材は、平面視において、その一部が前記第1フレキシブル基板と重畳するような位置関係で配されていてもよい。
この構成によると、表示パネルと視差バリアにそれぞれ第1フレキシブル基板と第2フレキシブル基板とが接続された構成を実現できると共に、隙間にスペーサ部材を配する際に第1フレキシブル基板が邪魔にならないものとすることができる。
前記スペーサ部材は、平面視において前記第1フレキシブル基板と重畳する前記一部の厚みが、重畳しない部位の厚みよりも小さいものとされていてもよい。
この構成によると、第1フレキシブル基板と重畳するスペーサ部材の一部の厚みが他の部位の厚みに対して厚くなり過ぎないようにすることができる。これにより、上記一部においてスペーサ部材の厚みによって、アレイ基板と第1基板とに対して隙間側とは反対側(外側)へ向かう応力が生じることを防止ないし抑制することができる。
前記アレイ基板の前記隙間側に露出する面にICチップが設けられ、前記スペーサ部材は、平面視において、前記ICチップと重畳しない位置関係で配されていてもよい。
この構成によると、表示パネルにICチップが設けられた構成を実現できると共に、隙間にスペーサ部材を配する際にICチップが邪魔にならないものとすることができる。
(発明の効果)
本明細書で開示される技術によれば、表示パネルと視差バリアとの間が貼り合わされてなる表示装置において、衝撃等の応力によって基板が割れることを防止ないし抑制することができる。
<実施形態1>
図面を参照して実施形態1を説明する。本実施形態では、液晶表示装置(表示装置の一例)10について例示する。なお、各図面の一部にはX軸、Y軸及びZ軸を示しており、各軸方向が各図面で示した方向となるように描かれている。また、図2及び図3に示す上側を表側とし、同図下側を裏側とする。
液晶表示装置10は、図1及び図2に示すように、全体として平面に視て長方形状をなすと共にポートレイト(縦置き)又はランドスケープ(横置き)のいずれかの姿勢で使用されるものであり、画像を表示する液晶パネル(表示パネルの一例)11と、液晶パネル11の表示面に表示される画像を立体画像(3D画像、三次元画像)として観察者に観察させることが可能な視差バリア12と、液晶パネル11及び視差バリア12に向けて光を照射する外部光源であるバックライト装置(照明装置の一例)13とを備えている。
視差バリア12は、液晶パネル11の表側(表示面側、光出射側)に積層する形で配されると共に接着剤層GLを介して一体化されている。さらに液晶表示装置10は、一体化された液晶パネル11及び視差バリア12を保持するベゼル14と、ベゼル14が取り付けられると共に液晶パネル11及びバックライト装置13を収容する筐体15とを備えている。本実施形態に係る液晶表示装置10は、携帯型情報端末(電子ブックやPDF等を含む)、携帯電話(スマートフォン等を含む)、ノートパソコン、デジタルフォトフレーム、携帯型ゲーム機等の各種電子機器(図示せず)に用いられるものである。このため、液晶表示装置10を構成する液晶パネル11の画面サイズは、例えば3.4インチ等、数インチ~10数インチ程度とされ、一般的には小型または中小型に分類される大きさいとされている。
まず、バックライト装置13について簡単に説明する。バックライト装置13は、いわゆるエッジライト型(サイドライト型)とされており、光源と、表側(液晶パネル11側、光出射側)に開口すると共に光源を収容する略箱型のシャーシと、光源が端部に対向状に配されると共に光源からの光を導光してシャーシの開口部に向けて出射させる導光部材と、シャーシの開口部を覆うようにして配される光学部材とを備える。光源から発せられた光は、導光部材の端部に入射してから導光部材内を伝播してシャーシの開口部へ向けて出射された後、光学部材によって面内の輝度分布が均一な面状の光に変換されてから、液晶パネル11に照射されるようになっている。そして、液晶パネル11が有するTFT16の駆動によって液晶パネル11に対する光の透過率が表示面の面内において選択的に制御されることで、表示面に所定の画像を表示させることができる。なお、光源、シャーシ、導光部材及び光学部材については、詳しい図示を省略するものとする。
