明 細 書 半導体装置の製造方法および基板処理装置 技術分野
本発明は、 半導体装置の製造方法に関し、例えば、 半導体集積回路装置 (以下
、 I Cという。 ) の製造方法において、 I Cが作り込まれる半導体ウェハ (以下
、 ウェハという。 ) に酸化膜を形成する酸化膜形成工程や、 エッチング工程や、 基板表面洗浄工程や、 C V Dによる薄膜形成工程や、処理室内のクリーニングェ 程に利用して有効な技術に関する。 背景技術
従来の I Cの製造工程における熱酸化による酸化膜形成工程においては、酸化 膜は酸素が使用された高温の熱処理によりウェハに形成されている (例えば、 特 開平 7— 1 7 6 4 9 8号公報参照) 。 ところが、 I Cの高集積ィ匕に伴って半導体 素子や回路ノ、。ターンの寸法の微細化が進み、 ゥェ 、に対する高温の熱処理がゥェ 八に先に形成された半導体素子の特性や材質を変化させることが懸念されるため に、熱処理温度は低下させることが望まれている。 このような傾向の中で、酸化 膜を形成する際の熱処理温度を低下させることのできる酸化剤として、 オゾン ( 〇3 ) が有望視されている。 例えば、酸素を使用した酸化膜形成工程における熱 処理温度は、 7 0 0〜 1 0 0 0 °Cの高温度になるが、 オゾンを使用した酸化膜形 成工程においては、 熱処理温度を 5 0 0 °C以下とすることが試みられている。 また、従来の I Cの製造工程における酸ィヒ膜形成工程を 5 0 0 °C以下の低温下 で実施する酸化膜形成方法としては、 プラズマを利用して反応種や酸素を活性ィ匕 させ、 ウェハを酸化させる方法がある。
オゾンを使用した酸化膜形成方法においては、低い温度の下では充分な酸化速 度が得られないので、 熱処理温度は 4 0 0 °C程度以上に設定する必要がある。 と ころが、 4 0 0 °C以上の熱処理温度においては、 オゾンが分解されてしまうので 、 オゾンによる酸化効果がなくなってしまうという問題点がある。 つまり、 ォゾ ンの酸化力は熱処理温度の低温化を補うほど強くなく、新たな酸化剤の登場が待 ち望まれている。
また、 ブラズマを利用して反応種や酸素を活性化させてウェハを酸化させる酸 化膜形成方法においては、 プラズマの衝撃によってウェハに先に形成された半導 体素子や回路ノ、°タ一ン等にダメ一ジが加えられてしまう問題点がある。
本発明の目的は、低温下において酸化膜を形成することができる酸化膜形成技 術および半導体装置の製造方法を提供することにある。 発明の開示
本願において開示される発明のうち代表的なものは、 次の通りであ'る。
1 . 被処理物を処理室内に搬入するステップと、 オゾンを少なくとも水素原子を 含む液体中でバブリングすることにより活性な気体を生成するステップと、 前記生成した気体を処理室内に供給して被処理物を処理するステツプと、 処 理後の被処理物を処理室から搬出するステップとを有し、前記被処理物を処 理するステップにおける処理温度を前記水素原子を含む液体の温度よりも大 きくすることを特徴とする半導体装置の製造方法。
2 . 被処理物を処理室内に搬入するステップと、 オゾンを少なくとも水素原子を 含む液体中でバブリングすることにより活性な気体を生成するステップと、 前記生成した気体を処理室内に供給して被処理物を処理するステップと、 処 理後の被処理物を処理室から搬出するステツフ。とを有し、前記被処理物を処 理するステップにおける処理温度を 1 0 0〜5 0 0 °Cとすることを特徴とす る半導体装置の製造方法。
3 . 被処理物を処理室内に搬入するステップと、 オゾンを少なくとも水素原子を 含む液体中でバブリングすることにより活性な気体を生成するステップと、 前記生成した気体を処理室内に供給して被処理物に酸化膜を形成するステツ プと、処理後の被処理物を処理室から搬出するステップと、 を有することを 特徴とする半導体装置の製造方法。
4 . 被処理物を処理室内に搬入する'ステップと、 オゾンを少なくとも水素原子を 含む液体中でバプリ.ングすることにより活性な気体を生成するステップと、 前記生成した気体を処理室内に供給して被処理物に形成された酸化膜をエツ チングするステップと、処理後の被処理物を処理室から搬出するステップと 、 を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
被処理物を処理室内に搬入するステップと、 オゾンを少なくとも水素原子を 含む液体中でバブリングすることにより活性な気体を生成するステップと、 前記生成した気体と原料ガスとを処理室内に供給して熱 C V D法により被処 理物の上に膜を形成するステップと、処理後の被処理物を処理室から搬出す るステップと、 を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
被処理物を処理室内に搬入するステップと、処理室内で被処理物を処理する ステップと、処理後の被処理物を処理室から搬出するステップと、 オゾンを 少なくとも水素原子を含む液体中でバブリングすることにより活性な気体を 生成するステップと、 生成した気体を被処理物を搬出した処理室内に供給し て処理室内の汚染物質を除去するステツプと、 を有することを特徴とする半 前記第 1項において、前記被処理物を処理するステップでは、被処理物に酸 化膜を形成するか、 前記生成した気体と原料ガスとを含んだ雰囲気中で熱 C V Ε»法により被処理物の上に膜を形成することを特徴とする半導体装置の製 造方法。
前記第 1項において、前記被処理物を処理するステップでは、被処理物の表 面上に形成された酸化膜をエッチングするか、被処理物としての半導体また は金属をエッチングするか、被処理物の表面上に形成された自然酸化膜もし くは有機汚染物質もしくは金属汚染物質を除去することを特徴とする半導体 装置の製造方法。
前記第 7項において、前記被処理物を処理するステップにおける処理温度を 1 0 0〜 5 0 0 °Cとすることを特徴とする半導体装置の製造方法。
. 前記第 8項において、 前記被処理物を処理するステップにおける処理温度 を 5 0〜4 0 0 °Cとすることを特徴とする半導体装置の製造方法。
. 前記第 2項において、 前記被処理物を処理するステップでは、被処理物に 酸化膜を形成するか、前記生成した気体と原料ガスとを含んだ雰囲気中で熱 C V D法により被処理物の上に膜を形成することを特徴とする半導体装置の 製造方法。
. 前記第 1項において、前記活性な気体を生成するステップでは、 水酸基 ( 〇 H ) ラジカルを生成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
. 前記第 1項において、前記活性な気体は〇H基を含む気体であることを特 徴とする半導体装置の製造方法。
. 前記第 1項において、 オゾンをバブリングする液体が、 少なくとも水素原 子 (H) と酸素原子 ( 0 ) とを含む液体であることを特徴とする半導体装置 の製造方法。
