【発明の詳細な説明】本発明は、ホットメルト型粘着剤組成物に関する。
更に詳しくは、エチレン・α−オレフィン共重合ゴムの
不飽和ジカルボン酸によるグラフト変性物を必須成分と
する粘着剤組成物に関する。従来より粘着テープ等にお
ける粘着剤は通常ポリイソプレン、スチレンブタジエン
ゴム、ブチルゴム、ポリイソブチレン、クロロプレンゴ
ム、ポリアクリル酸エステル、ポリビニルエーテル等の
エラストマーにロジンおよびその誘導体、テルペン樹脂
、石油樹脂、クマロンインデン樹脂などの粘着付与剤、
および必要に応じて更に軟化剤、充填剤、老化防止剤等
からなつているが、このような粘着剤のほとんどは、い
つたん有機溶剤に溶解された後支持体に塗布される。し
かるに、近年公害規制あるいは、作業環境の点から、脱
溶剤化が望まれており、ホットメルト型の粘着剤の使用
量が増加している。従来より粘着剤の粘着特性は、(イ
)タツク(瞬間粘着力)、(口)粘着力(引きはがし抵
抗力)、←→保持力(ずれ抵抗力)の3特性で評価され
て石り、ホットメルト型粘着剤では上記3特性の他、溶
融時の塗布性が良好であることが要求される。
現在このような特性を一応満足するものとして、スチレ
ン−イソプレン−スチレンブロック共重合ゴム(SIS
)やスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合ゴ
ム(SBS)が主成分のエラストマーとして使用されて
いるが、これらのゴムは、耐熱性および耐候性が劣り、
かつ高価であるという問題点がある。本発明はかかる状
況に鑑みなされたものであり、本発明の目的とするとこ
ろは、タツク、接着力、保持力のいずれもが優れており
、かつ塗布性の良好なホットメルト型粘着剤を提供する
ことにある。
’すなわち、本発明は、メルトインデックス5ないし5
00)エチレ含量40ないし85モル%のエチレン・α
−オレフィン共重合ゴムに不飽和ジカルボン酸もしくは
その誘導体をグラフト率0.01ないし10重量%の範
囲でグラフト変性した変性共重合ゴム301よいし70
重量%およびテルペン樹脂又は脂環族系もしくは脂肪族
系石油樹脂70ないし30重量%とからなることを特徴
とする粘着剤組成物である。本発明において変性ゴムの
原料として用いられるエチレン・α−オレフイン共重合
ゴムは、実質的に飽和でありジエンやトリエンなどのポ
リエン成分を重合体鎖にまつたく含まないかあるいは含
んでいたとしても非常に僅か、たとえば0.5モル%以
下のゴム状物質である。
すなわち不飽和結合の多いエチレン系共重合ゴム、たと
えば一般に市販されているようなEPDMを原料に用い
ると、ゲル含有率が高く高温においても流動性の極めて
悪い変性物しか得られないので支持体への塗布ができず
、本発明の目的を達成することはできない。共重合ゴム
のエチレン含量は40ないし85モル%であることが必
要であり、とくに好ましくは60ないし83モル%であ
る。また共重合ゴムのα−オレフイン成分としては、プ
ロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ベンゼンなど
の中から選択され、とくにプロピレンまたは1−ブテン
であることが好ましい。エチレン含量が85モル%より
大なる結晶性のエチレン・α−オレフイン共重合体を原
料に用いると、タツクの劣る組成物しか得られないので
本発明の目的を達成することはできない。また保持力の
良好な組成物を製造するためには、エチレン含量の少な
い共重合ゴムを用いることは有利でない。原料エチレン
・α−オレフイン共重合ゴムのメルトインデツクス(A
STM−D−1238−65T)190℃)は5ないし
500、好ましくは10ないし200)とくに20ない
し100の範囲にあることが必要である。
メルトインデツクスが5未満では変性物の流動性が劣り
、粘着剤組成物を支持体に塗布できなくなる。一方、メ
ルトインデツクスが500を越えた共重合ゴムを用いた
場合は、粘着剤の粘着力および保持力が劣る。本発明で
は、前記エチレン・α−オレフイン共重合ゴムに不飽和
ジカルボン酸もしくはその誘導体でグラフト変性したも
のをエラストマー成分として用いる。
本発明において、エチレン・α−オレフイン共重合ゴム
にグラフトされる不飽和ジカルボン酸としては、例えば
、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等を挙げることが
できる。
また不飽和ジカルボン酸の誘導体とは、酸無水物、エス
テル、アミド、イミド、金属塩等をいい、例えば無水マ