続いて液晶パネル11について説明する。液晶パネル11は、図3及び図4に示すように、長方形状をなす一対の透明な(透光性を有する)ガラス製の基板11a,11bと、両基板11a,11b間に介在し、電界印加に伴って光学特性が変化する物質である液晶分子を含む液晶層(図示せず)とを備え、両基板11a,11bが液晶層の厚さ分のギャップを維持した状態で図示しないシール剤によって貼り合わせられている。この液晶パネル11は、図4に示すように、画像が表示される表示領域AA(図4において一点鎖線にて囲った部分)と、略枠状をなして表示領域AAの周辺に位置すると共に画像が表示されない表示周辺領域ASAとを有している。なお、両基板11a,11bの外面側には、図3に示すように、それぞれ偏光板11cと11dとが貼り合わされており、両基板11a,11bの大きさ(面積)は、表示領域AAとほぼ同じ程度とされる。表裏一体の偏光板11c、11dのうち、表側(視差バリア12側)の偏光板11dの表側を向いた外面、つまり視差バリア12との対向面には、既述した固着層GLがほぼ全域に亘って設けられている。
両基板11a,11bのうち表側(正面側)がCF基板11bとされ、裏側(背面側)がアレイ基板11aとされる。アレイ基板11bにおける内面側(液晶層側、CF基板11aとの対向面側)には、図5に示すように、スイッチング素子であるTFT(Thin Film Transistor)16及び画素電極17が多数個並んで設けられると共に、これらTFT16及び画素電極17の周りには、格子状をなすゲート配線18及びソース配線19が取り囲むように配設されている。ゲート配線18及びソース配線19は、共に導電性を有する遮光性材料(遮光性を有する金属材料)である銅からなる。ゲート配線18とソース配線19とがそれぞれTFT16のゲート電極とソース電極とに接続され、画素電極17がTFT16のドレイン電極に接続されている。
アレイ基板11aにおける長辺方向の一端部には、ゲート配線18とソース配線19とから引き回された端子部(図示せず)が形成されており、この端子部には、図4に示すように、パネル用フレキシブル基板21aの一端側が接続されている。パネル用フレキシブル基板21aは、端子部に対して図示しない異方性導電膜(ACF:Anisotropic Conductive Film)を介して圧着接続されている。このパネル用フレキシブル基板12は、その他端側が図示しないコントロール基板に接続されることで、コントロール基板から供給される画像信号を液晶パネル11の各配線18,19に伝送することが可能とされている。また、アレイ基板11aにおけるパネル用フレキシブル基板21aが接続された一端部には、液晶を駆動制御するためのICチップ34がさらに設けられている。ICチップ34は、アレイ基板11aに対してCOG(Chip On Glass)方式で実装されている。なお、これら端子部、パネル用フレキシブル基板21a及びICチップ34は、共に既述した表示周辺領域ASAに配されている。また、画素電極17は、ITO(Indium tin Oxide:酸化インジウム錫)あるいはZnO(Zinc Oxide:酸化亜鉛)といった透明電極からなる。
一方、CF基板11bにおける内面側(液晶層側、アレイ基板11aとの対向面側)には、図6に示すように、アレイ基板11a側の各画素電極17と平面に視て重畳する位置に多数個のカラーフィルタが並んで設けられている。カラーフィルタは、R(赤色),G(緑色),B(青色)を呈する各着色部22がX軸方向に沿って交互に並ぶ配置とされる。着色部22は、平面に視て長方形状をなすと共に、その長辺方向及び短辺方向が基板11a,11bにおける長辺方向及び短辺方向と一致しており、CF基板11a上においてX軸方向及びY軸方向について多数個ずつマトリクス状に並列配置されている。カラーフィルタを構成する各着色部22間には、混色を防ぐための格子状をなす遮光部(ブラックマトリクス)23が形成されている。遮光部23は、アレイ基板11a側のゲート配線18及びソース配線19に対して平面視重畳する配置とされる。当該液晶パネル11においては、R,G,Bの3色の着色部22及びそれに対応する3つの画素電極17の組によって表示単位である1つの画素PXが構成されており、この画素PXは、両基板11a,11bの主板面、つまり表示面(X軸方向及びY軸方向)に沿って多数ずつマトリクス状に並列配置されている。各着色部22及び遮光部23の表面には、アレイ基板11a側の画素電極17と対向する対向電極(図示せず)が設けられている。このCF基板11bは、図4に示すように、アレイ基板11aよりも長辺寸法が小さなものとされると共に、アレイ基板11aに対して長辺方向の両端部のうち端子部及びパネル用フレキシブル基板21a側とは反対側の端部を揃えた状態で貼り合わせられている。また、両基板11a,11bの内面側には、液晶層に含まれる液晶分子を配向させるための配向膜(図示せず)がそれぞれ形成されている。
