【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、センター装置か
ら地上放送波、衛星放送波、FM放送波等を利用して大
量のデータを受信するデータ放送システム及びその端末
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、テレビジョン信号のデジ
タル化(信号処理から伝送まで)に伴ない、各家庭に多
数の番組を提供するシステムが開発されている。この多
数の番組は、データ放送によって送られてくる。
【0003】データ放送は、現在、衛星,地上等により
行なわれているテレビジョン放送(高精細度テレビジョ
ンを含む)のデータチャンネルを利用して、映像、音
声、コンピュータソフト、ゲームソフト、新聞・雑誌等
の膨大なデータを含む各種のデジタル信号を伝送する放
送のことである。なお、これらのデジタル信号は、圧縮
・変調されている。
【0004】また、近時では、情報の伝送が高速化さ
れ、大量のデータをすばやく受信できるようになってき
ている。一方、上記データを活用する側の端末装置にお
いては、小型で携帯可能な個人向けの携帯型情報端末
(PDA)が普及しつつあり、現在広く普及しているラ
ジオ放送と同様に、移動する端末装置に対するデジタル
データ放送が可能となってきている。
【0005】このようなデータ放送において、端末装置
の利用者が大量に提供されるデータの中から所望のデー
タを得るための方法がある。まず、1つ目の方法は、デ
ータ送信局側から一方的に各家庭に送信(垂れ流し)さ
れるデータを受信し、これを一旦メモリに記憶した後、
端末装置のもつ選択機能によりメモリから読み出して所
望のデータを選択する方法である。また、2つ目の方法
は、端末装置の利用者が端末装置の操作でデータ送信局
側に通信手段によってアクセスし、目的のデータの送信
要求をして希望のデータをダウンロードする方法であ
る。
【0006】図15は、このような従来のデータ放送に
おける放送システムを示している。図15に示す放送シ
ステムは、上記1つ目の方法を採用している。図15に
おいて、図中符号11はデータ送信局で、映像、音声、
コンピュータソフト、ゲームソフト、新聞・雑誌等のデ
ータを多重化し、これをテレビジョン信号に重畳して放
送衛星12を介して受信側である各家庭13の端末装置
に送信する。一方、放送衛星12による標準テレビジョ
ン放送の標準方式においては、音声は多重副搬送波をデ
ジタル変調して伝送される。
【0007】図16は、上記各家庭13における端末装
置の詳細を示している。すなわち、各家庭13におい
て、データ送信局11から放送衛星12を介して伝送さ
れたテレビジョン信号は、BS(Broadcast Satellite)
アンテナ131で受信される。BSアンテナ131で受
信されたテレビジョン信号は、BS受信回路132に供
給される。BS受信回路132は、供給されたテレビジ
ョン信号に復調処理を施し、これにより得られた信号に
対応するビットストリームをデータパケット抽出部13
3に出力している。
【0008】データパケット抽出部133は、ビットス
トリームから映像、音声、コンピュータソフト、ゲーム
ソフト、新聞・雑誌等のデータに割り当てられているデ
ータパケットを識別し、抽出している。この抽出された
データは、情報種別比較部134の一方の入力端に供給
される。
【0009】ここで、利用者は、図示しない入力装置に
より、所望の情報種別を選択し、この選択結果が取得情
報種別入力部135に記憶される。取得情報種別入力部
135により記憶された情報種別は、情報種別比較部1
34の他方の入力端に供給される。
【0010】そして、情報種別比較部134は、データ
パケット抽出部133からのデータと取得情報種別入力
部135からの情報種別とを比較し、対象となるデータ
パケットを表示制御部136に出力し、テレビジョン画
面等に表示させる。
【0011】図17は、情報種別比較部134及び取得
情報種別入力部135の動作を説明するためのフローチ
ャートである。すなわち、利用者がリモコン等による入
力装置により、情報種別の選択を行なうことで開始(ス
テップS11)されると、取得情報種別入力部135
は、ステップS12で、情報種別が入力されたか否かを
判別する。そして、情報種別が入力されたと判定された
場合(YES)、取得情報種別入力部135は、ステッ
プS13で、入力された情報種別を記憶し、この記憶さ
れた情報種別を情報種別比較部134に送っている。
【0012】また、情報種別が入力されたと判定されな
い場合(NO)、取得情報種別入力部135は、情報種
別無しの信号または既記憶情報を情報種別比較部134
に垂れ流しで送っている。
【0013】次に、情報種別比較部134は、ステップ
S14で、データパケット抽出部133からのデータパ
ケットが入力されたか否かを判別する。そして、データ
パケットが入力されたと判定された場合(YES)、情