. 前記第 1項において、 オゾンをパブリングする液体が、水 (H2 0 ) であ ることを特徴とする半導体装置の製造方法。
. 前記第 1項において、 オゾンをパブリングする液体が、 脱イオン水 (純水 ) であることを特徴とする半導体装置の製造方法。 '
. 前記第 1項において、 オゾンをパブリングする液体が過酸化水素水 (H2 〇2 ) であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
. 前記第 1項において、 オゾンをパブリングする液体が、塩化水素 (H C I ) を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
. 前記第 1項において、 オゾンをパブリングする液体が、 少なくとも O H基 を含む液体であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
. 被処理物を処理する処理室と.、処理室内の被処理物を加熱するヒー夕と、 ォゾンを生成するォゾナイザと、 ォゾナイザによつて生成したォゾンを少な くとも水素原子を含む液 #: '中でバブリングさせることによって活性な気体を 生成するバブラと、 バブラにおいて生成した前記活性な気体を前記処理室に 供給する供給管と、被処理物を処理する際の処理温度が前記水素原子を含む 液体の温度よりも大きくなるよう制御する制御手段と、 を有することを特徴 とする基板処理装置。
. 被処理物を処理する処理室と、処理室内の被処理物を加熱するヒータと、 ォゾンを生成するォゾナイザと、 ォゾナイザによつて生成したォゾンを少な くとも水素原子を含む液体中でバブリングさせることによって活性な気体を 生成するバブラと、バブラにおいて生成した前記活性な気体を前記処理室に 供給する供給管と、被処理物を処理する際の処理温度が 1 0 0〜 5 0 0 °Cと なるよう制御する制御手段と、 を有することを特徴とする基板処理装置。 2 2 . 被処理物を処理する処理室と、 処理室内の被処理物を加熱するヒータと、 ォゾンを生成するォゾナイザと、 ォゾナイザによつて生成したォゾンを少な くとも水素原子を含む液体中でバブリングさせることによって活性な気体を 生成するバブラと、 バブラにおいて生成した前記活性な気体を前記処理室に 供給する供給管とを有し、前記処理室内では被処理物に酸化膜を形成するこ とを特徴とする基板処理装置。
2 3 . 被処理物を処理する処理室と、処理室内の被処理物を加熱するヒータと、 オゾンを生成するォゾナイザと.、 ォゾナイザによって生成したオゾンを少な くとも水素原子を含む液体中でバブリングさせることによって活性な気体を 生成するバブラと、 バブラにおいて生成した前記活性な気体を前記処理室に 供給する供給管とを有し、前記処理室内では被処理物に形成された酸化膜を エツチングすることを特徴とする基板処理装置。
2 4 . 被処理物を処理する処理室と、 処理室内の被処理物を加熱するヒ一夕と、 オゾンを生成するォゾナイザと、 ォゾナイザによって生成したオゾンを少な くとも水素原子を含む液体中でバブリングさせることによって活性な気体を 生成するバブラと、 バブラにおいて生成した前記活性な気体を前記処理室に 供給する供給管と、 半導体元素あるいは金属元素の少なくとも一つを含むガ スを供給する供給管とを有し、 前記処理室内では前記生成した気体と半導体 元素あるいは金属元素の少なくとも一つを含むガスとを含んだ雰囲気中で熱 C V D法により被処理物の上に半導体酸化膜あるいは金属酸化膜を形成する ことを特徴とする基板処理装置。
前記の課題である低温下での酸ィ匕膜の形成を可能にするためには、低温下にお いても充分な酸ィヒ力のある酸ィヒ剤が必要である。 そこで、 本発明者らは、 自然界 で最も強力な酸化力を有する酸化剤である O H— (水酸基イオン) または O H * (水酸基ラジカル) に着目し、 この O H *を効率よく生成して酸化剤として使用 することにより、 5 0 0 °C以下の低温において酸ィヒ膜を形成することが可能とな ることを究明した。
ところで、 オゾンを水に溶かすために、 水へのオゾンのバブリングが一般に使 用されている。 しかし、 本発明者らは、 ォゾンを水の中でノ ブリ ングを行うこと により、 OH*が生成される事実およびラジカルィヒした OH*はバブリングによ つて大気中に放出される事実を究明した。 オゾンを水の中でバブリングした際の ォゾンと水の反応式としては、 次の式 ( 1 ) が考えられる。
ト[2 0 + 03 → 20 H * + 1/2 Χ02 · · · ( 1 )
なお、 OH*を生成する他の方法としては、 7_R蒸気とオゾンとを混合させる方 法が考えられる。 しかし、 この方法においては気相中の水分子とオゾンとが衝突 して反応する確率が小さいので、 ΟΗ*を効率的に生成することはできない。 そ こで、 本発明者らは、 オゾンを水の中でパブリングして生成する方法を使用する ことにより、 ΟΗ*をより一層効率的に生成して低温下での酸化膜の形成を達成 するものとした。 図面の簡単な説明
第 1図は、 本発明の原理を説明するための実験装置を示す模式図である。 第 2図は、 その実験結果を示すグラフである。
第 3図は、 本発明の第一の実施の形態である酸ィヒ膜形成装置を示す側面断面図 である。
第 4図は、本発明の第二の実施の形態であるマルチチャンバ装置を示す一部省 略平面断面図である。
第 5図は、 そのクリーニングュニットを示す側面断面図である。
第 6図は、本発明の第三の実施の形態である Μ◦ C V D装置を示す側面断面図 である。 発明を実施するための最良の形態
本発明者らは、 オゾンを水の中でバブリングして生成した ΟΗ*を含む気体の 低温下での酸化力を究明するために、 オゾンを脱イオン水中へバブリングして生 成した気体を使用して被処理物としてのシリコンウェハに酸化膜を形成する実験 を行った。 第 1図は実験に使用された酸化膜形成装置を示している。 第 1図にお いて、 ォゾナイザ 1によつて生成されたオゾン 2はバブラ 3 A内の脱ィォン水中 3においてバブリングされる。 バブリングによって生成された O H *を含む気体 (以下、 酸化剤という。 ) 4は供給管 5により、 石英からなるプロセスチューブ 6によって形成された処理室 7に導入される。 処理室 7は抵抗加熱式のヒ一夕ュ ニッ ト 8によって 2 0 0 °C、 3 0 0 ΐ;、 4 0 0 °C、 5 0 0 °Cに加熱される。 被処 理物としてのシリコンウェハ 9は処理室 8に設置された保持台によつて保持され る。