レイン酸、無水シトラコン酸、無水イタコン酸、マレイ
ン酸モノエチルエステル、マレイン酸ジエチルエステル
、フマル酸モノエチルエステル、フマル酸ジメチルエス
テル、イタコン酸モノメチルエステル、イタコン酸ジエ
チルエステル、マレイン酸モノアミド、マレイン酸ジア
ミド、マレイン酸一N−モノエチルアミド、マレイン酸
−N,N−ジエチルアミド、マレイン酸−N−モノブチ
ルアミド、マレイン酸− N,N−ジブチルアミド、フ
マル酸モノアミド、フマル酸ジアミド、フマル酸一N−
モノエチルアミド、フマル酸− N,N−ジエチルアミ
ド、フマル酸−N−モ/ブチルアミド、フマル酸− N
,N−ジブチルアミド、マレイミド、N−ブチルマレイ
ミド、N−フエニルマレイミド、等を挙げることができ
る。これらの中では、不飽和ジカルボン酸もしくはその
無水物が得られる変性物の性能が優れているため好まし
く、なかでも無水マレイン酸を使用するのが最も好まし
い。上記モノマーをエチレン・α−オレフイン共重合ゴ
ムにグラフトする方法としては、公知の種々の方法を採
用することが出来る。例えば、エチレン・α−オレフイ
ン共重合ゴムとグラフトモノマーを溶媒の存在下または
不存在下でラジカル開始剤を添加してまたは添加せずに
高温で加熱することによつて行われる。エチレン・α−
オレフイン共重合ゴムへのグラフトモノマーのグラフト
される量(以下グラフト率という)は、0.01ないし
10重量%であることが必要であり、と<に1ないし5
重量%の範囲にあるよう調製するのが好ましい。エチレ
ン・α−オレフイン共重合ゴムは、一部がグラフトされ
ていても、全体がグラフトされていてもさしつかえない
。又、不飽和ジカルボン酸の誘導体をグラフトする場合
は、該誘導体モノマーを直接グラフトしても、不飽和ジ
カルボン酸あるいはその酸無水物をグラフトした後、一
部又は全てをエステル、アミド、イミド、金属塩等の誘
導体に変性してもさしつかえない。グラフト率が少な過
ぎると、タツクおよび保持力が劣るようになる。
一方、グラフト率が多過ぎると、粘着剤組成物の流動性
が劣り、支持体への塗布が困難になる。本発明の組成物
を構成する他の成分としては、脂肪族系もしくは脂環族
系の石油樹脂又はテルペン樹脂を用いる。
本発明で用いられる石油樹脂とは石油の分解又は精製の
際に副生する混合不飽和化合物を重合して得られる樹脂
状物及びそれらの水素化物をいい、特に混合不飽和化合
物として、沸点範囲が−30ないし+50℃の主として
脂肪族炭化水素よりなる溜分を重合して得られる樹脂が
あげられる。
特に好ましい脂肪族系石油樹脂とは軟化点(環球法)が
約70ないし130℃、臭素価が約20ないし60、平
均分子量(蒸気圧法)が約700ないし3000のもの
であり、石油精製あるいは分解の際に副生する不飽和炭
化水素を含む主として炭素数4及び、又は5の溜分のオ
レフィン、ジオレフインをフリーデルクラフツ触媒によ
り、通常−15ないし+100℃で重合して得られるも
のである。また前記不飽和炭化水素中には脂環族炭化水
素が混入していてもよい。テルペン樹脂としてはピネン
、テルピネン、リモネンなどのテルペン類の重合体又は
共重合体が使用されるが、前記石油樹脂の原料に類似し
たものから得られるテルペン樹脂相当の合成ポリテルペ
ン樹脂も好適に使用できる。
そして軟化点が約70ないし130℃、分子量が約50
0ないし2000、臭素価が約5ないし70の範囲にあ
るテルペン樹脂が使用される。また、ホツトメルト型粘
着剤における耐熱色相、粘着特性の改良として、石油樹
脂(芳香族系、共重合系、樹脂族系)その他の樹脂を不
飽和カルボン酸によりグラフト変性した樹脂も使用され
る。
本発明では、前記した変性エチレン・α−オレフイン共
重合ゴムと粘着付与剤の合計量に対し、変性エチレン・
α−オレフイン共重合ゴムの配合比を30ないし70重
量%、好ましくは40ないし60重量%とすることが必
要であり、変性エチレン・α−オレフイン共重合ゴムの
配合量が上記範囲を逸脱すると、粘着力が低下する。本
発明で必要に応じて組成物の可撓性向上および流動性向
上のため用いられる軟化剤とは、高沸点の石油留分から
なるバラフイン系プロセスオイル、ナフテン系プロセス
オイル、芳香族系プロセスオイル、流動パラフイン、ホ
ワイトオイル、ペトロラタム等の鉱物油系軟化剤、ひま
し油、綿実油、あまに油、なたね油等の植物油系軟化剤
等を用いることができる。
これらのうちでは、鉱物油系軟化剤、とくにナフテン系
プロセスオイルが本発明で用いるエラストマー成分と相
溶性が良好であり、かつ得られる粘着剤の性能が優れる
