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JPWO2005035778A1 - α1,6−フコシルトランスフェラーゼの機能を抑制するRNAを用いた抗体組成物の製造法 - Google Patents

α1,6−フコシルトランスフェラーゼの機能を抑制するRNAを用いた抗体組成物の製造法
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JPWO2005035778A1
JPWO2005035778A1JP2005514668AJP2005514668AJPWO2005035778A1JP WO2005035778 A1JPWO2005035778 A1JP WO2005035778A1JP 2005514668 AJP2005514668 AJP 2005514668AJP 2005514668 AJP2005514668 AJP 2005514668AJP WO2005035778 A1JPWO2005035778 A1JP WO2005035778A1
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春江 西谷
春江 西谷
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勝弘 森
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協和醗酵工業株式会社
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細胞を用いて抗体組成物を製造する方法において、N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素の機能を抑制するRNAを導入した細胞を用いることを特徴とする、抗体組成物を製造する方法、該製造方法で用いられる該RNA、該RNAに対応するDNAおよび該RNAまたはDNAを導入したまたは発現させた細胞、該細胞の作製方法および該酵素を抑制する方法を提供する。

Description

本発明は、細胞を用いて抗体組成物を製造する方法において、N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素の機能を抑制するRNAを導入した細胞を用いることを特徴とする、抗体組成物を製造する方法、該製造方法で用いられる該RNA、該RNAに対応するDNAおよび該RNAまたはDNAを導入したまたは発現させた細胞、該細胞の作製方法および該酵素を抑制する方法に関する。
一般的に、医薬への応用が考えられているヒト化抗体の多くは、遺伝子組換え技術を用いて作製され、動物細胞、例えばチャイニーズハムスター卵巣組織由来CHO細胞等を宿主細胞として用い製造されているが、抗体依存性細胞傷害活性(以下、ADCC活性と表記する)、補体依存性細胞傷害活性(以下、CDC活性と表記する)等の細胞傷害活性をエフェクター細胞に惹起する抗体のエフェクター機能には糖鎖構造、特に抗体のN−グリコシド結合糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンへのフコースの付加が重要な役割を担っていること(WO02/31140)、宿主細胞によって発現された糖蛋白質の糖鎖構造に違いが観察されることから[J.Biol.Chem.,278,3466(2003)]、より高いエフェクター機能を有する抗体を作製することが可能な生産細胞の開発が望まれている。
近年、Rituxanによる非ホジキン白血病患者の治療、Herceptinによる乳癌患者の治療において、該抗体医薬が患者のエフェクター細胞に強いADCC活性を惹起した場合には、より高い治療効果が得られている(Blood,99,754,2002;J.Clin.Oncol.,21,3940,2003;Clin.Cancer Res.,10,5650,2004)。
細胞の糖鎖の修飾に係わる酵素の活性を調節し、生産される糖蛋白質の糖鎖構造を改変する一つの方法として、糖鎖の修飾に係わる酵素の阻害剤を応用することが試みられている。しかしながら、このような阻害剤の特異性は低く、また標的とする酵素を十分に阻害することも難しいため、生産抗体の糖鎖構造を確実に制御することは難しい。
また、糖鎖の修飾に係わる酵素遺伝子を導入することによって、生産される糖蛋白質の糖鎖構造を改変することも試みられている[J.Biol.Chem.,261,13848(1989)、Science,252,1668(1991)]。β1,4−N−アセチルグルコサミン転移酵素III(GnTIII)を導入したCHO細胞を用いて抗体を発現させた場合には、親株で発現させた抗体と比べて16倍高いADCC活性を示した[Glycobiology,,813(1995)、WO99/54342]。しかしながら、GnTIIIあるいはβ1,4−N−アセチルグルコサミン転移酵素V(GnTV)の過剰発現はCHO細胞に対して毒性を示すため、抗体医薬の生産には適切ではない。
糖鎖の修飾に係わる酵素遺伝子の活性が変化した突然変異体を宿主細胞として用いることで、生産される糖鎖構造が変化した糖蛋白質の生産例も報告されている[J.Immunol.,160,3393(1998)]。最近になって、細胞内糖ヌクレオチドGDP−フコースの生合成に関与する酵素であるGDP−mannose 4,6−dehydratase(以下、GMDと表記する)の発現が低下した細胞株、例えばCHO細胞Lec13株等を用いて、ADCC活性が有為に上昇した抗体の発現に成功した例が報告された[J.Biol.Chem.,277,26733(2002)]。
変異剤処理によって取得された株の変異は、ランダムに導入されており、目的としない変異の導入が想定されるため、医薬品製造に用いる株として適切ではない。
以上のように、生産される糖蛋白質の糖鎖構造を改変するために、宿主細胞の糖鎖の修飾に係わる酵素の活性を調節する試みがなされているが、実際には糖鎖の修飾機構は多様かつ複雑であり、かつ糖鎖が持つ生理的な役割の解明も十分とは言い難いため試行錯誤を繰り返しているのが現状である。
N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素としては、哺乳動物では、α1,6−フコシルトランスフェラーゼ(FUT8)が存在することが知られている[Biochem.Biophys.Res.Commun.,72,909(1976)]。FUT8(EC2.4.1,68)の遺伝子構造は1996年に明らかにされた[WO92/27303、J.Biol.Chem.,271,27817(1996)、J.Biochem.,121,626(1997)]。
このような中、免疫グロブリンIgGのN−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンへのフコースの結合により、抗体自身のADCC活性が変化することが報告され、α1,6−フコシルトランスフェラーゼの活性とADCC活性との関係が注目されている[WO02/31140、WO00/61739、J.Biol.Chem.,278,3466(2003)、J.Biol.Chem.,277,26733(2002)]。具体的には、1)α1,6−フコシルトランスフェラーゼを過剰に発現させた細胞株が生産する抗体のADCC活性は低下すること、2)α1,6−フコシルトランスフェラーゼの対立遺伝子の片方を破壊した細胞株が産生する抗体の抗体依存性細胞傷害活性は上昇することが示されている(WO02/31140)。
しかしながら、上述の相同組換え法による遺伝子破壊の方法以外に、N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素の機能を人為的に抑制する方法は知られていない。
本発明の目的は、細胞を用いて抗体組成物を製造する方法において、N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素の機能を抑制するRNAを導入した細胞を用いることを特徴とする、抗体組成物を製造する方法、該製造方法で用いられる該RNA、該RNAに対応するDNAおよび該RNAまたはDNAを導入したまたは発現させた細胞、該細胞の作製方法および該酵素を抑制する方法を提供することにある。本発明の方法により製造される抗体組成物は高いエフェクター機能を有しており、医薬品として有用である。
本発明は、以下の(1)〜(29)に関する。
(1) 細胞を用いて抗体組成物を製造する方法において、以下の(a)または(b)から選ばれるRNAおよびその相補RNAで構成される二本鎖RNAを細胞内に導入させた細胞を用いる抗体組成物の製造方法;
(a)配列番号9〜30で表される塩基配列からなるRNA;
(b)配列番号9〜30で表される塩基配列において、1または数個の塩基が欠失、置換、挿入および/または付加された塩基配列からなり、N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素の機能を抑制する活性を有するRNA。
(2) N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素が、α1,6−フコシルトランスフェラーゼである、(1)に記載の方法。
(3) α1,6−フコシルトランスフェラーゼが、以下の(a)〜(h)からなる群から選ばれるDNAがコードする蛋白質である、(2)に記載の方法。
(a)配列番号1で表される塩基配列からなるDNA;
(b)配列番号2で表される塩基配列からなるDNA;
(c)配列番号3で表される塩基配列からなるDNA;
(d)配列番号4で表される塩基配列からなるDNA;
(e)配列番号1で表される塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつα1,6−フコシルトランスフェラーゼ活性を有する蛋白質をコードするDNA;
(f)配列番号2で表される塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつα1,6−フコシルトランスフェラーゼ活性を有する蛋白質をコードするDNA;
(g)配列番号3で表される塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつα1,6−フコシルトランスフェラーゼ活性を有する蛋白質をコードするDNA;
(h)配列番号4で表される塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつα1,6−フコシルトランスフェラーゼ活性を有する蛋白質をコードするDNA。
(4) α1,6−フコシルトランスフェラーゼが、以下の(a)〜(l)からなる群から選ばれる蛋白質である、(2)に記載の方法。
(a)配列番号5で表されるアミノ酸配列からなる蛋白質;
(b)配列番号6で表されるアミノ酸配列からなる蛋白質;
(c)配列番号7で表されるアミノ酸配列からなる蛋白質;
(d)配列番号8で表されるアミノ酸配列からなる蛋白質;
(e)配列番号5で表されるアミノ酸配列において、1以上のアミノ酸が欠失、置換、挿入および/または付加されたアミノ酸配列からなり、かつα1,6−フコシルトランスフェラーゼ活性を有する蛋白質;
(f)配列番号6で表されるアミノ酸配列において、1以上のアミノ酸が欠失、置換、挿入および/または付加されたアミノ酸配列からなり、かつα1,6−フコシルトランスフェラーゼ活性を有する蛋白質;
(g)配列番号7で表されるアミノ酸配列において、1以上のアミノ酸が欠失、置換、挿入および/または付加されたアミノ酸配列からなり、かつα1,6−フコシルトランスフェラーゼ活性を有する蛋白質;
(h)配列番号8で表されるアミノ酸配列において、1以上のアミノ酸が欠失、置換、挿入および/または付加されたアミノ酸配列からなり、かつα1,6−フコシルトランスフェラーゼ活性を有する蛋白質;
(i)配列番号5で表されるアミノ酸配列と80%以上の相同性を有するアミノ酸配列からなり、かつα1,6−フコシルトランスフェラーゼ活性を有する蛋白質;
(j)配列番号6で表されるアミノ酸配列と80%以上の相同性を有するアミノ酸配列からなり、かつα1,6−フコシルトランスフェラーゼ活性を有する蛋白質;
(k)配列番号7で表されるアミノ酸配列と80%以上の相同性を有するアミノ酸配列からなり、かつα1,6−フコシルトランスフェラーゼ活性を有する蛋白質;
(l)配列番号8で表されるアミノ酸配列と80%以上の相同性を有するアミノ酸配列からなり、かつα1,6−フコシルトランスフェラーゼ活性を有する蛋白質。
(5) N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素の機能を抑制するRNAを導入した細胞が、N−グリコシド結合糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位とフコースの1位がα結合した糖鎖構造を認識するレクチンに耐性を有する細胞である、(1)〜(4)のいずれか1項に記載の方法。
(6) 以下の(a)〜(d)からなる群から選ばれるレクチンのいずれか1つに耐性である、(5)に記載の方法。
(a)レンズマメレクチン;
(b)エンドウマメレクチン;
(c)ソラマメレクチン;
(d)ヒイロチャワンタケレクチン。
(7) 細胞が、酵母、動物細胞、昆虫細胞および植物細胞からなる群から選ばれる細胞である、(1)〜(6)のいずれか1項に記載の方法。
(8) 細胞が、下記の(a)〜(i)からなる群から選ばれる細胞である、(1)〜(7)のいずれか1項に記載の方法。
(a)チャイニーズハムスター卵巣組織由来CHO細胞;
(b)ラットミエローマ細胞株YB2/3HL.P2.G11.16Ag.20細胞;
(c)マウスミエローマ細胞株NS0細胞;
(d)マウスミエローマ細胞株SP2/0−Ag14細胞;
(e)シリアンハムスター腎臓組織由来BHK細胞;
(f)抗体を産生するハイブリドーマ細胞;
(g)ヒト白血病細胞株ナマルバ細胞;
(h)胚性幹細胞;
(i)受精卵細胞。
(9) 細胞が、抗体分子をコードする遺伝子を導入した形質転換体である、(1)〜(8)のいずれか1項に記載の方法。
(10) 抗体分子が、以下の(a)〜(d)からなる群から選ばれる分子である、(9)に記載の方法。
(a)ヒト抗体;
(b)ヒト化抗体;
(c)(a)または(b)のFc領域を含む抗体断片;
(d)(a)または(b)のFc領域を有する融合蛋白質。
(11) 抗体分子のクラスがIgGである、(9)または(10)に記載の方法。
(12) 以下の(a)または(b)から選ばれるRNAおよびその相補RNAで構成される二本鎖RNAを細胞内に導入していない親株細胞が生産する抗体組成物の抗体依存性細胞傷害活性より、高い抗体依存性細胞傷害活性を有する抗体組成物を製造する、(1)〜(11)のいずれか1項に記載の方法;
(a)配列番号9〜30で表される塩基配列からなるRNA;
(b)配列番号9〜30で表される塩基配列において、1または数個の塩基が欠失、置換、挿入および/または付加された塩基配列からなり、N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素の機能を抑制する活性を有するRNA。
(13) 高い抗体依存性細胞傷害活性を有する抗体組成物が、N−グリコシド結合複合型糖鎖をFc領域に有する抗体分子からなる抗体組成物であって、N−グリコシド結合複合型糖鎖が該糖鎖の還元末端のN−アセチルグルコサミンにフコースが結合していない糖鎖の割合が、親株細胞が生産する抗体組成物よりも高いことを特徴とする、(12)に記載の方法。
(14) N−グリコシド結合複合型糖鎖が、該糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合していない糖鎖である、(13)に記載の方法。
(15) 高い抗体依存性細胞傷害活性を有する抗体組成物が、N−グリコシド結合複合型糖鎖をFc領域に有する抗体分子からなる抗体組成物であって、N−グリコシド結合複合型糖鎖が該糖鎖の還元末端のN−アセチルグルコサミンにフコースが結合していない糖鎖の割合が20%以上である抗体組成物である、(12)〜(14)のいずれか1項に記載の方法。
(16) 抗体依存性細胞傷害活性が高い抗体組成物が、N−グリコシド結合複合型糖鎖をFc領域に有する抗体分子からなる抗体組成物であって、N−グリコシド結合複合型糖鎖が該糖鎖の還元末端のN−アセチルグルコサミンにフコースが結合していない糖鎖である抗体組成物である、(12)〜(15)のいずれか1項に記載の方法。
(17) (1)〜(16)のいずれか1項に記載の方法で用いられる、N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素の機能を抑制するRNAを導入した細胞。
(18) N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素がα1,6−フコシルトランスフェラーゼである(17)に記載の細胞。
(19) 配列番号9〜90のいずれかで表される塩基配列からなる群のRNAから選ばれるRNAを導入または発現させた細胞。
(20) 以下の(a)または(b)から選ばれるRNAおよびその相補RNAで構成される二本鎖RNA;
(a)配列番号9〜30で表される塩基配列からなるRNA;
(b)配列番号9〜30で表される塩基配列において、1または数個の塩基が欠失、置換、挿入および/または付加された塩基配列からなり、N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素の機能を抑制する活性を有するRNA。
(21) (20)に記載のRNAに対応するDNAおよび該DNAの相補DNA。
(22) (20)に記載のRNAに対応するDNAおよび該DNAの相補DNAをベクターに組み込んで得られる組換え体DNA。
(23) (20)に記載の二本鎖RNAを発現させることを特徴とする、(22)に記載の組換え体DNA。
(24) (22)または(23)に記載の組換え体DNAを細胞に導入して得られる形質転換体。
(25) (20)に記載の二本鎖RNAを細胞内に導入または発現させることを特徴とする、N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位とフコースの1位がα結合した糖鎖構造を認識するレクチンに耐性を有する細胞を作製する方法。
(26)N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位とフコースの1位がα結合した糖鎖構造を認識するレクチンに耐性が、少なくとも、以下の(a)〜(d)からなる群から選ばれるレクチンの一つに耐性である、(25)に記載の方法。
(a)レンズマメレクチン;
(b)エンドウマメレクチン;
(c)ソラマメレクチン;
(d)ヒイロチャワンタケレクチン。
(27) 配列番号9〜30のいずれかで表される塩基配列からなる群のRNAから選ばれるRNAを用いて、N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素の機能を抑制する方法。
(28) N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素がα1,6−フコシルトランスフェラーゼである(27)に記載の方法。
以下、本発明を詳細に説明する。本願は2003年10月9日に出願された日本国特許出願2003−350167号の優先権を主張するものであり、当該特許出願の明細書および図面に記載される内容を包含する。
本発明は、細胞を用いて抗体組成物を製造する方法において、N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素の機能を抑制するRNAを導入した細胞を用いることを特徴とする、抗体組成物を製造する方法、該製造方法で用いられる該RNA、該RNAに対応するDNAおよび該RNAまたはDNAを導入したまたは発現させた細胞、該細胞の作製方法および該酵素を抑制する方法に関する。
細胞を用いて抗体組成物を製造する方法としては、ハイブリドーマ細胞を用いてモノクローナル抗体を製造する方法、抗体遺伝子を導入した宿主細胞を用いてヒト抗体およびヒト化抗体を製造する方法、抗体遺伝子を導入したヒト以外の動物の胚性幹細胞または受精卵細胞をヒト以外の動物の初期胚へ移植後、発生させたトランスジェニック非ヒト動物を用いてヒト抗体およびヒト化抗体を製造する方法、抗体遺伝子を導入した植物カルス細胞より作製したトランスジェニック植物を用いてヒト抗体およびヒト化抗体を製造する方法等を包含する。
本発明の製造方法で用いられる細胞としては、抗体分子を発現できる細胞であればいかなる細胞でもよいが、酵母、動物細胞、昆虫細胞、植物細胞等があげられ、好ましくは動物細胞があげられる。動物細胞の具体例としては、チャイニーズハムスター卵巣組織由来のCHO細胞、ラットミエローマ細胞株YB2/3HL.P2.G11.16Ag.20細胞、マウスミエローマ細胞株NS0細胞、マウスミエローマ細胞株SP2/0−Ag14細胞、シリアンハムスター腎臓組織由来BHK細胞、抗体を産生するハイブリドーマ細胞、ヒト白血病細胞株ナマルバ細胞、胚性幹細胞、受精卵細胞等があげられる。
本発明の、N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素の機能を抑制するRNAを導入した細胞は、N−グリコシド結合糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位とフコースの1位がα結合した糖鎖構造を認識するレクチンに耐性を有する。
従って、本発明において、N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素の機能を抑制するRNAを導入した細胞としては、酵母、動物細胞、昆虫細胞、植物細胞等の抗体組成物を製造することができる細胞であって、N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位とフコースの1位がα結合した糖鎖構造を認識するレクチンに耐性を有する細胞があげられ、具体的には、N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位とフコースの1位がα結合した糖鎖構造を認識するレクチンに耐性を有する、ハイブリドーマ細胞、ヒト抗体およびヒト化抗体を製造するための宿主細胞、ヒト抗体を生産するためのトランスジェニック非ヒト動物を製造する胚性幹細胞および受請卵細胞、ヒト抗体を生産するためのトランスジェニック植物を製造する植物カルス細胞、ミエローマ細胞、トランスジェニック非ヒト動物由来の細胞等があげられる。本発明のトランスジェニック非ヒト動物由来のミエローマ細胞はハイブリドーマ細胞を製造する際に融合細胞として用いることができる。また、トランスジェニック非ヒト動物に抗原を免疫し該動物の脾臓細胞を用いて公知の方法でハイブリドーマ細胞を作製することもできる。
レクチンに耐性な細胞とは、培養培地にレクチンを有効濃度与えて細胞培養を行ったときにも、生育が阻害されない細胞をいう。
本発明において、生育が阻害されないレクチンの有効濃度は、親株細胞に用いる細胞株に応じて適宜定めればよいが、通常10μg/mL〜10mg/mL、好ましくは0.5〜2mg/mLである。親株細胞にN−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素の機能を抑制するRNAを導入した場合のレクチンの有効濃度とは、該親株細胞が正常に生育できない濃度以上の濃度であり、好ましくは該親株細胞が正常に生育できない濃度と同濃度、より好ましくは2〜5倍の濃度、さらに好ましくは10倍の濃度、最も好ましくは20倍以上の濃度をいう。
親株細胞とは、N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素の機能を抑制するRNAを導入する前の細胞をいう。
親株細胞としては特に限定はないが、具体例として、以下に示す細胞があげられる。
NS0細胞の親株細胞としては、BIO/TECHNOLOGY,10,169(1992)、Biotechnol.Bioeng.,73,261,(2001)等の文献に記載されているNS0細胞があげられる。また、理化学研究所細胞開発銀行に登録されているNS0細胞株(RCB0213)、あるいはこれら株を生育可能な様々な培地に馴化させた亜株等もあげられる。
SP2/0−Ag14細胞の親株細胞としては、J.Immunol.,126,317,(1981)、ネイチャー(Nature),276,269,(1978)、Human Antibodies and Hybridomas,,129,(1992)等の文献に記載されているSP2/0−Ag14細胞があげられる。また、アメリカンタイプカルチャーコレクション(以下、ATCCとも表記する)に登録されているSP2/0−Ag14細胞(ATCC CRL−1581)あるいはこれら株を生育可能な様々な培地に馴化させた亜株(ATCC CRL−1581.1)等もあげられる。
チャイニーズハムスター卵巣組織由来CHO細胞の親株細胞としては、Journal of Experimental Medicine,108,945(1958)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,60,1275(1968)、Genetics,55,513(1968)、Chromosoma,41,129(1973)、Methods in Cell Science,18,115(1996)、Radiation Research,148,260(1997)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,77,4216(1980)、Proc.Natl.Acad.Sci.60,1275(1968)、Cell,,121(1975)、Molecular Cell Genetics,Appendix I,II(p883−900)等の文献に記載されているCHO細胞等があげられる。また、ATCCに登録されているCHO−K1株(ATCC CCL−61)、DUXB11株(ATCC CRL−9096)、Pro−5株(ATCC CRL−1781)や、市販のCHO−S株(Lifetechnologies社製Cat11619)、あるいはこれら株を生育可能な様々な培地に馴化させた亜株等もあげられる。
ラットミエローマ細胞株YB2/3HL.P2.G11.16Ag.20細胞の親株細胞としては、Y3/Ag1.2.3細胞(ATCC CRL−1631)から樹立された株化細胞が包含される。その具体的な例としては、J.Cell.Biol.,93,576(1982)、Methods Enzymol.,73B,1(1981)等の文献に記載されているYB2/3HL.P2.G11.16Ag.20細胞があげられる。また、ATCCに登録されているYB2/3HL.P2.G11.16Ag.20細胞(ATCC CRL−1662)あるいはこれら株を生育可能な様々な培地に馴化させた亜株等もあげられる。
N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位とフコースの1位がα結合した糖鎖構造を認識するレクチンとしては、該糖鎖構造を認識できるレクチンであれば、いずれのレクチンも包含される。その具体的な例としては、レンズマメレクチンLCA(LensCulinaris由来のLentil Agglutinin)、エンドウマメレクチンPSA(Pisumsativum由来のPea Lectin)、ソラマメレクチンVFA(Viciafaba由来のAgglutinin)、ヒイロチャワンタケレクチンAAL(Aleuriaaurantia由来のLectin)等があげられる。
N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与がする酵素としては、N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素があげられる。
N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素としては、具体的には、α1,6−フコシルトランスフェラーゼ等があげられる。
本発明において、α1,6−フコシルトランスフェラーゼとしては、下記(a)〜(h)のDNAがコードする蛋白質、または下記(i)〜(t)の蛋白質等があげられる。
(a)配列番号1で表される塩基配列からなるDNA;
(b)配列番号2で表される塩基配列からなるDNA;
(c)配列番号3で表される塩基配列からなるDNA;
(d)配列番号4で表される塩基配列からなるDNA;
(e)配列番号1で表される塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつα1,6−フコシルトランスフェラーゼ活性を有する蛋白質をコードするDNA;
(f)配列番号2で表される塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつα1,6−フコシルトランスフェラーゼ活性を有する蛋白質をコードするDNA;
(g)配列番号3で表される塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつα1,6−フコシルトランスフェラーゼ活性を有する蛋白質をコードするDNA;
(h)配列番号4で表される塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつα1,6−フコシルトランスフェラーゼ活性を有する蛋白質をコードするDNA。
または、
(i)配列番号5で表されるアミノ酸配列からなる蛋白質;
(j)配列番号6で表されるアミノ酸配列からなる蛋白質;
(k)配列番号7で表されるアミノ酸配列からなる蛋白質;
(l)配列番号8で表されるアミノ酸配列からなる蛋白質;
(m)配列番号5で表されるアミノ酸配列において、1以上のアミノ酸が欠失、置換、挿入および/または付加されたアミノ酸配列からなり、かつα1,6−フコシルトランスフェラーゼ活性を有する蛋白質;
(n)配列番号6で表されるアミノ酸配列において、1以上のアミノ酸が欠失、置換、挿入および/または付加されたアミノ酸配列からなり、かつα1,6−フコシルトランスフェラーゼ活性を有する蛋白質;
(o)配列番号7で表されるアミノ酸配列において、1以上のアミノ酸が欠失、置換、挿入および/または付加されたアミノ酸配列からなり、かつα1,6−フコシルトランスフェラーゼ活性を有する蛋白質;
(p)配列番号8で表されるアミノ酸配列において、1以上のアミノ酸が欠失、置換、挿入および/または付加されたアミノ酸配列からなり、かつα1,6−フコシルトランスフェラーゼ活性を有する蛋白質;
(q)配列番号5で表されるアミノ酸配列と80%以上の相同性を有するアミノ酸配列からなり、かつα1,6−フコシルトランスフェラーゼ活性を有する蛋白質;
(r)配列番号6で表されるアミノ酸配列と80%以上の相同性を有するアミノ酸配列からなり、かつα1,6−フコシルトランスフェラーゼ活性を有する蛋白質;
(s)配列番号7で表されるアミノ酸配列と80%以上の相同性を有するアミノ酸配列からなり、かつα1,6−フコシルトランスフェラーゼ活性を有する蛋白質;
(t)配列番号8で表されるアミノ酸配列と80%以土の相同性を有するアミノ酸配列からなり、かつα1,6−フコシルトランスフェラーゼ活性を有する蛋白質。
