【発明の詳細な説明】産業上の利用分野本発明は、シリコンとゲルマニウムとからなる単結晶薄
膜基板の製造方法に関する。
従来の技術シリコンとゲルマニウムとからなる単結晶薄膜は、例え
ば、J、C,Bean et al。
Appl、Phys、Lett、(アプライフィジック
ス レター)44 (1)、IJanuary (19
84)102に示されているように、単結晶シリコン基
板上に、分子線エピタキシー法(MBE)を用いてエピ
タキシャル成長により、作製していた。
発明が解決しようとする問題点シリコンとゲルマニウムとからなる単結晶薄膜は、MB
E法を用いることにより単結晶シリコン等の単結晶基板
上に形成することができるが、酸化膜等の絶縁膜上には
形成することができない。
問題点を解決するための手段本発明は、絶縁膜上にシリコンとゲルマニウムとからな
る単結晶薄膜を得るために、単結晶シリコン基板上に絶
縁膜を形成した後、前記絶縁膜の一部を除去して前記単
結晶シリコン基板の表面を露出させた後、前記単結晶シ
リコン基板上及び絶縁膜上にシリコン薄膜を形成し、こ
のシリコン薄膜中にゲルマニウムイオンをイオン注入し
た後、熱処理して、単結晶化を行うものである。
作用この様な方法により、絶縁膜上にシリコンとゲルマニウ
ムとからなる単結晶薄膜基板を得ることができる。
実施例以下に本発明の実施例を第1図から第4図を用いて説明
する。第1図のように、単結晶シリコン基板1の表面を
、例えば熱酸化法を用いて酸化膜2を1μm形成した後
、この酸化膜2の一部を除去して単結晶シリコン基板1
の表面を露出させる。この単結晶シリコン上及び酸化膜
上に、減圧化学気相成長法を用いて多結晶シリコン薄膜
3を0.5μm堆積させる。その後、第2図のように、
多結晶シリコン薄膜3中に、ゲルマニウムイオン20を
注入する。その後、第3図のように、例えばレーザーア
ニール法を用いて、シリコン薄膜3と単結晶シリコン基
板1とが接している部分を種結晶として、ゲルマニウム
が注入されている層13を単結晶化する。このようにし
て、シリコンとゲルマニウムからなる単結晶膜5を酸化
膜2上に得るこ七ができる(第4図)6単結晶化を行う方法として、レーザーアニール法以外に
、電子ビームアニール法やフラッシュランプアニール法
やゾーンメルティング法などがある。特に、ゾーンメル
ティング法で単結晶化を行う場合に、シリコンとゲルマ
ニウムからなる薄膜の融点は、シリコンに比べて低いた
め、基板のシリコンを溶融することなく単結晶化するこ
とができる。このため、ゾーンメルティング法の特徴で
ある高スループツトで、薄膜の単結晶化を行うことがで
きる。
シリコンとゲルマニウムの組成比は、イオン注入するゲ
ルマニウムの注入量を変えることによって容易に制御す
ることができる。また、この単結晶薄膜の膜厚は、多結
晶シリコン薄膜3の膜厚およびゲルマニウムイオンの加
速エネルギーで制御することができる。
発明の効果以上の方法を用いることにより、絶縁膜上にシリコンと
ゲルマニウムからなる単結晶薄膜基板を作製することが
可能であり、この単結晶薄膜の融点は、シリコンと比べ
てかなり低いため容易に単結晶化することができる。こ
の単結晶薄膜基板の移動度は、シリコン単結晶よりも大
きいため超高速のトランジスタや、赤外線検知器等の半
導体装置の基板として用いることができる。また、この
方法を繰り返し用いて絶縁膜とシリコンとゲルマニウム
とからなる単結晶薄膜を積層化し、この単結晶薄膜中に
トランジスタ等の半導体素子を作製することによって、
3次元ICを実現することができる。
【図面の簡単な説明】第1図から第4図は、本発明の実施例におけるシリコン
とゲルマニウムとからなる単結晶基板を作製する方法を
示す工程断面図である。1・・・単結晶シリコン基板、2・・・酸化膜、3・・
・多結晶シリコン薄膜、5・・・シリコンとゲルマニウ
ムからなる単結晶膜、13・・・ゲルマニウム注入層、
20・・・ゲルマニウムイオン、10・・・レーザービ
ーム。