ため好ましい。軟化剤の配合量はエラストマー成分と粘
着付与剤の合計量に対し、50重量%以下に抑えるべき
で、配合量が多過ぎると粘着力および保持力を損う。本
発明の粘着剤組成物には以上の成分の他、通常の粘着剤
に添加使用されている各種の配合剤を加えることができ
る。
例えば、フエノール系化合物、含硫黄化合物などの抗酸
化剤、紫外線吸収剤、充填剤などが適宜配合できる。以
上の如き各成分から本発明の粘着剤組成物を調製するに
は、各成分を溶融釜の如き装置に投入し、溶融混練する
ことにより調製することができる。
また本発明の粘着剤組成物を塗布するには、組成物を溶
融後、例えば、ノズル又はロール塗工機等で塗布するこ
とができる。
本発明の粘着剤組成物はタツク、接着力、保持力のいず
れの点でも優れており、かつ通常のホツトメルト型粘着
剤塗工機で塗布することができる。
また従来ホツトメルト型粘着剤のエラストマー成分とし
て使用されているSISやSBSに比べて、耐熱性、耐
老化性の点で優れている。次に実施例を挙げて本発明に
つき更に詳しく説明するが、本発明はその要旨を越えな
い限り、これらの実施例に何ら限定されるものではない
。
実施例 1〔無水マレイン酸変性エチレン・プロピレン
共重合ゴムの調製方法〕エチレン含有率80.5モル%
、メルトインデツクス28(23『C):17(190
℃)のエチレン・プロピレン共重合体ゴム(以下EPR
−1という)10Kv160メツシユバスの無水マレイ
ン酸3009、有機過酸化物として2,5−ジメチル−
2,5−ジ(Tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン一
314.39とを窒素雰囲気下で混合し、均一な混合物
を得る。
次にこの混合物を40m7!Lφの押出機(L/D=2
8、ダルメージスクリユ一装備)で250℃の樹脂温で
押出してペレツトを得た。このペレツトをアセトンで洗
滌することにより、未反応のモノマーを除いた。このよ
うにして得た変性エチレン・プロピレン共重合ゴム(M
AH−EPR(l)と略す)のメルトインデツクスは8
.5(230℃):5.1(190℃)、無水マレイン
酸単位の含有量は2.5重量%であつた。〔粘着剤およ
び粘着フイルムの調製方法〕以上の方法で得たMAH−
EPR(1)100重量部と、テルペン樹脂(商品名Y
Sレジンp−1000、安原油脂製)100重量部、ナ
フテン系プロセスオイル(商品名サンオイル410)
(米)サンオイル社製)50重量部および抗酸化剤(
2,6−ジターシヤリーブチル一p−クレゾール)2重
量部を溶融釜に投入後、150℃〜170℃で2時間混
練し、粘着剤組成物を調製した。
次にこのようにして得た粘着剤組成物を180℃で溶融
し、180℃の熱板上の二軸延伸ポリエチレンテレフタ
レートフイルムにアプリケータにより、膜厚40μで塗
布した。
〔粘着特性の評価方法〕1タック:球転法(J,DOW法)により行つた。
2粘着力:180度剥離法(JISZl523)の方法
により行つた。
?保持力:JIS指定のステンレス鋼板にIK’の荷重
をつけた粘着テープを15×25u巾の貼付面積で貼付
け、2時間後のずれた距離を測定した。
結果を第1表に示す。
実施例 2実施例1における無水マレイン酸変性エチレン・プロピ
レンゴムの調製方法において、無水マレイン酸の使用量
を2209とする以外は、実施例1と同様に行い、メル
トインデツクス16(230℃):9.6(190℃)
、無水マレイン酸単位の含有量1.8重量%の変性エチ
レン・プロピレン共重合ゴム(以下MAH−EPR(2
)という)を得た。
このようにして得たMAH−EPR(2)をエラストマ
ー成分として用いる以外は、実施例1と同様に行つた。
結果を第1表に示す。実施例 3〔無水マレイン酸変性エチレン・プロピレン共重合ゴム
の調製方法〕エチレン含有率80モル%、メルトインデ
ツクス16(230℃):9.6(190℃)のエチレ
ン・プロピレン共重合ゴム2009をP−キシレン11
を予め仕込んだ反応容器に投入後、窒素置換をし、次い
で系の温度を140℃に昇温して共重合ゴムを完全に溶
解させたあと、無水マレイン酸24.51)ジグミルペ
ルオキシド1.35g( p−キシレン溶液)を別々の
供給口から各々4時間かけて滴下した。
更に2時間攪拌を続け、反応を行つた。その後室温まで
冷却し、アセトンで反応重合体を沈殿させ、さらに洗滌
することによりグラム状の精製変性エチレン・プロピレ
ン共重合ゴム(以下MAH−EPR(3)という)を得
た。MAH−EPR(3)のメルトインデツクスは8.