続いて視差バリア12について説明する。視差バリアは、図3及び図7に示すように、長方形状をなす一対の透明な(透光性を有する)ガラス製の基板12a,12bと、両基板12a,12b間に介在し、電界印加に伴って光学特性が変化する物質である液晶分子を含む液晶層(図示せず)とを備え、両基板12a,12bが液晶層の厚さ分のギャップを維持した状態で図示しないシール剤によって貼り合わされており、いわゆる液晶パネルとされる。視差バリア12は、液晶パネル11とほぼ同じ画面サイズを有すると共に液晶パネル11に並行する姿勢で固着層GLによって貼り合わされている。そして、視差バリア12は、液晶パネル11の表示領域AAと重畳すると共に液晶パネル11に表示される画像を視差により分離可能な分離領域SA(図8において一点鎖線にて囲った部分)と、略枠状をなして分離領域SAの周辺に位置する分離周辺領域SSAとを有している。
表裏一対の基板12a,12bのうち、裏側(液晶パネル11側)の第1基板12aの裏側を向いた外面、つまり液晶パネル11との対向面には、既述した固着層GLが分離領域SAとほぼ同じ範囲に亘って設けられており、ここが固着層GLの形成面とされる。なお、表側に配された第2基板12bの外面側には、偏光板12cが貼り付けられている。そして、この視差バリア12は、液晶層に印加する電圧に応じて液晶分子の配光状態ならびに光透過率を制御することで、バリア部(図示せず)を形成することが可能とされ、それにより液晶パネル11の画素に表示された画像を視差により分離して観察者に立体画像として観察させることができるものとされる。つまり、当該視差バリア12は、液晶層の光透過率をアクティブに制御することによって液晶パネル11の表示面に平面画像(2D画像、二次元画像)と立体画像(3D画像、三次元画像)とを切り替えて表示させることが可能なスイッチング液晶パネルであるといえる。
視差バリア12を構成する裏側の第1基板12aにおける内面側(液晶層側、第2基板12bとの対向面側)には、図9に示すように、導電性を有する透光性材料(ほぼ透明な金属材料)であるITOからなる透明電極部24が複数並列して設けられている。透明電極部24は、第1基板12aの長辺方向(Y軸方向)に沿って延在するほぼ一定幅のストライプ状(帯状)をなすと共に、第1基板12aの短辺方向(X軸方向)について多数本が所定の間隔を空けて並列して配されている。透明電極部24は、2つにグループ化されており、次述する第1電極E1を構成するものと、第2電極E2を構成するものとが交互に並ぶものとされる。具体的には、X軸方向に沿って並列する多数本の透明電極部24のうち、例えば奇数番目のものにおける一端側を相互に接続することで、櫛歯状をなす第1電極E1が構成されるのに対し、偶数番目のものにおける他端側を相互に接続することで、第1電極E1と噛み合うような形で櫛歯状をなす第2電極E2が構成される。
第1基板12aにおける長辺方向の一端部には、第1電極E1及び第2電極E2(透明電極部24)から引き回された端子部(図示せず)が形成されており、この端子部には、バリア用フレキシブル基板21bの一端側が接続されている。バリア用フレキシブル基板21bは、端子部に対して図示しない異方性導電膜を介して圧着接続されている。このバリア用フレキシブル基板21bは、その他端側が図示しないコントロール基板に接続されることで、コントロール基板から供給されるバリア駆動信号を第1電極E1及び第2電極E2に伝送することが可能とされている。なお、これら端子部及びバリア用フレキシブル基板21bは、図8に示すように、視差バリア12における分離周辺領域SSAに配されている。
これに対して、視差バリア12を構成する表側の第2基板12bにおける内面側(液晶層側、第1基板12aとの対向面側)には、図10に示すように、第1基板12a側と同様にITOからなる透明電極部27が複数並列して設けられている。透明電極部27は、第2基板12bの短辺方向(X軸方向)に沿って延在するほぼ一定幅のストライプ状(帯状)をなすと共に、第2基板12bの長辺方向(Y軸方向)について多数本が所定の間隔を空けて並列して配されている。つまり、第2基板12bが有する透明電極部27は、その延在方向及び並列方向が、第1基板12aが有する透明電極部24の延在方向及び並列方向(図9参照)とそれぞれ直交するものとされる。
