【発明の詳細な説明】産業上の利用分野本発明は、ロボットの内界検出器の異常の有無を監視し
安全処理を行なう、安全性、信頼性の高いロボットに関
するものである。
従来例の構成とその問題点近年産業用等のロボットの需要の多様化により、直交座
標形、極座標形1円筒座標形、多量節形等種々の形態が
用いられている。それらの動作軸は、回転関節1曲げ関
節、伸縮関節、スライド部等々種々の形態がある。
ロボットの位置決め精度の向上のために、各動作軸には
内界検出器として高分解能をもつ増分式ロータリーエン
コーダをモータに直結して用いている場合が多い。とこ
ろが、高分解能をもつロータリーエンコーダは増分式で
あるために、各動作軸の絶対位置を検出するために、ポ
テンショメータの様な抵抗式移動量検出器を併用してい
る場合がある。
多自由度をもつ産業用ロボットは、その性質上、アーム
が様々な動作をするわけであるが、必然的にアームを駆
動し制御するためのモータや内界検出器のリード線の線
切れが大きな問題となっている。特にロータリーエンコ
ーダの信号出力線が断線又は半断線状態になると、ロボ
ットは各動作軸の移動量を正確に杷握できなくなり、結
果としてロボットが暴走状態となり危険になる。これは
、例えば光電式ロータリーエンコーダの投光素f−に異
常が発生した場合も同様である。
そこで従来の産業用ロボットでは、特にロータリーエン
コーダの信号異常対策として、例えば、制御装置の主電
源入力時に線切れ検出や投光素子受光素子異常検出を行
なっていた。
ところが従来例では、主電源投入時等の特定の場合でし
か異常検出を行なっていないために、例えばロータリー
エンコーダの信号出力線が断線しかかった状態で、信号
出力が断続的に入切する場合には、異常と判断できない
場合が多かった。またfLjtばロータリーエンコーダ
の信号接地線が断線した場合、信号出力線の出力が不安
定になったり、電気的雑音により出力信号に不要な波形
が重なったりして、暴走する原因になるのであるが、従
来の検出法では異常と判断できない場合が多かった。ポ
テンショメータの信号線の断線、半断線及び抵抗出力値
不良等に関しても、従来は常時監視体制になく、確実な
異常検出がなされない状況にあった。
発明の目的本発明は上記欠点に鑑み、ロボットの内界検出器の異常
の有無を監視し、安全処理を行なう、安全性、信頼性の
高いロボットを提供するものである。
発明の構成本発明は、複数の動作軸の相対動作量を検出する増分式
ロータリーエンコーダ逅、各動作軸の絶対的位置を検出
する位置検出器と、上記ロータリーエンコーダと位置検
出器の異常全検出する異常検出部と、異常検出部の出力
により作動する安全処理部とを備けたロボットであり、
極めて安全性。
信頼性が高いという特有の効果を有する。
実施例の説明以下本発明の一実施例について、図面を参照しながら説
明する。
第1図は本発明の一実施例における産業用ロボットの全
体機器構成例である。第1図において、1け多関節ロボ
ット本体、2はその制御装置、3は制御装置2に結合し
て多関節ロボット本体1の動作を操作しその動作位置を
制御装置2内に教示登録するための教示操作箱、4は教
示内容や動作内容全編集したり修正したりするのに用い
る操作板、5は教示内容や動作内容等をモニタするCR
Tである。
第2図は本発明の一実施例における多関節ロボットの曲
げ関節の機構構成図である。また第3図は同様の曲げ関
節の別の実施例における機構構成図である。6は曲げ関
節ユニット、7けサーボモータ、8はロータリーエンコ
ーダ、9はポテンショメータ、1oは平歯車A、11は
平歯車Bである。曲げ関節ユニット6は、固定アングル
62L。
従動アングル6b、動力伝達部60.減速機6dとから
構成されている。また第3図の12は、サーボモータ7
の主軸とポテンショメータ9との間に設けられた減速機
である。
第4図は本発明の一実施例における制御装置2の内部構
成図である。13は中央制御部、14け多関節ロボット
の先端の軌跡を計算する軌跡演算する速度制御部、1了
は異常検出部、18は安全処理部である。
第6図は異常検出部17の具体的構成を示す図である。
19はボテン/ヨメータ9の抵抗出力値をディジタル信
号に変換するA/D変換部、20はポテンショメータ異
常検査部、21はボテン7ヨメータ9の出力値に応じて
ロータリーエンコーダ8の異常全検査するだめのタイミ
ングを出力するタイミング出力部、22はロータリーエ
ンコーダ8のゼロ信号を計数するZ計数部、23はロー
タリーエンコーダ8のゼロ信号異常検査部、24はロー
タリーエンコーダ8の人相、B相それぞれのパルスを計
数するA、B計数部、26はロータリーエンコーダ8の
A、B信号異常検査部である。
以上のように構成された産業用ロボットについて、以下
その動作全説明する。