本発明において、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAとは、例えば、配列番号1、2、3または4のいずれかで表される塩基配列を有するDNA等のDNAまたはその一部の断片をプローブとして、コロニー・ハイブリダイゼーション法、プラーク・ハイブリダイゼーション法あるいはサザンブロットハイブリダイゼーション法等を用いることにより得られるDNAを意味し、具体的には、コロニーあるいはプラーク由来のDNAを固定化したフィルターを用いて、0.7〜1Mの塩化ナトリウム存在下、65℃でハイブリダイゼーションを行った後、0.1〜2倍濃度のSSC溶液(1倍濃度のSSC溶液の組成は、150mM塩化ナトリウム、15mMクエン酸ナトリウムよりなる)を用い、65℃条件下でフィルターを洗浄することにより同定できるDNAをあげることができる。ハイブリダイゼーションは、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Lab.Press New York(1989)、Current Protocols in molecular Biology,John Wiley & Sons(1987−1997)、DNA Cloning 1:Core Techniques,A Practical Approach,Second edition,Oxford University(1995)等に記載されている方法に準じて行うことができる。ハイブリダイズ可能なDNAとして具体的には、配列番号1、2、3または4のいずれかで表される塩基配列と少なくとも60%以上の相同性を有するDNA、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上、最も好ましくは98%以上の相同性を有するDNAをあげることができる。
本発明において、配列番号5、6、7または8のいずれかで表されるアミノ酸配列において1以上のアミノ酸が欠失、置換、挿入および/または付加されたアミノ酸配列からなり、かつα1,6−フコシルトランスフェラーゼ活性を有する蛋白質とは、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Lab.Press New York(1989)、Current Protocols in molecular Biology,John Wiley & Sons(1987−1997)、Nucleic Acids Research,10,6487(1982)、Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,79,6409(1982)、Gene,34,315(1985)、Nucleic Acids Research,13,4431(1985)、Proc.Natl.Acad.Sci USA,82,488(1985)等に記載の部位特異的変異導入法を用いて、例えば、配列番号5、6、7または8のいずれかで表されるアミノ酸配列を有する蛋白質をコードするDNAに部位特異的変異を導入することにより取得することができる蛋白質を意味する。
欠失、置換、挿入および/または付加されるアミノ酸の数は1以上でありその数は特に限定されないが、上記の部位特異的変異導入法等の周知の技術により、欠失、置換もしくは付加できる程度の数であり、例えば、1〜数十個、好ましくは1〜20個、より好ましくは1〜10個、さらに好ましくは1〜5個である。
また、本発明において、配列番号5、6、7または8のいずれかで表されるアミノ酸配列と80%以上の相同性を有し、かつα1,6−フコシルトランスフェラーゼ活性を有する蛋白質とは、BLAST〔J.Mol.Biol.,215,403(1990)〕やFASTA〔Methods in Enzymology,183,63(1990)〕等の解析ソフトを用いて計算したときに、配列番号5、6、7または8のいずれかに記載のアミノ酸配列を有する蛋白質と少なくとも80%以上、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上、特に好ましくは97%以上、最も好ましくは99%以上の相同性を有し、かつα1,6−フコシルトランスフェラーゼ活性を有する蛋白質である。
本発明において、N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素の機能を抑制するRNAの長さとしては、10〜40、好ましくは10〜35、より好ましくは15〜29の連続した以下に示すRNAがあげられる。
(a)配列番号1で表される塩基配列中、連続した5塩基以上のアデニンあるいはチミジンを含まない部分の中で、連続した16〜40の塩基配列で表される塩基配列からなるDNAに対応するRNA;
(b)配列番号2で表される塩基配列中、連続した5塩基以上のアデニンあるいはチミジンを含まない部分の中で、連続した10〜40の塩基配列で表される塩基配列からなるDNAに対応するRNA;
(c)配列番号3で表される塩基配列中、連続した5塩基以上のアデニンあるいはチミジンを含まない部分の中で、連続した10〜40の塩基配列で表される塩基配列からなるDNAに対応するRNA;
(d)配列番号4で表される塩基配列中、連続した5塩基以上のアデニンあるいはチミジンを含まない部分の中で、連続した10〜40の塩基配列で表される塩基配列からなるDNAに対応するRNA;
具体的には、
(e)配列番号9で表される塩基配列からなるRNA;
(f)配列番号9で表される塩基配列において、1または数個の塩基が欠失、置換、挿入および/または付加された塩基配列からなり、N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素の機能を抑制する活性を有するRNA;
(g)配列番号10で表される塩基配列からなるRNA;
(h)配列番号10で表される塩基配列において、1または数個の塩基が欠失、置換、挿入および/または付加された塩基配列からなり、N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素の機能を抑制する活性を有するRNA;
(i)配列番号11で表される塩基配列からなるRNA;
(j)配列番号11で表される塩基配列において、1または数個の塩基が欠失、置換、挿入および/または付加された塩基配列からなり、N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素の機能を抑制する活性を有するRNA;
(k)配列番号12で表される塩基配列からなるRNA;
(l)配列番号12で表される塩基配列において、1または数個の塩基が欠失、置換、挿入および/または付加された塩基配列からなり、N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素の機能を抑制する活性を有するRNA;
(m)配列番号13で表される塩基配列からなるRNA;
(n)配列番号13で表される塩基配列において、1または数個の塩基が欠失、置換、挿入および/または付加された塩基配列からなり、N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素の機能を抑制する活性を有するRNA;
(o)配列番号14で表される塩基配列からなるRNA;
(p)配列番号14で表される塩基配列において、1または数個の塩基が欠失、置換、挿入および/または付加された塩基配列からなり、N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素の機能を抑制する活性を有するRNA;
(q)配列番号15で表される塩基配列からなるRNA;
(r)配列番号15で表される塩基配列において、1または数個の塩基が欠失、置換、挿入および/または付加された塩基配列からなり、N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素の機能を抑制する活性を有するRNA;
(s)配列番号16で表される塩基配列からなるRNA;
(t)配列番号16で表される塩基配列において、1または数個の塩基が欠失、置換、挿入および/または付加された塩基配列からなり、N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素の機能を抑制する活性を有するRNA;
(u)配列番号17で表される塩基配列からなるRNA;
(v)配列番号17で表される塩基配列において、1または数個の塩基が欠失、置換、挿入および/または付加された塩基配列からなり、N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素の機能を抑制する活性を有するRNA;
(w)配列番号18で表される塩基配列からなるRNA;
(x)配列番号18で表される塩基配列において、1または数個の塩基が欠失、置換、挿入および/または付加された塩基配列からなり、N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素の機能を抑制する活性を有するRNA;
(y)配列番号19で表される塩基配列からなるRNA;
(z)配列番号19で表される塩基配列において、1または数個の塩基が欠失、置換、挿入および/または付加された塩基配列からなり、N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素の機能を抑制する活性を有するRNA;
(A)配列番号20で表される塩基配列からなるRNA;
(B)配列番号20で表される塩基配列において、1または数個の塩基が欠失、置換、挿入および/または付加された塩基配列からなり、N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素の機能を抑制する活性を有するRNA;
(C)配列番号21で表される塩基配列からなるRNA;
(D)配列番号21で表される塩基配列において、1または数個の塩基が欠失、置換、挿入および/または付加された塩基配列からなり、N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素の機能を抑制する活性を有するRNA;
(E)配列番号22で表される塩基配列からなるRNA;
(F)配列番号22で表される塩基配列において、1または数個の塩基が欠失、置換、挿入および/または付加された塩基配列からなり、N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素の機能を抑制する活性を有するRNA;
(G)配列番号23で表される塩基配列からなるRNA;
(H)配列番号23で表される塩基配列において、1または数個の塩基が欠失、置換、挿入および/または付加された塩基配列からなり、N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素の機能を抑制する活性を有するRNA;
(I)配列番号24で表される塩基配列からなるRNA;
(J)配列番号24で表される塩基配列において、1または数個の塩基が欠失、置換、挿入および/または付加された塩基配列からなり、N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素の機能を抑制する活性を有するRNA;
(K)配列番号25で表される塩基配列からなるRNA;
(L)配列番号25で表される塩基配列において、1または数個の塩基が欠失、置換、挿入および/または付加された塩基配列からなり、N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素の機能を抑制する活性を有するRNA;
(M)配列番号26で表される塩基配列からなるRNA;
(N)配列番号26で表される塩基配列において、1または数個の塩基が欠失、置換、挿入および/または付加された塩基配列からなり、N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素の機能を抑制する活性を有するRNA;
(O)配列番号27で表される塩基配列からなるRNA;
(P)配列番号27で表される塩基配列において、1または数個の塩基が欠失、置換、挿入および/または付加された塩基配列からなり、N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素の機能を抑制する活性を有するRNA;
(Q)配列番号28で表される塩基配列からなるRNA;
(R)配列番号28で表される塩基配列において、1または数個の塩基が欠失、置換、挿入および/または付加された塩基配列からなり、N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素の機能を抑制する活性を有するRNA;
(S)配列番号29で表される塩基配列からなるRNA;
(T)配列番号29で表される塩基配列において、1または数個の塩基が欠失、置換、挿入および/または付加された塩基配列からなり、N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素の機能を抑制する活性を有するRNA;
(U)配列番号30で表される塩基配列からなるRNA;
(V)配列番号30で表される塩基配列において、1または数個の塩基が欠失、置換、挿入および/または付加された塩基配列からなり、N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素の機能を抑制する活性を有するRNA;があげられる。
配列番号9〜30でそれぞれ表される塩基配列において、1または数個の塩基が欠失、置換、挿入および/または付加された塩基配列としては、塩基が欠失、置換、挿入および/または付加された結果生じる二本鎖RNAは、N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素の機能を抑制する活性を有する限り、一方の鎖にのみ塩基が欠失、置換、挿入および/または付加されていてもよく、即ち、該二本鎖RNAは必ずしも完全な相補鎖でなくてもよい。
本発明において、抗体組成物とは、N−グリコシド結合複合型糖鎖をFc領域に有する抗体分子を含有する組成物をいう。
抗体は、重鎖および軽鎖(以下、それぞれ「H鎖」および「L鎖」と表記する)の2種類のポリペプチド鎖がそれぞれ2分子ずつ会合した4量体である。H鎖のN末端側の約4分の1とL鎖のN末端側の約2分の1(それぞれ100余アミノ酸)は可変領域(以下、「V領域」と表記する)と呼ばれ、多様性に富み、抗原との結合に直接関与する。V領域以外の部分の大半は定常領域(以下、「C領域」と表記する)と呼ばれる。抗体分子はC領域の相同性によりIgG、IgM、IgA、IgD、IgEの各クラスに分類される。
またIgGクラスはC領域の相同性により、例えばヒトにおいてはIgG1〜IgG4のサブクラスに分類される。
H鎖はN末端側より抗体H鎖V領域(以下、VHと表記する)、抗体H鎖C領域1(以下、CH1と表記する)、抗体H鎖C領域2(以下、CH2と表記する)、抗体H鎖C領域3(以下、CH3と表記する)の4つのイムノグロブリンドメインに分かれ、CH1とCH2の間にはヒンジ領域と呼ばれる可動性の高いペプチド領域があり、CH1とCH2とが区切られる。ヒンジ領域以降のCH2とCH3からなる構造単位はFc領域と呼ばれ、N−グリコシド結合型糖鎖が結合している。また、この領域は、Fcレセプター、補体等が結合する領域である(免疫学イラストレイテッド原書第5版、2000年2月10日発行、南江堂版、抗体工学入門、1994年1月25日初版、地人書館)。
抗体等の糖蛋白質の糖鎖は、蛋白質部分との結合様式により、アスパラギンと結合する糖鎖(N−グリコシド結合糖鎖)とセリン、スレオニン等と結合する糖鎖(O−グリコシル結合糖鎖)の2種類に大別される。
本発明において、N−グリコシド結合糖鎖は、以下の化学式1で示される。
Figure 2005035778
化学式1において、アスパラギンと結合する糖鎖の末端を還元末端、反対側を非還元末端という。
N−グリコシド結合糖鎖としては、化学式1で示されるのコア構造を有するものであればいかなるものでもよいが、コア構造の非還元末端にマンノースのみが結合するハイマンノース型、コア構造の非還元末端側にガラクトース−N−アセチルグルコサミン(以下、Gal−GlcNAcと表記する)の枝を並行して1ないしは複数本有し、更にGal−GlcNAcの非還元末端側にシアル酸、バイセクティングのN−アセチルグルコサミン等の構造を有するコンプレックス型(複合型)、コア構造の非還元末端側にハイマンノース型とコンプレックス型の両方の枝を持つハイブリッド型等があげられる。
抗体分子のFc領域には、N−グリコシド結合糖鎖が1カ所ずつ結合する領域を有しているので、抗体1分子あたり2本の糖鎖が結合している。抗体分子に結合するN−グルコシド結合糖鎖としては、化学式1で示されるコア構造を含むいかなる糖鎖も包含されるので、抗体に結合する2本のN−グルコシド結合糖鎖には多数の糖鎖の組み合わせが存在する。
したがって、本発明において、N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素の機能を抑制するRNAを導入した細胞を用いて製造した抗体組成物は、本発明の効果が得られる範囲であれば、単一の糖鎖構造を有する抗体分子から構成されていてもよいし、複数の異なる糖鎖構造を有する抗体分子から構成されていてもよい。
抗体組成物中に含まれるFc領域に結合する全N−グリコシド結合複合型糖鎖のうち、糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンにフコースが結合していない糖鎖の割合(以下、「本発明の糖鎖の割合」と表記する)とは、該組成物中に含まれるFc領域に結合する全てのN−グリコシド結合複合型糖鎖の合計数に対して、糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンにフコースが結合していない糖鎖の数が占める割合をいう。
N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンにフコースが結合していない糖鎖とは、フコースが、N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンにα結合していない糖鎖をいう。具体的には、フコースの1位がN−グリコシド結合複合型糖鎖のN−アセチルグルコサミンの6位にα結合していない糖鎖があげられる。本発明の糖鎖の割合が高いほど、抗体組成物のADCC活性が高くなる。
ADCC活性が高い抗体組成物としては、本発明の糖鎖の割合が、好ましくは20%以上、より好ましくは30%以上、さらに好ましくは40%以上、特に好ましくは50%以上、最も好ましくは100%である抗体組成物があげられる。
また、本発明は、親株細胞が生産する抗体組成物よりADCC活性が高い抗体組成物の製造方法に関する。
ADCC活性とは、生体内で、腫瘍細胞等の細胞表面抗原等に結合した抗体が、抗体Fc領域とエフェクター細胞表面上に存在するFcレセプターとの結合を介してエフェクター細胞を活性化し、腫瘍細胞等を傷害する活性をいう[Monoclonal Antibodies:Principles and Applications,Wiley−Liss,Inc.,Capter 2.1(1995)]。エフェクター細胞としては、キラー細胞、ナチュラルキラー細胞、活性化されたマクロファージ等があげられる。
N−グリコシド結合複合型糖鎖をFc領域に有する抗体分子を含有する組成物中に含まれる、糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンにフコースが結合していない糖鎖の割合は、抗体分子からヒドラジン分解や酵素消化等の公知の方法[生物化学実験法23−糖蛋白質糖鎖研究法(学会出版センター)高橋禮子編(1989)]を用い、糖鎖を遊離させ、遊離させた糖鎖を蛍光標識または同位元素標識し、標識した糖鎖をクロマトグラフィー法にて分離することによって決定することができる。また、遊離させた糖鎖をHPAED−PAD法[J.Liq.Chromatogr.,,1577(1983)]等によって分析することによっても決定することができる。
抗体分子としては、抗体のFc領域を含む分子であればいかなる分子も包含される。具体的には、抗体、抗体断片、Fc領域を含む融合蛋白質等があげられる。
抗体としては、動物に抗原を免疫し、免疫動物の脾臓細胞より作製したハイブリドーマ細胞が分泌する抗体のほかにも、遺伝子組換え技術により作製された抗体、すなわち、抗体遺伝子を挿入した抗体発現ベクターを、宿主細胞へ導入することにより取得された抗体等があげられる。具体的には、ハイブリドーマが生産する抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体等をあげることができる。
ハイブリドーマは、ヒト以外の哺乳動物に抗原を免疫して取得されたB細胞と、マウス、ラット等に由来するミエローマ細胞とを細胞融合させて得られる、所望の抗原特異性を有したモノクローナル抗体を生産する細胞をいう。
ヒト化抗体としては、ヒト型キメラ抗体、ヒト型CDR移植抗体等があげられる。
ヒト型キメラ抗体は、ヒト以外の動物の抗体H鎖V領域(以下、「HV」または「VH」とも称す)および抗体L鎖V領域(以下、「LV」または「VL」とも称す)とヒト抗体のH鎖C領域(以下、「CH」とも称す)およびヒト抗体のL鎖C領域(以下、「CL」とも称す)とからなる抗体を意味する。ヒト以外の動物としては、マウス、ラット、ハ厶スター、ラビット等、ハイブリドーマを作製することが可能であれば、いかなるものも用いることができる。
ヒト型キメラ抗体は、モノクローナル抗体を生産するハイブリドーマより、VHおよびVLをコードするcDNAを取得し、ヒト抗体CHおよびヒト抗体CLをコードする遺伝子を有する宿主細胞用発現ベクターにそれぞれ挿入してヒト型キメラ抗体発現ベクターを構築し、宿主細胞へ導入することにより発現させ、製造することができる。
ヒト型キメラ抗体のCHとしては、ヒトイムノグロブリン(以下、「hIg」と表記する)に属すればいかなるものでもよいが、hIgGクラスのものが好適であり、更にhIgGクラスに属するhIgG1、hIgG2、hIgG3、hIgG4といったサブクラスのいずれも用いることができる。また、ヒト型キメラ抗体のCLとしては、hIgに属すればいかなるものでもよく、κクラスあるいはλクラスのものを用いることができる。
ヒト型CDR移植抗体は、ヒト以外の動物の抗体のVHおよびVLのCDRのアミノ酸配列をヒト抗体のVHおよびVLの適切な位置に移植した抗体をいう。
ヒト型CDR移植抗体は、ヒト以外の動物の抗体のVHおよびVLのCDR配列を任意のヒト抗体のVHおよびVLのCDR配列に移植したV領域をコードするcDNAを構築し、ヒト抗体のCHおよびヒト抗体のCLをコードする遺伝子を有する宿主細胞用発現ベクターにそれぞれ挿入してヒト型CDR移植抗体発現ベクターを構築し、該発現ベクターを宿主細胞へ導入することによりヒト型CDR移植抗体を発現させ、製造することができる。
ヒト型CDR移植抗体のCHとしては、hIgに属すればいかなるものでもよいが、hIgGクラスのものが好適であり、更にhIgGクラスに属するhIgG1、hIgG2、hIgG3、hIgG4といったサブクラスのいずれも用いることができる。また、ヒト型CDR移植抗体のCLとしては、hIgに属すればいかなるものでもよく、κクラスあるいはλクラスのものを用いることができる。
ヒト抗体は、元来、ヒト体内に天然に存在する抗体をいうが、最近の遺伝子工学的、細胞工学的、発生工学的な技術の進歩により作製されたヒト抗体ファージライブラリーならびにヒト抗体トランスジェニック動物あるいはヒト抗体トランスジェニック植物から得られる抗体等も含まれる。
ヒト体内に存在する抗体は、例えば、ヒト末梢血リンパ球を単離し、EBウイルス等を感染させ不死化、クローニングすることにより、該抗体を生産するリンパ球を培養でき、培養物中より該抗体を精製することができる。
ヒト抗体ファージライブラリーは、ヒトB細胞から調製した抗体遺伝子をファージ遺伝子に挿入することによりFab、一本鎖抗体等の抗体断片をファージ表面に発現させたライブラリーである。該ライブラリーより、抗原を固定化した基質に対する結合活性を指標として所望の抗原結合活性を有する抗体断片を発現しているファージを回収することができる。該抗体断片は、更に遺伝子工学的手法により、2本の完全なH鎖および2本の完全なL鎖からなるヒト抗体分子へも変換することができる。
ヒト抗体トランスジェニック非ヒト動物は、ヒト抗体遺伝子が細胞内に組込まれた動物をいう。具体的には、マウス胚性幹細胞へヒト抗体遺伝子を導入し、該胚性幹細胞を他のマウスの初期胚へ移植後、発生させることによりヒト抗体を産生するトランスジェニック非ヒト動物を作製することができる。また、動物の受精卵にヒト抗体遺伝子を導入し、該受精卵を発生させることにヒト抗体を産生するトランスジェニック非ヒト動物を作製することもできる。ヒト抗体を産生するトランスジェニック非ヒト動物からのヒト抗体の作製方法は、通常のヒト以外の哺乳動物で行われているハイブリドーマ作製方法によりヒト抗体ハイブリドーマを得、培養することで培養物中にヒト抗体を蓄積させることができる。
トランスジェニック非ヒト動物は、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ブタ、ウマ、マウス、ラット、ニワトリ、サルまたはウサギ等があげられる。
また、本発明において、抗体が、腫瘍関連抗原を認識する抗体、アレルギーあるいは炎症に関連する抗原を認識する抗体、循環器疾患に関連する抗原を認識する抗体、自己免疫疾患に関連する抗原を認識する抗体、またはウイルスあるいは細菌感染に関連する抗原を認識する抗体であることが好ましく、抗体のクラスはIgGが好ましい。
抗体断片は、上記の抗体のFc領域の一部または全部を含んだ抗体断片である。
本発明の抗体断片組成物としては、Fab、Fab’、F(ab’)、scFv、diabody、dsFvおよびCDRを含むペプチドなどの抗体断片組成物であって、N−グリコシド結合複合型糖鎖が該糖鎖の還元末端のN−アセチルグルコサミンにフコースが結合していない糖鎖である抗体Fc領域の一部または全部を含む抗体断片組成物があげられるが、該抗体断片組成物に抗体のFc領域の一部または全部を含まない場合は、該抗体断片と、N−グリコシド結合複合型糖鎖の還元末端のN−アセチルグルコサミンにフコースが結合していない糖鎖を有する抗体Fc領域の一部または全部との融合蛋白質とすればよいと融合させるか、または該Fc領域の一部または全部を含む、蛋白質との融合蛋白質組成物とすればよい。
Fabは、IgGを蛋白質分解酵素パパインで処理して得られる断片のうち(H鎖の224番目のアミノ酸残基で切断される)、H鎖のN末端側約半分とL鎖全体がジスルフィド結合で結合した分子量約5万の抗原結合活性を有する抗体断片である。
本発明のFabは、上記の抗体を蛋白質分解酵素パパインで処理して得ることができる。または、該抗体のFabをコードするDNAを原核生物用発現ベクターあるいは真核生物用発現ベクターに挿入し、該ベクターを原核生物あるいは真核生物へ導入することにより発現させ、製造することができる。
F(ab’)は、IgGを蛋白質分解酵素ペプシンで処理して得られる断片のうち(H鎖の234番目のアミノ酸残基で切断される)、Fabがヒンジ領域のジスルフィド結合を介して結合されたものよりやや大きい、分子量約10万の抗原結合活性を有する抗体断片である。
本発明のF(ab’)は、上記の抗体を蛋白質分解酵素ペプシンで処理して得ることができる。または、下記のFab’をチオエーテル結合あるいはジスルフィド結合させ、作製することができる。
Fab’は、上記F(ab’)2のヒンジ領域のジスルフィド結合を切断した分子量約5万の抗原結合活性を有する抗体断片である。
本発明のFab’は、上記のF(ab’)を還元剤ジチオスレイトール処理して得ることができる。または、該抗体のFab’断片をコードするDNAを原核生物用発現ベクターあるいは真核生物用発現ベクターに挿入し、該ベクターを原核生物あるいは真核生物へ導入することにより発現させ、製造することができる。
scFvは、1本のVHと1本のVLとを適当なペプチドリンカー(以下、Pと表記する)を用いて連結した、VH−P−VLないしはVL−P−VHポリペプチドで、抗原結合活性を有する抗体断片である。
本発明のscFvは、上記の抗体のVHおよびVLをコードするcDNAを取得し、scFvをコードするDNAを構築し、該DNAを原核生物用発現ベクターあるいは真核生物用発現ベクターに挿入し、該発現ベクターを原核生物あるいは真核生物へ導入することにより発現させ、製造することができる。
diabodyは、scFvが二量体化した抗体断片で、二価の抗原結合活性を有する抗体断片である。二価の抗原結合活性は、同一であることもできるし、一方を異なる抗原結合活性とすることもできる。
本発明のdiabodyは、上記の抗体のVH組成物およびVLをコードするcDNAを取得し、scFvをコードするDNAをPのアミノ酸配列の長さが8残基以下となるように構築し、該DNAを原核生物用発現ベクターあるいは真核生物用発現ベクターに挿入し、該発現ベクターを原核生物あるいは真核生物へ導入することにより発現させ、製造することができる。
dsFvは、VHおよびVL中のそれぞれ1アミノ酸残基をシステイン残基に置換したポリペプチドを該システイン残基間のジスルフィド結合を介して結合させたものをいう。システイン残基に置換するアミノ酸残基はReiterらにより示された方法(Protein Engineering,7,697−704,1994)に従って、抗体の立体構造予測に基づいて選択することができる。
本発明のdsFvは、上記の抗体のVHおよびVLをコードするcDNAを取得し、dsFvをコードするDNAを構築し、該DNAを原核生物用発現ベクターあるいは真核生物用発現ベクターに挿入し、該発現ベクターを原核生物あるいは真核生物へ導入することにより発現させ、製造することができる。
CDRを含むペプチドは、VHまたはVLのCDRの少なくとも1領域以上を含んで構成される。複数のCDRを含むペプチドは、直接または適当なペプチドリンカーを介して結合させることができる。
本発明のCDRを含むペプチドは、上記の抗体のVHおよびVLのCDRをコードするDNAを構築し、該DNAを原核生物用発現ベクターあるいは真核生物用発現ベクターに挿入し、該発現ベクターを原核生物あるいは真核生物へ導入することにより発現させ、製造することができる。
また、CDRを含むペプチドは、Fmoc法(フルオレニルメチルオキシカルボニル法)、tBoc法(t−ブチルオキシカルボニル法)などの化学合成法によって製造することもできる。
以下、本発明の製造方法を詳細に説明する。
1. 本発明の製造に用いる細胞の作製
本発明の、N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素の機能を抑制するRNAを導入した細胞は、例えば、以下のように作製することができる。
N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素のcDNAあるいはゲノムDNAを調製する。
調製したcDNAあるいはゲノムDNAの塩基配列を決定する。
決定したDNAの配列に基づき、N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素をコードする部分あるいは非翻訳領域の部分を含む適当な長さのRNAi遺伝子のコンストラクトを設計する。
該RNAi遺伝子を細胞内で発現させるために、調製したDNAの断片、または全長を適当な発現ベクターのプロモーターの下流に挿入することにより、組換えベクターを作製する。