第2基板12bが有する透明電極部27は、2つにグループ化されており、次述する第3電極E3を構成するものと、第4電極E4を構成するものとが交互に並ぶものとされる。具体的には、Y軸方向に沿って並列する多数本の透明電極部27のうち、例えば奇数番目のものにおける一端側を相互に接続することで、櫛歯状をなす第3電極E3が構成されるのに対し、偶数番目のものにおける他端側を相互に接続することで、第3電極E3と噛み合うような形で櫛歯状をなす第4電極E4が構成される。この第2基板12bに設けられた第3電極E3及び第4電極E4(透明電極部27)は、液晶層を貫くと共に両基板12a,12b間を繋ぐ形で配される導電柱部(図示せず)によって第1基板12a側の端子部に対して電気的に接続されると共にそこからバリア駆動信号の供給が可能とされている。また、この第2基板12bは、図8に示すように、第1基板12aよりも長辺寸法が小さなものとされると共に、第1基板12aに対して長辺方向の両端部のうち端子部及びバリア用フレキシブル基板21b側とは反対側の端部を揃えた状態で貼り合わされている。
ところで、上記の構成を有する液晶パネル11と視差バリア12とを固着層GLを用いて貼り合わせる際には、液晶パネル11と視差バリア12とを表示面に沿う方向(X軸方向及びY軸方向)について正確に位置合わせすることが求められる。もし、液晶パネル11と視差バリア12とがX軸方向又はY軸方向について位置ずれしたまま貼り合わせられると、いわゆるクロストーク(二重映り)の問題が顕在化し、表示品位を著しく損なうおそれがあるからである。
そこで、本実施形態に係る液晶パネル11及び視差バリア12には、図4、図8、及び図9に示すように、液晶パネル11と視差バリア12とを表示面に沿う方向について位置合わせするための指標となる第1指標部32a及び第2指標部32bがそれぞれ設けられている。このうち、第1指標部32aは、図4に示すように、液晶パネル11を構成するアレイ基板11aの表示周辺領域ASAに配されると共に、スペーサ部材30を挟み込む形で一対設けられており、平面視においてそれぞれ略円環状とされている。一対の第1指標部32aは、X軸方向について対称となる配置とされている。第1指標部32aは、導電性を有する遮光性材料である銅、つまりアレイ基板11aに設けられたゲート配線18及びソース配線19と同じ材料からなるものとされる。これにより、液晶パネル11の製造工程のうち、アレイ基板11aにゲート配線18又はソース配線19をパターニングする工程において、ゲート配線18又はソース配線19と同時に第1指標部32aをパターニングすることが可能となり、もって製造コストの低減に資するものとされる。
一方、第2指標部32bは、図8及び図9に示すように、視差バリア12を構成する第1基板12aの分離周辺領域SSAに配されると共に、バリア用フレキシブル基板の接続部を挟み込む形で一対設けられており、平面視においてそれぞれ正方形状とされている。一対の第2指標部32bは、X軸方向について対称となる配置とされている。第2指標部32bは、導電電極部24をパターニングする工程において、透明電極部24と同時に第2指標部32bをパターニングすることが可能となり、もって製造コストの低減に資するものとされる。
続いて本実施形態の要部である、液晶パネル11と視差バリア12との間に配されたスペーサ部材30の構成について説明する。図3に示すように、液晶パネル11と視差バリア12との間には、隙間Cが設けられている。詳しくは、隙間Cは、液晶パネル11のアレイ基板11aにおける表示周辺領域ASAと、視差バリア12の第1基板12aにおける分離周辺領域SSAとの間に設けられている。従って、隙間Cの幅は、図示しないアレイ基板11aとCF基板11bとの間の液晶層の厚みと、CF基板11bの厚みと、CF基板11bの表側に貼り付けられた偏光板11dの厚みと、固着層GLの厚みと、の和と等しいものとなっている。
ここで、既述した隙間Cになにも配されていなければ、衝撃等によって視差バリア12の第1基板12aにおける分離周辺領域SSAの表側の面に対して隙間C側に向かう応力が生じたときに、第1基板12aにおける分離周辺領域SSAの板面が隙間C側に大きく撓んで第1基板12aが破損する虞がある。また、衝撃等によって液晶パネル11のアレイ基板11aにおける表示周辺領域ASAの裏側の面に対して隙間C側に向かう応力が生じたときに、アレイ基板11aにおける分離周辺領域SSAの板面が隙間C側に大きく撓んでアレイ基板11aが破損する虞がある。
