【発明の詳細な説明】G)産業上の利用分野本発明はテレビ文字多重放送等の文字放送信号を対象と
する文字放送受信装置に関する。
(ロ)従来技術テレビジョン信号の垂直ブランキング期間内に文字や図
形データを挿入して伝送する所謂テレビ文字多重放送が
各国で開始され、それを受信する文字放送受信機の開発
が一段と盛んになって来た。このような文字放送受信機
の概略は、例えば雑誌「テレビ技術J1983年10月
号の第57頁〜第66頁等を初め種々の文献に記載され
ているが、従来の此種受信機では受信した文字や図形等
のデータを単に受信機の画面上に表示するだけでめった
。
しかしながら、例えば天気予報や交通情報等についての
文字放送サービスの有効利用を考えると、文字データを
単に画面表示するだけでは不充分であり、この画面表示
と同時に成いは単独で上記文字データを音声信号に変換
して再生聴取することが望ましいと考えられる。
(ハ)発明の目的本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、文字放送
信号中の文字データを音声信号に変換して再生する文字
放送受信装置を提案することを目的とする。
に)発明の構成本発明の文字放送受信装置は、受信した文字放送信号中
の選択された番組のデータを一文字分ずつ読出し、その
各データ内の音声に変換可能な文字データのみを分離抽
出し、その文字データを音声合成装置によって音声信号
に変換して再生するようにしたことを特徴とする構成で
ある。
(ホ)実 施 例第1図は我国で採用されているパターン方式のテレビ文
字多重放送を対象とする受信機に本発明を実施した場合
を示しておシ、この受信機は大別してテレビ信″号処理
部(1)と、文字信号処理部(2)と、文字/音声変換
部(3)から構成されている。前記テレビ信号処理部(
1)は、テレビチューナ(4)と、VIP(映像中間周
波数)増幅兼検波回路(5)と、ビデオ信号及びカラー
信号の処理回路(6)と、映像切換兼表示制御回路(7
)を備えており、これらの部分は通常のテレビ受像機と
同様ある。
前記文字信号処理部[21は、文字信号に対する位相特
性等の補正を行なう波形等イし回路(8)と、垂直ブラ
ンキング期間内の所定の水平期間に挿入されている上記
文字信号を分離抽出する文字信号抜取り回路(9)と、
その抽出された文字信号中の基準クロック信号(CR)
に同期したクロック信号を再生するクロック再生回路I
Gと、そのクロック信号によって文字信号中からサンプ
リング〔回路1υ〕して得たデータの内容を識別して後
述の処理を行なうデータ識別制御回路tI2とを備えて
いる。また、その識別されて導出されたカラーデータ及
びパターンデータの格納用のメモリ03(14と、この
各メモリから読出される両データを合成して三原色の文
字信号四〇〇として出力するカラーマトリックス回路Q
8を備え、上記三原色文字信号が前記映像切換兼制御回
路(7)によってビデオ/カラー信号処理回路(6)か
らのカラー映像信号四〇@と切換えられて、或いは、そ
の各信号に菫畳されてカラー受像管αgに印加されよう
になっている。
また、1151は文字放送番組の選択を行なうキーボー
ド、filはそれにより選択された番組のデータの前記
メモリ113u41への書込み、読出し及びデータ識別
制御回路0の制御等を行なうマイクロプロセッサ、CL
′rIはこのプロセッサに付設されたメインメモリであ
り、斯る部分の構成も従来の文字放送受信機と何等変る
ところはない。
次に、文字/音声変換部(3)は、前記パターンメモリ
Iに番組1頁分のデータが蓄積された時にその1頁分の
データを一旦格納するテンポラリイーメモリ■と、かな
、漢字、数字等の音声で表現でき′ る(即ち表音可能
な〕文字や記号のドツトパターンを予め格納した文字判
別テーブル用ROM+2υと、漢字、熟語、数字等のひ
らがな変換用の辞書テーブル用ROM123と、その変
換後のひらがなコードのそれぞれに対応する音声コード
メモリ(後述)のアドレスコードが格納されたアドレス
テーブル用ROM(ハ)と、このROMC!3から読出
されるアドレスコードを順番に格納して行くバッファメ
モリ@を備えている。また、―は上記アドレスコードで
指定される各番地にひらがな(五十音)のそれぞれの音
声波形を表わす音声コードが予め格納された音声コード
メモリ、■はこのメモリから順次読出される音声コード
のデコードを行なう音声合成用デコーダ、(2)はこの
デコーダの出力信号を平滑且つ増幅することによって通
常のアナ胃グ音声信号に変換するフィルタ兼音声増幅回
路であり、これらの部分が所謂音声合成装置を構成して
いる。