第 2図は実験によつて得られた酸化膜形成時間と酸化膜の膜厚との関係を示す グラフである。 第 2図において、横軸には酸化膜の形成時間 (シリコンウェハを オゾンを脱イオン水中でパブリングして生成した気体に晒した時間。 ) (分) が 取られ、 縦軸には酸化膜の膜厚 (nm) が取られている。 実線の折れ線 Aはォゾ ンを脱イオン水中へバブリングして生成した気体 (以下、 ゥエツトオゾンという 。 :) を 2 0 0 °Cに加熱された処理室に導入した場合、破線の折れ線 Bはゥエツト オゾンを 3 0 0 °Cに加熱された処理室に導入した場合、 一点鎖線の折れ線 Cはゥ エツトオゾンを 4 0 0 °Cに加熱された処理室に導入した場合、 二点鎖線の折れ線 Dはゥエツトオゾンを 5 0 0 °Cに加熱された処理室に導入した場合をそれぞれ示 している。 口 (四角) で示した点 Eは比較のためにパブリングしないオゾン (以 下、 ドライオゾンという。 ) を 4 0 0 °Cに加熱された処理室に導入した場合、 十
(十字) で示した点 Fは比較のためにドライオゾンを 5 0 0 °Cに加熱された処理 室に導入した場合をそれぞれ示している。
第 2図から明らかな通り、 ゥエツトオゾンによる酸化膜形成方法の場合によれ ば、 2 0 0 ° (:、 3 0 0 °C、 4 0 0 °C . 5 0 0 °Cという低温にもかかわらず、 ドラ ィォゾンによる酸化膜形成方法の場合に比べて六倍〜四倍の酸化膜形成速度.が得 られている。 このことから、 オゾン.を水中でバブリングすることによって活性な 気体を生成するステップと、 生成した気体を使用して被処理物を処理するステツ プとを備えていることを特徴とする半導体装置の製造方法によれば、 ドライォゾ ンによる場合に比べて低い温度下 (少なくとも 2 0 0〜 5 0 0 °C程度の温度下) において被処理物に酸化膜を形成し得ることが、実証されたことになる。 ところで、以上の実験に際して、第 1図の実験装置における石英 (S i〇2 ) からなるプロセスチューブの排気口の近くに白い堆積物が観測された。 この堆積 物を分析したところ、 酸ィ匕シリコン (S i 02 ) の粉末であることが判明した。 この酸化シリコンの粉末は、 プロセスチュ一ブがウエットォゾンによつてェッチ ングされて気相中に運び出され、 それが非加熱部分で冷やされて析出したものと 、 考察される。 この考察から、 オゾンを水中でパブリングすることによって活 '性 な気体を生成するステップと、生成された気体を使用して被処理物を処理するス テップとを備えていることを特徴とする半導体装置の製造方法によれば、 酸ィ匕シ リコンをエッチングし得ることが、 究明されたことになる。
第 3図は、 本発明に係る半導体装置の製造方法における酸ィ匕膜形成工程が実施 されるバッチ式ホットウオール形酸化膜形成装置 (以下、酸化膜形成装置という 。 ) を示している。
まず、第 3図に示された酸化膜形成装置 1 0について説明する。 酸化膜形成装 置 1 0は互いに同心円に配置されて筐体 1 1に垂直に支持された均熱管 1 2と反 応管 (プロセスチューブ) 1 3とを備えている。 外側に配置された均熱管 1 2は 炭化シリコン (S i C ) 等の耐熱性'材料が使用されて、上端が閉塞し下端が開口 した円筒形状に形成されている。 内側に配置された反応管 1 3は石英 ( S i 02 ) 等の耐熱性材料が使用されて、 上端が閉塞し下端が開口した円筒形状に形成さ れており、 円筒の中空部は処理室 1 4を形成している。 反応管 1 3の天井壁には 複数の吹出口 1 5が開設されており、 天井壁の上には拡散部 1 6が吹出口 1 5を 被覆するように突設されている。 拡散部 1 6には連絡管 1 7の上端が接続されて おり、 連絡管 1 7の中間部は反応管 1 3の外周面に沿って配管され、 その下端は 反応管 1 3の下端部において径方向に配管された導入管 1 8に接続されている。 反応管 1 3の下端部には排気管 1 9の一端が接続されており、排気管 1 9の他端 はポンプ等からなる排気装置 (図示せず) に接続されている。
均熱管 1 2の外側にはヒータュニット 0が同心円に配されて配置されており 、 ヒータュニット 2 0は筐体 1 1に垂直に支持されている。 ヒータュニット 2 0 は処理室 1 4を全体にわたって均一または所定の温度分布に加熱するように構成 されている。 均熱管 1 2の内側であって反応管 1 3の外側 (均熱管 1 2と反応管 1 3の間) には処理室 1 4の温度を計測する熱電対 2 1が垂直に敷設されており 、 ヒータュニット I 0は熱電対 2 1の計測結果に基づいてフィードバック制御さ れるように構成されている。
反応管 1 3の下端開口部には、例えば、 石英によって円盤形状に形成されたべ —ス 2 2が配置されており、 ベース 2 2は反応管 1 3の下端面にシールリング 2 3を介して密着することにより処理室 1 4を気密封止するように構成されている 。 ベース 2 2は円盤形状に形成されたシールキャップ 2 4の上に取り付けられて おり、 シールキャップ 2 4には回転機構としての回転軸 2 5が垂直に揷通されて いる。 ベース 2 2の上には断熱キャップ 2 6が垂直に設置されており、 断熱キヤ ップ 2 6の上にはボ一ト 2 7が垂直に設置されている。 回転軸 2 5は断熱キャッ プ 2 6およびポート 2 7を回転させるように構成されている。 ポート 2 7は多数 枚の被処理物としての基板すなわちウェハ 1 9を中心を揃えて水平に配置した状 態で保持するように構成されている。 シールキャップ 2 4はポートエレべ一タ 2 8によって垂直に昇降されるように構成されている。
導入管 1 8には流量制御手段としてのマスフローコントローラ (M F C ) 3 8 を介してォゾンを脱ィォン水 (純水) 中においてバブリングさせて生成された酸 化剤を供給する酸化剤供給装置 3 0が接続されている。 酸化剤供給装置 3 0はォ ゾン 3 2を生成するォゾナイザ 3 1と、 脱イオン水 3 5が貯留されておりォゾナ ィザ 3 1によって生成されたオゾン 3 2を供給するオゾン供給管 3 3の吹出口が 脱イオン水 3 5の中に浸漬されてバブリングされるバブラ 3 4と、 オゾン 3 2が 脱イオン水 3 5の中においてバプリングされて生成された O H * (〇Hラジカル ) を含む酸化剤 3 7をバブラ 3 4から導入管 1 8に供給する供給管 3 6とを備え ている。 バブラ 3 4にはバブラ 3 4内の脱イオン水 3 5を加熱するヒ一夕 3 9が 敷設されており、 ヒータ 3 9によりパブリングの際に脱イオン水 3 5を加熱状態 とすることもできるように構成されている。 バプリングの際の脱イオン水 3 5の 温度は、室温とするのがよいが、室温以上としてもよい。 例えば、沸騰するよう な温度としても構わない。 なお、 パブリングに用いる液体としては、特に、 脱ィ オン水 (純水) が好ましい。 純水が好ましいのは、純水中には不純物が極めて少 なく、 パブリングの際に、 オゾンが水中の不純物に消費されるのを防ぐことがで き、効率的に O Hラジカルを発生させることができるからである。 また、 不純物 が少ないことから、 質の良い酸化膜すなわち電気的特性が良好で安定性の高い膜 を形成することができるというメリットもある。