該組換えベクターを、該発現ベクターに適合した宿主細胞に導入することにより形質転換体を得る。
導入したN−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素の活性、あるいは産生抗体分子または細胞表面上の糖蛋白質の糖鎖構造を指標に形質転換体を選択することで、本発明の細胞を得ることができる。
宿主細胞としては、酵母、動物細胞、昆虫細胞、植物細胞等、標的とするN−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素の遺伝子を有しているものであればいずれも用いることができる。具体的には、後述の第2項に記載の宿主細胞があげられる。
発現ベクターとしては、上記宿主細胞において自立複製可能ないしは染色体中への組み込みが可能で、設計したRNAi遺伝子を転写できる位置にプロモーターを含有しているものが用いられる。具体的には、ポリメラーゼIIIにより転写が行われるタイプの発現ベクターあるいは後述の第2項に記載の発現ベクターがあげられる。
各種宿主細胞への遺伝子の導入には、後述の第2項に記載の各種宿主細胞に適した組換えベクターの導入方法を用いることができる。
N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素のcDNAおよびゲノ厶DNAを取得する方法としては、例えば、以下に記載の方法があげられる。
cDNAの調製方法
各種宿主細胞から全RNAまたはmRNAを調製する。
調製した全RNAまたはmRNAからcDNAライブラリーを作製する。
N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素の既知アミノ酸配列、例えばヒトのアミノ酸配列、に基づいて、デジェネレイティブプライマーを作製し、作製したcDNAライブラリーを鋳型としてPCR法にて、N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素をコードする遺伝子断片を取得する。
取得した遺伝子断片をプローブとして用い、cDNAライブラリーをスクリーニングし、N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素をコードするcDNAを取得することができる。
各種宿主細胞のmRNAは、市販のもの(例えばClontech社製)を用いてもよいし、以下のごとく各種宿主細胞から調製してもよい。各種宿主細胞から全RNAを調製する方法としては、チオシアン酸グアニジン−トリフルオロ酢酸セシウム法[Methods in Enzymology,154,3(1987)]、酸性チオシアン酸グアニジン・フェノール・クロロホルム(AGPC)法[Analytical Biochemistry,162,156(1987);実験医学、,1937(1991)]等があげられる。
また、全RNAからpoly(A)RNAとしてmRNAを調製する方法としては、オリゴ(dT)固定化セルロースカラム法[Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Lab.Press New York(1989)]等があげられる。
さらに、Fast Track mRNA Isolation Kit(Invitrogen社製)、Quick Prep mRNA Purification Kit(Pharmacia社製)等のキットを用いることによりmRNAを調製することができる。
調製した各種宿主細胞mRNAからcDNAライブラリーを作製する。cDNAライブラリー作製法としては、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Lab.Press New York(1989)、Current Protocols in molecular Biology,John Wiley & Sons(1987−1997)等に記載された方法、あるいは市販のキット、例えばSuperScript Plasmid System for cDNA Synthesis and Plasmid Cloning(Life Technologies社製)、ZAP−cDNA Synthesis Kit(STRATAGENE社製)を用いる方法等があげられる。
cDNAライブラリーを作製するためのクローニングベクターとしては、大腸菌K12株中で自立複製できるものであれば、ファージベクター、プラスミドベクター等いずれでも使用できる。具体的には、ZAP Express[STRATAGENE社製、ストラテジーズ(Strategies),,58(1992)]、pBluescript II SK(+)[Nucleic Acids Research,17,9494(1989)]、Lambda ZAP II(STRATAGENE社製)、λgt10、λgt11[DNA cloning,A Practical Approach,,49(1985)]、λTriplEx(Clontech社製)、λExCell(Pharmacia社製)、pT7T318U(Pharmacia社製)、pCD2[モレキュラー・セルラー・バイオロジー(Mol.Cell.Biol.,,280(1983)]およびpUC18[Gene,33,103(1985)]等をあげることができる。
cDNAライブラリーを作製するための宿主微生物としては、微生物であればいずれでも用いることができるが、好ましくは大腸菌が用いられる。具体的には、Escherichiacoli XL1−Blue MRF’[STRATAGENE社製、Strategies,,81(1992)]、Escherichiacoli C600[Genetics,39,440(1954)]、EscherichiacoliY1088[Science,222,778(1983)]、EscherichiacoliY1090[Science,222,778(1983)]、EscherichiacoliNM522[J.Mol.Biol.,166,1(1983)]、Escherichiacoli K802[J.Mol.Biol.,16,118(1966)]およびEscherichiacoli JM105[Gene,38,275(1985)]等が用いられる。
このcDNAライブラリーを、そのまま以降の解析に用いてもよいが、不完全長cDNAの割合を下げ、なるべく完全長cDNAを効率よく取得するために、菅野らが開発したオリゴキャップ法[Gene,138,171(1994);Gene,200,149(1997);蛋白質核酸酵素,41,603(1996);実験医学,11,2491(1993);cDNAクローニング(羊土社)(1996);遺伝子ライブラリーの作製法(羊土社)(1994)]を用いて調製したcDNAライブラリーを以下の解析に用いてもよい。
N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素のアミノ酸配列に基づいて、該アミノ酸配列をコードすることが予測される塩基配列の5’端および3’端の塩基配列に特異的なデジェネレイティブプライマーを作製し、作製したcDNAライブラリーを鋳型としてPCR法[PCR Protocols,Academic Press(1990)]を用いてDNAの増幅を行うことにより、N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素をコードする遺伝子断片を取得することができる。
取得した遺伝子断片がN−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素をコードするDNAであることは、通常用いられる塩基配列解析方法、例えばサンガー(Sanger)らのジデオキシ法[Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,74,5463(1977)]あるいはABI PRISM377 DNAシークエンサー(PE Biosystems社製)等の塩基配列分析装置を用いて分析することにより、確認することができる。
該遺伝子断片をDNAプローブとして、各種宿主細胞に含まれるmRNAから合成したcDNAあるいはcDNAライブラリー対してコロニーハイブリダイゼーションやプラークハイブリダイゼーション[Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Lab.Press New York(1989)]を行うことにより、N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素のDNAを取得することができる。
また、N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素をコードする遺伝子断片を取得するために用いたプライマーを用い、各種宿主細胞に含まれるmRNAから合成したcDNAあるいはcDNAライブラリーを鋳型として、PCR法を用いてスクリーニングを行うことにより、N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素のDNAを取得することもできる。
取得したN−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素をコードするDNAの塩基配列を末端から、通常用いられる塩基配列解析方法、例えばサンガー(Sanger)らのジデオキシ法[Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,74,5463(1977)]あるいはABI PRISM377 DNAシークエンサー(PE Biosystems社製)等の塩基配列分析装置を用いて分析することにより、該DNAの塩基配列を決定する。
決定したcDNAの塩基配列をもとに、BLAST等の相同性検索プログラムを用いて、GenBank、EMBLおよびDDBJ等の塩基配列データベースを検索することにより、データベース中の遺伝子の中でN−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素をコードしている遺伝子を決定することもできる。
上記の方法で得られるN−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素をコードしている遺伝子の塩基配列としては、例えば、配列番号1、2、3または4に記載の塩基配列が挙げられる。
決定されたDNAの塩基配列に基づいて、フォスフォアミダイト法を利用したパーキン・エルマー社製のDNA合成機model 392等のDNA合成機で化学合成することにより、N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素のcDNAを取得することもできる。
N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素のゲノムDNAを調製する方法としては、例えば、以下に記載の方法が挙げられる。
ゲノムDNAの調製方法
ゲノムDNAを調製する方法としては、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Lab.Press New York(1989)、Current Protocols in molecular Biology,John Wiley & Sons(1987−1997)等に記載された公知の方法があげられる。また、ゲノムDNAライブラリースクリーニングシステム(Genome Systems社製)やUniversal GenomeWalkerTMKits(CLONTECH社製)等を用いることにより、N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素のゲノムDNAを単離することもできる。
N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素の活性を指標として形質転換体を選択する方法としては、例えば、以下の方法があげられる。
形質転換体を選択する方法
N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素の活性が低下した細胞を選択する方法としては、文献[新生化学実験講座3−糖質I,糖蛋白質(東京化学同人)日本生化学会編(1988)]、文献[細胞工学,別冊,実験プロトコールシリーズ,グライコバイオロジー実験プロトコール,糖蛋白質・糖脂質・プロテオグリカン(秀潤社製)谷口直之・鈴木明美・古川清・菅原一幸監修(1996)]、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Lab.Press New York(1989)、Current Protocols in molecular Biology,John Wiley & Sons(1987−1997)等に記載された生化学的な方法あるいは遺伝子工学的な方法等があげられる。生化学的な方法としては、例えば、酵素特異的な基質を用いて酵素活性を測定する方法があげられる。遺伝子工学的な方法としては、例えば、N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素の遺伝子のmRNA量を測定するノーザン解析やRT−PCR法等があげられる。
また、N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素の活性が低下した結果生じる形質の変化を指標に細胞を選択する方法としては、例えば、産生抗体分子の糖鎖構造を指標として形質転換体を選択する方法や、細胞表面上の糖蛋白質の糖鎖構造を指標として形質転換体を選択する方法等が挙げられる。産生抗体分子の糖鎖構造を指標として形質転換体を選択する方法としては、後述の4.に記載の方法が挙げられる。細胞表面上の糖蛋白質の糖鎖構造を指標として形質転換体を選択する方法としては、N−グリコシド結合糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位とフコースの1位がα結合した糖鎖構造を認識するレクチンに耐性である株を選択する手法を挙げることができる。その具体的な例としては、Somatic Cell Mol.Genet.,12,51,(1986)等に記載のレクチンを用いた方法が挙げられる。
レクチンとしては、N−グリコシド結合糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位とフコースの1位がα結合した糖鎖構造を認識するレクチンであればいずれのレクチンでも用いることができるが、好ましくはレンズマメレクチンLCA(LensCulinaris由来のLentil Agglutinin)エンドウマメレクチンPSA(Pisum sativum由来のPea Lectin)、ソラマメレクチンVFA(Viciafaba由来のAgglutinin)、ヒイロチャワンタケレクチンAAL(Aleuriaaurantia由来のLectin)等があげられる。
具体的には、10μg/mL〜10mg/mL、好ましくは0.5〜2mg/mLの濃度の上述のレクチンを含む培地に1日〜2週間、好ましくは3日〜1週間培養し、生存している細胞を継代培養あるいはコロニーを採取後、別の培養器に移し、さらに引き続きレクチンを含む培地で培養を続けることで、本発明の細胞を選択することができる。
N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素の遺伝子のmRNA量を抑制するためのRNAi遺伝子は、常法またはDNA合成機を用いることにより調製することができる。
RNAi遺伝子のコンストラクトは、[Nature,391,806,(1998)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,95,15502,(1998)、Nature,395,854,(1998)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,96,5049,(1999)、Cell,95,1017,(1998);Proc.Natl.Acad.Sci.USA,96,1451,(1999)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,95,13959,(1998);Nature Cell Biol.,,70,(2000)、Nature,411,494,(2001)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,98,9742,(2001)]等の記載に従って設計することができる。
また、発現ベクターを用いず、N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素の塩基配列に基づいて設計した二本鎖RNAを、直接宿主細胞に導入することで、本発明の細胞を得ることもできる。
二本鎖RNAは、常法またはRNA合成機を用いることにより調製することができる。具体的には、N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素のcDNAおよびゲノムDNAの相補RNA塩基配列のうち、連続した1〜40塩基、好ましくは5〜40塩基、より好ましくは10〜35塩基、さらに好ましくは15〜29塩基に相当する配列を有するオリゴヌクレオチドの配列情報に基づき、該オリゴヌクレオチドと相補的な配列に相当するオリゴヌクレオチド(アンチセンスオリゴヌクレオチド)を合成することで調製することができる。該オリゴヌクレオチドとアンチセンスオリゴヌクレオチドは、それぞれ独立に合成してもよいし、二本鎖RNA形成に支障のないようなスペーサーヌクレオチドでつながれていてもよい。
オリゴヌクレオチドとしては、オリゴRNAおよび該オリゴヌクレオチドの誘導体(以下、オリゴヌクレオチド誘導体という)等があげられる。
オリゴヌクレオチド誘導体としては、オリゴヌクレオチド中のリン酸ジエステル結合がホスフォロチオエート結合に変換されたオリゴヌクレオチド誘導体、オリゴヌクレオチド中のリン酸ジエステル結合がN3’−P5’ホスフォアミデート結合に変換されたオリゴヌクレオチド誘導体、オリゴヌクレオチド中のリボースとリン酸ジエステル結合がペプチド核酸結合に変換されたオリゴヌクレオチド誘導体、オリゴヌクレオチド中のウラシルがC−5プロピニルウラシルで置換されたオリゴヌクレオチド誘導体、オリゴヌクレオチド中のウラシルがC−5チアゾールウラシルで置換されたオリゴヌクレオチド誘導体、オリゴヌクレオチド中のシトシンがC−5プロピニルシトシンで置換されたオリゴヌクレオチド誘導体、オリゴヌクレオチド中のシトシンがフェノキサジン修飾シトシン(phenoxazine−modified cytosine)で置換されたオリゴヌクレオチド誘導体、オリゴヌクレオチド中のリボースが2’−O−プロピルリボースで置換されたオリゴヌクレオチド誘導体、あるいはオリゴヌクレオチド中のリボースが2’−メトキシエトキシリボースで置換されたオリゴヌクレオチド誘導体等があげられる[細胞工学,16,1463(1997)]。
2.抗体組成物の製造方法
抗体組成物は、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Lab.Press New York(1989)、Current Protocols in molecular Biology,John Wiley & Sons(1987−1997)、Antibodies,A Laboratory manual,Cold Spring Harbor Laboratory(1988)、Monoclonal Antibodies:principles and practice,Third Edition,Acad.Press(1993)、Antibody Engineering,A Practical Approach,IRL Press at Oxford University Press(1996)等に記載された方法を用い、例えば、以下のように宿主細胞中で発現させて取得することができる。
抗体分子のcDNAを調製する。
調製した抗体分子の全長cDNAをもとにして、必要に応じて、該蛋白質をコードする部分を含む適当な長さのDNA断片を調製する。
該DNA断片、または全長cDNAを適当な発現ベクターのプロモーターの下流に挿入することにより、組換えベクターを作製する。
該組換えベクターを、該発現ベクターに適合した宿主細胞に導入することにより、抗体分子を生産する形質転換体を得ることができる。
宿主細胞として、酵母、動物細胞、昆虫細胞、植物細胞等、目的とする遺伝子を発現できるものであればいずれも用いることができるが、好ましくは動物細胞があげられる。
抗体分子のFc領域に結合するN−グリコシド結合糖鎖の修飾に係わる酵素を遺伝子工学的な手法を用いて導入した、酵母、動物細胞、昆虫細胞、植物細胞等の細胞を宿主細胞として用いることもできる。
本発明の抗体組成物の製造方法に用いられる宿主細胞としては、上記1.で作製した、N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素の機能を抑制するRNAを導入した細胞をあげることができる。
発現ベクターとしては、上記各種宿主細胞において自立複製可能ないしは染色体中への組込が可能で、目的とする抗体分子をコードするDNAを転写できる位置にプロモーターを含有しているものが用いられる。
cDNAは、上記第1項に記載の「cDNAの調製方法」に従い、ヒトまたは非ヒト動物の組織または細胞より、目的とする抗体分子に特異的なプローブプライマーを用いて調製することができる。
酵母を宿主細胞として用いる場合には、発現ベクターとして、例えば、YEP13(ATCC37115)、YEp24(ATCC37051)、YCp50(ATCC37419)等をあげることができる。
プロモーターとしては、酵母菌株中で発現できるものであればいずれのものを用いてもよく、例えば、ヘキソースキナーゼ等の解糖系の遺伝子のプロモーター、PHO5プロモーター、PGKプロモーター、GAPプロモーター、ADHプロモーター、gal 1プロモーター、gal 10プロモーター、ヒートショック蛋白質プロモーター、MFα1プロモーター、CUP1プロモーター等をあげることができる。
宿主細胞としては、サッカロミセス属、シゾサッカロミセス属、クリュイベロミセス属、トリコスポロン属、シュワニオミセス属等に属する酵母、例えば、SaccharomycescerevisiaeSchizosaccharomycespombeKluyveromyceslactisTrichosporonpullulansSchwanniomycesalluvius等をあげることができる。
組換えベクターの導入方法としては、酵母にDNAを導入する方法であればいずれも用いることができ、例えば、エレクトロポレーション法[Methods.Enzymol.,194,182(1990)]、スフェロプラスト法[Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A,84,1929(1978)]、酢酸リチウ厶法[J.Bacteriology,153,163(1983)]、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A,75,1929(1978)]に記載の方法等をあげることができる。
動物細胞を宿主として用いる場合には、発現ベクターとして、例えば、pCDNAI、pCDM8(フナコシ社より市販)、pAGE107[特開平3−22979;Cytotechnology,,133,(1990)]、pAS3−3[特開平2−227075]、pCDM8[Nature,329,840,(1987)]、pCDNAI/Amp(Invitrogen社製)、pREP4(Invitrogen社製)、pAGE103[J.Biochemistry,101,1307(1987)]、pAGE210等をあげることができる。
プロモーターとしては、動物細胞中で発現できるものであればいずれも用いることができ、例えば、サイトメガロウイルス(CMV)のIE(immediate early)遺伝子のプロモーター、SV40の初期プロモーター、レトロウイルスのプロモーター、メタロチオネインプロモーター、ヒートショックプロモーター、SRαプロモーター等をあげることができる。また、ヒトCMVのIE遺伝子のエンハンサーをプロモーターと共に用いてもよい。
宿主細胞としては、ヒトの細胞であるナマルバ(Namalwa)細胞、サルの細胞であるCOS細胞、チャイニーズ・ハムスターの細胞であるCHO細胞、HBT5637(特開昭63−299)、ラットミエローマ細胞、マウスミエローマ細胞、シリアンハムスター腎臓由来細胞、胚性幹細胞、受精卵細胞等をあげることができる。
組換えベクターの導入方法としては、動物細胞にDNAを導入する方法であればいずれも用いることができ、例えば、エレクトロポレーション法[Cytotechnology,,133(1990)]、リン酸カルシウム法[特開平2−227075]、リポフェクション法[Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,84.7413(1987)]、インジェクション法[Manipulating the Mouse Embryo A Laboratory Manual,Second Edition,Cold Spring Harbor Laboratory Press(1994)]、パーティクルガン(遺伝子銃)を用いる方法[特許第2606856、特許第2517813]、DEAE−デキストラン法[バイオマニュアルシリーズ4−遺伝子導入と発現・解析法(羊土社)横田崇・新井賢一編(1994)]、ウイルスベクター法[Manipulating the Mouse Embryo A Laboratory Manual,Second Edition,Cold Spring Harbor Laboratory Press(1994)]等をあげることができる。
昆虫細胞を宿主として用いる場合には、例えばCurrent Protocols in molecular Biology,Baculovirus Expression Vectors,A Laboratory Manual,W.H.Freeman and Company,New York(1992)、Bio/Technology,,47(1988)等に記載された方法によって、蛋白質を発現することができる。
即ち、組換え遺伝子導入ベクターおよびバキュロウイルスを昆虫細胞に共導入して昆虫細胞培養上清中に組換えウイルスを得た後、さらに組換えウイルスを昆虫細胞に感染させ、蛋白質を発現させることができる。
該方法において用いられる遺伝子導入ベクターとしては、例えば、pVL1392、pVL1393、pBlueBacIII(ともにInvitorogen社製)等をあげることができる。
バキュロウイルスとしては、例えば、夜盗蛾科昆虫に感染するウイルスであるアウトグラファ・カリフォルニカ・ヌクレアー・ポリヘドロシス・ウイルス(Autographa californica nuclear polyhedrosis virus)等を用いることができる。
昆虫細胞としては、Spodopterafrugiperdaの卵巣細胞であるSf9、Sf21[Current Protocols in molecular Biology,Baculovirus Expression Vectors,A Laboratory Manual,W.H.Freeman and Company,New York(1992)]、Tricho plusianiの卵巣細胞であるHigh Five(Invitrogen社製)等を用いることができる。
組換えウイルスを調製するための、昆虫細胞への上記組換え遺伝子導入ベクターと上記バキュロウイルスの共導入方法としては、例えば、リン酸カルシウム法(特開平2−227075)、リポフェクション法[Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,84,7413(1987)]等をあげることができる。
植物細胞を宿主細胞として用いる場合には、発現ベクターとして、例えば、Tiプラスミド、タバコモザイクウイルスベクター等をあげることができる。
プロモーターとしては、植物細胞中で発現できるものであればいずれのものを用いてもよく、例えば、カリフラワーモザイクウイルス(CaMV)の35Sプロモーター、イネアクチン1プロモーター等をあげることができる。
宿主細胞としては、タバコ、ジャガイモ、トマト、ニンジン、ダイズ、アブラナ、アルファルファ、イネ、コムギ、オオムギ等の植物細胞等をあげることができる。
組換えベクターの導入方法としては、植物細胞にDNAを導入する方法であればいずれも用いることができ、例えば、アグロバクテリウ厶(Agrobacterium)[特開昭59−140885、特開昭60−70080、WO94/00977]、エレクトロポレーション法[特開昭、60−251887]、パーティクルガン(遺伝子銃)を用いる方法[日本特許第2606856、日本特許第2517813]等をあげることができる。
抗体遺伝子の発現方法としては、直接発現以外に、モレキュラー・クローニング第2版に記載されている方法に準じて、分泌生産、融合蛋白質発現等を行うことができる。
糖鎖の合成に関与する遺伝子を導入した、酵母、動物細胞、昆虫細胞または植物細胞等により発現させた場合には、導入した遺伝子によって糖あるいは糖鎖が付加された抗体分子を得ることができる。
以上のようにして得られる形質転換体を培地に培養し、培養物中に抗体分子を生成蓄積させ、該培養物から採取することにより、抗体組成物を製造することができる。形質転換体を培地に培養する方法は、宿主細胞の培養に用いられる通常の方法に従って行うことができる。
酵母等の真核生物を宿主として得られた形質転換体を培養する培地としては、該生物が資化し得る炭素源、窒素源、無機塩類等を含有し、形質転換体の培養を効率的に行える培地であれば天然培地、合成培地のいずれを用いてもよい。
炭素源としては、該生物が資化し得るものであればよく、グルコース、フラクトース、スクロース、これらを含有する糖蜜、デンプンあるいはデンプン加水分解物等の炭水化物、酢酸、プロピオン酸等の有機酸、エタノール、プロパノール等のアルコール類等を用いることができる。
窒素源としては、アンモニア、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、リン酸アンモニウム等の無機酸もしくは有機酸のアンモニウム塩、その他の含窒素化合物、ならびに、ペプトン、肉エキス、酵母エキス、コーンスチープリカー、カゼイン加水分解物、大豆粕および大豆粕加水分解物、各種発酵菌体およびその消化物等を用いることができる。
無機塩類としては、リン酸第一カリウ厶、リン酸第二カリウム、リン酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸第一鉄、硫酸マン癌、硫酸銅、炭酸カルシウム等を用いることができる。
培養は、通常振盪培養または深部通気攪拌培養等の好気的条件下で行う。培養温度は15〜40℃がよく、培養時間は、通常16時間〜7日間である。培養中のpHは3〜9に保持する。pHの調製は、無機または有機の酸、アルカリ溶液、尿素、炭酸カルシウム、アンモニア等を用いて行う。
また、培養中必要に応じて、アンピシリンやテトラサイクリン等の抗生物質を培地に添加してもよい。