曲げ関節ユニット6は、サーボモータ7によって駆動さ
れる。即ちサーボモータ了の回転は、動ル6bとは相対
的に曲げ動作を行なう。第2図の例ではポテンショメー
タ9は従動アングル6bに固着されており、固定アング
ル6aに固着された平歯車10と、ポテンショメータ9
の軸に固着された平歯車11との相対回転により、ポテ
ンショメータ9は曲げ関節ユニット6の曲げ角度全絶対
的な角度として検出する。また一方第3図の例では、サ
ーボモータ7の主軸に減速機を介して設けられたポテン
ショメーク9によって、曲げ関節ユニット6の曲げ角度
を絶対的な角度として抵抗値で検出する。微妙な曲げ関
節ユニット6の曲げ角度は、サーボモータ7にとりつけ
られた増分式のロータリーエンコーダ8によって高精度
に検出される。
まずポテンショメータの線切れ等の異常音おこした場合
について説明する。ポテンショメータからの信号線は通
常3木ある。その3木のうちそれぞれ2本間の3つの抵
抗全検出し、A/D変換部19でディジタル信号に変換
したのち、ポテンショメータ異常検査部2oで異常を検
出する。即ち3つの抵抗値のそれぞれがポテンショメー
タの公称抵抗値と比較して大きい場合は、断線等の異常
と判断する。また分割された2つの抵抗の和が公称抵抗
値と比較して大きく異なる場合も異常と判断する。
次にロータリーエンコーダの線切れ等の異常が発生した
場合について説明する。タイミング出力部21は曲げ関
節ユニット6の曲げ角度全直接的又は間接的に検出する
ポテンショメーク9の出力抵抗値に対して一定量変化す
る毎にタイミングパルスを出力する。Z計数部22は、
ロータリーエンコーダ8のゼロ信号全計数し、上記タイ
ミングパルスが入力される毎に、その増加分をゼロ信号
異常検査部23に出力する。ゼロ信号異常検査部23は
、ロータリーエンコーダのゼロ信号のタイミングパルス
毎の増加分を検査し、異常の有無を判断する。即ち、例
えばゼロ信号出力線が断線した場合、ゼロ信号のタイミ
ングパルス毎の増加分コーグの電源線が断線した場合も
同様にして検査できる。
*、B計数部24は、ロータリーエンコーダ8のA、B
信号をそれぞれ計数し、上記タイミングパルス毎の増加
分iA、B信号異常検査部25に出力し、A、B信号異
常検査部25は、その増加分を検査して異常の有無を判
断する。
以上のように、異常検出部17では、ポテンシ=tJ−
タ、ロータリーエンコーダの断線等の異常を検出する。
異常検出部17で検出された異常に対して、安全処理部
18t/i、例えばロボットが動作中の場合は、すみや
かにロボッ14停止させ、ブレーキ等によってロボット
本体の姿勢を固定して、ロボットを動作不可能にする。
以上のようにロータリーエンコーダと、ポテンショメー
タ等の位置検出器と、異常検出部と、安全処理部とを設
けることにより、信号線の断線。
なお本特許の実施例では、位置検出器として、ポテンシ
ョメータ9を用い、A/D変換器19゜タイミング出力
部21によってタイミングパルスを出力したが、固定ア
ングル6aに固着された歯車と、従動アングル6bに固
定された近接スイッチとで曲げ関節ユニット6が一定回
転するごとに、タイミングパルスを出力してもよいし、
円周部に一定間かく毎にスリブ)1設けたスリット板と
光電スイッチとで曲げ関節ユニット6が一定回転するご
とにタイミングパルス全出力してもよい。
発明の効果以上のように本発明によれば、ロータリーエンコーダと
、位置検出器と、異常検出部と、安全処理部を設けるこ
とにより、例えばロータリーエンコーダや位置検出器の
信号線が断線したり、短絡したりした場合にすみやかに
ロボット’4動作不可能状態にするので、極めて安全で
信頼性の高い産業用ロボット’(il−提供することが
でき、その実用的効果は犬なるものがある。
【図面の簡単な説明】第1図は本発明の一実施例における産業用ロボットの全
体機器構成図、第2図は曲げ関節の機構構成図、第3図
は曲げ関節の別の実施例における機構構成図、第4図は
制御装置の内部構成図、第5図は異常検出部の具体的構
成図である。1・・・・・ロボット本体、2・・・・・・制御装置、
7・・・・・サーボモータ、8・・・・・・ロータリー
エンコーダ、9・・・・・・ボテンンヨメータ(位置検
出器)、1o、11・・・・・・平歯車、12・・・・
・・減速機、13・・・・・中央制御部、17・・・・
・・異常検出部、18・・・・・・安全処理部、19・
・・・・A/D変換部、20・・・・・・ポテンショメ
ータ異常検査部、21・・・・・・タイミング出力部、
22・・・・・・Z計数部、23・・・・・・ゼロ信号
異常検査部、24・・・・・・A、B計数部、26・・
・・・・A;B信号異常検査部。代理人の氏名 弁理士 中 尾 敏 男 ほか1名第1
図第 2 図第 3 図第4図第5図31