酸化膜形成装置 1 0は温度コントローラ 3 0 Aを備えている。 温度コント口一 ラ 3 O Aにはヒー夕ュニット 2 0、 熱電対 2 1およびヒータ 3 9が接続されてお り、 温度コントローラ 3 0 Aはウェハを酸化する際の処理温度がバブラ 3 内の 脱イオン水 3 5の温度よりも大きくなるように、 また、 1 0 0〜5 0 0 °Cになる ように、 ヒータュニット 2 0およびヒータ 3 9を制御する。
以下、前記構成に係る酸化膜形成装置による本発明の一実施の形態である I C の製造方法における酸化膜形成工程を説明する。
酸化膜を形成すべきシリコンウェハ (以下、 ウェハという。 ) 1 9は、 ボート 2 7にウェハ移載装置 (図示せず) によって装填 (ウェハチヤ一ジング) される 。 指定された枚数のウェハ 2 9がボート 1 7に装填されると、 ボート 1 7はボ一 トエレべ一夕 2 8によって上昇されて反応管 1 3の処理室 1 4に搬入 (ボート口 —デイング) される。 ボート 2 7が上限に達すると、 シールキャップ 2 4、 ベ一 ス 2 2が、 シールリング 2 3を介して反応管 1 3の下端部と密着し、反応管 1 3 をシール状態に閉塞するため、処理室 1 4は気密に閉じられた状態になる。 気密 に閉じられると、処理室 1 4は所定の圧力に排気管 1 9によって排気され、 ヒー 夕ユニット 2 0によって 1 0 0 ° (:〜 5 0 0 °Cの酸化膜形成方法としては比較的に 低い所定の温度に加熱される。 なお、 このとき、 ヒータユニット 2 0は処理室 1 4内の温度が所定の温度となるように、熱電対 2 1の計測結果に基づいてコント ローラ 3 O Aによりフィードバック制御される。 また、 断熱キャップ 2 6および ボート 2 7が回転軸 2 5によって回転される。
続いて、 オゾンを脱イオン水中においてバブリングさせて生成された O H *を 含む酸化剤 3 7が、 酸化剤供給装置 3 0からマスフローコントローラ 3 8を介し て導入管 1 8および連絡管 1 7を経由して処理室 1 4に供給される。 すなわち、 ォゾナイザ 3 1はオゾン 3 2をオゾン供給管 3 3の吹出口から脱イオン水 3 5の 中へ吹き出してパブリングさせる。 オゾン 3 2が脱イオン水 3 5においてバブリ ングされると、 前述した ( 1 ) 式により、 O H *を含む酸化剤 3 7が生成し、 バ ブラ 3 4内の脱イオン水 3 5の上方空間に放出する。 この際、 脱イオン水 3 5で あると、 ( 1 ) 式の反応が効果的に起こる。 また、 このとき、処理温度がバブリ ングする脱イオン水 3 5の温度よりも高くなるように、 ヒータュニット 2 0およ びヒータ 3 9が温度コントローラ 3 O Aによって制御される。 バブラ 3 4内の脱 イオン水 3 5の上方空間に放出した酸化剤 3 7はバブラ 3 4から供給管 3 6によ つて取り出され、 マスフローコントローラ 3 8を介して導入管 1 8に供給される 。 導入管 1 8に供給された酸化剤 3 7は連絡管 1 7を流れて拡散部 1 6の内部室 に至り、拡散部 1 6の内部室において拡散して吹出口 1 5から処理室 1 4にシャ ヮ一状に吹き出す。 なお、 酸化剤 3 7は、 マスフローコントローラ 3 8により所 定の流量となるように制御された状態で供給される。 .
処理室 1 4に供給された酸化剤 3 7は排気管 1 9の排気力によって処理室 1 4 を流下しながらウェハ 2 9に接触して行くことによって、 ウェハ 2 9に酸化膜を 形成する。 この際、 ボート 2 7が回転していることにより、 酸化剤 3 7はウエノヽ 2 9の面内において均等に接触するので、 ウェハ 2 9に形成される酸化膜の膜厚 分布は面内において均一になる。 なお、 この酸化膜の形成には酸化反応および熱 C V D反応のいずれか一方または両方が寄与していると、 考えられる。 具体的に は、初期の数分間は酸化反応が主体となっており、 残りの時間は C V D (堆積) が主体となっているものと、考えられる。
ここで、酸化剤供給装置 3 0によって供給される酸化剤 3 7は前述した通りに 強力な酸化力を有する 0 H *を含んでいるので、酸化膜生成方法の処理温度とし ては比較的に低温の 5 0 0 °C以下であっても、 ウェハ 2 9に大きな酸化膜形成速 度をもつて酸化膜を形成することができ、酸化膜を短時間で形成することができ る。 なお、処理温度が 5 0 0 °Cよりも高い温度になると、 ウェハ 2 9に既に形成 された半導体素子や回路パターンに悪影響が及ぶので好ましくない。 また、 処理 温度が 1 0 0 °Cよりも低い温度になると、 酸化反応、 C V D反応のいずれも生じ にくくなるために好ましくない。 したがって、処理温度は 1 0 0 °C以上、 5 0 0 °C以下に設定することが望ましい。
そして、 予め設定された処理時間が経過すると、 ボート 1 7がポートエレべ一 タ 2 8によって下降されることにより、処理済みウェハ 2 9を保持したボート 2 7が処理室 1 4から元の待機位置に搬出 (ボートアンローデイング) される。 以降、前述した作用が繰り返されてウェハ 2 9が酸化膜形成装置 1 0によって バッチ処理されて行く。
前記実施の形態によれば、 次の効果が得られる。
1 . オゾンを水中へバブリングさせて O H *を含む酸化剤を生成し、 この酸化剤 を処理室に供給することにより、酸化膜形成方法の処理温度としては比較的に低 温の 5 0 0 °C以下であってもウェハに大きな酸化膜形成速度をもって酸化膜を形 成することができるので、 ウェハに酸化膜を比較的に低温下で短時間に形成する ことができる。
2 . ォゾンを水中にパブリングさせて 0 H *を含む酸化剤を生成することにより 、 水蒸気とォゾンとを混合させることによって O H *を生成する場合に比べて、 〇 H *を効率的に生成することができるので、 0 H *を利用した酸化膜形成方法 の実現を達成することができる。
3 . O H *はオゾンのように 4 0 0 °C以上の高温下でも分解しないことにより、 O H *を含む酸ィ匕剤は充分な酸ィヒ膜形成速度が得られる 4 0 0 °C以上の温度下で も強力な酸化力を発揮することができるので、 ウェハに先に形成された半導体素 子や回路パターンに悪影響が及ばない最も高い温度 (例えば、 5 0 0 °C ) をもつ て、 ウェハに酸化膜を短時間に形成することができる。 なお、 1 0 0 °Cよりも低 い温度で処理を行うように設定すると、酸化反応、 C V D反応が生じにくくなる ために好ましくない。