そこで、本実施形態に係る液晶表示装置10では、隙間Cに、液晶パネル11の表示周辺領域ASAと視差バリア12の分離周辺領域SSAとの間の距離を規制するスペーサ部材30が配されている。スペーサ部材30は、全体として均一な厚みの略直方体状をなしており、その表側の面は、視差バリア12の第1基板12aと平行とされると共に第1基板12aの分離周辺領域SSAにおける隙間C側に露出する面12a1と当接しており、その裏側の面は、液晶パネル11のアレイ基板11aと平行とされると共にアレイ基板11aの表示周辺領域ASAにおける隙間C側に露出する面11a1と当接している。なお、スペーサ部材30を構成する材料は限定されない。このようなスペーサ部材30が隙間Cに配されていることで第1基板12aとアレイ基板11aとの間の距離がスペーサ部材30によって規制されるので、両基板12a、11aに対して隙間C側に向かう応力が生じた場合であっても、両基板11a、12aが大きく撓むことが防止ないし抑制される構成となっている。この結果、本実施形態に係る液晶表示装置10では、第1基板12a(視差バリア12)やアレイ基板11a(液晶パネル11)が破損することが防止されている。
また、スペーサ部材30は、平面視において、ICチップ34と重畳しない位置に設けられている。具体的には、スペーサ部材30は、図4に示すように、平面視において、ICチップ34が設けられた箇所を避けながらアレイ基板11aの短辺方向(X軸方向)に矩形状に延びる形状とされている。
一方、アレイ基板11aの一端側に接続されたパネル用フレキシブル基板21aは、スペーサ部材30の一部と平面視において重畳するように配されている。具体的には、パネル用フレキシブル基板21aは、アレイ基板11aとの接続箇所においてスペーサ部材30の一部と重畳しており、アレイ基板11aの表側にスペーサ部材30が載置された構成となっている。即ち、図5の断面図に示すように、スペーサ部材30のうちパネル用フレキシブル基板21aと重畳する部位の厚みは、他の部位の厚みよりもパネル用フレキシブル基板21aの厚みの分だけ小さいものとなっている。
以上のように本実施形態に係る液晶表示装置10では、液晶パネル11の表示周辺領域ASA又は視差バリア12の分離周辺領域SSAに対して両者の間の隙間C側へ向かう応力が生じた場合であっても、液晶パネル11又は視差バリア12がスペーサ部材30と当接して液晶パネル11又は視差バリア12がそれ以上撓むことが防止ないし抑制されるので、液晶パネル11又は視差バリア12が割れて破損することを防止ないし抑制することができる。即ち、液晶パネル11と視差バリア12との間が貼り合わされてなる液晶表示装置10において、衝撃等の応力によって表示パネル11又は視差バリア12が割れることを防止ないし抑制することができる。
ここで、視差バリア12と液晶パネル11との間の隙間Cを樹脂等で補間することによって視差バリア12又は液晶パネル11の破損を防止する構成も創作し得るが、この場合、樹脂の硬化条件等の複雑な条件設定が必要となる。これに対し、本実施形態に係る液晶表示装置10では、隙間Cにスペーサ部材を配することで視差バリア12又は液晶パネル11の破損を防止することができるので、上記のような複雑な条件設定は不要となる。
また、本実施形態に係る液晶表示装置10では、表示面側から順に第2基板12bと第1基板12aとカラーフィルタ基板11bとアレイ基板11aとが積層されており、カラーフィルタ基板11bの表示領域AAと第1基板12aの分離領域SAとが貼り合わされている。このため、表示面側から順に視差バリア12と液晶パネル11が積層された液晶表示装置10が実現されている。
また、本実施形態に係る液晶表示装置10では、アレイ基板11aの表示周辺領域ASAに第1指標部32aが設けられている。また、第1基板12aの分離周辺領域SSAに第2指標部32bが設けられている。そして、カラーフィルタ基板11bと第2基板12bとは、平面視において、第1指標部32aと第2指標部32bとが重畳するような位置関係で貼り合わされている。さらに、スペーサ部材30は、平面視において、第1指標部32a及び第2指標部32bと重畳しない位置関係で配されている。このため、表示パネル11と視差バリア12との位置決めに必要な第1指標部32a及び第2指標部32bを覆うことなくスペーサ部材30を配することができ、表示パネル11と視差バリア12とが第1指標部32a及び第2指標部32bによって所定の位置で位置決めされ、貼り合わされた構成を実現することができる。