7(230℃):5.2(190℃)で、無水マレイン
酸単位の含有量は2.4重量%であつた。このMAH−
EPR(3)をエラストマー成分として用いる以外は、
実施例1と同様に行つた。
結果を第1表に示す。比較例 1実施例1において、MAH−EPR(1)の代りに、未
変性のエチレン・プロピレン共重合ゴム(EPト1)を
用いる以外は実施例1と同様に行つた。
結果を第1表に示す。比較例 2実施例1において、MAH−EPR(1)の代りに、S
IS(商品名KratOnTR−1107、シエル化学
製)を用いる以外は実施例1と同様に行つた。
結果を第1表に示す。実施例 4実施例1において、ナフテン系プロセスオイルを配合し
ない組成の粘着剤とする以外は、実施例1と同様に行つ
た。
結果を第2表に示す。実施例 5粘着付与剤として、テルペン樹脂の代りに脂肪族系石油
樹脂(ハイレツツT−100X、三粁石油化学工業製、
以下HRと略す)を用いる以外は、実施例1と同様に行
つた。
結果を第2表に示す。実施例 6実施例4において、粘
着付与剤の配合量を60重量部とする以外は、実施例4
と同様に行つた。
結果を第2表に示す。比較例 3実施例4において、粘着付与剤の配合量を30重量部と
する以外は、実施例4と同様に行つた。
結果を第2表に示す。比較例 4実施例6において、MAH−EPR(1)の配合量を3
0重量部とする以外は、実施例6と同様に行つた。
結果を第2表に示す。実施例 7原料ゴムとして、エチレン含有率80モル%、メルトイ
ンデツクス45(230℃):27(19『C)のエチ
レン・プロピレン共重合ゴムを用いる以外は実施例3と
同様の方法により、無水マレイン酸変性エチレン・プロ
ピレン共重合ゴム反応液(以下、反応液(1)と呼ぶ)
を得た。
この反応液(1)の一部(50d)をラツプサンプルと
して取出した後、残りの反応液(1)にn−ブタノール
100m1を加え、130℃で15時間撹拌し反応させ
た(以下、反応液(2)と呼ぶ)。次に反応液(1)と
反応液(2)の夫々を室温迄冷却し、アセトンにより反
応重合体を沈殿させ、更にアセトンで洗浄することによ
り、反応液(1)から無水マレイン酸変性エチレン・プ
ロピレン共重合ゴム、反応液(2)から無水マレイン酸
変性エチレン・プロピレン共重合ゴムの部分エステル化
物を得た。エステル化前の無水マレイン酸変性エチレン
・プロピレン共重合ゴム中の無水マレイン酸単位の含有
量は3.0重量%であり、無水マレイン酸変性エチレン
・プロピレン共重合ゴムの部分エステル化物のエステル
化率は30%、メルトインデツクスは33(230℃)
:20(19『C)であつた。次にこの無水マレイン酸
変性エチレン・プロピレン共重合ゴムの部分エステル化
物を実施例1のMAH−EPR(1)の代わりに用いる
以外は、実施例1と同様に行い、粘着剤組成物および粘
着フイルムを得た。
この粘着フイルムの塗膜の粘着特性を測定した結果、タ
ツクは8、粘着力は1300(9/25韮)、保持力は
0.1(韮/2時間)であつた。実施例 8エチレン含有率80モル%、メルトインデツクス30(
230℃):18(1900C)のエチレン・1−ブテ
ン共重合ゴムを原料として用いた以外は実施例3と同様
にして無水マレイン酸変性エチレン・1−ブテン共重合
ゴム(以下、MAH一EBR(1)と略す)を得た。
MAH−EBR(1)のメルトインデツクスは10(2
30℃):6(19『C)、無水マレイン酸単位の含有
率は2.5重量%であつた。次に実施例1のMAH−E
PR(1)の代わりにMAH−EBR(1)を用いる以