4 . オゾンを水中へパブリングさせて O H *を含む酸化剤を生成し、 この酸化剤 を処理室に供給して酸化膜を形成することにより、 プラズマを使用せずに済むの で、 ゥェハに先に形成された半導体素子や回路パ夕一ン等にプラズマダメ一ジを 与えるのを未然に回避することができる。
5 . 前記 1〜4により、 酸化膜形成装置のスループットゃ性能および信頼性を向 上させることができる。
6 . オゾンを不純物を殆ど含まない脱イオン水の中へバブリングすることにより 、 バブリングの際にオゾンが水中の不純物に消費されることを抑制することがで きるので、 O H *の生成を効果的に起こさせることができる。 また、不純物が少 ないことから、 質の良レ、膜を形成することができる。
次に、 本発明の第二の実施形態である I Cの製造方法を説明する。 '
I Cの最小加工寸法が 0 . 1 m以下になると、 ゲート工程やコンタクト形成 工程においては、 本処理である成膜処理 (ステップ) の前に前処理ステップとし て、 被処理物としての基板 (ウェハ) の表面上の自然酸化膜や有機物汚染原因物 質および金属汚染原因物質を除去する基板表面クリーニング処理 (ステップ) を 連続的に実施する必要がある。 本実施の形態に係る I Cの製造方法はこの前処理 ステップに特徴を有するものである。 すなわち、 ウェハを口一ドロック室からク リ一ユングュニッ 卜に搬送して前洗浄処理を実施した後に、 C V Dユニットへ大 気中にウェハを出すことなく連続して搬送して本処理である成膜処理を実施する 方法である。
ところで、 コンタクト形成工程の'前洗浄処理を実施する従来のクリーニング装 置としては、 ブラズマ励起させたェッチングガスを流すものや、 エッチングガス を紫外線励起したものがある。 しかし、 コンタクトパターンのアスペクト比が大 きくなつたり形状が複雑になつたりすると、 従来のこの種のクリ一二ング装置に おいては、 エッチングガスがホールの上部で消費されてしまい、 ホールの底まで 届かなかったり、 紫外線がホールの底まで届かない場合がある。 また、 圧力を低 く設定して活性種の平均自由行程 (mean free path) を延ばすことにより、 ァス ぺクト比の高いコンタクトパターンのホールの底まで行き渡らせる工夫が、 考え られる。 しかしながら、 プラズマは圧力が比較的に高い領域でなければ励起しな いために、 採用することができない。 これに対し、 本発明に係るオゾンを水中で バブリングして生成した O H *を含む気体は、 圧力を低く設定して平均自由行程 を延ばしたり、 分圧を上げて使用することにより、 アスペクト比が大きいコンタ クトパターンや形状が複雑なコンタクトパターンであっても底まで行き渡らせる ことができる。
本実施の形態に係る I Cの製造方法は、 第 4図に示されたマルチチャンバ装置 によつて実施されるコンタクト形成工程を備えており、 オゾンを水中へパブリン グさせて生成した 0 H *を含む気体のエツチング特性を利用して基板表面上の自 然酸化膜や有機物汚染原因物質および金属汚染原因物質を除去する前洗浄ステッ プ (クリーニング工程) が実施されるものとして構成されている。
第 4図に示されたマルチチャンバ装置 4 0は、 大気圧未満の圧力 (以下、 負圧 という。 ) に耐える口一ドロツクチャンバ構造に構成された第一のウェハ移載室 (以下、 負圧移載室という。 ) 4 1を備えており、負圧移載室 4 1の筐体 4 2は 平面視が七角形で上下両端が閉塞した箱形状に形成されている。 負圧移載室 4 1 の中央部には、 負圧下でウェハ 2 9を移載するウェハ移載装置 (以下、 負圧移載 装置という。 ) 4 3が設置されており、 負圧移載装置 4 3はスカラ形ロボット ( selective compl iance assembly robot arm。 Sし A RA 【こよって構成されて いる。
負圧移載室筐体 4 2の七枚の側壁のうち正面側に位置する側壁には、 搬入用予 備室 (以下、 搬入室という。 ) 4 4および搬出用予備室 (以下、搬出室という。 ) 4 5がそれぞれ隣接して連結されている。 搬入室 4 4の筐体および搬出室 4 5 の筐体はそれぞれ平面視が略菱形で上下両端が閉塞した箱形状に形成され、 負圧 に耐え得る口一ドロツクチャンバ構造に構成されている。 搬入室 4 4および搬出 室 4 5の前側には、 大気圧以上の圧力 (以下、 正圧という。 ) を維持可能な構造 に構成された第二のウェハ移載室 (以下、 正圧移載室という。 ) 4 6が隣接して 連結されており、正圧移載室 4 6の筐体は平面視が横長の長方形で上下両端が閉 塞した箱形状に形成されている。 正圧移載室 4 6には正圧下でウェハ 2 9を移載 するウェハ移載装置 (以下、 正圧移載装置という。 ) 4 7が設置されており、 正 圧移載装置 4 7はスカラ形ロボットによって構成されている。 正圧移載装置 4 7 は正圧移載室 4 6に設置されたェレベータによつて昇降されるように構成されて いるとともに、 リニアァクチユエ一タによって左右方向に往復移動されるように 構成されている。
搬入室 4 4と正圧移載室 4 6との境にはゲ一トバルブ 4 8が設置されており、 搬出室 4 5と正圧移載室 4 6との境にはゲートバルブ 4 9が設置されている。 正 圧移載室 4 6の左側部分にはノッチ合わせ装置 5 0が設置されている。 正圧移載 室 4 6の正面壁には三つのウェハ搬入搬出口 5 1、 5 2、 5 3が左右方向に並べ られて開設されており、 ウェハ搬入搬出口 5 1、 5 2、 5 3はウェハ 2 9を正圧 移載室 4 6に対して搬入搬出し得るように構成されている。 これらのウェハ搬入 搬出口 5 1、 5 2、 5 3にはポッドォ一プナ 5 4がそれぞれ設置されている。 ポ ッドォ一ブナ 5 4はポッド 5 7を載置する載置台 5 5と、載置台 5 5に載置され たポッド 5 7のキヤップを着脱するキヤヅプ着脱機構 5 6とを備えており、載置 台 5 5に載置されたポッド 5 7のキ.ャップをキャップ着脱機構 5 6によつて着脱 することにより、 ポッド 5 7のウェハ出し入れ口を開閉するようになっている。 ポッドォ一ブナ 5 4の載置台 5 5に対してはポッド 5 7が、 図示しない工程内搬 送装置 ( R G V ) によって供給および排出されるようになっている。
負圧移載室筐体 4 2の背面側に位置する四枚の側壁には、 第一 C V Dュニット 6 1、 第二 C V Dュニット 6 2、 ァニールュニット 6 3およびクリ一ニングュニ ッ ト 6 4がそれぞれ隣接して連結されている。 第一 C V Dュニット 6 1およぴ第 二 C V Dュニット 6 2は枚葉式 C V D装置によって構成されており、 ァニ一ルュ ニット 6 3は枚葉式熱処理装置によって構成されている。 クリ一ユングュニット