報種別比較部134は、ステップS15で、データパケ
ットと上記ステップS13で記憶された情報種別との比
較を行なう。
【0014】また、データパケットが入力されていない
と判定された場合(NO)、情報種別比較部134は、
ステップS15で、データパケットの入力待ちを実行す
る。そして、ステップS15において、情報種別比較部
134は、データパケットと上記ステップS13で記憶
された情報種別との比較を行ない、データパケットの内
容が情報種別と一致しているか否かを判別する。ここ
で、データパケットの内容が情報種別と一致した場合
(YES)、情報種別比較部134は、ステップS16
で、表示制御部136にデータパケットを送出し、テレ
ビジョン画面等の表示に供させる。また、データパケッ
トの内容が情報種別と一致しない場合(NO)、利用者
は、ステップS12の処理で、再び取得情報種別入力部
135への所望の情報種別の入力を行なう。
【0015】しかしながら、上記のような従来のデータ
放送における放送システムでは、提供されるデータが大
容量化されても、チャネル数、データまたは番組数には
限界があり、利用者が必要とするデータまたは番組が都
合のよい時間に提供されるとは限らず、一方データ送信
局11側は利用者が必要とするデータまたは番組を検出
する手段を持たないので、柔軟なデータまたは番組の編
成ができない。また、提供されるデータが大容量化され
た場合、端末装置本体には、大容量のメモリ装置が必要
となる。
【0016】また、各家庭13の端末装置にデータ送信
局11と情報のやりとりを行なう図示しない通信装置を
設けた場合、利用者が特別な操作をしなければならず、
また、現在放送されている番組内容(編成)を、利用者
があらかじめ知っている必要がある。さらに、通信装置
において、多数の端末装置からデータ送信局11への要
求が集中した場合やデータ放送エリア内の利用者の数が
変動する状況にある場合、利用者からの要求応答が低下
してしまい、利用者からの要求を実現させるまで、時間
が長くかかってしまうことになる。また、データ送信局
11は、多数の端末装置に対して同時に送信できない。
【0017】また、上記端末装置は、持ち歩き用に携帯
化された場合、BSアンテナやチューナ等を備えると回
路が複雑になり、これにより構成及び形状が大型化し、
経済的な不利を招くという問題が生じている。
【0018】一方、上記した構成とは異なる説明になる
が、CATV(ケーブルテレビジョン),CCTV(ク
ローズド・サーキット・テレビジョン)等のインターネ
ットに代表される双方向アクセスが可能な有線系のデー
タ通信の分野では、WWW(World Wide Web)と称され
る世界的規模の広域情報システムがある。これに利用す
るデータは、HTML(Hyper Text Markup Language)
で記述される。これは、マークアップタグを使い文書の
論理構造を記述する形態をとるとともに、他の文書への
リンク情報や文書に埋め込む図表をURL(Uniform Re
source Locator)と称される統一的なファイル名称で記
述することを特徴としている。特にURLは、scheme:
/host. domain/path/filenameの構造をとることで、
目的のファイルが何処にあるか(どのサーバの何という
ファイル名か)を地球規模で特定可能としている。
【0019】すなわち、各地域には、サーバを設けたサ
ーバ局が配置されており、広域ネットワークにより、各
サーバ局と各端末装置とが接続されている。また、各サ
ーバ局及び各端末装置は、相互間で通信を行なう双方向
通信手段をそれぞれ有している。
【0020】そして、端末装置において、利用者が画面
上に表示された文書の特定の場所を指定するだけで、簡
単にその場所と関連づけられたリンク情報を利用し、ネ
ットワークを介して、その文書ファイル獲得要求信号を
サーバ局に送信し、サーバ局からの信号を受信すること
で、テレビジョン画面等に文書を表示することができ
る。
【0021】そこで、図18は東芝のWWWサーバの表
示画面を示し、図19はそのHTMLファイルの内容を
示している。ここで、図18中の冒頭の惑星のイメージ
データは、図19中の「<IMG SRC=”/imgdat
/icon/s-dot /contents.gif”>の記述に対応してお
り、本文の文書ファイルサーバと同一サーバ内の/imgd
at/icon/s-dot /ディレクトリのcontents.gifファイ
ルが惑星のイメージファイルであることを示している。
【0022】また、利用者が図18の文書中の例えば
「コーヒーブレイク」の部分を指定したときには、図1
9中の「<AHREF =”COFFEE/index-j.html”>コーヒ
ーブレイク</A>・・読みものやエッセイ<BR>」
の記述を利用し、ネットワーク上の同一サーバに対しCO
FFEE/index-j.htmlファイルを送るように指示する。そ
して受信したファイルを画面上に表示する。このように