外は実施例1と同様にして、粘着剤組成物および粘着フ
イルムを得た。
この粘着フイルムの塗膜の粘着特性を測定した結果、タ
ツクは12、粘着力は1500(fl/25顛)、保持
力は0.1(Mm/2時間)であつた。比較例 5原料
ゴムとしてエチレン含有率60モル%、数平均分子量3
000(メルトインデツクス1000(23『C)、(
19『C)以上)のエチレン・プロピレン共重合ゴム4
009を12の反応容器に仕込み、窒素で系内を置換し
た後、160℃に昇温し、無水マレイン酸10g、ジタ
ーシヤリーブチルパーオキサイド1.09を夫々別の供
給口から4時間かけて滴下した。
更に2時間撹拌を続けた後、系を徐々に減圧にし、最終
的には101L岨gの条件下で2時間処理し、未反応の
無水マレイン酸およびジターシヤリーブチルバーオキサ
イドの分解物等の揮発分を除去した。得られた無水マレ
イン酸変性エチレン・プロピレン共重合ゴムのメルトイ
ンデツクスは1000(230合C)、(19『C)以
上、無水マレイン酸単位の含有率は2.1重量%であつ
た。次に実施例1のMAH−EPR(1)の代わりに上
記の無水マレイン酸変性エチレン・プロピレン共重合ゴ
ムを用い、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフイル
ムへの塗布温度を室温にした以外は、実施例1と同様に
行い、粘着剤組成物および粘着フイルムを得た。
この粘着フイルムの塗膜の粘着*特性を測定した結果、
タツク2以下、粘着力10以下と共に悪く、保持力も途
中落下で悪かつた。実施例9,10;比較例6MAH−EPR(2)、エチレン含有率80.5モル%
、メルトインデツクス34(230℃):20.4(1
90トC)のエチレン・プロピレン共重合ゴムを実施例
3と同様にして無水マレイン酸で変性したメルトインデ
ツクス23(230℃):13.8(190℃)、無水
マレイン酸単位の含有率2.5重量%の無水マレイン酸
変性エチレン・プロピレン共重合ゴム(以下、MAH−
EPR(4)と略す)およびSISを用い、実施例1と
同様にして夫々の粘着剤組成物を得た。
得られた夫々の粘着剤組成物の1部(509)を100
m1のステンレス製ビーカ一に入れ、230℃のエアー
オーブン中で6時間加熱処理した。加熱処理しない粘着
剤組成物と加熱処理した粘着剤組成物を用い、実施例1
と同様の方法で夫々の粘着フイルムを得た。
得られた粘着フイルムの塗膜の粘着特性を第3表に示し
た。比較例 7実施例1において、MAH−EPR(1)を100重量
部用いる代りに無水マレイン酸単位の含有量1.0重量
%、メルトインデツクス230(230゜0の無水マレ
イン酸グラフト変性ポリプロピレン60重量部および実
施例1で用いたMAH−EPR(1)40重量部を用い
た他は、実施例1と同様の処方により粘着剤組成物を調
製した。
この組成物を実施例1と同じように粘着特性を評価した
結果、タツク1以下、粘着力2509、保持力も途中落
下と悪かつた。
比較例 8原料ポリマーとしてエチレン単位含量が95モル%であ
る結晶性エチレン−プロピレン共重合体(メルトインデ
ツクス20、結晶化度65%)を用いる他は実施例1と
同様の方法により、メルトインデツクス6、無水マレイ
ン酸含有率2.5wt%である無水マレイン酸グラフト
エチレン−プロピレン共重合体を得た。
上で得たグラフト変性エチレン−プロピレン共重合体を
用いた他は、実施例1と同様の処方により粘着剤組成物
を調製し、その粘着特性を評価した結果、タツク1以下
、粘着力200以下、保持力も途中落下と悪かつた。