プロモーターとして誘導性のプロモーターを用いた組換えベクターで形質転換した酵母を培養するときには、必要に応じてインデューサーを培地に添加してもよい。例えば、lacプロモーターを用いた組換えベクターで形質転換した酵母を培養するときにはイソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド等を、trpプロモーターを用いた組換えベクターで形質転換した酵母を培養するときにはインドールアクリル酸等を培地に添加してもよい。
動物細胞を宿主として得られた形質転換体を培養する培地としては、一般に使用されているRPMI1640培地[The Journal of the American Medical Association,199,519(1967)]、EagleのMEM培地[Science,122,501(1952)]、ダルベッコ改変MEM培地邊[Virology,,396(1959)]、199培地[Proceeding of the Society for the Biological Medicine,73,1(1950)]、Whitten培地[発生工学実験マニュアル−トランスジェニック・マウスの作り方(講談社)勝木元也編(1987)]またはこれら培地に牛胎児血清等を添加した培地等を用いることができる。
培養は、通常pH6〜8、30〜40℃、5%CO存在下等の条件下で1〜7日間行う。フェドバッチ培養、ホロファイバー培養等の培養法を用いて1日〜数ヶ月培養を行うこともできる。
また、培養中必要に応じて、カナマイシン、ペニシリン等の抗生物質を培地に添加してもよい。
昆虫細胞を宿主として得られた形質転換体を培養する培地としては、一般に使用されているTNM−FH培地(Pharmingen社製)、Sf−900 II SFM培地(Life Technologies社製)、ExCell400、ExCell405(いずれもJRH Biosciences社製)、Grace’s Insect Medium[Nature,195,788(1962)]等を用いることができる。
培養は、通常pH6〜7、25〜30℃等の条件下で、1〜5日間行う。
また、培養中必要に応じて、ゲンタマイシン等の抗生物質を培地に添加してもよい。
植物細胞を宿主として得られた形質転換体は、細胞として、または植物の細胞や器官に分化させて培養することができる。該形質転換体を培養する培地としては、一般に使用されているムラシゲ・アンド・スクーグ(MS)培地、ホワイト(White)培地、またはこれら培地にオーキシン、サイトカイニン等、植物ホルモンを添加した培地等を用いることができる。
培養は、通常pH5〜9、20〜40℃の条件下で3〜60日間行う。
また、培養中必要に応じて、カナマイシン、ハイグロマイシン等の抗生物質を培地に添加してもよい。
上記のとおり、抗体分子をコードするDNAを組み込んだ組換え体ベクターを保有する酵母、動物細胞、あるいは植物細胞由来の形質転換体を、通常の培養方法に従って培養し、抗体組成物を生成蓄積させ、該培養物より抗体組成物を採取することにより、抗体組成物を製造することができる。
抗体組成物の生産方法としては、宿主細胞内に生産させる方法、宿主細胞外に分泌させる方法、あるいけ宿主細胞外膜上に生産させる方法があり、使用する宿主細胞や、生産させる抗体分子の構造を変えることにより、該方法を選択することができる。
抗体組成物が宿主細胞内あるいは宿主細胞外膜上に生産される場合、ポールソンらの方法[J.Biol.Chem,,264,17619(1989)]、ロウらの方法[Proc.Natl.Acad.Sci,U.S.A.,86,8227(1989);Genes Develop.,,1288(1990)]、または特開平05−336963、WO94/23021等に記載の方法を準用することにより、該抗体組成物を宿主細胞外に積極的に分泌させることができる。
すなわち、遺伝子組換えの手法を用いて、発現ベクターに、抗体分子をコードするDNA、および抗体分子の発現に適切なシグナルペプチドをコードするDNAを挿入し、該発現ベクターを宿主細胞へ導入した後に抗体分子を発現させることにより、目的とする抗体分子を宿主細胞外に積極的に分泌させることができる。
また、特開平2−227075に記載されている方法に準じて、ジヒドロ葉酸還元酵素遺伝子等を用いた遺伝子増幅系を利用して生産量を上昇させることもできる。
さらに、遺伝子導入した動物または植物の細胞を再分化させることにより、遺伝子が導入された動物個体(トランスジェニック非ヒト動物)または植物個体(トランスジェニック植物)を造成し、これらの個体を用いて抗体組成物を製造することもできる。
形質転換体が動物個体または植物個体の場合は、通常の方法に従って、飼育または栽培し、抗体組成物を生成蓄積させ、該動物個体または植物個体より該抗体組成物を採取することにより、該抗体組成物を製造することができる。
動物個体を用いて抗体組成物を製造する方法としては、例えば公知の方法[American Journal of Clinical Nutrition,63,639S(1996);American Journal of Clinical Nutrition,63,627S(1996);Bio/Technology,,830(1991)]に準じて遺伝子を導入して造成した動物中に目的とする抗体組成物を生産する方法があげられる。
動物個体の場合は、例えば、抗体分子をコードするDNAを導入したトランスジェニック非ヒト動物を飼育し、抗体組成物を該動物中に生成・蓄積させ、該動物中より抗体組成物を採取することにより、抗体組成物を製造することができる。該動物中の生成・蓄積場所としては、例えば、該動物のミルク(特開昭63−309192)、卵等をあげることができる。この際に用いられるプロモーターとしては、動物で発現できるものであればいずれも用いることができるが、例えば、乳腺細胞特異的なプロモーターであるαカゼインプロモーター、βカゼインプロモーター、βラクトグロブリンプロモーター、ホエー酸性プロテインプロモーター等が好適に用いられる。
植物個体を用いて抗体組成物を製造する方法としては、例えば抗体分子をコードするDNAを導入したトランスジェニック植物を公知の方法[組織培養,20(1994);組織培養,21(1995);Trends in Biotechnology,15,45(1997)]に準じて栽培し、抗体組成物を該植物中に生成・蓄積させ、該植物中より該抗体組成物を採取することにより、抗体組成物を生産する方法があげられる。
抗体分子をコードする遺伝子を導入した形質転換体により製造された抗体組成物は、例えば抗体組成物が、細胞内に溶解状態で発現した場合には、培養終了後、細胞を遠心分離により回収し、水系緩衝液にけん濁後、超音波破砕機、フレンチプレス、マントンガウリンホモゲナイザー、ダイノミル等により細胞を破砕し、無細胞抽出液を得る。該無細胞抽出液を遠心分離することにより得られる上清から、通常の酵素の単離精製法、即ち、溶媒抽出法、硫安等による塩析法、脱塩法、有機溶媒による沈殿法、ジエチルアミノエチル(DEAE)−セファロース、DIAIONHPA−75(三菱化学社製)等レジンを用いた陰イオン交換クロマトグラフィー法、S−Sepharose FF(Pharmacia社製)等のレジンを用いた陽イオン交換クロマトグラフィー法、ブチルセファロース、フェニルセファロース等のレジンを用いた疎水性クロマトグラフィー法、分子篩を用いたゲルろ過法、アフィニティークロマトグラフィー法、クロマトフォーカシング法、等電点電気泳動等の電気泳動法等の手法を単独あるいは組み合わせて用い、抗体組成物の精製標品を得ることができる。
また、抗体組成物が細胞内に不溶体を形成して発現した場合は、同様に細胞を回収後破砕し、遠心分離を行うことにより、沈殿画分として抗体組成物の不溶体を回収する。回収した抗体組成物の不溶体を蛋白質変性剤で可溶化する。該可溶化液を希釈または透析することにより、該抗体組成物を正常な立体構造に戻した後、上記と同様の単離精製法により該抗体組成物の精製標品を得ることができる。
抗体組成物が細胞外に分泌された場合には、培養上清に該抗体組成物を回収することができる。即ち、該培養物を上記と同様の遠心分離等の手法により処理することにより可溶性画分を取得し、該可溶性画分から、上記と同様の単離精製法を用いることにより、抗体組成物の精製標品を得ることができる。
このようにして取得される抗体組成物として、例えば、抗体、抗体断片、抗体のFc領域を有する融合蛋白質等を挙げることができる。
以下に、抗体組成物の取得のより具体的な例として、ヒト化抗体組成物およびFc融合蛋白質の製造方法について記すが、他の抗体組成物を上述の方法および当該方法に準じて取得することもできる。
A.ヒト化抗体組成物の製造
(1)ヒト化抗体発現用ベクターの構築
ヒト化抗体発現用ベクターとは、ヒト抗体のCHおよびCLをコードする遺伝子が組み込まれた動物細胞用発現ベクターであり、動物細胞用発現ベクターにヒト抗体のCHおよびCLをコードする遺伝子をそれぞれクローニングすることにより構築することができる。
ヒト抗体のC領域としては、任意のヒト抗体のCHおよびCLであることができ、例えば、ヒト抗体のH鎖のIgG1サブクラスのC領域(以下、「hCγ1」と表記する)およびヒト抗体のL鎖のκクラスのC領域(以下、「hCκ」と表記する)等があげられる。
ヒト抗体のCHおよびCLをコードする遺伝子としてはエキソンとイントロンから成る染色体DNAを用いることができ、また、cDNAを用いることもできる。
動物細胞用発現ベクターとしては、ヒト抗体のC領域をコードする遺伝子を組込み発現できるものであればいかなるものでも用いることができる。例えば、pAGE107[Cytotechnology,,133(1990)]、pAGE103[J.Biochem.,101,1307(1987)]、pHSG274[Gene,27,223(1984)]、pKCR[Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,78,1527(1981)]、pSG1βd2−4[Cytotechnology,,173(1990)]等があげられる。動物細胞用発現ベクターに用いるプロモーターとエンハンサーとしては、SV40の初期プロモーターとエンハンサー[J.Biochem.,101,1307(1987)]、モロニーマウス白血病ウイルスのLTR[Biochem.Biophys.Res.Commun.,149,960(1987)]、免疫グロブリンH鎖のプロモーター[Cell,41,479(1985)]とエンハンサー[Cell,33,717(1983)]等があげられる。
ヒト化抗体発現用ベクターは、抗体H鎖およびL鎖が別々のベクター上に存在するタイプあるいは同一のベクター上に存在するタイプ(以下、タンデム型と表記する)のどちらでも用いることができるが、ヒト化抗体発現ベクターの構築の容易さ、動物細胞への導入の容易さ、動物細胞内での抗体H鎖およびL鎖の発現量のバランスが均衡する等の点からタンデ厶型のヒト化抗体発現用ベクターの方が好ましい[J.Immunol.Methods,167,271(1994)]。
構築したヒト化抗体発現用ベクターは、ヒト型キメラ抗体およびヒト型CDR移植抗体の動物細胞での発現に使用できる。
(2)ヒト以外の動物の抗体のV領域をコードするcDNAの取得
ヒト以外の動物の抗体、例えば、マウス抗体のVHおよびVLをコードするcDNAは以下のようにして取得することができる。
目的のマウス抗体を産生するハイブリドーマ細胞よりmRNAを抽出し、cDNAを合成する。合成したcDNAをファージ或いはプラスミド等のベクターにクローニングしてcDNAライブラリーを作製する。該ライブラリーより、既存のマウス抗体のC領域部分或いはV領域部分をプローブとして用い、VHをコードするcDNAを有する組換えファージ或いは組換えプラスミドおよびVLをコードするcDNAを有する組換えファージ或いは組換えプラスミドをそれぞれ単雕する。組換えファージ或いは組換えプラスミド上の目的のマウス抗体のVHおよびVLの全塩基配列を決定し、塩基配列よりVHおよびVLの全アミノ酸配列を推定する。
ヒト以外の動物としては、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ等、ハイブリドーマ細胞を作製することが可能であれば、いかなるものも用いることができる。
ハイブリドーマ細胞から全RNAを調製する方法としては、チオシアン酸グアニジン−トリフルオロ酢酸セシウム法[Methods in Enzymol.,154,3(1987)]、また全RNAからmRNAを調製する方法としては、オリゴ(dT)固定化セルロースカラム法[Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Lab.Press New York(1989)]等があげられる。また、ハイブリドーマ細胞からmRNAを調製するキットとしては、Fast Track mRNA Isolation Kit(Invitrogen社製)、Quick Prep mRNA Purification Kit(Pharmacia社製)等があげられる。
cDNAの合成およびcDNAライブラリー作製法としては、常法[Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Lab.Press New York(1989)、Current Protocols in molecular Biology,John Wiley & Sons(1987−1997)]、或いは市販のキット、例えば、Super ScriptTMPlasmid System for cDNA Synthesis and Plasmid Cloning(GIBCO BRL社製)やZAP−cDNA Synthesis Kit(Stratagene社製)を用いる方法等があげられる。
cDNAライブラリーの作製の際、ハイブリドーマ細胞から抽出したmRNAを鋳型として合成したcDNAを組み込むベクターは、該cDNAを組み込めるベクターであればいかなるものでも用いることができる。例えば、ZAP Express[Strategies,,58(1992)]、pBluescript II SK(+)[Nucleic Acids Research,17,9494(1989)]、λZAP II(Stratagene社製)、λgt10、λgt11[DNA Cloning:A Practical Approach,,49(1985)]、Lambda BlueMid(Clontech社製)、λExCell、pT7T3 18U(Pharmacia社製)、pCD2[Mol.Cell.Biol.,,280(1983)]およびpUC18[Gene,33,103(1985)]等が用いられる。
ファージ或いはプラスミドベクターにより構築されるcDNAライブラリーを導入する大腸菌としては該cDNAライブラリーを導入、発現および維持できるものであればいかなるものでも用いることができる。例えば、XL1−Blue MRF’[Strategies,,81(1992)]、C600[Genetics,39,440(1954)]、Y1088、Y1090[Science,222,778(1983)]、NM522[J.Mol.Biol.,166,1(1983)]、K802[J.Mol.Biol.,16,118(1966)]およびJM105[Gene,38,275(1985)]等が用いられる。
cDNAライブラリーからのヒト以外の動物の抗体のVHおよびVLをコードするcDNAクローンの選択法としては、アイソトープ或いは蛍光標識したプローブを用いたコロニー・ハイブリダイゼーション法或いはプラーク・ハイブリダイゼーション法[Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Lab.Press New York(1989)]により選択することができる。また、プライマーを調製し、mRNAから合成したcDNA或いはcDNAライブラリーを鋳型として、PCR法[Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Lab.Press New York(1989)、Current Protocols in molecular Biology,John Wiley & Sons(1987−1997)]によりVHおよびVLをコードするcDNAを調製することもできる。
上記方法により選択されたcDNAを、適当な制限酵素等で切断後、pBluescript SK(−)(Stratagene社製)等のプラスミドにクローニングし、通常用いられる塩基配列解析方法、例えば、サンガー(Sanger)らのジデオキシ法[Proc.Natl.Acad.Sci.,U.S.A.,74,5463(1977)]等の反応を行い、塩基配列自動分析装置、例えば、ABI PRISM 377シークエンサー(Applied Biosystems社製)等を用いて解析することで該cDNAの塩基配列を決定することができる。
決定した塩基配列からVHおよびVLの全アミノ酸配列を推定し、既知の抗体のVHおよびVLの全アミノ酸配列[Sequences of Proteins of ImmunologicalInterest,US Dept.Health and Human Services,1991]と比較することにより、取得したcDNAが分泌シグナル配列を含む抗体のVHおよびVLの完全なアミノ酸配列をコードしているかを確認することができる。
(3)ヒト以外の動物の抗体のV領域のアミノ酸配列の解析
分泌シグナル配列を含む抗体のVHおよびVLの完全なアミノ酸配列に関しては、既知の抗体のVHおよびVLの全アミノ酸配列[Sequences of Proteins of Immunological Interest,US Dept.Health and Human Services,1991]と比較することにより、分泌シグナル配列の長さおよびN末端アミノ酸配列を推定でき、更にはそれらが属するサブグループを知ることができる。また、VHおよびVLの各CDRのアミノ酸配列についても、既知の抗体のVHおよびVLのアミノ酸配列[Sequences of Proteins of Immunological Interest,US Dept.Health and Human Services,1991]と比較することによって見出すことができる。
(4)ヒト型キメラ抗体発現ベクターの構築
本項2のAの(1)に記載のヒト化抗体発現用ベクターのヒト抗体のCHおよびCLをコードする遺伝子の上流に、ヒト以外の動物の抗体のVHおよびVLをコードするcDNAをクローニングし、ヒト型キメラ抗体発現ベクターを構築することができる。例えば、ヒト以外の動物の抗体のVHおよびVLをコードするcDNAを、ヒト以外の動物の抗体VHおよびVLの3’末端側の塩基配列とヒト抗体のCHおよびCLの5’末端側の塩基配列とから成り、かつ適当な制限酵素の認識配列を両端に有する合成DNAとそれぞれ連結し、それぞれを本項2のAの(1)に記載のヒト化抗体発現用ベクターのヒト抗体のCHおよびCLをコードする遺伝子の上流にそれらが適切な形で発現するようにクローニングし、ヒト型キメラ抗体発現ベクターを構築することができる。
(5)ヒト型CDR移植抗体のV領域をコードするcDNAの構築
ヒト型CDR移植抗体のVHおよびVLをコードするcDNAは、以下のようにして構築することができる。まず、目的のヒト以外の動物の抗体のVHおよびVLのCDRを移植するヒト抗体のVHおよびVLのフレームワーク(以下、FRと表記する)のアミノ酸配列を選択する。ヒト抗体のVHおよびVLのFRのアミノ酸配列としては、ヒト抗体由来のものであれば、いかなるものでも用いることができる。例えば、Protein Data Bank等のデータベースに登録されているヒト抗体のVHおよびVLのFRのアミノ酸配列、ヒト抗体のVHおよびVLのFRの各サブグループの共通アミノ酸配列[Sequences of Proteins of Immunological Interest,US Dept.Health and Human Services,1991]等があげられるが、その中でも、十分な活性を有するヒト型CDR移植抗体を作製するためには、目的のヒト以外の動物の抗体のVHおよびVLのFRのアミノ酸配列とできるだけ高い相同性(少なくとも60%以上)を有するアミノ酸配列を選択することが望ましい。
次に、選択したヒト抗体のVHおよびVLのFRのアミノ酸配列に目的のヒト以外の動物の抗体のVHおよびVLのCDRのアミノ酸配列を移植し、ヒト型CDR移植抗体のVHおよびVLのアミノ酸配列を設計する。設計したアミノ酸配列を抗体の遺伝子の塩基配列に見られるコドンの使用頻度[Sequences of Proteins of Immunological Interest,US Dept.Health and Human Services,1991]を考慮してDNA配列に変換し、ヒト型CDR移植抗体のVHおよびVLのアミノ酸配列をコードするDNA配列を設計する。設計したDNA配列に基づき、100塩基前後の長さから成る数本の合成DNAを合成し、それらを用いてPCR法を行う。この場合、PCRでの反応効率および合成可能なDNAの長さから、H鎖、L鎖とも6本の合成DNAを設計することが好ましい。
また、両端に位置する合成DNAの5’末端に適当な制限酵素の認識配列を導入することで、本項2のAの(1)で構築したヒト化抗体発現用ベクターに容易にクローニングすることができる。PCR後、増幅産物をpBluescript SK(−)(Stratagene社製)等のプラスミドにクローニングし、本項2のAの(2)に記載の方法により、塩基配列を決定し、所望のヒト型CDR移植抗体のVHおよびVLのアミノ酸配列をコードするDNA配列を有するプラスミドを取得する。
(6)ヒト型CDR移植抗体のV領域のアミノ酸配列の改変
ヒト型CDR移植抗体は、目的のヒト以外の動物の抗体のVHおよびVLのCDRのみをヒト抗体のVHおよびVLのFRに移植しただけでは、その抗原結合活性は元のヒト以外の動物の抗体に比べて低下してしまうことが知られている[BIO/TECHNOLOGY,,266(1991)]。この原因としては、元のヒト以外の動物の抗体のVHおよびVLでは、CDRのみならず、FRのいくつかのアミノ酸残基が直接的或いは間接的に抗原結合活性に関与しており、それらアミノ酸残基がCDRの移植に伴い、ヒト抗体のVHおよびVLのFRの異なるアミノ酸残基へと変化してしまうことが考えられている。この問題を解決するため、ヒト型CDR移植抗体では、ヒト抗体のVHおよびVLのFRのアミノ酸配列の中で、直接抗原との結合に関与しているアミノ酸残基やCDRのアミノ酸残基と相互作用したり、抗体の立体構造を維持し、間接的に抗原との結合に関与しているアミノ酸残基を同定し、それらを元のヒト以外の動物の抗体に見出されるアミノ酸残基に改変し、低下した抗原結合活性を上昇させることが行われている[BIO/TECHNOLOGY,,266(1991)]。
ヒト型CDR移植抗体の作製においては、それら抗原結合活性に関わるFRのアミノ酸残基を如何に効率よく同定するかが、最も重要な点であり、そのためにX線結晶解析[J.Mol.Biol.,112,535(1977)]或いはコンピューターモデリング[Protein Engineering,,1501(1994)]等による抗体の立体構造の構築および解析が行われている。これら抗体の立体構造の情報は、ヒト型CDR移植抗体の作製に多くの有益な情報をもたらして来たが、その一方、あらゆる抗体に適応可能なヒト型CDR移植抗体の作製法は未だ確立されておらず、現状ではそれぞれの抗体について数種の改変体を作製し、それぞれの抗原結合活性との相関を検討する等の種々の試行錯誤が必要である。
ヒト抗体のVHおよびVLのFRのアミノ酸残基の改変は、改変用合成DNAを用いて本項2のAの(5)に記載のPCR法を行うことにより、達成できる。PCR後の増幅産物について本項2のAの(2)に記載の方法により、塩基配列を決定し、目的の改変が施されたことを確認する。
(7)ヒト型CDR移植抗体発現ベクターの構築
本項2のAの(1)に記載のヒト化抗体発現用ベクターのヒト抗体のCHおよびCLをコードする遺伝子の上流に、本項2のAの(5)および(6)で構築したヒト型CDR移植抗体のVHおよびVLをコードするcDNAをクローニングし、ヒト型CDR移植抗体発現ベクターを構築することができる。例えば、本項2のAの(5)および(6)でヒト型CDR移植抗体のVHおよびVLを構築する際に用いる合成DNAのうち、両端に位置する合成DNAの5’末端に適当な制限酵素の認識配列を導入することで、本項2のAの(1)に記載のヒト化抗体発現用ベクターのヒト抗体のCHおよびCLをコードする遺伝子の上流にそれらが適切な形で発現するようにクローニングし、ヒト型CDR移植抗体発現ベクターを構築することができる。
(8)ヒト化抗体の安定的生産
本項2のAの(4)および(7)に記載のヒト化抗体発現ベクターを適当な動物細胞に導入することによりヒト型キメラ抗体およびヒト型CDR移植抗体(以下、併せてヒト化抗体と称す)を安定に生産する形質転換株を得ることができる。
動物細胞へのヒト化抗体発現ベクターの導入法としては、エレクトロポレーション法[Cytotechnology,,133(1990)]等があげられる。
ヒト化抗体発現ベクターを導入する動物細胞としては、ヒト化抗体を生産させることができる動物細胞であれば、いかなる細胞でも用いることができる。
具体的には、マウスミエローマ細胞であるNS0細胞、SP2/0細胞、チャイニーズハムスター卵巣細胞CHO/dhfr細胞、CHO/DG44細胞、ラットミエローマYB2/0細胞、IR983F細胞、シリアンハムスター腎臓由来であるBHK細胞、ヒトミエローマ細胞であるナマルバ細胞等があげられるが、好ましくは、チャイニーズハムスター卵巣細胞であるCHO/DG44細胞、ラットミエローマYB2/0細胞、前記1.に記載の細胞等があげられる。
ヒト化抗体発現ベクターの導入後、ヒト化抗体を安定に生産する形質転換株は、特開平2−257891に開示されている方法に従い、G418 sulfate(以下、G418と表記する;SIGMA社製)等の薬剤を含む動物細胞培養用培地により選択できる。動物細胞培養用培地としては、RPMI1640培地(曰水製薬社製)、GIT培地(日本製薬社製)、EX−CELL302培地(JRH社製)、IMDM培地(GIBCO BRL社製)、Hybridoma−SFM培地(GIBCO BRL礼製)、またはこれら培地に牛胎児血清(以下、FBSと表記する)等の各種添加物を添加した培地等を用いることができる。得られた形質転換株を培地中で培養することで培養上清中にヒト化抗体を生産蓄積させることができる。培養上清中のヒト化抗体の生産量および抗原結合活性は酵素免疫抗体法[以下、ELISA法と表記する;Antibodies:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,Chapter 14(1998)、Monoclonal Antibodies:Principles and Practice,Academic Press Limited(1996)]等により測定できる。また、形質転換株は、特開平2−257891に開示されている方法に従い、DHFR遺伝子増幅系等を利用してヒト化抗体の生産量を上昇させることができる。
ヒト化抗体は、形質転換株の培養上清よりプロテインAカラムを用いて精製することができる[Antibodies:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,Chapter 8(1988)、Monoclonal Antibodies:Principles and Practice,Academic Press Limited(1996)]。また、その他に通常、蛋白質の精製で用いられる精製方法を使用することができる。例えば、ゲル濾過、イオン交換クロマトグラフィーおよび限外濾過等を組み合わせて行い、精製することができる。精製したヒト化抗体のH鎖、L鎖或いは抗体分子全体の分子量は、ポリアクリルアミドゲル電気泳動[以下、SDS−PAGEと表記する;Nature,227,680(1970)]やウエスタンブロッティング法[Antibodies,A Laboratory manual,Cold Spring Harbor Laboratory(1988)、Monoclonal Antibodies:principles and practice,Third Edition,Acad.Press(1993)]等で測定することができる。
B.Fc融合蛋白質の製造
(1)Fc融合蛋白質発現用ベクターの構築
Fc融合蛋白質発現用ベクターとは、ヒト抗体のFc領域と融合させる蛋白質とをコードする遺伝子が組み込まれた動物細胞用発現ベクターであり、動物細胞用発現ベクターにヒト抗体のFc領域と融合させる蛋白質とをコードする遺伝子をクローニングすることにより構築することができる。
ヒト抗体のFc領域としては、CH2とCH3領域を含む領域のほか、ヒンジ領域、CH1の一部が含まれるものも包含される。またCH2またはCH3の少なくとも1つのアミノ酸が欠失、置換、付加または挿入され、実質的にFcγ受容体への結合活性を有するものであればいかなるものでもよい。
ヒト抗体のFc領域と融合させる蛋白質とをコードする遺伝子としてはエキソンとイントロンから成る染色体DNAを用いることができ、また、cDNAを用いることもできる。それら遺伝子とFc領域を連結する方法としては、各遺伝子配列を鋳型として、PCR法[Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Lab.Press New York(1989)、Current Protocols in molecular Biology,John Wiley & Sons(1987−1997)]を行うことがあげられる。
動物細胞用発現ベクターとしては、ヒト抗体のC領域をコードする遺伝子を組込み発現できるものであればいかなるものでも用いることができる。例えば、pAGE107[Cytotechnology,,133(1990)]、pAGE103[J.Biochem.,101,1307(1987)]、pHSG274[Gene,27,223(1984)]、pKCR[Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,78,1527(1981)]、pSG1βd2−4[Cytotechnology,,173(1990)]等があげられる。動物細胞用発現ベクターに用いるプロモーターとエンハンサーとしては、SV40の初期プロモーターとエンハンサー[J.Biochem.,101,1307(1987)]、モロニーマウス白血病ウイルスのLTR[Biochem.Biophys.Res.Commun.,149,960(1987)]、免疫グロブリンH鎖のプロモーター[Cell,41,479(1985)]とエンハンサー[Cell,33,717(1983)]等があげられる。
(2)ヒト抗体のFc領域と融合させる蛋白質とをコードするDNAの取得
ヒト抗体のFc領域と融合させる蛋白質とをコードするDNAは以下のようにして取得することができる。
目的のFcと融合させる蛋白質を発現している細胞や組織よりmRNAを抽出し、cDNAを合成する。合成したcDNAをファージ或いはプラスミド等のベクターにクローニングしてcDNAライブラリーを作製する。該ライブラリーより、目的の蛋白質の遺伝子配列部分をプローブとして用い、目的の蛋白質をコードするcDNAを有する組換えファージ或いは組換えプラスミドを単離する。組換えファージ或いは組換えプラスミド上の目的の蛋白質の全塩基配列を決定し、塩基配列より全アミノ酸配列を推定する。