そして、本発明ではこのように文字信号処理部+27と
文字/音声変換部(3)を結合したことを特徴どしてい
る。々お、1淘はスピーカである。
ここで、前述の三つのテーブル用ROM(21J+22
1f231について若干説明する。先ず、テレビ文字多
重放送では、文字パターンデータだけでなく、図形や静
止画のパターンデータも伝送されて来るので、それらの
データから表音可能な所定の大きさの文字或いは幅、℃
等の特定の記号(以下、これらを全て含めて文字と言う
)のデータのみを識別抽出する目的で、文字判別テーブ
ル用ROM(2υが使用される。即ち、マイクロプロセ
ッサ化は、テンポラリイーメモリ■から読出された1文
字分のパターンデータを上記テーブル用ROM(2υ内
に格納された各パターンデータと比較することによって
、入力された当該データが文字が否かを先ず判別し、文
字の場合は当該文字を表わす適当なコード信号〔例えば
、上記ROM+2υのアドレスコードを可とするズを出
力する訳でるる。
次に、前述の文字等の中には、1語で1音を表わすかな
(ただし、子音と母音に分けると2音になるが)もあれ
ば、漢字のように1文字で複数音を表わすものがあシ、
且つ、同じ漢字でも音読みと訓読み及び熟語によって異
なった読み方がある。
また、数字についても複数桁の場合には、その各桁の読
み方が異なってくる。このため、辞書テーブル用ROM
@は、前述の如く文字判別されてマイクロプロセッサI
iGから1文字分づつ出力される前記コード信号を入力
とし、それがひらがなに相当するものの場合はそのコー
ド(即ち、ひらがなコード)を直接出力し、それがカタ
カナ、漢字(熟語を含む)、数字、記号等のものである
場合には、その読みを表わすひらがなをそれぞれ示すひ
らがなコードを順次出力して行くのである。例えば、「
登山」と言う二つの文字を表わす各コード信号が順次入
力されたときは、これに対応して「とざん」と言う三つ
のひらがなの各々のひらがなコードがマイクロプロセッ
サ(leVCよって順番に出力されるのである。その際
、前述の如く数字の場合は、マイクロプロセッサOeは
その数字の桁数を判断して、桁数に応じた読み方のひら
がなコードを出力する必要がめる。例えば、「12」の
ときは「じゆうに」を示すコードを「120」のときは
「ひやくにじゆう」を示すコードを、それぞれ出力する
のである。
また、前記アドレステーブル用ROMI231は、前述
のようにしてマイクロプロセッサ(161から例えば「
ア」を示すひらがなコードが出力されたときに、これに
対応して音声コードメモリQ51内の「ア」の音声コー
ドが格納されている番地を示すアドレスコードを出力す
る訳である。
第1図の実施例は概ね以上の如く構成されており、以下
、その動作を第2図及び第3図を参照して説明する。そ
の際、文字/音声変換部(3)内の各回路の個々の動作
については前述したので、上記変換部T3Jの全体的な
動作を中心に第5図のフローチャートに基づいて説明す
る。
先ず、テレビ信号から分離抽出された文字信号(第2図
)内のデータの内容が第1図のデータ識別制御回路aり
で識別検出される。ここで、抽出された文字信号は、そ
のデータ蔀の内容に応じて周知のように6種類のデータ
パケットの何れかに相当しているが、今、選択された番
組のページ制御バケツ)(PCP)や番組索引パケトッ
ト(PIP)が検出されたときは、そのパケット内のデ
ータがマイクロプロセッサ[lGKよってメインメモリ
任?lに格納され、以後の画面表示の制御等に使用され
る。また、選択された番組のパターンデータパケット(
FDP)が検出されたときは、そのパケット内のパター
ンデータがパターンメモリ■に格納され、同様にその番
組の色符号バケツ)(CCP)が検出されれば、その色
符号データがカラーメモリQ31C格納される。なお、
□前記パターンメモリIには横スクロールパケット(H
DP)内のパターンデータも格納されるようになってい
るが、ここでは説明の便宜上、PDP内のパターンデー
タのみが上記メモリa4に格納されるものとする。
このようにして格納されて行く前記パターンデータやカ
ラーデータが例えば1頁分蓄積されると、それ−らの各
データがメモリ113(141から読出され、従来の文
字放送受信機と同様に処理されることによって受像管r
il上に映冨されるが、ここでは特にパターンデータに
対して以下のような処理が行なわれる。即ち、パターン
メモリI内に1頁分のパターンデータが蓄積されると、
マイクロプロセッサtteはその1頁分のパターンデー
タをテンポラリイーメモリ■にも転送する。そして、マ
イクロプロセッサ旺はこのメモリ■内から上記パターン