6 4はォゾンを水中へ/ ブリングさせて生成した 0 H *を含む気体のエツチング 特性を利用して自然酸化膜や有機物汚染原因物質および金属汚染原因物質を除去 する前洗浄ステップ (クリーニング工程) が実施されるものとして、第 5図に示 されているように構成されている。
第 5図に示されているように、 クリーニングュニット 6 4は石英等の耐蝕性を 有する耐熱材料が使用されて形成されたプロセスチューブ 7 1を備えており、 プ ロセスチューブ 7 1はウェハ 2 9をクリーニング処理する処理室 7 2を形成して いる。 処理室 7 2にはウェハ 2 9を水平に保持する保持台 7 3が設置されている 。 プロセスチューブ 7 1の負圧移載室 4 1との境にはウェハ搬入搬出口 7 4が開 設されており、 ウェハ搬入搬出口 7 4はゲートバルブ 7 5によって開閉されるよ うに構成されている。 プロセスチューブ 7 1には排気管 7 6の一端が処理室 7 2 に連通するように接続されており、 排気管 7 6の他端は真空ポンプ等からなる排 気装置 (図示せず) に接続されている。 プロセスチューブ 7 1の外部には処理室
7 2を加熱するヒータユニット 7 7が設置されている。 プロセスチューブ 7 1に はオゾンを脱イオン水中においてバブリングさせて生成された気体 (以下、 エツ チングガスという。 ) を処理室 7 2に供給するエツチングガス供給装置 8 0が接 続されている。 エッチングガス供給装置 8 0はオゾン 8 2を生成するォゾナイザ 8 1と、脱イオン水 8 5が貯留されておりォゾナイザ 8 1によって生成されたォ ゾン 8 2を供給するオゾン供給管 8 3の吹出口が脱イオン水 8 5の中に浸漬され てバブリングされるバブラ 8 4と、 オゾン 8 2が脱イオン水 8 5の中においてバ ブリングされて生成された 0 H *を含むェッチングガス 8 7を処理室 7 2に供給 する供給管 8 6とを備えている。 エッチングガス供給装置 8 0と処理室 7 2との 間にはエッチングガスの流量を制御する流量制御手段としてのマスフローコント ローラ (M F C ) 8 8が設けられている。 バブラ 8 4にはバブラ 8 4内の脱ィォ ン水 8 5を加熱するヒータ 8 9が敷設されており、 ヒータ 8 9によりパブリング の際に脱イオン水 8 5を加熱状態とすることもできるように構成されている。 バ プリングの際の脱イオン水 8 5の温度は、室温とするのがよいが、室温以上とし てもよい。 例えば、沸騰するような温度としても構わない。
クリーユングュニット 6 4は温度コント口一ラ 8 0 Aを備えている。 温度コン トロ一ラ 8 O Aにはヒータュニット 7 7およびヒータ 8 9が接続されており、 温 度コントローラ 8 0 Aはウェハをクリーニングする際の処理温度がバブラ 8 4内 の脱イオン水 8 5の温度よりも大きくなるように、 また、 5 0〜4 0 0 °Cになる ように、 ヒータユニット 7 7およびヒー夕 8 9を制御する。
以下、前記構成に係るマルチチャンバ装置を使用した I Cの製造方法における コンタクト形成工程をクリーニングステップを主体にして説明する。
ポッド 5 7はポッドオーブナ 5 4の載置台 5 5の上に工程内搬送装置から受け 渡されて載置される。 ポッド 5 7のキャップがキャップ着脱機構 5 6によって取 り外され、 ポッド 5 7のウェハ出し入れ口が開放される。 ポッド 5 7がポッドォ —ブナ 5 4により開放されると、正圧移載室 4 6に設置された正圧移載装置 4 7 はポッド 5 7からウェハ 2 9を一枚ずつ順次にピックアップし、搬入室 4 4に搬 入 (ウェハローデイング) し、一台のポッド 5 7に収納された二十五枚のゥエノヽ 2 9を搬入室用仮置き台に移載して行く。 ウェハ 2 9の搬入室 4 4への搬入が完 了すると、 ゲートバルブ 4 8によって閉じられ、搬入室 4 4が排気装置 (図示せ ず) によって負圧に排気される。
搬入室 4 4が予め設定された圧力値に減圧されると、負圧移載室 4 1側の搬入 口がゲートバルブによって開かれるとともに、 クリーニングュニット 6 4のゥェ ハ搬入搬出口 7 4がゲートバルブ 7 5によって開かれる。 続いて、 負圧移載室 4 1の負圧移載装置 4 3は搬入室 4 4からウェハ 2 9を一枚ずつピックアップして 負圧移載室 4 1に搬入し、 クリ一ユングュニット 6 4の処理室 7 2へウェハ搬入 搬出口 7 4を通して搬入 (ウェハローデイング) するとともに、処理室 7 2の保 持台 7 3の上に移載(セッティング) する。 ウェハ 2 9の保持台 7 3への移載が 終了すると、 クリーニングュニット 6 4のウェハ搬入搬出口 7 4がゲートバルブ 7 5によって閉じられる。
処理室 7 2が閉じられると、処理室 7 2は所定の圧力に排気管 7 6によって排 気され、 5 0 °C〜 5 0 0 °C、好ましくは、 5 0〜4 0 0 °Cの所定の処理温度に温 度コント口一ラ 8 O Aの制御によるヒータュニット 7 7によって加熱される。 続 いて、 オゾンを脱イオン水中においてバブリングさせて生成された〇Ή *を含む エツチングガス 8 7が、 エツチングガス供給装置 8 0からマスフローコント口一 ラ 8 8を介して処.理室 7 2に供給される。 すなわち、 ォゾナイザ 8 1はオゾン 8 2をオゾン供給管 8 3から脱ィォン水 8 5の中へ き出してパブリングさせる。 この際、 パブリングする脱イオン水 8 5の温度よりも処理温度が高くなるように 、 ヒ一夕ュニット 7 7およびヒー夕 8 9が温度コントローラ 8 O Aによって制御 される。 オゾン 8 2が脱イオン水 8 5においてパブリングされると、 O H *を含 むエッチングガス 8 7が生成し、 バブラ 8 4内の脱イオン水 8 5の上方空間に放 出する。 バブラ 8 4内の脱イオン水 8 5の上方空間に放出したエッチングガス 8 7はバブラ 8 4から供給管 8 6によって取り出され、 マスフ口一コントローラ 8 8により所定の流量となるよう制御されて、処理室 7 2に供給される。 処理室 7 2に供給されたエツチングガス 8 7はウェハ 2 9の表面に接 することにより、 ウェハ 2 9の表面に形成された自然酸化膜や有機物汚染原因物質および金属汚染 原因物質をエッチングして除去 (クリーニング) する。 ここで、 エッチングガス 供給装置 8 0によって供給されるエッチングガス 8 7は前述した通りに強力な酸 化力を有する O H *を含んでいるので、 ウェハ 2 9の表面に形成された自然酸ィ匕 膜や有機物汚染原因物質および金属汚染原因物質をエッチングして除去ずること ができる。
なお、処理温度が 5 0 °Cよりも低い温度もしくは 4 0 0 °Cよりも高い温度では 、 エッチング反応が生じにくくなるために好ましくない。 したがって、 エツチン グを行う場合の処理温度は 5 0 °C以上、 4 0 0 °C以下の温度に設定することが望 ましい。