ヒト以外の動物としては、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ等、細胞や組織を摘出することが可能であれば、いかなるものも用いることができる。
細胞や組織から全RNAを調製する方法としては、チオシアン酸グアニジン−トリフルオロ酢酸セシウム法[Methods in Enzymol.,154,3(1987)]、また全RNAからmRNAを調製する方法としては、オリゴ(dT)固定化セルロースカラム法[Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Lab.Press New York(1989)]等があげられる。また、細胞や組織からmRNAを調製するキットとしては、Fast Track mRNA Isolation Kit(Invitrogen社製)、Quick Prep mRNA Purification Kit(Pharmacia社製)等があげられる。
cDNAの合成およびcDNAライブラリー作製法としては、常法[Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Lab.Press New York(1989)、Current Protocols in molecular Biology,John Wiley & Sons(1987−1997)]、或いは市販のキット、例えば、Super ScriptTMPlasmid System for cDNA Synthesis and Plasmid Cloning(GIBCO BRL社製)やZAP−cDNA Synthesis Kit(Stratagene社製)を用いる方法等があげられる。
cDNAライブラリーの作製の際、細胞や組織から抽出したmRNAを鋳型として合成したcDNAを組み込むベクターは、該cDNAを組み込めるベクターであればいかなるものでも用いることができる。例えば、ZAP Express[Strategies,,58(1992)]、pBluescript II SK(+)[Nucleic Acids Research,17,9494(1989)]、λZAPII(Stratagene社製)、λgt10、λgt11[DNA Cloning:A Practical Approach,,49(1985)]、Lambda BlueMid(Clontech社製)、λExCell、pT7T3 18U(Pharmacia社製)、pCD2[Mol.Cell.Biol.,,280(1983)]およびpUC18[Gene,33,103(1985)]等が用いられる。
ファージ或いはプラスミドベクターにより構築されるcDNAライブラリーを導入する大腸菌としては該cDNAライブラリーを導入、発現および維持できるものであればいかなるものでも用いることができる。例えば、XL1−Blue MRF’[Strategies,,81(1992)]、C600[Genetics,39,440(1954)]、Y1088、Y1090[Science,222,778(1983)]、NM522[J.Mol.Biol.,166,1(1983)]、K802[J.Mol.Biol.,16,118(1966)]およびJM105[Gene,38,275(1985)]等が用いられる。
cDNAライブラリーからの目的の蛋白質をコードするcDNAクローンの選択法としては、アイソトープ或いは蛍光標識したプローブを用いたコロニー・ハイブリダイゼーション法或いはプラーク・ハイブリダイゼーション法[Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Lab.Press New York(1989)]により選択することができる。また、プライマーを調製し、mRNAから合成したcDNA或いはcDNAライブラリーを鋳型として、PCR法により目的の蛋白質をコードするcDNAを調製することもできる。
目的の蛋白質をヒト抗体のFc領域と融合させる方法としては、PCR法があげられる。例えば、目的の蛋白質の遺伝子配列の5’側と3’側に任意の合成オリゴDNA(プライマー)を設定し、PCR法を行いPCR産物を取得する。同様に、融合させるヒト抗体のFc領域の遺伝子配列に対しても任意のプライマーを設定し、PCR産物を得る。このとき、融合させる蛋白質のPCR産物の3’側とFc領域のPCR産物の5’側には同じ制限酵素部位もしくは同じ遺伝子配列が存在するようにプライマーを設定する。この連結部分周辺のアミノ酸改変が必要である場合には、その変異を導入したプライマーを用いることで変異を導入する。得られた2種類のPCR断片を用いてさらにPCRを行うことで、両遺伝子を連結する。もしくは、同一の制限酵素処理をした後にライゲーションすることでも連結することができる。
上記方法により連結された遺伝子配列を、適当な制限酵素等で消化後、pBluescript SK(−)(Stratagene社製)等のプラスミドにクローニングし、通常用いられる塩基配列解析方法、例えばサンガー(Sanger)らのジデオキシ法[Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,74,5463(1977)]あるいはABI PRISM 377DNAシークエンサー(Applied Biosystems社製)等の塩基配列分析装置を用いて分析することにより、該DNAの塩基配列を決定することができる。
決定した塩基配列からFc融合蛋白質の全アミノ酸配列を推定し、目的のアミノ酸配列と比較することにより、取得したcDNAが分泌シグナル配列を含むFc融合蛋白質の完全なアミノ酸配列をコードしているかを確認することができる。
(3)Fc融合蛋白質の安定的生産
本項2のBの(1)項に記載のFc融合蛋白質発現ベクターを適当な動物細胞に導入することによりFc融合蛋白質を安定に生産する形質転換株を得ることができる。
動物細胞へのFc融合蛋白質発現ベクターの導入法としては、エレクトロポレーション法[Cytotechnology,,133(1990)]等があげられる。
Fc融合蛋白質発現ベクターを導入する動物細胞としては、Fc融合蛋白質を生産させることができる動物細胞であれば、いかなる細胞でも用いることができる。
具体的には、マウスミエローマ細胞であるNS0細胞、SP2/0細胞、チャイニーズハムスター卵巣細胞CHO/dhfr細胞、CHO/DG44細胞、ラットミエローマYB2/0細胞、IR983F細胞、シリアンハムスター腎臓由来であるBHK細胞、ヒトミエローマ細胞であるナマルバ細胞等があげられるが、好ましくは、チャイニーズハムスター卵巣細胞であるCHO/DG44細胞、ラットミエローマYB2/0細胞、前記第1項に記載の本発明の方法に用いられる宿主細胞等があげられる。
Fc融合蛋白質発現ベクターの導入後、Fc融合蛋白質を安定に生産する形質転換株は、特開平2−257891に開示されている方法に従い、G418等の薬剤を含む動物細胞培養用培地により選択できる。動物細胞培養用培地としては、RPMI1640培地(曰水製薬社製)、GIT培地(日本製薬社製)、EX−CELL302培地(JRH社製)、IMDM培地(GIBCO BRL社製)、Hybridoma−SFM培地(GIBCO BRL社製)、またはこれら培地にインスリン、インスリン様増殖因子、トランスフェリン、アルブミン等の各種添加物を添加した培地等を用いることができる。得られた形質転換株を培地中で培養することで培養上清中にFc融合蛋白質を生産蓄積させることができる。培養上清中のFc融合蛋白質の生産量および抗原結合活性はELISA法等により測定できる。また、形質転換株は、特開平2−257891に開示されている方法に従い、dhfr遺伝子増幅系等を利用してFc融合蛋白質の生産量を上昇させることができる。
Fc融合蛋白質は、形質転換株の培養上清よりプロテインAカラムやプロテインGカラムを用いて精製することができる[Antibodies,A Laboratory manual,Cold Spring Harbor Laboratory(1988)、Monoclonal Antibodies:Principles and Applications,Wiley−Liss,Inc.,Capter2.1(1995)]。また、その他に通常、蛋白質の精製で用いられる精製方法を使用することができる。例えば、ゲル濾過、イオン交換クロマトグラフィーおよび限外濾過等を組み合わせて行い、精製することができる。精製したFc融合蛋白質分子全体の分子量は、SDS−PAGE[Nature,227,680(1970)]やウエスタンブロッティング法[Antibodies,A Laboratory manual, Cold Spring Harbor Laboratory(1988)]等で測定することができる。
以上、動物細胞を宿主とした抗体組成物およびFc融合蛋白質の製造方法を示したが、上述したように、酵母、昆虫細胞、植物細胞または動物個体あるいは植物個体においても製造することができる。
既に、宿主細胞が抗体分子を発現する能力を有している場合には、前記1.に記載の方法を用いて抗体分子を発現させる細胞を調製した後に、該細胞を培養し、該培養物から目的とする抗体組成物を精製することにより、本発明の抗体組成物を製造することができる。
3.抗体組成物の活性評価
精製した抗体組成物の蛋白量、抗原との結合性あるいはエフェクター機能を測定する方法としては、Monoclonal Antibodies:principles and practice,Third Edition,Acad,Press(1993)、Antibody Engineering,A Practical Approach,IRL Press at Oxford University Press(1996)等に記載の公知の方法を用いることができる。
その具体的な例としては、抗体組成物がヒト化抗体の場合、抗原との結合活性、抗原陽性培養細胞株に対する結合活性はELISA法および蛍光抗体法[Cancer Immunol.Immunother.,36,373(1993)]等により測定できる。抗原陽性培養細胞株に対する細胞傷害活性は、CDC活性、ADCC活性等を測定することにより、評価することができる[Cancer Immunol.Immunother.,36,373(1993)]。
また、抗体組成物のヒトでの安全性、治療効果は、カニクイザル等のヒトに比較的近い動物種の適当なモデルを用いて評価することができる。
4.抗体組成物の糖鎖の分析
各種細胞で発現させた抗体分子の糖鎖構造は、通常の糖蛋白質の糖鎖構造の解析に準じて行うことができる。例えば、IgG分子に結合している糖鎖はガラクトース、マンノース、フコース等の中性糖、N−アセチルグルコサミン等のアミノ糖、シアル酸等の酸性糖から構成されており、糖組成分析および二次元糖鎖マップ法等を用いた糖鎖構造解析等の手法を用いて行うことができる。
(1)中性糖・アミノ糖組成分析
抗体分子の糖鎖の組成分析は、トリフルオロ酢酸等で、糖鎖の酸加水分解を行うことにより、中性糖またはアミノ糖を遊離し、その組成比を分析することができる。
具体的な方法として、Dionex社製糖組成分析装置(BioLC)を用いる方法が挙げられる。BioLCはHPAEC−PAD(high performance anioN−exchange chromatography−pulsed amperometric detection)法[J.Liq.Chromatogr.,,1577(1983)]によって糖組成を分析する装置である。
また、2−アミノピリジンによる蛍光標識化法でも組成比を分析することができる。具体的には、公知の方法[Agruc.Biol.Chem.,55(1),283(1991)]に従って酸加水分解した試料を2−アミノピリジル化で蛍光ラベル化し、HPLC分析して組成比を算出することができる。
(2)糖鎖構造解析
抗体分子の糖鎖の構造解析は、2次元糖鎖マップ法[Anal.Biochem.,171,73(1988)、生物化学実験法23−糖蛋白質糖鎖研究法(学会出版センター)高橋禮子編(1989)]により行うことができる。2次元糖鎖マップ法は、例えば、X軸には逆相クロマトグラフィー糖鎖の保持時間または溶出位置を、Y軸には順相クロマトグラフィーによる糖鎖の保持時間または溶出位置を、それぞれプロットし、既知糖鎖のそれらの結果と比較することにより、糖鎖構造を推定する方法である。
具体的には、抗体をヒドラジン分解して、抗体から糖鎖を遊離し、2−アミノピリジン(以下、PAと略記する)による糖鎖の蛍光標識[J.Biochem.,95,197(1984)]を行った後、ゲルろ過により糖鎖を過剰のPA化試薬等と分離し、逆相クロマトグラフィーを行う。次いで、分取した糖鎖の各ピークについて順相クロマトグラフィーを行う。これら結果をもとに、2次元糖鎖マップ上にプロットし、糖鎖スタンダード(TaKaRa社製)、文献[Anal.Biochem.,171,73(1988)]とのスポットの比較より糖鎖構造を推定することができる。
さらに各糖鎖のMALDI−TOF−MS等の質量分析を行い、2次元糖鎖マップ法により推定される構造を確認することができる。
5.本発明により得られる抗体組成物の利用
本発明により得られる抗体組成物は高いADCC活性を有する。高いADCC活性を有する抗体は、癌、炎症疾患、自己免疫疾患、アレルギー等の免疫疾患、循環器疾患、またはウィルスあるいは細菌感染をはじめとする各種疾患の予防および治療において有用である。
癌、すなわち悪性腫瘍では癌細胞が増殖している。通常の抗癌剤は癌細胞の増殖を抑制することを特徴とする。しかし、高いADCC活性を有する抗体は、殺細胞効果により癌細胞を傷害することにより癌を治療することができるため、通常の抗癌剤よりも治療薬として有効である。特に癌の治療薬において、現状では抗体医薬単独の抗腫瘍効果は不充分な場合が多く化学療法との併用療法が行われているが[Science,280,1197,1998]、本発明の抗体組成物は単独で高い抗腫瘍効果を有するため、化学療法に対する依存度が低くなり、副作用の低減にもつながる。
炎症疾患、自己免疫疾患、アレルギー等の免疫疾患において、それら疾患における生体内反応は、免疫細胞によるメディエータ分子の放出により惹起されるため、高いADCC活性を有する抗体を用いて免疫細胞を除去することにより、アレルギー反応を抑えることができる。
循環器疾患としては、動脈硬化等があげられる。動脈硬化は、現在バルーンカテーテルによる治療を行うが、治療後の再狭窄での動脈細胞の増殖を高いADCC活性を有する抗体を用いて抑えることより、循環器疾患を予防および治療することができる。
ウィルスまたは細菌に感染した細胞の増殖を、高いADCC活性を有する抗体を用いて抑えることにより、ウィルスまたは細菌感染をはじめとする各種疾患を予防および治療することができる。
腫瘍関連抗原を認識する抗体、アレルギーあるいは炎症に関連する抗原を認識する抗体、循環器疾患に関連する抗原を認識する抗体、自己免疫疾患に関連する抗原を認識する抗体、またはウイルスあるいは細菌感染に関連する抗原を認識する抗体の具体例を以下に述べる。
腫瘍関連抗原を認識する抗体としては、抗CA125抗体[Immunology Today,21,403(2000)]、抗17−1A抗体[Immunology Today,21,403(2000)]、抗インテグリンαvβ3抗体[Immunology Today,21,403(2000)]、抗CD33抗体[Immunology Today,21,403(2000)]、抗CD22抗体[Immunology Today,21,403(2000)]、抗HLA抗体[Immunology Today,21,403(2000)]、抗HLA−DR抗体[Immunology Today,21,403(2000)]、抗CD20抗体[Immunology Today,21,403(2000)]、抗CD19抗体[Immunology Today,21,403(2000)]、抗EGF受容体抗体[Immunology Today,21,403(2000)]、抗CD10抗体[American Journal of Clinical Pathology,113,374(2000)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,79,4386(1982)]、抗GD2抗体[Anticancer Res.,13,331(1993)]、抗GD3抗体[Cancer Immunol.Immunother.,36,260(1993)]、抗GM2抗体[Cancer Res.,54,1511(1994)]、抗HER2抗体[Proc.Natl.Acad.Sci.USA,89,4285(1992)]、抗CD52抗体[Nature,332,323−327(1988)]、抗MAGE抗体[British J.Cancer,83,493(2000)]、抗HM1.24抗体[Molecular Immunol.,36,387(1999)]、抗副甲状腺ホルモン関連蛋白(PTHrP)抗体[Cancer,88,2909(2000)]、抗FGF8抗体[Proc.Natl.Acad.Sci.USA,86,9911(1989)]、抗塩基性繊維芽細胞増殖因子抗体、抗FGF8受容体抗体[J.Biol.Chem.,265,16455(1990)]、抗塩基性繊維芽細胞増殖因子受容体抗体、抗インスリン様増殖因子抗体[J.Neurosci.Res.,40,647(1995)]、抗インスリン様増殖因子受容体抗体[J.Neurosci.Res.,40,647(1995)]、抗PMSA抗体[J.Urology,160,2396(1998)]、抗血管内皮細胞増殖因子抗体[Cancer Res.,57,4593(1997)]または抗血管内皮細胞増殖因子受容体抗体[Oncogene,19,2138(2000)]等が挙げられる。
アレルギーあるいは炎症に関連する抗原を認識する抗体としては、抗IgE抗体[Immunology Today,21,403(2000)]、抗CD23抗体[Immunology Today,21,403(2000)]、抗CD11a抗体[Immunology Today,21,403(2000)]、抗CRTH2抗体[J.Immunol.,162,1278(1999)]、抗CCR8抗体(WO99/25734)、抗CCR3抗体(US6207155)、抗インターロイキン6抗体[Immunol.Rev.,127,5(1992)]、抗インターロイキン6受容体抗体[Molecular Immunol.,31,371(1994)]、抗インターロイキン5抗体[Immunol.Rev.,127,5(1992)]、抗インターロイキン5受容体抗体、抗インターロイキン4抗体[Cytokine,,562(1991)]、抗インターロイキン4受容体抗体[J.Immunol.Meth.,217,41(1998)]、抗腫瘍壊死因子抗体[Hybridoma,13,183(1994)]、抗腫瘍壊死因子受容体抗体[Molecular Pharmacol.,58,237(2000)]、抗CCR4抗体[Nature,400,776(1999)]、抗ケモカイン抗体[J.Immunol.Meth.,174,249(1994)]または抗ケモカイン受容体抗体[J.Exp.Med.,186,1373(1997)]等が挙げられる。
循環器疾患に関連する抗原を認識する抗体としては、抗GpIIb/IIIa抗体[J.Immunol.,152,2968(1994)]、抗血小板由来増殖因子抗体[Science,253,1129(1991)]、抗血小板由来増殖因子受容体抗体[J.Biol.Chem.,272,17400(1997)]または抗血液凝固因子抗体[Circulation,101,1158(2000)]等が挙げられる。
自己免疫疾患、例えば、乾癬、関節リウマチ、クローン病、潰瘍性大腸炎、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症に関連する抗原を認識する抗体としては、抗自己DNA抗体[Immunol.Letters,72,61(2000)]、抗CD11a抗体[Immunology Today,21,403(2000)]、抗ICAM3抗体[Immunology Today,21,403(2000)]、抗CD80抗体[Immunology Today,21,403(2000)]、抗CD2抗体[Immunology Today,21,403(2000)]、抗CD3抗体[Immunology Today,21,403(2000)]、抗CD4抗体[Immunology Today,21,403(2000)]、抗インテグリンα4β7抗体[Immunology Today,21,403(2000)]、抗CD40L抗体[Immunology Today,21,403(2000)]、抗IL−2受容体抗体[Immunology Today,21,403(2000)]等が挙げられる。
ウイルスあるいは細菌感染に関連する抗原を認識する抗体としては、抗gp120抗体[Structure,,385(2000)]、抗CD4抗体[J.Rheumatology,25,2065(1998)]、抗CCR5抗体または抗ベロ毒素抗体[J.Clin.Microbiol.,37,396(1999)]等が挙げられる。
上記抗体は、ATCC、理化学研究所細胞開発銀行、工業技術院生命工業技術研究所等の公的な機関、あるいは大日本製薬株式会社、R&D SYSTEMS社、PharMingen社、コスモバイオ社、フナコシ株式会社等の民間試薬販売会社から入手することができる。
本発明により得られる抗体組成物を含有する医薬は、治療薬として単独で投与することも可能ではあるが、通常は薬理学的に許容される一つあるいはそれ以上の担体と一緒に混合し、製剤学の技術分野においてよく知られる任意の方法により製造した医薬製剤として提供するのが望ましい。
投与経路は、治療に際して最も効果的なものを使用するのが望ましく、経口投与、または口腔内、気道内、直腸内、皮下、筋肉内および静脈内等の非経口投与をあげることができ、抗体製剤の場合、望ましくは静脈内投与をあげることができる。
投与形態としては、噴霧剤、カプセル剤、錠剤、顆粒剤、シロップ剤、乳剤、座剤、注射剤、軟膏、テープ剤等があげられる。
経口投与に適当な製剤としては、乳剤、シロップ剤、カプセル剤、錠剤、散剤、顆粒剤等があげられる。
乳剤およびシロップ剤のような液体調製物は、水、ショ糖、ソルビトール、果糖等の糖類、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類、ごま油、オリーブ油、大豆油等の油類、p−ヒドロキシ安息香酸エステル類等の防腐剤、ストロベリーフレーバー、ペパーミント等のフレーバー類等を添加剤として用いて製造できる。
カプセル剤、錠剤、散剤、顆粒剤等は、乳糖、ブドウ糖、ショ糖、マンニトール等の賦形剤、デンプン、アルギン酸ナトリウム等の崩壊剤、ステアリン酸マグネシウム、タルク等の滑沢剤、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、ゼラチン等の結合剤、脂肪酸エステル等の界面活性剤、グリセリン等の可塑剤等を添加剤として用いて製造できる。
非経口投与に適当な製剤としては、注射剤、座剤、噴霧剤等があげられる。
注射剤は、塩溶液、ブドウ糖溶液、あるいは両者の混合物からなる担体等を用いて調製される。または、抗体組成物を常法に従って凍結乾燥し、これに塩化ナトリウムを加えることによって粉末注射剤を調製することもできる。
座剤はカカオ脂、水素化脂肪またはカルボン酸等の担体を用いて調製される。
また、噴霧剤は該抗体組成物そのもの、ないしは受容者の口腔および気道粘膜を刺激せず、かつ該抗体組成物を微細な粒子として分散させ吸収を容易にさせる担体等を用いて調製される。
担体として具体的には乳糖、グリセリン等が例示される。該抗体組成物および用いる担体の性質により、エアロゾル、ドライパウダー等の製剤が可能である。また、これらの非経口剤においても経口剤で添加剤として例示した成分を添加することもできる。
投与量または投与回数は、目的とする治療効果、投与方法、治療期間、年齢、体重等により異なるが、通常成人1日当たり10μg/kg〜20mg/kgである。
また、抗体組成物の各種腫瘍細胞に対する抗腫瘍効果を検討する方法は、インビトロ実験としては、CDC活性測定法、ADCC活性測定法等があげられ、インビボ実験としては、マウス等の実験動物での腫瘍系を用いた抗腫瘍実験等があげられる。
CDC活性、ADCC活性、抗腫瘍実験は、文献[Cancer Immunology Immunotherapy,36,373(1993);Cancer Research,54,1511(1994)]等記載の方法に従って行うことができる。
第1図は、FUT8を標的としたsiRNA発現ベクターライブラリーを用いた有効siRNA標的配列の探索によって得た159クローンの標的配列の分布を示した図である。図中のAからJで示される部分は標的配列として選択した領域である。
第2図は、FUT8を標的としたsiRNA発現ベクターの導入により取得したレクチン耐性株およびその親株のFUT8遺伝子の発現量を示した図である。FUT8遺伝子の発現量は、β−アクチン遺伝子発現量で標準化した親株のFUT8遺伝子発現量を100として示した。
第3図は、ヒトU6プロモーター、クローニングサイトおよびターミネーター発現カセットを含むプラスミドpBS−U6termの構築を示した図である。
第4図は、ヒトU6プロモーター、クローニングサイトおよびターミネーター発現カセットおよびピューロマイシン耐性遺伝子発現カセットを有するプラスミドpPUR−U6termの構築を示した図である。
第5図は、ヒトU6プロモーターを用いたFUT8を標的としたショートヘアピンRNA発現カセットおよびピューロマイシン耐性遺伝子発現カセットを有するプラスミドFUT8shB/pPURおよびFUT8shR/pPURの構築を示した図である。
第6図は、ヒトtRNAvalプロモーター、クローニングサイトおよびターミネーター発現カセットおよびピューロマイシン耐性遺伝子発現カセットを有するプラスミドpPUR−tRNAp−term(−)の構築を示した図である。
第7図は、ヒトtRNAvalプロモーターを用いたFUT8を標的としたショートヘアピンRNA発現カセットおよびピューロマイシン耐性遺伝子発現カセットを有するプラスミドtRNA−FUT8shB/pPUR(−)およびtRNA−FUT8shR/pPUR(−)の構築を示した図である。
第8図は、ヒトtRNAvalプロモーターを用いたFUT8を標的としたショートヘアピンRNA発現カセットおよびピューロマイシン耐性遺伝子発現カセットを有するプラスミドtRNA−FUT8shB/pPUR(+)およびtRNA−FUT8shR/pPUR(+)の構築を示した図である。
第9図は、FUT8を標的としたsiRNA発現ベクターの導入により取得したレクチン耐性プール株およびその親株のFUT8遺伝子の発現量を示した図である。FUT8遺伝子の発現量は、β−アクチン遺伝子発現量で標準化した親株のFUT8遺伝子発現量を100として示した。
第10図は、無血清培地に馴化したFUT8を標的としたsiRNA発現プラスミドを導入したレクチン耐性株を用いた無血清フェドバッチ培養における培養開始後の各時点における生細胞密度を示した図である。横軸に培養日数を、縦軸に生細胞密度を対数でそれぞれ示した。
第11図は、無血清培地に馴化したFUT8を標的としたsiRNA発現プラスミドを導入したレクチン耐性株を用いた無血清フェドバッチ培養における培養開始後の各時点における細胞生存率を示した図である。横軸に培養日数を、縦軸に細胞生存率をそれぞれ示した。
第12図は、無血清培地に馴化したFUT8を標的としたsiRNA発現プラスミドを導入したレクチン耐性株を用いた無血清フェドバッチ培養における培養開始後の各時点における培養上清中の抗CCRキメラ抗体濃度を示した図である。横軸に培養日数を、縦軸にELISA法により定量した抗体濃度をそれぞれ示した。
第13図は、還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合していない糖鎖の割合[Fucose(−)%]が既知の標準抗体のshFcγRIIIaに対する結合活性を示した。横軸に各標準抗体のFucose(−)%、縦軸に各標準抗体のshFcγRIIIaに対する結合活性を表すELISA法のOD415実測値をそれぞれ示した。
第14図は、無血清培地に馴化したFUT8を標的としたsiRNA発現プラスミドを導入したレクチン耐性株を用いた無血清フェドバッチ培養における培養開始後の各時点における培養上清中の抗CCR4キメラ抗体の、還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合していない糖鎖の割合[Fucose(−)%]を示した図である。横軸に培養日数を、縦軸にshFcγRIIIaに対する結合活性を表すELISA法の結果から求めたFucose(−)%をそれぞれ示した。
以下の実施例により本発明をより具体的に説明するが、実施例は本発明の単なる例示を示すものにすぎず、本発明の範囲を限定するものではない。
[実施例1]
FUT8を標的としたSmall interfering(si)RNA発現ベクターライブラリーを用いたレクチン耐性株取得に有効なsiRNA標的配列の探索
1.FUT8を標的としたsiRNA発現ベクターライブラリーFUT8shRNAlib/pPURの作製
(1)CHO細胞由来FUT8をコードするcDNA配列の取得
WO00/61739の記載に従って、チャイニーズハムスター卵巣由来CHO/DG44細胞より調製した1本鎖cDNAより、以下の手順でチャイニーズハ厶スター由来FUT8をコードするcDNAをクローニングした。
まず、マウスFUT8のcDNA塩基配列[GenBank,AB025198]より、5’側非翻訳領域に特異的なフォワードプライマー(配列番号31に示す)および3’側非翻訳領域に特異的なリバースプライマー(配列番号32に示す)を設計した。
次にDNAポリメラーゼExTaq(宝酒造社製)を用いて、CHO/DG44細胞由来の1本鎖cDNA 1μLを含む25μLの反応液[ExTaq buffer(宝酒造社製)、0.2mmol/L dNTPs、4%DMSO、0.5μmol/L上記特異的プライマー(配列番号31および配列番号32)]を調製し、PCRを行った。PCRは、94℃で1分間の加熱の後、94℃で30秒間、55℃で30秒間、72℃で2分間からなる反応を1サイクルとして30サイクル行った後、さらに72℃で10分間反応させた。
PCR後、該反応液を0.8%アガロースゲル電気泳動に供し、約2Kbの増幅断片を回収した。該増幅断片を、TOPO TA cloning Kit(Invitrogen社製)用いて、添付の説明書に従ってプラスミドpCR2.1と連結反応を行い、該反応液を用いて大腸菌DH5α株を形質転換した。得られたカナマイシン耐性コロニーのうちcDNAが組み込まれた8クローンから、QIAprep spin Mini prep Kit(QIAGEN社製)を用いて、それぞれのプラスミドDNAを単離した。
単離したそれぞれのプラスミドの塩基配列は、BigDye Terminator Cycle Sequencing FS Ready Reaction Kit(Applied Biosytems社製)を用いて添付の説明書に従って、反応後、同社のDNAシーケンサーABI PRISM377を用いて解析し、全てのプラスミドに挿入されたcDNAが、チャイニーズハムスターのFUT8のORF全長をコードするcDNAであることを確認した。配列を決定したプラスミドDNAの挿入cDNAうち、PCRに伴う塩基の読み誤りを含まないプラスミドDNAを選択した。以下、本プラスミドをCHfFUT8−pCR2.1と称す。このようにして決定したチャイニーズハ厶スターのFUT8 cDNAの塩基配列を配列番号1に示した。