また、本実施形態に係る液晶表示装置10では、液晶パネル11の表示周辺領域ASAの外端部にパネル用フレキシブル基板21aが接続され、視差バリア12の分離周辺領域SSAの外端部にバリア用フレキシブル基板21bが接続されている。そして、スペーサ部材30は、平面視において、その一部がパネル用フレキシブル基板21aと重畳するような位置関係で配されている。このため、液晶パネル11と視差バリア12にそれぞれパネル用フレキシブル基板21aとバリア用フレキシブル基板21bとが接続された構成を実現できると共に、隙間Cにスペーサ部材30を配する際にパネル用フレキシブル基板21aが邪魔にならないものとすることができる。
また、本実施形態に係る液晶表示装置10では、スペーサ部材30は、平面視においてパネル用フレキシブル基板21aと重畳する一部の厚みが、重畳しない部位の厚みよりも小さいものとされている。このため、パネル用フレキシブル基板21aと重畳するスペーサ部材30の一部の厚みが他の部位の厚みに対して厚くなり過ぎないようにすることができる。これにより、上記一部においてスペーサ部材30の厚みによって、アレイ基板11aと第1基板12aとに対して隙間C側とは反対側(外側)へ向かう応力が生じることを防止ないし抑制することができる。
また、本実施形態に係る液晶表示装置10では、アレイ基板11aの隙間C側に露出する面11a1にICチップ34が設けられ、スペーサ部材30は、平面視において、ICチップ34と重畳しない位置関係で配されている。このため、液晶パネル11にICチップ34が設けられた構成を実現できると共に、隙間Cにスペーサ部材30を配する際にICチップ34が邪魔にならないものとすることができる。
<実施形態2>
図面を参照して実施形態2を説明する。実施形態2は、スペーサ部材130の厚みが実施形態1のものと異なっている。その他の構成については実施形態1のものと同様であるため、構造、作用、及び効果の説明は省略する。なお、図11において、図3の参照符号に数字100を加えた部位は、実施形態1で説明した部位と同一である。
実施形態2に係る液晶表示装置110は、図11に示すように、スペーサ部材130の厚みW3が、アレイ基板111aの表示領域AAと第1基板112aの分離領域SAとの間の距離W4以下とされている。即ち、スペーサ部材130の表側の面130aと、第1基板112aの分離周辺領域SSAにおける隙間C側に露出する面112a1との間が離間した状態とされている。ここで、仮に、スペーサ部材130の厚みW3がアレイ基板111aの表示領域AAと第1基板112aの分離領域SAとの間の距離W4よりも大きいものとされていると、スペーサ部材130がアレイ基板111aの表示周辺領域ASAと第1基板112aの分離周辺領域SSAとにそれぞれ当接して両者を外側(第1基板112aにおいては表側、アレイ基板111aにおいては裏側)へ押圧し、両者に対して隙間C側とは反対側(外側)へ向かう応力が生じることとなる。この場合、アレイ基板111aの表示周辺領域ASAと第1基板112aの分離周辺領域SSAとがそれぞれ外側へ撓むので、衝撃等によって両者のいずれか又は両方が破損する虞がある。実施形態2の構成によると、アレイ基板111aの表示周辺領域ASAと第1基板112aの分離周辺領域SSAとに対してこのような外側に向かう応力が生じることがないため、スペーサ部材130によってアレイ基板111aや第1基板112aが破損することを防止ないし抑制することができる。
<実施形態3>
図面を参照して実施形態3を説明する。実施形態3は、スペーサ部材230の配置態様が実施形態1のものと異なっている。その他の構成については実施形態1のものと同様であるため、構造、作用、及び効果の説明は省略する。なお、図12において、図3の参照符号に数字200を加えた部位は、実施形態1で説明した部位と同一である。
実施形態3に係る液晶表示装置210では、図12に示すように、スペーサ部材230が、アレイ基板211aの表示周辺領域ASAにおける隙間C側に露出する面に対して、両面テープ236によって貼り付けられている。このため、スペーサ部材230がアレイ基板211aや第1基板212aに対して位置ずれすることを防止ないし抑制することができる。また、両面テープ236は貼り付け時の巻回数を増減することで容易にその厚みを調節することができるので、液晶パネル211の表示周辺領域ASAと視差バリア212の分離周辺領域SSAとの間の距離をスペーサ部材230及び両面テープ236によって効果的に規制することができる。
<実施形態4>
図面を参照して実施形態4を説明する。実施形態4は、スペーサ部材330の構成材料が実施形態1のものと異なっている。その他の構成については実施形態1のものと同様であるため、構造、作用、及び効果の説明は省略する。なお、図13において、図3の参照符号に数字300を加えた部位は、実施形態1で説明した部位と同一である。