クリ一ユングュニット 6 4において予め設定されたクリ一ユング処理時間が経 過し、 クリーニングが終了すると、 クリーニング済みのウェハ 2 9は負圧移載装 置 4 3によってクリーニングュニット 6 4から負圧に維持された負圧移載室 4 1 に搬出 (ウェハアン口一ディング) される。 クリーニング済みのウェハ 2 9がク リーニングユニット 6 4から負圧移載室 4 1に搬出されると、 第一 C V Dュニッ ト 6 1のウェハ搬入搬出口がゲートバルブによって開かれる。 続いて、 負圧移載 装置 4 3はクリーユングュニット 6 4から搬出したウェハ 2 9を第一 C V Dュニ ット 6 1へ搬入するP ウェハ 2 9のクリ一ユングュニット 6 4から第一 C V Dュ ニット 6 1への移替え作業が完了すると、第一 C V Dュニット 6 1がゲートバル ブによって閉じられる。 '
その後、 第一 C V Dュニット 6 1においては、処理室が気密に閉じられた状態 で所定の圧力となるように排気管によって排気され、 ヒータユニットによって所 定の温度に加熱され、 所定の原料ガスがガス導入管によって所定の流量だけ供給 されることにより、 予め設定された処理条件に対応する所望の第一膜がウェハ 2 9に形成される。 第一 C V Dュニット 6 1において予め設定された成膜処理時間 が経過すると、 第一膜を成膜済みのウェハ 2 9は負圧移載装置 4 3によって第一 C V Dユニット 6 1からピックアップされ、 負圧に維持されている負圧移載室 4 1に搬出 (ウェハアンローデイング) される。 処理済みのウェハ 2 9が第一 C V Dュニット 6 1から負圧移載室 4 1に搬出されると、 第二 C V Dュニット 6 2の ウェハ搬入搬出口がゲートバルブによって開かれる。 続いて、負圧移載装置 4 3 は第一 C V Dュニット 6 1から搬出したウェハ 2 9を第二 C V Dュニット 6 2に 搬入する。
第二 C V Dュニット 6 2では第一 C V Dュニット 6 1における処理と同様の処 理が行われることにより、 第二膜が形成される。 その後、 第二膜を成膜済みのゥ ェハ 2 9は負圧移載装置.4 3により、第二 C V Dュニット 6 2より負圧移載室 4 1を介してァニールュニット 6 3へ搬送される。 ァニールュニットでは所定の雰 囲気、 所定の温度によりァニールが行われる。 '
以上の作動が繰り返されることにより、搬入室 4 に一括して搬入された二十 五枚のウェハ 2 9についてクリ一ニングュニヅト 6 4による基板表面洗浄処理、 第一 C V Dュニヅト 6 1による第一膜成膜処理、第二 C V Dュニット 6 2による 第二膜成膜処理およびァニールュニット 6 3による熱処理 (thermal treatment ) が順次に実施されて行く。 二十五枚のウェハ 2 9について一連の所定の処理が 完了すると、処理済みのウェハ 2 9は空のポッド 5 7に戻される。
前記実施の形態によれば、 次の効果が得られる。
1 . オゾンを水中でバブリングして生成した〇H *を含むエッチングガスは、 ァ スぺクト比が大きいコンタクトパターンや形^!犬が複雑なコンタクトパターンであ つても底まで行き渡らせることができるので、 ァスぺクト比が大きいコンタクト パターンや形状が複雑なコンタクトパターンの底の表面に形成された自然酸化膜 や有機物汚染原因物質および金属汚染原因物質をエツチングして確実に除去する ことができる。
2 . オゾンを水中へバブリングさせて O H *を含むエッチングガスを生成し、 こ のエツチングガスを処理室に供給することにより、 ブラズマを使用せずに済むの で、 ウェハに先に形成された半導体素子や回路パターン等にプラズマダメージを 与えるのを未然に回避することができる。
本発明の第三の実施の形態としては、熱 C V D反応によって半導体酸化膜 (例' えば、 S i 02 ) や金属酸化膜 (例えば、 Z r 02 、 H f 〇2 、 T a2 05 等) 等の薄膜を形成する工程を備えた I .Cの製造方法がある。 本実施の形態に係る薄 膜を形成する工程は、 第 6図に示された M O C V D (Metal Organic Chemical V apor Deposi tion ) 装置 9 0によって実施される。 第 6図に示された M O C V D 装置 9 0は処理室 9 2を形成したプロセスチューブ 9 1を備えており、処理室 9 2にはウェハ 2 9を水平に保持する保持台 9 3が設置されている。 プロセスチュ —ブ 9 1の側壁にはゲートバルブ 9 5によって開閉されるウェハ搬入搬出口 9 4 が開設されており、 プロセスチューブ 9 1の他の位置には処理室 9 2を排気する 排気管 9 6が接続されている。 プロセスチューブ 9 1の外には処理室 9 2を加熱 するヒータュニット 9 7が設置されている。 プロセスチューブ 9 1には原料ガス を処理室 92に供給する原料ガス供給管 98が接続されており、 原料ガス供給管 98には気化器 99、液体流量コントローラ 100、液体原料容器 101が処理 室 92側から順に介設されている。 プロセスチューブ 9 1の他の位置には酸化剤 供給装置が接続されている。 この酸化剤供給装置は第一の実施の形態における酸 化剤供給装置 30と同様に構成されているので、 同一の符号を付して構成の説明 を省略する。
本実施の形態においては、 原料ガス供給管 98からの原料ガス (例えば、 半導 体元素を含むガスや、 半導体元素や金属元素を含む液体原料を気化させたガス) と、 オゾンを水中でパブリングして生成した OH*を含む酸ィ匕剤供給装置 30か らの気体 (酸化剤) とを、 ウェハ 29を収容した処理室 92に供給し、 100〜 500°Cの所定の温度および所定の圧力に維持することにより CVD反応がなさ れる。 この際、処理温度がバブリングする脱イオン水 35の温度よりも高い所定 の温度となるように、 ヒータュニット 97およびヒータ 39が温度コントローラ 3 OAによって制御される。 この原料ガスと気体との CVD反応により、 半導体 酸化膜や金属酸化膜がウェハ 29の上に形成される。
なお、 S i 02 等の半導体酸化膜を形成する場合に用いる半導体元素を含む原 料ガスとしては、 S i H4 、 S i2 H5 、 S i H2 C 12 、 S i C 16 等のシラ ン系ガスが挙げられる。
また、 S i 02 等の半導体酸化膜、 Zr02 、 Hf 02 、 Ta2 05 等の金属 酸化膜を形成する場合に用いる半導体元素を含む液体原料、金属元素を含む液体 原料としては、
TEOS (テトラエトキシラン (S i (OC2 H5 ) 4 ) ) 、
BTBAS (ビス夕一シャリーブチルアミノシラン (S i H2 (NH (C4 H9
) ) 2 ) ) .