(2)FUT8を標的としたsiRNA%現ベクターライブラリーの調製
本項(1)で得られたCHfFUT8−pCR2.1を用いて、WO03/46186実施例13に記載の方法と同様にして、FUT8を標的としたヒトtRNA−valプロモーター型siRNA%現ベクターライブラリーを作製した。尚、アンチセンスコードDNAとセンスコードDNAとの間のLoop配列としては制限酵素BamHIの認識配列を用い、pPUR(CLONTECH社製)をベクターとして用いた。以下、作製したライブラリーをFUT8shRNAlib/pPUR/DH10Bと称す。
滅菌シャーレ[243mm×243mm×l8mm(Nalgenunc社製)]を用いて100μg/mLアンピシリンを含むLB寒天培地を作製し、シャーレ1枚当たり50μLのFUT8shRNAlib/pPUR/DH10Bのグリセロールストックを播種した。37℃にて一晩静置培養した後、プレート上の菌体を滅菌水に懸濁して回収し、菌体からQIAfilter Plasmid Midi Kit(QIAGEN社製)を用いて、プラスミドライブラリーを回収した。以下、回収したプラスミドライブラリーをFUT8shRNAlib/pPURと称す。
2.FUT8を標的としたsiRNA発現ライブラリーを導入したレクチン耐性株の取得
本実施例第1項で得られたFUT8を標的としたsiRNA発現ライブラリープラスミドFUT8shRNAlib/pPURを、参考例に記載の方法で得られたCHO/DG44細胞を宿主細胞とする抗CCR4キメラ化抗体生産株の1つである32−05−12株へ導入し、α1,6−フコースを特異的に認識するレクチンであるLCAに耐性を有する株を、以下のようにして取得した。
本実施例第1項で得られたプラスミドFUT8shRNAlib/pPURを制限酵素FspI(New England Biolabs社製)で消化して線状化し、線状化した10μgのプラスミドFUT8shRNAlib/pPURを1.6×10個の32−05−12株へエレクトロポレーション法[Cytotechnology,,133(1990)]で導入した後、基本培地[10%ウシ胎児透析血清(Invitrogen社製)、50μg/mLゲンタマイシン(ナカライテスク社製)、および500nmol/Lメソトレキセート(以下、MTXと称す;SIGMA社製)を含むIscove’s Modified Dulbecco’s Medium(以下、IMDMと称す;Invitrogen社製)]に懸濁し、接着細胞培養用10cmディッシュ(Falcon社製)3枚へ8mLずつ播種した。この時、同一の条件で10回の遺伝子導入を行い、合計30枚の培養用10cmディッシュにおいて、以下のように培養を行った。5%COインキュベーター内で37℃、24時間培養後、ピューロマイシン(SIGMA社製)を12μg/mLの濃度で含む基本培地8mLに培地交換した。5%COインキュベーター内で37℃、7日間培養した後、ピューロマイシン(SIGMA社製)を12μg/mLの濃度で、およびLCA(VECTOR社製)を0.5mg/mLの濃度で含む基本培地8mLに培地交換し、さらに6〜8日間の培養を行い、レクチン耐性クローンを取得した。
3.FUT8を標的としたsiRNAM現プラスミドの標的配列の解析
(1)レクチン耐性株ゲノムDNA上のsiRNA発現カセットの単離
本実施例第2項で得られたレクチン耐性株に対し、以下のようにしてゲノムDNAよりsiRNA発現カセットの単離を行った。
レクチン耐性クローンを、公知の方法[Gene Targeting,Oxford University Press,(1993)]に従って接着細胞用平底プレート(Greiner社製)へ採取し、ピューロマイシン(SIGMA社製)を12μg/mLの濃度で含む基本培地を用いて5%COインキュベーター内で37℃、1週間培養した。
培養後、上記プレートの各クローンに対しトリプシン処理を行い、2枚の接着細胞用平底96穴プレート(Greiner社製)へ播種した。このうち1枚のプレートをレプリカプレートとする一方、残りの1枚のプレートをマスタープレートとして凍結保存した。レプリカプレートは、ピューロマイシン(SIGMA社製)を12μg/mLの濃度で含む基本培地を用いて5%COインキュベーター内で37℃、1週間培養した後、公知の方法[Analytical Biochemistry,201,331(1992)]に従って各クローンのゲノムDNAを調製し、各々30μLのTE−RNase緩衝液(pH8.0)[10mmol/L Tris−HCl、1mmol/L EDTA、200μg/mL RNase A]に一晩溶解した後、DNA濃度が0.05μg/μLの濃度となるように滅菌水で希釈した。
また、FUT8を標的としたsiRNA発現プラスミドFUT8shRNAlib/pPURの、siRNA発現カセットのtRNA−valプロモーター領域の上流に結合するフォワードプライマー(配列番号33)およびsiRNA発現カセットのターミネーター配列の下流に結合するリバースプライマー(配列番号34)をそれぞれ設計した。
KOD polymerase(東洋紡績社製)を用いて、上記で調製した各クローンのゲノムDNAを鋳型としたPCRを行った。PCRは、各クローンについて、上記のゲノ厶DNA溶液を5μL含む50μLの反応液[KOD Bufferl(東洋紡績社製)、0.2mmol/L dNTPs、1mmol/L MgCl、0.4μmol/L上記プライマー(配列番号33および配列番号34)]を調製し、94℃で1分間の加熱の後、97℃で10秒間、68℃で30秒間からなる反応を1サイクルとして、25サイクル行った。
PCR後、該反応液をアガロースゲル電気泳動に供し、siRNA発現カセットを含む約300bpの増幅断片を回収した。
一方、プラスミドpPUR(CLONTECH社製)を制限酵素PvuII(New England Biolabs社製)を用いて37℃で一晩消化反応を行った。消化反応後、該反応液をアガロースゲル電気泳動に供し、約4.3KbのPvuII断片を回収した。
上記で得られた約300bpの増幅断片を、Ligation High(東洋紡績社製)を用いてプラスミドpPUR由来の約4.3KbのPvuII断片と、制限酵素PvuII共存下において連結反応を行い、該反応液を用いて大腸菌DH5α株を形質転換した。得られた複数のアンピシリン耐性コロニーから、QIAprep spin Mini prep Kit(QIAGEN社製)を用いて、それぞれプラスミドDNAを単離した。
(2)siRNA発現ユニットに含まれる標的配列の解析
本項(1)で得られたプラスミド中のsiRNA発現カセットに含まれるFUT8に対する標的配列の解析を行った。
まず、本項(1)で得られた各プラスミドDNAに挿入されたsiRNA発現カセットの塩基配列を、BigDye Terminator v3.0 Cycle Sequencing Kit(Applied Biosytems社製)を用いて添付の説明書に従って、反応後、同社のDNAシーケンサーABI PRISM377を用いて解析した。決定した159クローンの塩基配列のうち、FUT8に対する標的配列について、CHO細胞FUT8 cDNA配列(配列番号1)との相同性を比較し、配列番号1に示される塩基配列における各標的配列の分布および各標的配列の配列番号1に示される塩基配列における開始点および終止点を第1図に示した。
Figure 2005035778
Figure 2005035778
159クローンの標的配列のうち、代表的であった領域を図中のAからJで示した。AからJの領域に対応するFUT8の塩基配列は、それぞれ領域Aは配列番号9、領域Bは配列番号10、領域Cは配列番号11、領域Dは配列番号18、領域Eは配列番号12、領域Fは配列番号17、領域Gは配列番号13、領域Hは配列番号14、領域1は配列番号15、領域Jは配列番号16にそれぞれ示した。尚、本項(1)で得た各プラスミドのうち、配列番号9に含まれる配列を標的配列とするsiRNA発現プラスミドを以下FUT8shRNA/lib1/pPUR,配列番号10に含まれる配列を標的配列とするsiRNA発現プラスミドを以下FUT8shRNA/lib2/pPUR、配列番号11に含まれる配列を標的配列とするsiRNA発現プラスミドを以下FUT8shRNA/lib3/pPUR、配列番号12に含まれる配列を標的配列とするsiRNA発現プラスミドを以下FUT8shRNA/lib4/pPUR、配列番号13に含まれる配列を標的配列とするsiRNA発現プラスミドを以下FUT8shRNA/lib5/pPUR、配列番号14に含まれる配列を標的配列とするsiRNA発現プラスミドを以下FUT8shRNA/lib6/pPUR、配列番号15に含まれる配列を標的配列とするsiRNA発現プラスミドを以下FUT8shRNA/lib7/pPUR、配列番号16に含まれる配列を標的配列とするsiRNA発現プラスミドを以下FUT8shRNA/lib8/pPUR、配列番号17に含まれる配列を標的配列とするsiRNA発現プラスミドを以下FUT8shRNA/lib9/pPUR、配列番号18に含まれる配列を標的配列とするsiRNA発現プラスミドを以下FUT8shRNA/lib10/pPURとそれぞれ称す。
(3)siRNA発現ユニットに含まれる標的配列のマウス、ラットおよびヒトのホモログ配列の検索
本項(2)で得られた配列番号9〜18で示され他領域に相当する配列をマウス、ラットおよびヒトのFUT8の配列中から、以下のようにして検索した。
配列番号2はマウスのFUT8を、配列番号3はラットのFUT8を、配列番号4はヒトのFUT8の配列をそれぞれ示す。該配列中より、本項(2)で得られた配列番号9〜18で示される標的配列に相当する配列を検索した。このとき、配列番号9〜18で示される標的配列と完全に一致する配列は除外した。
以下に、選択した配列の配列番号をそれぞれ示す。配列番号10に対応するマウスFUT8の配列は配列番号19、配列番号10に対応するヒトFUT8の配列は配列番号20、配列番号11に対応するヒトFUT8の配列は配列番号21、配列番号12に対応するヒト、マウスおよびラットFUT8の配列は配列番号22、配列番号13に対応するマウスFUT8の配列は配列番号23、配列番号13に対応するヒトFUT8の配列は配列番号24、配列番号13に対応するラットFUT8の配列は配列番号25、配列番号14に対応するマウスおよびラットFUT8の配列は配列番号26、配列番号14に対応するヒトFUT8の配列は配列番号27、配列番号15に対応するマウスFUT8の配列は配列番号28、配列番号15に対応するヒトFUT8の配列は配列番号29、配列番号17に対応するラットFUT8の配列は配列番号30にそれぞれ示した。
[実施例2]
FUT8を標的としたsiRNA発現プラスミド導入によるレクチン耐性CHO/DG44細胞の作製と該細胞のFUT8 mRNA量の定量
1.FUT8を標的としたsiRNA発現プラスミドを導入したレクチン耐性株の取得
実施例1第3項(1)において得られたsiRNA発現プラスミドFUT8shRNA/lib1/pPUR、FUT8shRNA/lib2/pPUR、FUT8shRNA/lib3/pPUR、FUT8shRNA/lib4/pPUR、FUT8shRNA/lib5/pPUR、FUT8shRNA/lib6/pPUR、FUT8shRNA/lib7/pPUR、FUT8shRNA/lib8/pPUR、FUT8shRNA/lib9/pPURおよびFUT8shRNA/lib10/pPURを、それぞれ以下のようにして参考例に記載の32−05−12株へ導入し、LCA耐性株を取得した。
上記の各siRNA発現プラスミドを、制限酵素FspI(New England Biolabs社製)で消化して線状化し、線状化した10μgの各siRNA発現プラスミドを1.6×10個の32−05−12株へエレクトロポレーション法[Cytotechnology,,133(1990)]により導入した後、基本培地[10%ウシ胎児透析血清(Invitrogen社製)、50μg/mLゲンタマイシン(ナカライテスク社製)、および500nmol/L MTX(SIGMA社製)を含むIMDM(Invitrogen社製)]に懸濁し、接着細胞培養用10cmディッシュ(Falcon社製)4枚へ8mLずつ播種した。5%COインキュベーター内で37℃、24時間培養後、ピューロマイシン(SIGMA社製)を12μg/mLの濃度で含む基本培地8mLに培地交換した。5%COインキュベーター内で37℃、7日間培養した後、ピューロマイシン(SIGMA社製)を12μg/mLの濃度で、およびLCA(VECTOR社製)を0.5mg/mLの濃度で含む基本培地8mLに培地交換し、さらに6〜8日間の培養を行い、レクチン耐性クローンを取得した。さらに6〜8日間の培養を行い、レクチン耐性株を取得した。以下、siRNA発現プラスミド
FUT8shRNA/lib1/pPURを導入したレクチン耐性株を12−lib1、siRNA発現プラスミド
FUT8shRNA/lib2/pPURを導入したレクチン耐性株を12−lib2、siRNA発現プラスミド
FUT8shRNA/lib3/pPURを導入したレクチン耐性株を12−lib3、siRNA発現プラスミド
FUT8shRNA/lib4/pPURを導入したレクチン耐性株を12−lib4、siRNA発現プラスミド
FUT8shRNA/lib5/pPURを導入したレクチン耐性株を12−lib5、siRNA発現プラスミド
FUT8shRNA/lib6/pPURを導入したレクチン耐性株を12−lib6、siRNA発現プラスミド
FUT8shRNA/lib7/pPURを導入したレクチン耐性株を12−lib7、siRNA発現プラスミド
FUT8shRNA/lib8/pPURを導入したレクチン耐性株を12−lib8、siRNA発現プラスミド
FUT8shRNA/lib9/pPURを導入したレクチン耐性株を12−lib9、siRNA発現プラスミド
FUT8shRNA/lib10/pPURを導入したレクチン耐性株を12−lib10とそれぞれ称す。
2.FUT8を標的としたsiRNA発現プラスミドを導入したレクチン耐性株におけるFUT8のmRNA量の定量
本実施例第1項で得られたレクチン耐性株12−lib1、12−lib2、12−lib3、12−lib4、12−lib5、12−lib6、12−lib7、12−lib8、12−lib9、12−lib10、および該レクチン耐性株の親株である32−05−12株に対し、FUT8のmRNA量の定量を行った。
上記レクチン耐性株をそれぞれ、ピューロマイシン(SIGMA社製)を12μg/mLの濃度で含む基本培地[10%ウシ胎児透析血清(Invitrogen社製)、50μg/mLゲンタマイシン(ナカライテスク社製)、および500nmol/L MTX(SIGMA社製)を含むIscove’s Modified Dulbecco’s Medium(Invitrogen社製)]に3×10個/mLの細胞密度で懸濁し、接着細胞用T25フラスコ(Greiner社製)に播種して5%COインキュベーター内で37℃、3日間培養した後、トリプシン処理を施した。トリプシン処理により得られた各細胞懸濁液を3000rpm、4℃の条件で5分間の遠心分離を行って上清を除去し、ダルベッコPBS緩衝液(Invitrogen社製)に懸濁した。再度3000rpm、4℃の条件で5分間の遠心分離を2回行った後、−80℃で凍結した。また、親株である32−05−12株についても、ピューロマイシンを含まない基本培地を用いて同様に培養を行い、細胞を回収した。
上記で得られた各細胞を室温で融解後、RNAeasy(QIAGEN社製)を使用し、添付の説明書に従い、全RNAを抽出した。得られた全RNAを45μLの滅菌水に溶解し、DNase処理を行い、各試料中に混入したゲノ厶DNAを分解した。反応後、RNAeasy(QIAGEN社製)により各全RNAを再精製し、40μLの滅菌水に溶解した。
得られた各全RNA3μgに対し、SUPERSCRIPTTM Preamplification System for First Strand cDNA Synthesis(Invitrogen社製)を用いて添付の説明書に従い、オリゴ(dT)プライマーを用いて逆転写反応を行うことにより、1本鎖cDNAを合成した。
競合的PCRによるFUT8遺伝子の転写量およびβ−アクチン遺伝子の転写量の定量を、以下のように行った。
上記の1本鎖cDNAを含む該反応液を滅菌水にて50倍に希釈した水溶液を、各々使用するまで−80℃で保管した。WO00/61739実施例8に記載の方法に従い、各細胞株由来全cDNAを鋳型とした競合的PCRを実施し、各細胞株由来全RNA中のFUT8のmRNA量およびβ−アクチンのmRNA量を測定した。異なる細胞間でβ−アクチンmRNA量は均一であると考え、β−アクチンのmRNA量に対するFUT8のmRNA量の相対値を算出した結果、FUT8を標的としたsiRNA発現プラスミド導入により得られたレクチン耐性株では親株と比較してFUT8のmRNA量が低下していた。
[実施例3]
FUT8を標的としたsiRNA発現プラスミドを導入したレクチン耐性株の取得と該細胞を用いた抗体組成物の生産
1.FUT8を標的としたsiRNA発現プラスミドを導入したレクチン耐性株の取得および培養
(1)FUT8を標的としたsiRNA発現プラスミドを導入したレクチン耐性株の取得
実施例2第2項において得られたレクチン耐性株は、該細胞株を取得する際に、導入したsiRNA発現プラスミドの標的配列毎に耐性株の出現頻度に差が認められた。そこで、耐性株の出現頻度が高い標的配列について、詳細な解析をするために以下の検討を行った。
実施例1第3項(1)において得られたFUT8に対するsiRNAの標的配列から、配列番号10に示される31塩基を標的配列とするsiRNAの発現プラスミドFUT8shRNA/lib2/pPUR、配列番号10に含まれる5’末端側の26塩基を標的配列とするsiRNAの発現プラスミドFUT8shRNA/lib2B/pPUR、配列番号11に示される33塩基を標的配列とするsiRNAの発現プラスミドFUT8shRNA/lib3/pPUR、配列番号12に含まれる34塩基を標的配列とするsiRNAの発現プラスミドFUT8shRNA/lib4/pPUR、配列番号14に含まれる28塩基を標的配列とするsiRNAの発現プラスミドFUT8shRNA/lib6/pPUR配列番号16に含まれる26塩基を標的配列とするsiRNAの発現プラスミドFUT8shRNA/lib8/pPUR配列番号17に示される34塩基を標的配列とするsiRNAの発現プラスミドFUT8shRNA/lib9/pPURをそれぞれ実施例1第3項(1)に記載の方法に従って作製した。作製したプラスミドは、それぞれ実施例2第1項に記載の方法に従って参考例に記載の32−05−12株へ導入し、LCA耐性株を取得した。
(2)レクチン(LCA)耐性株の拡大培養
本項(1)において得られたLCA耐性株を以下の手順で拡大培養した。
出現したレクチン耐性コロニーを、実体顕微鏡観察下にてピペットマン(GILSON社製)を用いて掻き取って吸い込み、接着細胞用U底96穴プレート(旭テクノグラス社製)へ採取した。トリプシン処理を行なった後、接着細胞用平底96穴プレート(Greiner社製)へ各クローンを播種し、ピューロマイシン(SIGMA社)を12μg/mLの濃度で含む基本培地を用いて5%CO、37℃の条件下で一週間培養した。培養後、各siRNA発現プラスミドあたり5クローンについて、ピューロマイシン(SIGMA社製)を12μg/mLの濃度で含む基本培地を用いて拡大培養を行なった。
拡大培養に供した細胞株について、FUT8shRNA/lib2/pPURを導入したレクチン耐性株を12−lib2−1、12−lib2−2、12−lib2−3、12−lib2−4、12−lib2−5と、FUT8shRNA/lib2B/pPURを導入したレクチン耐性株を12−lib2B−1、12−lib2B−2、12−lib2B−3、12−lib2B−4、12−lib2B−5と、FUT8shRNA/lib3/pPURを導入したレクチン耐性株を12−lib3−1、12−lib3−2、12−lib3−3、12−lib3−4、12−lib3−5と、FUT8shRNA/lib4/pPURを導入したレクチン耐性株を12−lib4−1、12−lib4−2、12−lib4−3、12−lib4−4、12−lib4−5と、FUT8shRNA/lib6/pPURを導入したレクチン耐性株を12−lib6−1、12−lib6−2、12−lib6−3、12−lib6−4、12−lib6−5と、FUT8shRNA/lib8/pPURを導入したレクチン耐性株を12−lib8−1、12−lib8−2、12−lib8−3、12−lib8−4、12−lib8−5と、FUT8shRNA/lib9/pPURを導入したレクチン耐性株を12−lib9−1、12−lib9−2、12−lib9−3、12−lib9−4、12−lib9−5と、それぞれ命名し、後述の本実施例第2項の解析に供した。尚、12−lib2B−4株および12−lib3−5株は、平成16年7月1日付けで独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1中央第6)にFERM BP−10052およびFERM BP−10053としてそれぞれ寄託されている。
2.FUT8を標的としたsiRNA発現ベクターを導入したレクチン耐性株におけるFUT8 mRNA量の定量
(1)全RNAの調製
本実施例第1項で得られたFUT8を標的としたsiRNA発現ベクターを導入したレクチン耐性株および該レクチン耐性株の親株である32−05−12株からの全RNA調製、並びに1本鎖cDNAの合成は実施例2第2項に記載の方法に従って行なった。尚、培養は接着細胞用6cmディッシュ(ファルコン社製)で行い、調製した全RNAは40μLの滅菌水に溶解した。
(2)SYBR−PCRによるFUT8遺伝子転写量の定量
FUT8遺伝子由来のmRNA転写量の定量およびβ−アクチン遺伝子由来のmRNA転写量の定量は、以下の手順で行なった。なお、FUT8定量の内部コントロールとしては、WO02/31140実施例9記載のFUT8スタンダードプラスミドを0.0512fg/μL、0.256fg/μL、1.28fg/μL、6.4fg/μL、32fg/μL、160fg/μLの濃度に希釈したものを、β−アクチン定量の内部コントロールとしては、WO02/31140実施例9記載のβ−アクチンスタンダードプラスミドを1.28fg/μL、6.4fg/μL、32fg/μL、160fg/μL、800fg/μL、4000fg/μLの濃度に希釈したものそれぞれを使用した。また、PCRプライマーとしては、FUT8の増幅には配列番号36に示すフォワードプライマーおよび配列番号37に示すリバースプライマーを、β−アクチンの増幅には配列番号38に示すフォワードプライマーおよび配列番号39に示すリバースプライマーをそれぞれ使用した。
For Real Time PCR TaKaRa Ex Taq R−PCR Version(タカラバイオ社製)を用いて、本項(1)で合成し滅菌水で50倍希釈した1本鎖cDNA溶液あるいは各濃度の内部コントロールプラスミド溶液を各々5μL含む20μLの反応液[R−PCR buffer(タカラバイオ社製)、2.5mM Mg2+Solution for R−PCR(タカラバイオ社製)、0.3mM dNTPmixture(タカラバイオ社製)、0.3μMフォワードプライマー、0.3μMリバースプライマー、2×10−5倍に希釈したSYBR GreenI(タカラバイオ社製)、1単位TaKaRa Ex Taq R−PCR]を調製した。調製した反応液を96−well Polypropylene PCR reaction Plate(ファルコン社製)の各ウェルへ分注し、Plate sealer(Edge Biosystems)を用いてプレートをシールした。PCR反応および解析には、ABI PRISM 7700 Sequence Detection Systemを用い、添付マニュアルに従ってFUT8のmRNA量およびβ−アクチンのmRNA量の測定を行なった。
内部コントロールプラスミドでの測定結果から検量線を作成し、FUT8のmRNA量およびβ−アクチンのmRNA量を数値化した。さらに、細胞株間において、β−アクチンのmRNA転写量は均一であるものと考え、β−アクチンのmRNA量に対するFUT8のmRNA量の相対値を算出し、その値を比較した結果を第2図に示した。FUT8を標的としたsiRNA発現プラスミド導入により得られた細胞株ではいずれも、親株と比較して最大約5%までFUT8 mRNA量が低下していた。
siRNA発現ベクター導入により得られた細胞株のうち、12−lib2−3株、12−lib2B−4株、12−lib3−5株、12−lib4−1株、12−lib6−3株、12−lib8−4株、12−lib9−1株について、以下の第3項の解析に供した。
3.FUT8を標的としたsiRNA発現ベクターを導入したレクチン耐性株による抗体組成物の製造および抗体組成物の単糖組成分析
(1)抗体組成物の製造
本実施例第1項において取得したFUT8を標的としたsiRNA発現ベクター導入レクチン耐性株である12−lib2−3株、12−lib2B−4株、12−lib3−5株、12−lib4−1株、12−lib6−3株、12−lib8−4株、12−lib9−1株および該レクチン耐性株の親株である32−05−12株をそれぞれ用いて、以下の手順で抗体組成物を製造した。
32−05−12株は基本培地、siRNA発現ベクター導入レクチン耐性株はピューロマイシン(SIGMA社製)を12μg/mLの濃度で含む基本培地を用いて、それぞれ3×10cells/mLの細胞密度で懸濁し、接着細胞用T182フラスコ(グライナー社製)に25mLずつ播種した。5%CO、37℃の条件下で5日間培養後、培養上清を除去し、20mLのダルベッコPBS(インビトロジェン社製)で2回洗浄を行なった後、EXCELL301培地(JRH Bioscience社製)を50mL注入した。5%CO、37℃の条件下で7日間培養後、培養上清を回収し、MabSelect(アマシャムバイオサイエンス社製)カラムを用いて、添付の説明書に従って、抗体組成物を精製した。
(2)抗体組成物の単糖組成分析
本項(1)で得られた抗体に対し、公知の方法[Journal of liquid Chromatography,,1577(1983)]に従って、単糖組成分析を行なった。
各抗体の単糖組成比より計算される、全複合型糖鎖に占めるフコースを持たない複合型糖鎖の割合を第2表に示した。
Figure 2005035778
親株である32−05−12株の生産する抗体のフコースを持たない糖鎖の割合が9%であったのに対し、FUT8を標的としたsiRNA導入レクチン耐性株が生産する抗体のフコースを持たない糖鎖の割合は30〜79%に上昇しており、FUT8を標的としたsiRNAR現ベクターFUT8shRNA/lib2/pPUR、FUT8shRNA/lib2B/pPUR、FUT8shRNA/lib3/pPUR、FUT8shRNA/lib4/pPUR、FUT8shRNA/lib6/pPUR、FUT8shRNA/lib8/pPUR、あるいはFUT8shRNA/lib9/pPURの導入により、宿主細胞の生産する抗体の複合型糖鎖へのα1,6−フコース付加を抑制する効果が得られることが示された。尚、実施例1第3項(1)において得た他のsiRNA分子の発現プラスミドを用いて同様の試験を行なった場合にも、同様の効果が得られた。
[実施例4]
FUT8を標的とした有効siRNAの異なるsiRNA発現システムでのRNAi活性の比較
1.FUT8を標的としたヒトU6プロモーターを用いたショートヘアピン型siRNA発現ベクターの構築
配列番号10に含まれる配列を標的配列とするsiRNAおよび配列番号18に示される配列を標的配列として含むsiRNAについて、以下の手順でヒトU6プロモーターを用いたショートヘアピン型siRNA発現ベクターを構築した。
(1)ヒトU6プロモーター−クローニングサイト−ターミネーター配列発現カセットのクローニング
以下の手順で、ヒトU6プロモーター−クローニングサイト−ターミネーター配列発現カセットを取得した(第3図)。
まず、ヒトU6プロモーター配列[GenBank,M14486]に結合する塩基配列の5’末端に制限酵素HindIII及びEcoRVの認識配列を付加したフォワードプライマー(以下hU6p−F−Hind3/EcoRVと称し、配列番号39に示す)および、ヒトU6プロモーター配列に結合する塩基配列の5’末端に、制限酵素XbaI及びEcoRVの認識配列、ターミネーター配列に相当する連続した6塩基のアデニン、さらに後の合成オリゴDNA挿入のための制限酵素KpnI及びSacIの認識配列を付加したリバースプライマー(以下hU6p−R−term−Xba1/EcoRVと称し、配列番号40に示す)をそれぞれ設計した。
次に、KOD polymerase(東洋紡績社製)を用いて、鋳型としてWO03/85118実施例12記載のU6_FUT8_B_puroを40ng含む60μLの反応液[KOD buffer#1(東洋紡績社製)、0.1mM dNTPs、1mM MgCl、0.4μM hU6p−F−Hind3/EcoRVプライマー、0.4μM hU6p−R−term−Xba1/EcoRVプライマー]を調製し、PCRを行った。PCRは、94℃で2分間の加熱の後、94℃で15秒間、65℃で5秒間、74℃で30秒間からなる反応を1サイクルとして30サイクル行った。
PCR後、該反応液をアガロースゲル電気泳動に供し、約300bpの増幅断片を回収した。該DNA断片を制限酵素XbaI (New England Biolabs社製)および制限酵素HindIII(New England Biolabs社製)を用いて37℃で2時間消化反応を行った。反応終了後、該反応液に対してフェノール/クロロホルム抽出処理およびエタノール沈澱を行った。
一方、プラスミドpBluescriptII KS(+)(STRATAGENE社製)を制限酵素HindIIIおよびXbaI(New England Biolabs社製)をAlkaline Phosphatasecoli C75(タカラバイオ社製)を用いて、37℃で1時間脱リン酸化反応を行った。反応後、該反応液をアガロースゲル電気泳動に供し、プラスミドpBluescriptII KS(+)由来の約2.9KbのHindIII−XbaI断片を回収した。
上記で得られた約300bpのPCR増幅断片を、Ligation High(東洋紡社製)を用いてプラスミドpBluescriptII KS(+)由来の約2.9kbpのHindIII−XbaI断片と連結反応を行い、該反応液を用いて大腸菌DH5α株(東洋紡績社製)を形質転換し、得られたアンピシリン耐性クローンよりQIAprep spin Mini prep Kit(キアゲン社製)を用いてそれぞれプラスミドを単離した。単離したプラスミドの塩基配列を、BigDye Terminator v3.0 Cycle Sequencing Kit(Applied Biosytems社製)を用いて添付の説明書に従って、反応後、同社のDNAシーケンサーABI PRISM377を用いて解析し、目的のプラスミドpBS−U6termを取得したことを確認した。
(2)ヒトU6プロモーター−クローニングサイト−ターミネーター配列発現カセットのpPURへの連結