データを(横8×縦12〕ドツトの1文字分づつ読出し
、この1文字分のデータが文字であるが否を文字判別テ
ーブル用ROM[2υを参照して前述の如く判別する。
このようにして代る1文字分のデータが文字であると判
定されると、そのデータがひらがな、カタカナ、漢字、
数字等の何れでろるかが、辞書テーブル用ROM123
を参照して判定される。そして、ひらがなの場合はそれ
を示すひらがなコードがマイp’aプoセッサlIGか
らアドレステーブル用ROM(231に与えられ、それ
に対応してこのROM(23から次々に読出されるアド
レスコードがバッファメモリ+24に順番に格納されて
行く。また、カタカナの場合は、マイクロプロセッサσ
Gはそれらをひらがな表記に変換し、その各ひらがなコ
ードに対応するアドレスコードを同様にバッファメモリ
+24に格納して行く。
一方、前述の1文字分のデータが漢字或いは数字である
と判定された場合は、マイクロプロセッサtIGはその
データを保持したま\、次の1文字分さらに次の1文字
分を次々に読出すことにより、その漢字−字、熟語、数
字列等の読みを決定し、その読みに相当するひらがなコ
ードを順番に出力する。これによりアドレステーブル用
ROMqから前述と同様のアドレスコードが次々にバッ
ファメモリ+24に格納されて行く。
このようにしてテンポラリイーメモリ圓から1文字分づ
つ読出されるパターンデータの処理が次々に行なわれ、
この処理が上記メモリ■内の全てのデータについて終了
すると、マイクロプロセッサ噛は今度はバッファメモリ
(財)に格納されたアドレスコードを順番に読出し、音
声コードメモリ(ハ)の番地を次々に指定して行く。こ
れによりこのメモリ四からはその各番地に対応する音声
コードが次々に出力され、このコード信号が音声合成用
のデコーダ■でデコードされてD/A変換されたのち、
フィルタ兼音声増幅回路額を通る仁とによってアナログ
音声信号に変換され、スピーカ(至)から音声として再
生されて行く。その際、この音声が受像管+1!lで現
在映出されている文と対応して行なわれるようにするた
め、テンポラリイーメモリ(イ)内のデータの読出しか
らバッファメモ1月241内のアドレスコードの読出し
までの一連のデータ処理は1頁分のデータが映出されて
いる時間内に行なわれるようにする必要がめる。
なお、前述した文字判別過程に於いて、テンポラリイー
メモリ圓内に格納された1頁分のパターンデータのうち
、文字として判別されるデータが皆無あるいは非常に少
ない場合は、実質的な文字データなしと見なして、この
頁に対する音声変換を中止し、次の頁に対する待機状態
に戻る(第3図のフローチャート参照)ようにしている
。
また、カタカナ、漢字、数字等をひらがな変換する際の
処理χは、ワードプロセッサ等で使用されている方法を
採用すればよい。また、その際、辞書テーブル用ROM
の内に、例えば文節判定用のテーブルを設ける等によっ
て、「は」、「へ」の二通りの読み方屯それぞれ判定可
能にすることもできる。
更に、上記実施例では、パターンデータバケツ)(FD
P)内のパターンデータのみを画面表示及び音声再生す
るものとして説明したが、実際にハ横スクロールパケッ
ト(HDP)内のパターンデータもパターンメモリα4
内に格納されるので、この横スクロールデータを音声再
生することも可能でめる。
また、以上はパターン方式のテレビ文字多重放送受信機
に本発明を適用した場合について説明したが、コード方
式のテレビ文字多重放送受信機にも適用できる。即ち、
コード方式の受信機では、文字信号から抽出された文字
コードを文字パターンデータに変換して画面表示するよ
うにしているので、その変換後のパターンデータに対し
てパターン方式の場合と同様に音声変換のための処理を
行なえばよい訳でるる。しかし、文字コードのま\漢字
、数字等の判別を直接性なって音声信号に変換すること
も可能である。また、本発明をその他の文字放送システ
ムにも適用できるのは勿論である。
(へ)発明の効果本発明の文字放送受信装置に依れば、文字放送信号中の
表音可能な文字や記号等の情報を音声信号に変換して、
それらの情報を画面表示と共に又は単独に音声で聴取で
きるので、文字放送システムの用途や利用範囲を広げる
ことができる。
【図面の簡単な説明】第1図は本発明による文字放送受信装置の一実施例を示
すブロック図、第2図はこの実施例が対象とする文字放
送信号の構成を示す図、第3図は上記実施例の要部の動
作を示すフローチャートである。[11・・・テレビ信号処理部、(2)・・・文字信号
処理部、(3)・・・文字/音声変換部。出願人三洋電機株式会社代理人弁理士 佐 野 靜 夫第8図第2図