S i— (MMP) 4 (テトラギス (1ーメ トキシー 2—メチル _ 2—プロポキシ
) シリコン (S i [OC (CH3 ) 2 CH2 OCH3 ] 4 ) )
Zr- (MMP) 4 (テトラキス (1—メ トキシー 2—メチルー 2—プロポキシ
) ジルコニウム (Zr [OC (CH3 ) ι CH2 OCH3 ]4 ) ) 、
Hf- (MMP) 4 (テトラキス ( 1ーメ トキシー 2—メチルー 2—プ αポキシ ) ハフニウム (Hf [〇C (CH3 ) 2 CH2 OCH3 ]4 ) ) 、
PET (ペンタエトキシタンタル (Ta (〇C2 H5 ) 5 ) 、
テトラキスジェチルアミ ドハフニウム (Hf [N (C2 H5 )2 ] 4 ) > テトラキスジメチルアミ ドハフニウム (Hf [N (CH3 )2 ] 4 )、 テトラキスメチルェチルアミ ドハフニウム (Hf [N (CHs ) (C2 HB ) ]
4 ) 、
テトラキスジェチルアミ ドシリコン (S i [N( C2 H5 )2 ]4 )、 テトラキスジメチルアミ ドシリコン (S i [N (CH3 )2 ]4 ) 、
テトラキスメチルェチルアミ ドシリコン (S i [N (CH3 ) (C2 H5 ) ] 4
) 、
トリスジェチルアミ ドシリコン (H— S i [N (C2 H5 )2 ]3 )、 トリスジェチルアミ ドシリコン (H— S i [N (CH3 )2 ]3 ) 、
トリスメチルェチルアミ ドシリコン(H— S i N (CH3 ) (C2 HB ) ] 3 ) 等が挙げられる。
また、 ウェハを処理する際の処理温度を CVD反応が生じる温度よりもさらに 低くして、 原料ガスと酸化剤 (03 を水中でパブリングして生成した気体) とを ウェハに対して交互に供給するようにして、 ALD (At omi c La e r
Dep o s i t i on)法により成膜を行うようにしてもよい。 その場合、 ゥ ェハ上では、 次のような反応が生じることとなる。 すなわち、 原料が分解しない 程度の温度で原料ガスをウェハ上に供給することにより、 原料ガスが未反応のま まウェハ表面上に吸着 (付着) する。 その後、 原料が吸着したウェハに対して酸 化剤 (03 を水中でパブリングして生成した気体) を供給することにより、 ゥェ '、表面上に吸着した原料と酸化剤とが反応し、 ウエノヽ表面上に強制的に膜が形成 される。 これを繰り返すことにより、 ウェハ上に 1原子層ずつ膜を形成すること が可能となる。 このとき、 原料ガス供給工程と酸化剤供給工程との間に、 不活性 ガス (N2 ) 等によるパージや真空引き等を行うガス置換工程を設けるようにす るのが好ましい。 すなわち、 (原料ガス供給工程—ガス置換工程→酸化剤供給ェ 程—ガス置換工程) を 1サイクルとし、 これを複数回繰り返すサイクル処理を行 うようにするのが好ましい。
本発明の第四の実施の形態としては、酸ィ匕シリコンをエッチングする工程を備 えた I Cの製造方法がある。 本実施の形態におけるエッチング装置は、 第二の実 施の形態におけるクリーニングュニット 6 4と同様に構成されている。 本実施の 形態においては、 オゾンを水中でパブリングして生成した O H *を含む気体 (ェ ツチングガス) が反応室 (エッチング室) に供給され、 5 0 - 4 0 0 °Cの所定の 温度および所定の圧力で所定時間保持することにより、 S i〇2 がエッチングさ れる。 オゾンを水中でバブリングして生成した〇 H *を含むェッチングガスは、 前述した通り酸化シリコンに対しエッチング特性を有するので、 酸化シリコンを 大きな選択比をもってエッチングすることができる。 なお、 本実施の形態は、 半 導体膜 (例えば、 シリコン窒化膜) や金属膜 (例えば、 アルミニウム) のエッチ ングにも適用することができると、考えられる。
なお、 第二の実施形態や第四の実施形態におけるエッチング反応は、 03 を水 中でバブリングして生成した気体 (エッチングガス) を、 加熱された反応室に供 給してもすぐには起こらず、 潜伏期間をおいて、 ある励起状態となったところで 起こり易くなると考えられる。 すなわち、 〇3 を水中でバブリングして生成した 気体 (エッチングガス) を、反応室に供給してしばらくの間は、基板 (ウェハ) 上ではエッチング反応は生じず酸化反応が生じ、 ある程度の時間が経ち、 ある励 起状態となったところで、 エツチング反応が生じるものと考えられる。
酸化処理を行う場合と、 エツチング処理を行う場合の温度範囲に重複する範囲 が存在するが ( 1 0 0〜4 0 0 °C ) 、 この温度範囲においては、処理時間をコン トロールすることにより、行うべき処理を決めるようにすればよい。
なお、 前記した各実施の形態においては、 活性な気体を発生させるのに、 ォゾ ンを脱ィォン水中でパブリングする場合について説明したが、 パブリングに用い る液体は、 ォゾンをパブリングする.ことにより 0 H基を含む物質すなわち 0 Hラ ジカルを発生させることのできる液体であればよく、 少なくとも水素原子 ( H ) を含む液体であればよい。 さらに、酸素原子 ( 0 ) を含む液体、 すなわち、 少な くとも水素原子 ( H ) と酸素原子 (〇) を含む液体であっても構わない。 また、 少なくとも O H基を含む液体であっても構わない。 例えば、純水ではなく、 単な る水 (H2 0) であってもよい。 なお、 H2 0以外にも過酸化水素水 (H2 02 ) や、 塩化水素 (HC 1)溶液等も用いることができると、 考えられる。
なお、 本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、 その要旨を逸脱し ない範囲で種々に変更が可能であることはいうまでもない。
例えば、 オゾンを水中へパブリングさせて生成された気体は、 有機物の洗浄や 雑菌の殺菌等にも適用することができ、 I Cの製造方法だけではなく、 食品製造 や医療等の分野における酸化処理や洗浄処理全般に適用することができる。