以下の手順で、本項(1)で得られたプラスミドpBs−U6termに含まれるヒトU6プロモーター−クローニングサイト−ターミネーター配列発現カセットを、発現ベクターpPURへ連結した(第4図)。
まず、本項(1)で作製したプラスミドpBS−U6termを制限酵素EcoRV(New England Biolabs社製)を用いて37℃で2時間消化反応を行った。消化反応後、該反応液をアガロースゲル電気泳動に供し、ヒトU6プロモーター−クローニングサイト−ターミネーター配列発現カセットを含む、約350bpのDNA断片を回収した。
一方、プラスミドpPUR(CLONTECH社製)を制限酵素PvuII(New England Biolabs社製)を用いて37℃で一晩消化反応を行った。消化反応後、該反応液をAlklaline Phosphatase E.coli C75(タカラバイオ社製)を用いて、37℃で1時間脱リン酸化反応を行った。反応後、該反応液をアガロースゲル電気泳動に供し、約4.3KbのPvuII断片を回収した。
上記で得られたヒトU6プロモーター−クローニングサイト−ターミネーター配列発現カセットを含む約350bpのDNA断片を、Ligation High(東洋紡社製)を用いてプラスミドpPUR由来の約4.3kbのPvuII断片と、連結反応を行い、該反応液を用いて大腸菌DH5α株(東洋紡績社製)を形質転換した。得られたアンピシリン耐性クローンよりQIAprep spin Mini prep Kit(キアゲン社製)を用いて、それぞれプラスミドDNAを単離した。該プラスミドDNAを制限酵素SacIおよびHindIII(New England Biolabs社製)を用いて37℃で2時間消化反応を行った。該反応液をアガロースゲル電処泳動に供し、目的とする挿入断片の有無および挿入方向を確認した。
さらに、単離したプラスミドの塩基配列を、BigDye Terminator v3.0 Cycle Sequencing Kit(Applied Biosytems社製)を用いて添付の説明書に従って、反応後、同社のDNAシーケンサーABI PRISM377を用いて解析し、挿入DNAのうちヒトU6プロモーター領域の配列がGenBank Acc.No.M14486の配列と一致し、ヒトU6プロモーター−クローニングサイト−ターミネーター配列発現カセットの増幅に用いたプライマー領域の配列および各連結部の配列に間違いが無いことを確認した。得られたプラスミドのうち、挿入したhU6プロモーターの方向が、ピューロマイシン耐性遺伝子発現ユニットと同方向であるプラスミドを選択し、以下、該プラスミドをpPUR−U6termと称す。
(3)合成オリゴDNAのプラスミドpPUR−U6termへの挿入
以下の手順で、実施例1第3項(1)において得られたFUT8に対するRNAiの標的配列のうち、配列番号10に含まれる配列を標的配列とするsiRNAおよび配列番号18に示される配列を標的配列として含むsiRNAを発現させる二本鎖DNAカセットを形成する合成オリゴDNAを設計し、本項(2)にて取得したpPUR−U6termのクローニングサイトへの挿入を行った(第5図)。
二本鎖DNAカセットを形成する合成オリゴDNAの設計は以下の手順で行なった。二本鎖DNAカセットは5’末端から順に、制限酵素SacI切断により生じる3’突出末端、センスコードDNA、ヒトmiR−23−precursor−19micro RNA(GenBank,AF480558)の10塩基のループ配列、アンチセンスコードDNAおよび制限酵素KpnI切断により生じる3’突出末端を有する。また、該二本鎖DNAカセットを形成する合成オリゴDNAの5’末端はリン酸化した。配列番号10に含まれる標的配列について設計した合成オリゴDNAのセンス鎖(以下、Ft8−dsRNA−B−Fと称す)の塩基配列を配列番号42、アンチセンス鎖(以下、Ft8−dsRNA−B−Rと称す)の塩基配列を配列番号43、配列番号18を含む標的配列について設計した合成オリゴDNAのセンス鎖(以下、Ft8−dsRNA−R−Fと称す)の塩基配列を配列番号44、アンチセンス鎖(以下、Ft8−dsRNA−R−Rと称す)の塩基配列を配列番号45にそれぞれ示した。該合成オリゴDNAの5’末端はリン酸化したものを以下において用いた。
合成オリゴDNAのアニーリングを以下の手順で行った。合成オリゴDNAセンス鎖およびアンチセンス鎖各200pmolを、アニーリングバッファー[10mM Tris(pH7.5)、50mM NaCl、1mM EDTA]10μLに溶解し、2分間煮沸した。その後、約3時間かけて室温まで徐々に冷却し、滅菌水で15倍希釈した。
一方、プラスミドpPUR−U6termから、実施例1第3項(1)に記載の方法と同様にして、プラスミドpPUR−U6term由来の約4.5KbのKpnI−SacI断片を回収した。
上記で得た二本鎖合成オリゴ溶液を、Ligation High(東洋紡社製)を用いてプラスミドpPUR−U6term由来のKpnI−SacI断片と連結反応を行い、該反応液を用いて大腸菌DH5α株(東洋紡績社製)を形質転換した。得られたアンピシリン耐性クローンについて、QIAprep spin Mini prep Kit(キアゲン社製)を用いてプラスミドDNAを単離した。
単離したプラスミドの塩基配列を、BigDye Terminator v3.0 Cycle Sequencing Kit(Applied Biosytems社製)を用いて添付の説明書に従って、反応後、同社のDNAシーケンサーABI PRISM377を用いて解析し、挿入された合成オリゴDNAの配列および連結部に間違いが無いことを確認した。以下、合成オリゴDNA Ft8−dsRNA−B−FおよびFt8−dsRNA−B−Rからなる二本鎖DNAが挿入されたプラスミドをFUT8shB/pPUR、合成オリゴDNA Ft8−dsRNA−R−FおよびFt8−dsRNA−R−Rからなる二本鎖DNAが挿入されたプラスミドをFUT8shR/pPURと称す。
2.FUT8を標的としたヒトtRNAvalプロモーターを用いたショートヘアピン型siRNA発現ベクターの構築
配列番号10に含まれる配列を標的配列とするsiRNAおよび配列番号18に示される配列を標的配列として含むsiRNAについて、以下の手順でヒトtRNAプロモーターを用いたショートヘアピン型siRNA発現ベクターを構築した。
(1)ヒトtRNAvalプロモーター−クローニングサイト−ターミネーター配列発現カセットのクローニング
以下の手順で、ヒトtRNAvalプロモーター−クローニングサイト−ターミネーター配列発現カセットを取得した(第6図)。
まず、実施例1に記載のsiRNA発現ベクターライブラリーFUT8shRNAlib/pPUR/DH10Bより、ヒトtRNAvalプロモーター配列取得の鋳型として用いるためのプラスミドDNAを以下の手順で調製した。
siRNA発現ベクターライブラリーFUT8shRNAlib/pPUR/DH10Bの大腸菌グリセロールストックを適当な濃度に希釈して100μg/mLアンピシリンを含むLB寒天培地に播種した。37℃で一晩培養し、得られたアンピシリン耐性クローンよりQIAprep spin Mini prep Kit(キアゲン社製)を用いてプラスミドDNAを単離した。単離したプラスミドDNAを制限酵素BamHI(New England Biolabs社製)を用いて37℃で一晩消化反応を行った。消化反応後、該反応液に対して、フェノール/クロロホルム抽出およびエタノール沈澱を行った。単離したプラスミドの塩基配列を、BigDye Terminator v3.0 Cycle Sequencing Kit(Applied Biosytems社製)を用いて添付の説明書に従って、反応後、同社のDNAシーケンサーABI PRISM 377を用いて解析した。以下、本プラスミドをpPUR−tRNApと称す。
次に、プラスミドpPUR−tRNApを鋳型とし、human tRNAval promoter配列に結合するフォワードプライマーの5’末端に制限酵素PvuIIの認識配列を付加した合成オリゴDNA(以下、tRNA−PvuII−Fと称し、配列番号46に示す)、および、pPUR−tRNApに結合するリバースプライマーの5’末端に制限酵素PvuIIの認識配列、ターミネーター配列に相当する連続した6塩基のアデニン、さらに合成DNA挿入のための制限酵素KpnIおよびSacIの認識配列を付加した合成オリゴDNA(以下、tRNA−PvuII−Rと称し、配列番号47に示す)をプライマーとしたPCRを行った。PCRは、KOD polymerase(東洋紡績社製)を用いて、鋳型としてpPUR−tRNApを50ng含む50μlの反応液[KOD buffer#1(東洋紡績社製)、0.1mmol/L dNTPs、1mmol/L MgCl、0.4μmol/LプライマーtRNA−PvuII−F、0.4μmol/LプライマーtRNA−PvuII−R]を調製し、94℃で2分間の加熱の後、94℃で15秒間、65℃で5秒間、74℃で30秒間からなる反応を1サイクルとして30サイクル行った。反応後、該反応液をアガロースゲル電気泳動に供し、約200bpの増幅DNA断片を回収した。回収液に対しエタノール沈澱を行い、得られたDNA断片を制限酵素PvuII(New England Biolabs社製)を用いて37℃で3時間消化反応を行った。消化反応後、該反応液に対してフェノール/クロロホル厶抽出処理およびエタノール沈澱を行った。
一方、pPUR(Clontech社製)から、本実施例第1項(2)に記載の方法と同様にして、プラスミドpPUR由来の約4.3KbのPvuII断片を回収した。
上記で得られた約200bpのDNA断片を、LigationHigh(東洋紡社製)を用いてプラスミドpPUR由来の約4.3KbのPvuII断片と連結反応を行い、該反応液を用いて大腸菌DH5α株(インビトロジェン社製)を形質転換し、得られたアンピシリン耐性クローンから、QIAprep spin Mini prep Kit(キアゲン社製)を用いてプラスミドDNAを単離した。
単離したプラスミドの塩基配列を、BigDye Terminator v3.0 Cycle Sequencing Kit(Applied Biosytems社製)を用いて添付の説明書に従って、反応後、同社のDNAシーケンサーABI PRISM 377を用いて解析し、挿入されたDNAの配列および連結部に間違いが無いことを確認した。以下、本プラスミドをpPUR−tRNAp−term(−)と称す。尚、pPUR−tRNAp−term(−)は、pPURのPvuIIサイトへtRNAvalプロモーター−クローニングサイト−ターミネーター配列発現カセットがピューロマイシン耐性遺伝子発現ユニットと逆の向きに挿入されていた。
(2)合成オリゴDNAのプラスミドpPUR−tRNAp−term(−)への挿入
以下の手順で、本項(1)にて得られたpPUR−tRNAp−term(−)への、本実施例第1項(3)にて設計した合成オリゴDNAの挿入を行った(第7図)。
まず、プラスミドpPUR−tRNAp−term(−)を制限酵素KpnIおよびSacI(New England Biolabs社製)を用いて37℃で一晩消化反応を行った。消化反応後、該反応液をAlkaline Phosphatasecoli C75(タカラバイオ社製)を用いて、37℃で1時間脱リン酸化反応を行った。反応後、該反応液をアガロースゲル電気泳動に供し、プラスミドpPUR−tRNAp−term(−)由来の約4.5KbのKpnI−SacI断片を回収した。
本実施例第1項(3)で得られたFt8−dsRNA−B−FおよびFt8−dsRNA−B−Rをアニーリングした二本鎖合成オリゴ溶液またはFt8−dsRNA−R−FおよびFt8−dsRNA−R−Rをアニーリングした二本鎖合成オリゴ溶液を、Ligation High(東洋紡社製)を用いてプラスミドpPUR−tRNAp−term(−)由来の約4.5KbのKpnI−SacI断片と、連結反応を行い、該反応液を用いて大腸菌DH5α株(インビトロジェン社製)を形質転換した。得られたアンピシリン耐性クローンから、QIAprep spin Mini prep Kit(キアゲン社製)を用いてそれぞれプラスミドDNAを単離した。
単離したプラスミドの塩基配列を、BigDye Terminator v3.0 Cycle Sequencing Kit(Applied Biosytems社製)を用いて添付の説明書に従って、反応後、同社のDNAシーケンサーABI PRISM377を用いて解析し、挿入された合成オリゴDNAの配列および連結部に間違いが無いことを確認した。以下、合成オリゴDNA Ft8−dsRNA−B−FおよびFt8−dsRNA−B−Rからなる二本鎖DNAが挿入されたプラスミドをtRNA−FUT8shB/pPUR(−)、合成オリゴDNA Ft8−dsRNA−R−FおよびFt8−dsRNA−R−Rからなる二本鎖DNAが挿入されたプラスミドをtRNA−FUT8shR/pPUR(−)と称す。
(3)tRNA promoter−short hairpin型siRNA発現ベクター(+)の構築
本項(2)で得られたtRNA−FUT8shB/pPUR(−)およびtRNA−FUT8shR/pPUR(−)より、以下の手順でpPURのPvuIIサイトへヒトtRNAvalプロモーター−ショートヘアピンRNA−ターミネーター配列発現カセットがピューロマイシン耐性遺伝子発現ユニットと同じ向きに挿入されたヒトtRNAプロモーターを用いたショートヘアピン型siRNA発現ベクターを構築した(第8図)。
tRNA−FUT8shB/pPUR(−)あるいはtRNA−FUT8shR/pPUR(−)に制限酵素PvuII(New England Biolabs社製)を用いて37℃で一晩消化反応を行った。消化反応後、該反応液をアガロースゲル電気泳動に供し、約300bpのDNA断片を回収した。
一方、pPUR(Clontech社製)から、本実施例第1項(2)に記載の方法と同様にして、プラスミドpPUR由来の約4.3KbのPvuII断片を回収した。
上記で得られた約300bpのDNA断片を、Ligation High(東洋紡社製)を用いてプラスミドpPUR由来の約4.3KbのPvuII断片連結反応をい、該反応液を用いて大腸菌DH5α株(インビトロジェン社製)を形質転換した。得られたアンピシリン耐性クローンについて、QIAprep spin Mini prep Kit(キアゲン社製)を用いてプラスミドDNAを単離し、各プラスミドDNAに制限酵素HindIII(New England Biolabs社製)を用いて37℃で2時間消化反応を行った。消化反応後、該反応液をアガロースゲル電気泳動に供し、目的とする挿入断片の有無および挿入方向を確認し、挿入断片のヒトtRNAvalプロモーター−ショートヘアピンRNA−ターミネーター配列発現カセットがピューロマイシン耐性遺伝子発現ユニットと同じ向きに挿入されているクローンを選択した。選択したプラスミドの塩基配列を、BigDye Terminator v3.0 Cycle Sequencing Kit(Applied Biosytems社製)を用いて添付の説明書に従って、反応後、同社のDNAシーケンサーABI PRISM377を用いて解析し、該プラスミドの挿入DNAの配列および各連結部の配列に間違いが無いことを確認した。以下、tRNA−FUT8shB/pPUR(−)のヒトtRNAvalプロモーター−ショートヘアピンRNA−ターミネーター配列発現カセットを含むプラスミドをtRNA−FUT8shB/pPUR(+)、tRNA−FUT8shR/pPUR(−)のヒトtRNAvalプロモーター−ショートヘアピンRNA−ターミネーター配列発現カセットを含むプラスミドをtRNA−FUT8shR/pPUR(+)とそれぞれ称す。
3.FUT8を標的としたsiRNA発現プラスミドを導入したレクチン耐性株の取得および培養
本実施例第1項において構築したFUT8を標的としたヒトU6プロモーターを用いたショートヘアピン型siRNA発現ベクターFUT8shB/pPURおよびFUT8shR/pPUR、本実施例第2項において構築したFUT8を標的としたヒトtRNAvalプロモーターを用いたショートヘアピン型siRNA発現ベクターtRNA−FUT8shB/pPUR(+)およびtRNA−FUT8shR/pPUR(+)、並びにWO03/85118実施例12記載のFUT8を標的としたヒトU6プロモーターを用いたタンデ厶型siRNA発現ベクターU6_FUT8_B_puroおよびU6_FUT8_R_puroを、実施例2第1項に記載の方法に従って、それぞれ32−05−12株へ導入し、LCA耐性株の取得した。その結果、いずれのsiRNA発現システムを用いた場合にもレクチン耐性株が取得された。
4.FUT8を標的としたsiRNA発現プラスミドを導入したレクチン耐性株の拡大培養およびFUT8mRNA発現解析
(1)全RNAの調製
32−05−12株および本実施例第3項で得られたレクチン耐性株からの全RNA調製、並びに1本鎖cDNAの合成は、実施例2第2項と同様の手順で行なった。尚、培養は接着細胞用6cmディッシュ(ファルコン社製)で行い、調製した全RNAは40μLの滅菌水に溶解した。
(2)SYBR−PCRによるFUT8遺伝子転写量の定量
実施例3第2項(3)に記載の方法と同様にして、FUT8遺伝子由来のmRNA転写量の定量およびβ−アクチン遺伝子由来のmRNA転写量の定量を行なった。さらに、細胞株間でのβ−アクチン遺伝子由来のmRNA転写量は均一であると考え、β−アクチンmRNA量に対するFUT8 mRNA量の相対値を算出し、その値を比較した結果を第9図に示した。
いずれのsiRNA発現システムを用いた場合のレクチン耐性株においても、親株と比較してFUT8 mRNA量が低下していることが示された。従って、親株をレクチン耐性株へと変換することが可能なFUT8を標的としたsiRNAによるRNAi活性は、いずれのsiRNA発現システムを用いた場合にも認められることが示された。
[実施例5]
FUT8を標的としたsiRNA発現プラスミドを導入したレクチン耐性CHO/DG44細胞の無血清フェドバッチ培養
1.FUT8を標的としたsiRNA発現プラスミドを導入したレクチン耐性株の無血清培地への馴化
32−05−12株、実施例3第1項で取得したFUT8を標的としたsiRNA発現プラスミドを導入したレクチン耐性株12−lib2B−1株、12−lib2B−4株、12−lib3−4株、12−lib3−5株の無血清培地への馴化を、以下の手順で行なった。
32−05−12株は基本培地、FUT8を標的としたsiRNA発現プラスミドを導入したレクチン耐性株はピューロマイシン(SIGM社製)を12μg/mLの濃度で含む基本培地を用いて、それぞれ3×10cells/mLの細胞密度で懸濁し、接着培養用75cmフラスコ(グライナー社製)に15mLずつ播種した。5%CO、37℃の条件下で3日間培養し、トリプシン処理により各細胞懸濁液を回収し、懸濁液に対し1000rpm、5分間の遠心分離を行なって上清を除去した。32−05−12株は、MTX(SIGMA社製)を500nmol/Lの濃度で、L−グルタミン(インビトロジェン社製)を6mmol/Lの濃度で、3,3,5−Triiodo−L−thyronine(SIGMA社製)を100nmol/Lの濃度で含むEX−CELL302培地(JRH社製)(以下、無血清培地と称す)を用いて、FUT8を標的としたsiRNA発現プラスミドを導入したレクチン耐性株はピューロマイシン(SIGMA社製)を12μg/mLの濃度で含む無血清培地を用いて、それぞれ回収した細胞を5×10cells/mLの密度で懸濁し、該細胞懸濁液15mLを125mL三角フラスコ(コーニング社製)に播種した。培養容器の4倍量以上の5%COを通気してフラスコ内の空気を置換した後に密栓し、35℃、90〜100rpmにて浮遊旋回培養を行った。3〜4日間隔で継代を繰り返し、最終的には無血清培地で増殖可能な細胞株を取得した。以下、無血清培地へ馴化した32−05−12株を32−05−12AF、無血清培地へ馴化した12−lib2B−1株を12−lib2B−1AF、無血清培地へ馴化した12−lib2B−4株を12−lib2B−4AF、無血清培地へ馴化した12−lib3−4株を12−lib3−4AF、無血清培地へ馴化した12−lib3−5株を12−lib3−5AFと称す。
2.無血清培地に馴化したFUT8を標的としたsiRNA発現プラスミドを導入したレクチン耐性株を用いた無血清フェドバッチ培養
本実施例第1項で無血清培地に馴化した32−05−12AF株、12−lib2B−1AF株、12−lib2B−4AF株、12−lib3−4AF株、および12−lib3−5AF株を用いて、以下の手順で無血清フェドバッチ培養を行った。
フェドバッチ培養には、MTX(SIGMA社製)を500nmol/Lの濃度で、L−グルタミン(インビトロジェン社製)を6mmol/Lの濃度で、3,3,5−Triiodo−L−thyronine(SIGMA社製)を100nmol/Lの濃度で、Pluronic F−68(インビトロジェン社製)を0.1%の濃度で、D(+)−グルコース(ナカライテスク社製)を5000mg/Lの濃度で含むEX−CELL302培地(JRH社製)(以下、無血清フェドバッチ培養培地と称す)を、フィード用の培地としては、通常の添加濃度よりも高濃度に調製したアミノ酸(L−アラニン0.177g/L、L−アルギニン一塩酸0.593g/L、L−アスパラギン一水和物0.177g/L、L−アスパラギン酸0.212g/L、L−シスチン二塩酸0.646g/L、L−グルタミン酸0.530g/L、L−グルタミン5.84g/L、グリシン0.212g/L、L−ヒスチジン一塩酸二水和物0.297g/L、L−イソロイシン0.742g/L、L−ロイシン0.742g/L、L−リジン一塩酸1.031g/L、L−メチオニン0.212g/L、L−フェニルアラニン0.466g/L、L−プロリン0.283g/L、L−セリン0.297g/L、L−スレオニン0.671g/L、L−トリプトファン0.113g/L、L−チロシン二ナトリウ厶二水和物0.735g/L、L−バリン0.664g/L)、ビタミン(d−ビオチン0.0918mg/L、D−パントテン酸カルシウム0.0283g/L、塩化コリン0.0283g/L、葉酸0.0283g/L、myo−イノシトール0.0509g/L、ナイアシンアミド0.0283g/L、ピリドキサール塩酸0.0283g/L、リボフラビン0.00283g/L、チアミン塩酸0.0283g/L、シアノコバラミン0.0918mg/L)、インシュリン0.314g/Lから構成された培地(以下、フィード培地と称す)を用いた。
32−05−12AF株、12−lib2B−1AF株、12−lib2B−4AF株、12−lib3−4AF株、および12−lib3−5AF株を、3×10cells/mLの密度で無血清フェドバッチ培養培地に懸濁し、該細胞懸濁液を250mL三角フラスコ(コーニング社製)に40mLずつ播種した。培養容器の4倍量以上の5%COを通気してフラスコ内の空気を置換した後に密栓し、35℃、90〜100rpmにて浮遊旋回培養を行った。培養開始後3日目、6日目、9日目、12日目に、アミノ酸等の消費量を補う目的でフィード培地を3.3mL添加し、グルコース濃度を制御する目的で20%(w/v)グルコース溶液を終濃度5000mg/Lとなるように添加した。培養開始後0日目、3日目、6日目、9日目、12日目、14日目に培養液を2〜4mL採取し、生細胞密度と細胞生存率をトリパンブルー染色により、各培養上清中に含まれる抗体濃度を本実施例第3項(1)に記載のELISAによる抗体濃度の定量法によりそれぞれ測定した。培養開始後の各時点における生細胞密度、細胞生存率、および培養上清中の抗体濃度の結果を第10図〜第12図に示した。
3.可溶性ヒトFcγRIIIaに対する結合活性を指標とした、還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合していない糖鎖を持つ抗体の定量
本実施例第2項で採取した32−05−12AF株、12−lib2B−1AF株、12−lib2B−4AF株、12−lib3−4AF株、および12−lib3−5AF株の無血清フェドバッチ培養サンプルに含まれる抗CCR4キメラ抗体の、還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合していない糖鎖の割合を、参考例2に記載の可溶性ヒトFcγRIIIa(以下、shFcγRIIIaと表記)に対する結合活性を指標として、以下の手順で測定した。
(1)ELISAによる抗体濃度の定量
培養上清中の抗体濃度の定量は以下の手順で行なった。
1mLの抗ヒトIgG(H+L)抗体(American Qualex社製)をダルベッコPBS(インビトロジェン社製)750mLに溶解し、50μLずつELISAプレートの各ウェルに分注した。4℃にて一晩放置した後、溶液を除去し、1%BSAを含むPBSバッファーを100μLずつ各ウェルへ加え、室温に約一時間放置した後、−20℃にて保存した。抗体量測定時にプレートを室温で溶解し溶液を除去した後に、1%BSAを含むPBSバッファーを用いて希釈した培養上清溶液を50μLずつ各ウェルに添加した。室温にて1〜2時間放置し、0.05%Tween−PBSバッファーで洗浄した。洗浄液の水分を除去した後、1%BSAを含むPBSバッファーを用いて2000倍希釈したGoatanti−humanIgG(H&L)−HRP(American Qualex社製)を二次抗体として50μLずつ各ウェルに添加した。室温にて1〜2時間放置し、0.05%Tween−PBSバッファーで洗浄した後、さらにレジン水により洗浄した。洗浄液の水分を除去した後0.1%Hを加えたABTS基質液を50μLずつ各ウェルに添加し発色させた。約15分放置し、適当な発色が得られた時点で5%SDS溶液を50μLずつ各ウェルに添加し反応を停止させた。マイクロプレートリーダーを用いて波長415nmの吸収を対照として490nmの吸光度を測定した。各希釈試料の抗体濃度の算出は、標準抗体精製標品を用いた検量線シグモイドカーブの直線領域を使用して行なった。得られた希釈試料の抗体濃度に希釈率を乗じて、培養上清の抗体濃度を算出した。
(2)N−グリコシド結合複合型糖鎖の還元末端のN−アセチルグルコサミンにフコースが結合していない糖鎖の割合の異なる抗体の調製
参考例1に記載の、YB2/0細胞由来の抗CCR4キメラ抗体KM2760−1、およびCHO/DG44細胞由来のKM3060を用い、N−グリコシド結合複合型糖鎖の還元末端のN−アセチルグルコサミンにフコースが結合していない糖鎖を有する抗体の割合(以下、抗体組成物のFucose(−)%と称す)が異なる標準品抗CCR4キメラ抗体組成物を調製した。KM2761−1とKM3060、および両者を混合して調製した9サンプルを含む計11サンプルの標準品について、実施例3第3項(2)に記載の単糖組成分析により抗体組成物のFucose(−)%を測定したところ、KM2760−1は90%、KM3060は10%であり、両者を混合して調製した9サンプルの標準品はそれぞれ82%、74%、66%、58%、50%、42%、34%、26%、18%であった。
(3)抗体のshFcγRIIIaに対する結合活性の評価
参考例1第2項で作製した抗CCR4キメラ抗体が反応する配列番号35で示されるアミノ酸配列を有するヒトCCR4細胞外領域ペプチドのBSA(Bovine Serum Albmin)コンジュゲートを、1μg/mLの濃度で96ウェルELISA用プレート(グライナー社製)に50μL/ウェル分注し、4℃で一晩放置して吸着させた。PBSで洗浄後、1%BSA−PBSを100μL/ウェル添加し、室温で1時間反応させて残存する活性基をブロックした。各ウェルをTween−PBSで洗浄後、本項(1)に記載のELISAによる抗体濃度の定量法により測定した抗体濃度をもとに5.0μg/mLとなるように1%BSA−PBSで希釈した各培養上清溶液、あるいは、本項(2)で調製し、蛋白質濃度が5.0μg/mLとなるように1%BSA−PBSで希釈した抗体組成物のFucose(−)%の標準品を50μL/ウェル添加し、室温で1時間反応させた。各ウェルをTween−PBSで洗浄後、1%BSA−PBSで5μg/mLに希釈した参考例2に示される方法で作製されたshFcγRIIIa溶液を50μL/ウェル加え、室温で1時間反応させた。Tween−PBSで洗浄後、1%BSA−PBSを用いて0.1μg/mLに調製したHis−tagに対するHRP標識マウス抗体Penta−His HRP Conjugate(QIAGEN社製)を50μL/ウェル添加し、室温で1時間反応させた。Tween−PBSで洗浄後、ABTS基質液を50μL/ウェル加えて発色させ、OD415を測定した。
第13図に、本項(2)で調製した、抗体組成物のFucose(−)%の標準品のshFcγRIIIaに対する結合活性を示した。抗体組成物のFucose(−)%に比例する、抗体組成物のshFcγRIIIaに対する結合活性の検量線が得られた。
本実施例第2項で採取した無血清フェドバッチ培養サンプルに含まれる抗CCR4キメラ抗体のshFcγRIIIaに対する結合活性を示すOD415値から、各培養サンプル中に含まれる抗CCR4キメラ抗体組成物のFucose(−)%を、第14図に示される検量線を用いて求めた。32−05−12AF株由来のサンプルは、培養期間を通じて生産される抗体組成物のFucose(−)%は約10%であった。一方、FUT8を標的としたsiRNA発現プラスミドを導入したレクチン耐性株の12−lib2B−1AF株、12−lib2B−4AF株、12−lib3−4AF株、および12−lib3−5AF株由来のサンプルは、培養期間を通じて生産される抗体組成物のFucose(−)%は40〜70%であり、FUT8を標的としたsiRNA発現プラスミドを導入することにより、高い抗体組成物のFucose(−)%を有する抗体組成物を生産できることが示された。
(参考例1)
N−グリコシド結合型糖鎖の還元末端のN−アセチルグルコサミンにフコースが結合していない糖鎖の割合の異なる抗CCR4キメラ抗体の調製
1.CHO/DG44細胞を用いた抗体生産細胞の作製
CHO/DG44細胞に対し、WO01/64754記載の抗CCR4キメラ抗体発現ベクターpKANTEX2160を導入し、抗CCR4キメラ抗体の安定生産細胞を以下のように作製した。
抗CCR4キメラ抗体発現ベクターpKANTEX2160の4μgを1.6×10細胞のCHO/DG44細胞へエレクトロポレーション法[サイトテクノロジー(Cytotechnology),,133(1990)]により導入後、10mLのIMDM−dFBS(10)−HT(1)[ウシ胎児透析血清(Invitrogen社製)を10%、HT supplement(Invitrogen社製)を1倍濃度で含むIMDM培地(Invitrogen社製)]に懸濁し、96ウェル培養用プレート(旭テクノグラス社製)に100μL/ウェルずつ分注した。5%CO37℃、、24時間培養した後、IMDM−dFBS(10)(透析FBSを10%で含むIMDM培地)に培地交換し、1〜2週間培養した。HT supplement非依存的な増殖を示す形質転換株のコロニーが出現したウェルより培養上清を回収し、上清中の抗CCR4キメラ抗体の発現量を本参考例第2項記載のELISA法により測定した。