実施形態4に係る液晶表示装置310では、図13に示すように、スペーサ部材330が二種類の材料330s,330tで構成されている。二種類の材料330s,330tは、スペーサ部材330の表側と裏側とで分かれており、表側(第1基板312a側)の材料330tはゴム性とされ、裏側(アレイ基板311a側)の材料330sはプラスチック性とされている。従って、表側の材料330tは裏側の材料330sよりも柔らかいものとされている。実施形態4では、スペーサ部材330がこのような2つの材料330s,330tで形成されていることで、第1基板312a側に内側(隙間C側)向きの応力が生じた場合にその応力がゴム性の材料330tによって吸収されるので、第1基板312aやアレイ基板311aに過度な負荷が加わるのを防止ないし抑制することができる。
<実施形態5>
図面を参照して実施形態5を説明する。実施形態5は、スペーサ部材430の表面の構成が実施形態1のものと異なっている。その他の構成については実施形態1のものと同様であるため、構造、作用、及び効果の説明は省略する。なお、図14において、図3の参照符号に数字400を加えた部位は、実施形態1で説明した部位と同一である。
実施形態5に係る液晶表示装置410では、図14に示すように、スペーサ部材430の表側の面430aと第1基板412aの隙間C側に露出する面412a1との間が離間していると共に、スペーサ部材430の表側の面430aに球面状の複数の凸部430bが設けられている。そして、各凸部430bの先端が第1基板412aの隙間C側に露出する面412a1と当接している構成となっている。このような構成とされていることで、スペーサ部材430の表側の面430aと第1基板412aの隙間C側に露出する面412a1とが面で当接する場合よりもスペーサ部材430と第1基板412aの隙間C側に露出する面412a1と間の接触面積が小さいものとなる。これにより、第1基板412a側に内側(隙間C側)向きの応力が生じた場合にその応力が複数の凸部430bによって分散され、第1基板412aやアレイ基板411aに過度な負荷が加わるのを防止ないし抑制することができると共に、両基板412a、411aが破損することを防止することができる。
<実施形態6>
図面を参照して実施形態6を説明する。実施形態6は、スペーサ部材530の配置態様及び表面の構成が実施形態1のものと異なっている。その他の構成については実施形態1のものと同様であるため、構造、作用、及び効果の説明は省略する。なお、図15において、図3の参照符号に数字500を加えた部位は、実施形態1で説明した部位と同一である。
実施形態6に係る液晶表示装置510では、スペーサ部材530が、第1基板512aの分離周辺領域SSAにおける隙間C側に露出する面512a1に対して、両面テープ536によって貼り付けられており、スペーサ部材530の裏側の面530Cとアレイ基板511aの隙間C側に露出する面511a1との間が離間している。また、アレイ基板511a上に設けられたICチップ534と平面視において重畳するスペーサ部材530の部位には、アレイ基板511a側に向かって開口する凹部530dが設けられている。そして、この凹部530dにICチップ534が収容された構成となっている。このため、実施形態6に係る液晶表示装置510では、スペーサ部材530がアレイ基板511aや第1基板512aに対して位置ずれすることを防止ないし抑制することができる。また、凹部530dにICチップ534が収容されることで、隙間Cにスペーサ部材を配する際にICチップが邪魔にならないものとすることができる。
上記の各実施形態の変形例を以下に列挙する。
(1)上記の各実施形態では、液晶パネルの表側に視差バリアが配された構成を例示したが、視差バリアの表側に液晶パネルが配された構成を採用してもよい。この場合、視差バリアの表側にスペーサ部材が配された構成としてもよい。
(2)上記の各実施形態では、アレイ基板と第1基板との間に設けられた隙間Cに1つのスペーサ部材が配されている構成を例示したが、隙間Cに複数のスペーサ部材が配された構成としてもよい。
(3)上記した各実施形態以外にも、スペーサ部材の形状、構成等については適宜に変更可能である。
以上、本発明の各実施形態について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。