培養上清中に抗CCR4キメラ抗体の生産が認められたウェルの形質転換株については、DHFR遺伝子増幅系を利用して抗体生産量を増加させる目的で、MTXを50nmol/L含むIMDM−dFBS(10)培地に1〜2×10細胞/mLになるように懸濁し、24ウェルプレート(旭テクノグラス社製)に0.5mLずつ分注した。5%COインキュベーター内で37℃、1〜2週間培養して、50nmol/L MTX耐性を示す形質転換株を誘導した。増殖が認められたウェルの形質転換株については、上記と同様の方法により、MTX濃度を500nmol/Lに上昇させ、最終的にMTXを500nmol/Lの濃度で含むIMDM−dFBS(10)培地で増殖可能。かつ、抗CCR4キメラ抗体を生産する形質転換株32−05−12株を得た。
2.抗体CCR4部分ペプチドに対する結合活性(ELISA法)
抗CCR4キメラ抗体が反応するヒトCCR4細胞外領域ペプチドとして、配列番号35で示されるアミノ酸配列の化合物1を使用した。化合物1をELISA法の抗原として用いるため、以下の方法でBSA(Bovine Serum Albumin)(ナカライテスク社製)とのコンジュゲートを作製した。
10mgのBSAを含むPBS溶液900μLに、100μLの25mg/mL SMCC[4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシリックアシッドN−ヒドロキシサクシンイミドエステル](SIGMA社製)−DMSO溶液を撹拌しながら滴下し、30分間ゆるやかに攪拌した。25mLのPBSで平衡化したNAP−10カラムに1mLの反応液をアプライし、1.5mLのPBSで溶出させ、溶出液をBSA−SMCC溶液とした(A280測定からBSA濃度を算出)。次に、0.5mgの化合物1に250μLのPBSを加え、次いで250μLのジメチルスルフォキシド(DMF)を加えて完全に溶解させた後、前述のBSA−SMCC溶液(BSA換算1.25mg)を撹拌しながら添加し、添加後3時間攪拌した。反応液をPBSに対して4℃、一晩透析し、最終濃度0.05%となるようにアジ化ナトリウ厶を添加して、0.22μmフィルターでろ過滅菌した。以下、該溶液をBSA−化合物1溶液と称す。
96穴のEIA用プレート(Greiner社製)に、上記のBSA−化合物1溶液を0.05μg/mL、50μL/ウェルで分注し、4℃で一晩放置して吸着させた。PBSで洗浄後、1%BSA−PBSを100μL/ウェルで加え、室温で1時間反応させて残存する活性基をブロックした。各ウェルを0.05%TWeen20を含むPBS(以下、Tween−PBSと表記する)で洗浄後、形質転換株の培養上清を50μL/ウェルで加え、室温で1時間反応させた。反応後、各ウェルをTween−PBSで洗浄後、1%BSA−PBSで6000倍に希釈したペルオキシダーゼ標識ヤギ抗ヒトIgG(γ)抗体溶液(American Qualex社製)を二次抗体溶液として、それぞれ50μL/ウェルで加え、室温で1時間反応させた。反応後、Tween−PBSで洗浄後、ABTS基質液[2,2’−アジノ−ビス(3−エチルベンゾチアゾリン−6−スルホン酸)アンモニウムの0.55gを1Lの0.1Mクエン酸緩衝液(pH4.2)に溶解し、使用直前に過酸化水素水を1μL/mLで添加した溶液]を50μL/ウェルで加えて発色させ、415nmの吸光度(以下、OD415と表記する)をプレートリーダーBenchmark(BIO−RAD社製)を用いて測定した。本参考例第1項で得られた抗CCR4キメラ抗体は、CCR4に対する結合活性を示した。
3.ラットミエローマYB2/0細胞を用いた生産細胞の作製
抗CCR4キメラ抗体発現ベクターpKANTEX2160の10μgを4×10細胞のラットミエローマYB2/0細胞(ATCC CRL1662)へエレクトロポレーション法[Cytotechnology,,133(1990)]により導入後、40mLのHybridoma−SFM−FBS(5)[FBS(PAAラボラトリーズ社製)を5%含むHybridoma−SFM培地(インビトロジェン社製)]に懸濁し、96ウェル培養用プレート(住友ベークライト社製)に200μL/ウェルずつ分注した。5%COインキュベーター内で37℃、24時間培養した後、G418をlmg/mLになるように添加して1〜2週間培養した。G418耐性を示す形質転換株のコロニーが出現し、増殖の認められたウェルより培養上清を回収し、上清中の抗CCR4キメラ抗体の抗原結合活性を上記第2項記載のELISA法により測定し、CCR4に対する結合活性を示すことを確認した。
培養上清中に抗CCR4キメラ抗体の生産が認められたウェルの形質転換株については、dhfr遺伝子増幅系を利用して抗体生産量を増加させる目的で、G418を1mg/mL、DHFRの阻害剤であるMTX(SIGMA社製)を50nmol/L含むHybridoma−SFM−FBS(5)培地に1〜2×10細胞/mLになるように懸濁し、24ウェルプレート(Greiner社製)に1mLずつ分注した。5%COインキュベーター内で37℃で1〜2週間培養して、50nmol/L MTX耐性を示す形質転換株を誘導した。形質転換株の増殖が認められたウェルの培養上清中の抗CCR4キメラ抗体の抗原結合活性を上記第2項記載のELISA法により測定した。
培養上清中に抗CCR4キメラ抗体の生産が認められたウェルの形質転換株については、上記と同様の方法により、MTX濃度を上昇させ、最終的にMTXを200nmol/Lの濃度で含むHybridoma−SFM−FBS(5)培地で増殖可能かつ、抗CCR4キメラ抗体を高生産する形質転換株を得た。得られた形質転換株について、2回の限界希釈法によるクローン化を行い、得られた形質転換細胞クローンをKM2760#58−35−16と名付けた。
4.抗CCR4キメラ抗体の精製
(1)CHO/DG44細胞由来の生産細胞の培養および抗体の精製
上記第1項で得られた抗CCR4キメラ抗体を生産する形質転換細胞株32−05−12株をIMDM−dFBS(10)培地中で、182cmフラスコ(Greiner社製)にて5%COインキュベーター内で37℃にて培養した。数日後、細胞密度がコンフルエントに達した時点で培養上清を除去し、25mLのPBSバッファーにて細胞を洗浄後、EXCELL301培地(JRH社製)を35mL注入した。5%COインキュベーター内で37℃にて7日間培養後、培養上清を回収した。培養上清よりProsep−A(ミリポア社製)カラムを用いて、添付の説明書に従い、抗CCR4キメラ抗体を精製した。精製した抗CCR4キメラ抗体はKM3060と名付けた。
(2)YB2/0細胞由来の生産細胞の培養および抗体の精製
上記第3項で得られた抗CCR4キメラ抗体を発現する形質転換細胞クローンKM2760#58−35−16を200nmol/L MTX、Daigo’s GF21(和光純薬製)を5%の濃度で含むHybridoma−SFM(インビトロジェン社製)培地に2×10細胞/mLとなる様に懸濁し、スピナーボトル(岩城硝子社製)を用いて37℃の恒温室内でFed−Batch攪拌培養した。8−10日間培養して回収した培養上清より、Prosep−A(ミリポア社製)カラ厶およびゲルろ過法を用いて、抗CCR4キメラ抗体を精製した。精製した抗CCR4キメラ抗体をKM2760−1と名づけた。
KM2760−1およびKM3060のCCR4に対する結合活性を上記第2項に記載のELISA法により測定した結果、同等の結合活性を示した。
(参考例2)
可溶性ヒトFcγRIIIa蛋白質の作製
1.可溶性ヒトFcγRIIIa蛋白質の発現ベクターアの構築
(1)ヒト末梢血単核球cDNAの作製
健常人の静脈血30mLにヘパリンナトリウム(武田薬品社製)を加え穏やかに混合した。これをLymphoprep(第一化学薬品社製)を用いて使用説明書に従って単核球層を分離した。RPMI1640培地で1回、RPMI1640−FCS(10)培地で1回遠心分離して洗浄後、RPMI1640−FBS(10)中に懸濁した2×10個/mLの末梢血単核球懸濁液を調製した。該末梢血単核球懸濁液の5mLを室温下800rpmで5分間の遠心分離を行った後、上清を除去し、5mLのPBSに懸濁した。室温下800rpmで5分間の遠心分離を行った後、上清を除去し、QIAamp RNA Blood Mini Kit(QIAGEN社製)を用いて添付の説明書に従い、全RNAを抽出した。
得られた全RNA2μgに対し、SUPERSCRIPTTMPreamplification System for First Strand cDNA Synthesis(Life Technologies社製)を用いて添付の説明書に従い、オリゴ(dT)をプライマーとして逆転写反応を行うことにより、一本鎖cDNAを合成した。
(2)ヒトFcγRIIIa蛋白質をコードするcDNAの取得
ヒトFcγRIIIa蛋白質(以下、hFcγRIIIaと表記する)のcDNAの取得は、以下のようにして行った。
まず、hFcγRIIIaのcDNAの塩基配列[J.Exp.Med.,170,481(1989)]より、翻訳開始コドンを含む特異的なフォワードプライマー(配列番号48に示す)および翻訳終止コドンを含む特異的なリバースプライマー(配列番号49に示す)を設計した。
次にDNAポリメラーゼExTaq(宝酒造社製)を用いて、本項(1)で調製したヒト末梢血単核球由来のcDNA溶液の20倍希釈液5μLを含む50μLの反応液[1倍濃度のExTaq buffer(宝酒造社製)、0.2mM dNTPs、1μM上記遺伝子特異的プライマー(配列番号48および49)]を調製し、PCRを行った。PCRは、94℃にて30秒間、56℃にて30秒間、72℃にて60秒間からなる反応を1サイクルとして、35サイクル行った。
PCR後、該反応液をQIAquick PCR Purification Kit(QIAGEN社製)を用いて精製し、滅菌水20μLに溶解した。制限酵素EcoRI(宝酒造社製)およびBamHI(宝酒造社製)で消化した後、アガロースゲル電気泳動に供し、PCR由来の約800bpの断片を回収した。
一方、プラスミドpBluescriptII SK(−)2.5μg(Stratagene社製)を制限酵素EcoRI(宝酒造社製)およびBamHI(宝酒造社製)で消化後、アガロースゲル電気泳動に供し、約2.9kbpの断片を回収した。
上記で得られたヒト末梢血単核球cDNA由来の約800bpの断片とプラスミドpBluescriptII SK(−)由来の約2.9kbpの断片を、DNA Ligation Kit Ver.2.0(宝酒造社製)を用いて連結反応を行った。該反応液を用いて大腸菌DH5α株(東洋紡績社製)を形質転換した。得られた形質転換株のクローンより各プラスミドDNAを調製し、BigDye Terminator Cycle Sequencing FS Ready Reaction Kit(Applied Biosystems社製)を用いて添付の説明書に従って反応後、同社のDNAシーケンサーABI PRISM377により各プラスミドに挿入されたcDNAの塩基配列を決定した。本法により配列決定した全ての挿入cDNAが、hFcγRIIIaのcDNAのORF全長配列をコードすることを確認した。結果として配列番号46に示した塩基配列を有するhFcγRIIIaをコードするcDNAを含むプラスミドとしてpBSFcγRIIIa5−3を得たことを確認した。配列番号50の塩基配列に対応するアミノ酸配列を配列番号51に示す。
(3)可溶性hFcγRIIIaをコードするcDNAの取得
hFcγRIIIaの細胞外領域(配列番号51の1〜193番目)とC末端にHis−tag配列を持つ可溶性hFcγRIIIa[以下、shFcγRIIIaと表記する]をコードするcDNAを以下のようにして構築した。
まず、配列番号50に示されるhFcγRIIIaのcDNAの塩基配列より、細胞外領域に特異的なプライマーFcgR3−1(配列番号52に示す)を設計した。
次にDNAポリメラーゼExTaq(宝酒造社製)を用いて、本項(2)で作製したプラスミドpBSFcγRIIIa5−3をテンプレートとして含む反応液[1倍濃度のExTaq buffer(宝酒造社製)、0.2mM dNTPs、1μMプライマーFcgR3−1、1μMプライマーM13M4(宝酒造社製)]を調製し、PCRを行った。PCRは、94℃にて30秒間、56℃にて30秒間、72℃にて60秒間からなる反応を1サイクルとして、35サイクル行った。PCR後、反応液をQIAquick PCR Purification Kit(QIAGEN社製)を用いて精製し、滅菌水20μLに溶解した。制限酵素PstI(宝酒造社製)およびBamHI(宝酒造社製)で消化後、アガロースゲル電気泳動に供し、約110bpの特異的増幅断片を回収した。
一方、プラスミドpBSFcγRIIIa5−3を制限酵素PstI(宝酒造社製)およびBamHI(宝酒造社製)で消化後、アガロースゲル電気泳動に供し、約3.5kbpの断片を回収した。
上記で得たhFcγRIIIaのcDNA由来の約110bpの特異的増幅断片とプラスミドpBSFcγRIIIa5−3由来の約3.5kbpの断片を、DNA Ligation Kit Ver.2.0(宝酒造社製)を用いて連結反応を行った。該反応液を用いて大腸菌DH5α株(東洋紡績社製)を形質転換した。得られた形質転換株のクローンより各プラスミドDNAを調整し、BigDye Terminator Cycle Sequencing FS Ready Reaction Kit(Parkin Elmer社製)を用いて添付の説明書に従って反応後、同社のDNAシークエンサー377により各プラスミドに挿入されたcDNAの塩基配列を解析し、pBSFcγRIIIa+His3が得られたことを確認した。
決定したshFcγRIIIaの全長cDNA配列を配列番号53、それに対応するシグナル配列を含むアミノ酸配列を配列番号54にそれぞれ示す。
(4)shFcγRIIIaの発現ベクターの構築
shFcγRIIIaの発現ベクターは、以下のようにして構築した。
本項(3)で得られたプラスミドpBSFcγRIIIa+His3を制限酵素EcoRI(宝酒造社製)およびBamHI(宝酒造社製)で消化後、アガロースゲル電気泳動に供し、それぞれ約620bpの各断片を回収した。
一方、プラスミドpKANTEX93を制限酵素EcoRI(宝酒造社製)およびBamHI(宝酒造社製)で消化後、アガロースゲル電気泳動に供し、約10.7kbpの断片を回収した。
上記で得たshFcγRIIIa)のcDNAを含む約620bpの各断片とプラスミドpKANTEX93由来の約10.7kbpの断片を、DNA Ligation Kit Ver.2.0(宝酒造社製)を用いて連結反応を行った。該反応液を用いて大腸菌DH5α株(東洋紡績社製)を形質転換した。得られた形質転換株のクローンより各プラスミドDNAを調整し、BigDye Terminator Cycle Sequencing FS Ready Reaction Kit(Parkin Elmer社製)を用いて添付の説明書に従って反応後、同社のDNAシークエンサー377により各プラスミドに挿入されたcDNAの塩基配列を解析し、目的のshFcγRIIIacDNAを含む発現ベクターpKANTEXFcγRIIIa−Hisが得られたことを確認した。
2.shFcγRIIIaの安定生産細胞の作製
上記第1項で構築したshFCγIIIaの発現ベクターpKANTEXFcγRIIIa−Hisを参考例1第3項に記載の方法と同様にして、ラットミエローマYB2/0細胞[ATCC CRL−1662、J.Cell.Biol.,93,576(1982)]に導入し、shFcγRIIIaの安定生産細胞を作製した。尚、培養上清中のshFcγRIIIaの発現量を後述する本参考例の第4項に示すELISA法により測定した。最終的にG418を1.0mg/mL、MTXを200nMの濃度で含むHybridoma−SFM−FBS(10)培地で増殖可能かつ、shFcγRIIIaを高生産する形質転換株を得た。得られた形質転換株に対して、2回の限界希釈法によるクローン化を行った。shFcγRIIIaを生産する形質転換細胞クローンKC1107が得られた。
3.shFcγRIIIaの精製
本参考例の第2項で得られたshFcγRIIIaを生産する形質転換細胞クローンKC1107をG418を1mg/mL、MTXを200nmol/Lで含むHybridoma−SFM−GF(5)[5%Daigo’s GF21(和光純薬社製)を含むHybridoma−SFM培地(LIFE TECHNOLOGIES社製)]に3×10細胞/mLとなるように懸濁し、182cmフラスコ(Greiner社製)に50mL分注した。5%COインキュベーター内で37℃で4日間培養後、培養上清を回収した。培養上清よりNi−NTA agarose(QIAGEN社製)カラムを用いて、添付の説明書に従い、shFcγRIIIaを精製した。
4.shFcγRIIIaの検出(ELISA法)
培養上清中あるいは精製したshFcγRIIIaの検出、定量は、以下に示すELISA法により行った。
His−tagに対するマウス抗体Tetra−His Antibody(QIAGEN社製)をPBSを用いて5μg/mLに調製した溶液を96ウェルのELISA用のプレート(Greiner社製)に50μL/ウェルで分注し、4℃、12時間以上反応させた。反応後、1%BSA−PBSを100μL/ウェルで加え、室温で1時間反応させて残存する活性基をブロックした。1%BSA−PBSを捨て、形質転換株の培養上清あるいは精製したshFcγRIIIaの各種希釈溶液を50μL/ウェルで加え、室温で1時間反応させた。反応後、各ウェルをTween−PBSで洗浄後、1%BSA−PBSで50倍に希釈したビオチン標識マウス抗ヒトCD16抗体溶液(PharMingen社製)を50μL/ウェルで加え、室温で1時間反応させた。反応後、Tween−PBSで洗浄後、1%BSA−PBSで4000倍に希釈したペルオキシダーゼ標識Avidin D溶液(vector社製)を50μL/ウェルで加え、室温で1時間反応させた。反応後、Tween−PBSで洗浄後、ABTS基質液を50μL/ウェルで加えて発色させ、5分後に5%SDS溶液を50μL/ウェルで加えて反応を停止させた。その後、OD415を測定した。
配列番号10−人工配列の説明:合成RNA
配列番号11−人工配列の説明:合成RNA
配列番号12−人工配列の説明:合成RNA
配列番号13−人工配列の説明:合成RNA
配列番号14−人工配列の説明:合成RNA
配列番号15−人工配列の説明:合成RNA
配列番号16−人工配列の説明:合成RNA
配列番号17−人工配列の説明:合成RNA
配列番号18−人工配列の説明:合成RNA
配列番号22−人工配列の説明:合成RNA
配列番号23−人工配列の説明:合成RNA
配列番号24−人工配列の説明:合成RNA
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配列番号26−人工配列の説明:合成RNA
配列番号27−人工配列の説明:合成RNA
配列番号28−人工配列の説明:合成RNA
配列番号29−人工配列の説明:合成RNA
配列番号30−人工配列の説明:合成RNA
配列番号31−人工配列の説明:合成DNA
配列番号32−人工配列の説明:合成DNA
配列番号33−人工配列の説明:合成DNA
配列番号34−人工配列の説明:合成DNA
配列番号36−人工配列の説明:合成DNA
配列番号37−人工配列の説明:合成DNA
配列番号38−人工配列の説明:合成DNA
配列番号39−人工配列の説明:合成DNA
配列番号40−人工配列の説明:合成DNA
配列番号41−人工配列の説明:合成DNA
配列番号42−人工配列の説明:合成DNA
配列番号43−人工配列の説明:合成DNA
配列番号44−人工配列の説明:合成DNA
配列番号45−人工配列の説明:合成DNA
配列番号46−人工配列の説明:合成DNA
配列番号47−人工配列の説明:合成DNA
配列番号48−人工配列の説明:合成DNA
配列番号49−人工配列の説明:合成DNA
配列番号52−人工配列の説明:合成DNA
【配列表】
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Claims (28)

  1. 細胞を用いて抗体組成物を製造する方法において、以下の(a)または(b)から選ばれるRNAおよびその相補RNAで構成される二本鎖RNAを細胞内に導入させた細胞を用いる抗体組成物の製造方法;
    (a)配列番号9〜30で表される塩基配列からなるRNA;
    (b)配列番号9〜30で表される塩基配列において、1または数個の塩基が欠失、置換、挿入および/または付加された塩基配列からなり、N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素の機能を抑制する活性を有するRNA。
  2. N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素が、α1,6−フコース転移酵素である、請求の範囲1に記載の方法。
  3. α1,6−フコース転移酵素が、以下の(a)〜(h)からなる群から選ばれるDNAがコードする蛋白質である、請求の範囲2に記載の方法。
    (a)配列番号1で表される塩基配列からなるDNA;
    (b)配列番号2で表される塩基配列からなるDNA;
    (c)配列番号3で表される塩基配列からなるDNA;
    (d)配列番号4で表される塩基配列からなるDNA;
    (e)配列番号1で表される塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつα1,6−フコース転移酵素活性を有する蛋白質をコードするDNA;
    (f)配列番号2で表される塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつα1,6−フコース転移酵素活性を有する蛋白質をコードするDNA;
    (g)配列番号3で表される塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつα1,6−フコース転移酵素活性を有する蛋白質をコードするDNA;
    (h)配列番号4で表される塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつα1,6−フコース転移酵素活性を有する蛋白質をコードするDNA。
  4. α1,6−フコース転移酵素が、以下の(a)〜(l)からなる群から選ばれる蛋白質である、請求の範囲2に記載の方法。
    (a)配列番号5で表されるアミノ酸配列からなる蛋白質;
    (b)配列番号6で表されるアミノ酸配列からなる蛋白質;
    (c)配列番号7で表されるアミノ酸配列からなる蛋白質;
    (d)配列番号8で表されるアミノ酸配列からなる蛋白質;
    (e)配列番号5で表されるアミノ酸配列において、1以上のアミノ酸が欠失、置換、挿入および/または付加されたアミノ酸配列からなり、かつα1,6−フコース転移酵素活性を有する蛋白質;
    (f)配列番号6で表されるアミノ酸配列において、1以上のアミノ酸が欠失、置換、挿入および/または付加されたアミノ酸配列からなり、かつα1,6−フコース転移酵素活性を有する蛋白質;
    (g)配列番号7で表されるアミノ酸配列において、1以上のアミノ酸が欠失、置換、挿入および/または付加されたアミノ酸配列からなり、かつα1,6−フコース転移酵素活性を有する蛋白質;
    (h)配列番号8で表されるアミノ酸配列において、1以上のアミノ酸が欠失、置換、挿入および/または付加されたアミノ酸配列からなり、かつα1,6−フコース転移酵素活性を有する蛋白質;
    (i)配列番号5で表されるアミノ酸配列と80%以上の相同性を有するアミノ酸配列からなり、かつα1,6−フコース転移酵素活性を有する蛋白質;
    (j)配列番号6で表されるアミノ酸配列と80%以上の相同性を有するアミノ酸配列からなり、かつα1,6−フコース転移酵素活性を有する蛋白質;
    (k)配列番号7で表されるアミノ酸配列と80%以上の相同性を有するアミノ酸配列からなり、かつα1,6−フコース転移酵素活性を有する蛋白質;
    (l)配列番号8で表されるアミノ酸配列と80%以上の相同性を有するアミノ酸配列からなり、かつα1,6−フコース転移酵素活性を有する蛋白質。
  5. N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素の機能を抑制するRNAを導入した細胞が、N−グリコシド結合糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位とフコースの1位がα結合した糖鎖構造を認識するレクチンに耐性を有する細胞である、請求の範囲1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 以下の(a)〜(d)からなる群から選ばれるレクチンのいずれか1つに耐性である、請求の範囲5に記載の方法。
    (a)レンズマメレクチン;
    (b)エンドウマメレクチン;
    (c)ソラマメレクチン;
    (d)ヒイロチャワンタケレクチン。
  7. 細胞が、酵母、動物細胞、昆虫細胞および植物細胞からなる群から選ばれる細胞である、請求の範囲1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 細胞が、下記の(a)〜(i)からなる群から選ばれる細胞である、請求の範囲1〜7のいずれか1項に記載の方法。
    (a)チャイニーズハムスター卵巣組織由来CHO細胞;
    (b)ラットミエローマ細胞株YB2/3HL.P2.G11.16Ag.20細胞;
    (c)マウスミエローマ細胞株NS0細胞;
    (d)マウスミエローマ細胞株SP2/0−Ag14細胞;
    (e)シリアンハムスター腎臓組織由来BHK細胞;
    (f)抗体を産生するハイブリドーマ細胞;
    (g)ヒト白血病細胞株ナマルバ細胞;
    (h)胚性幹細胞;
    (i)受精卵細胞。
  9. 細胞が、抗体分子をコードする遺伝子を導入した形質転換体である、請求の範囲1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 抗体分子が、以下の(a)〜(d)からなる群から選ばれる分子である、請求の範囲9に記載の方法。
    (a)ヒト抗体;
    (b)ヒト化抗体;
    (c)(a)または(b)のFc領域を含む抗体断片;
    d)(a)または(b)のFc領域を有する融合蛋白質。
  11. 抗体分子のクラスがIgGである、請求の範囲9又は10に記載の方法。
  12. 以下の(a)または(b)から選ばれるRNAおよびその相補RNAで構成される二本鎖RNAを細胞内に導入していない親株細胞が生産する抗体組成物の抗体依存性細胞傷害活性より、高い抗体依存性細胞傷害活性を有する抗体組成物を製造する、請求の範囲1〜11のいずれか1項に記載の方法;
    (a)配列番号9〜30で表される塩基配列からなるRNA;
    (b)配列番号9〜30で表される塩基配列において、1または数個の塩基が欠失、置換、挿入および/または付加された塩基配列からなり、N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素の機能を抑制する活性を有するRNA。
  13. 高い抗体依存性細胞傷害活性を有する抗体組成物が、N−グリコシド結合複合型糖鎖をFc領域に有する抗体分子からなる抗体組成物であって、N−グリコシド結合複合型糖鎖が該糖鎖の還元末端のN−アセチルグルコサミンにフコースが結合していない糖鎖の割合が、親株細胞が生産する抗体組成物よりも高いことを特徴とする、請求の範囲12に記載の方法。
  14. N−グリコシド結合複合型糖鎖が、該糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合していない糖鎖である、請求の範囲13に記載の方法。
  15. 高い抗体依存性細胞傷害活性を有する抗体組成物が、N−グリコシド結合複合型糖鎖をFc領域に有する抗体分子からなる抗体組成物であって、N−グリコシド結合複合型糖鎖が該糖鎖の還元末端のN−アセチルグルコサミンにフコースが結合していない糖鎖の割合が20%以上である抗体組成物である、請求の範囲12〜14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 抗体依存性細胞傷害活性が高い抗体組成物が、N−グリコシド結合複合型糖鎖をFc領域に有する抗体分子からなる抗体組成物であって、N−グリコシド結合複合型糖鎖が該糖鎖の還元末端のN−アセチルグルコサミンにフコースが結合していない糖鎖である抗体組成物である、請求の範囲12〜15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 請求の範囲1〜16のいずれか1項に記載の方法で用いられる、N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素の機能を抑制するRNAを導入した細胞。
  18. N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素がα1,6−フコース転移酵素である請求の範囲17に記載の細胞。
  19. 配列番号9〜30のいずれかで表される塩基配列からなる群のRNAから選ばれるRNAを導入または発現させた細胞。
  20. 以下の(a)または(b)から選ばれるRNAおよびその相補RNAで構成される二本鎖RNA;
    (a)配列番号9〜30で表される塩基配列からなるRNA;
    (b)配列番号9〜30で表される塩基配列において、1または数個の塩基が欠失、置換、挿入および/または付加された塩基配列からなり、N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素の機能を抑制する活性を有するRNA。
  21. 請求の範囲20に記載のRNAに対応するDNAおよび該DNAの相補DNA。
  22. 請求の範囲20に記載のRNAに対応するDNAおよび該DNAの相補DNAをベクターに組み込んで得られる組換え体DNA。
  23. 請求の範囲20に記載の二本鎖RNAを発現させることを特徴とする、請求の範囲22に記載の組換え体DNA。
  24. 請求の範囲22または23に記載の組換え体DNAを細胞に導入して得られる形質転換体。
  25. 請求の範囲20に記載の二本鎖RNAを細胞内に導入または発現させることを特徴とする、N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位とフコースの1位がα結合した糖鎖構造を認識するレクチンに耐性を有する細胞を作製する方法。
  26. N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位とフコースの1位がα結合した糖鎖構造を認識するレクチンに耐性が、少なくとも、以下の(a)〜(d)からなる群から選ばれるレクチンの一つに耐性である、請求の範囲25に記載の方法。
    (a)レンズマメレクチン;
    (b)エンドウマメレクチン;
    (c)ソラマメレクチン;
    (d)ヒイロチャワンタケレクチン。
  27. 配列番号9〜30のいずれかで表される塩基配列からなる群のRNAから選ばれるRNAを用いて、N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素の機能を抑制する方法。
  28. N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素がα1,6−フコース転移酵素である請求の範囲27に記載の方法。
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