して、簡単な操作だけで次から次へと文書を受信表示す
ることが出来る。
【0023】一方、無線等によるデータ放送サービスで
同様のサービスを考慮した場合、前述のURLに相当す
る内容を、チャンネル番号、放送事業者、番組名等で記
述することにより、達成可能であることは容易に想像可
能である。
【0024】しかしながら、データ放送サービスは、情
報の流れが一方向のみ、つまり端末装置から能動的に情
報の要求ができないため不特定多数の端末装置に対し、
同一の情報を大量に伝送する用途(天気予報、株価情
報、競馬競輪等の情報、カラオケ用楽曲情報等)での利
用が一般的であり、前述のような双方向性を前提とした
システムには不向きである。これは、利用者が画面上に
表示された文書の特定の場所を指定したとしても、その
リンク情報に埋め込まれた文書ファイルが、直ちに送ら
れてくるかが不明であり、そのデータが送られてくるま
で次の表示ができず、利用者にとってレスポンスの悪い
システムになるという不都合が生じている。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
データ放送システムでは、端末装置を携帯用として使用
する際に、BSアンテナやチューナ等を備えると回路が
複雑になり、これにより構成及び形状が大型化し、経済
的な不利を招くという問題を有している。また、利用状
況に応じたシステムを実現するのが困難である。さら
に、ハイパーテキストを使用した端末装置に対して、利
用者が画面上に表示された文書の特定の場所を指定した
としても、そのデータが送られてくるまで次の表示がで
きず、利用者にとってレスポンスの悪いシステムになる
という不都合を有している。 この発明の目的は、様々
な利用状況に応じて、利用者に対して好適かつ必要な情
報を素早く提供し、かつ端末装置に対して小型化が図れ
て携帯性に好適し得るデータ放送システムを提供するこ
とにある。また、ハイパーテキストを使用した端末装置
に対して、レスポンスと操作性を向上させ得るデータ放
送における端末装置を提供することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】この発明に係るデータ放
送システムは、送信部と、この送信部に蓄積された少な
くともテレビジョン信号及びデータを含む信号を受信す
る複数の端末装置と、送信部と複数の端末装置との間に
設けられた中継部とを具備し、中継部には、送信部から
伝送される少なくともテレビジョン信号及びデータを含
む信号が供給される入力端子と、端末装置から伝送され
る少なくとも利用者IDや所望の情報種別を含む信号を
受信し、登録する登録手段と、入力端子に供給された信
号から、登録手段に登録された情報種別に基づいた所望
のデータを抽出するデータ抽出手段と、データ抽出手段
により抽出されたデータを端末装置に送信するデータ送
信手段とを備えるようにしたものである。
【0027】この構成によれば、BSアンテナ等を必要
とせずに、構成が小型化して経済的に有利になり、かつ
携帯性に優れて、素早く情報のやりとりができるように
なる。 また、この発明に係るデータ放送システムは、
送信部と、この送信部に蓄積された少なくともテレビジ
ョン信号及びデータを含む信号を受信する複数の端末装
置とを具備し、送信部には、特定される放送エリア内の
複数の端末装置からの送信要求により、端末装置に格納
された個人情報を自動的に読み取る情報読み取り手段
と、情報読み取り手段により読み取った個人情報を集計
処理する集計処理手段と、集計処理手段の集計結果に基
づいて、複数の端末装置に送信するデータの内容を決定
するデータ内容決定手段とを備えるようにしたものであ
る。
【0028】この構成によれば、特定されるデータ放送
エリア内の利用状況に応じて、多くの利用者に対して、
複雑な操作を必要としない好適な情報を提供することが
できる。
【0029】さらに、この発明に係るデータ放送におけ
る端末装置は、少なくとも文書データを含む伝送された
信号に重畳された各チャンネルのリンク情報を記憶する
データ記憶手段と、利用者の外部操作により選択設定さ
れた指定情報に基づいて、データ記憶手段に記憶された
リンク情報から、所望のデータを検索する検索手段と、
検索手段の検索結果に基づいて、選択された所望のデー
タを画面に表示するデータ表示手段とを備えるようにし
たものである。
【0030】この構成によれば、受信した文書内に記述
されているリンク情報を利用して、利用者が実際にアク
セスの指示をする前に、リンク情報をデータメモリ内に
取り込むことで、実際に利用者により指示されたとき
に、直ちにその文書を表示することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて図面を参照して詳細に説明する。図1は、この発明
の一実施の形態を示している。図1において、図中符号
14はデータ送信局で、映像、音声、コンピュータソフ
ト、ゲームソフト、新聞・雑誌等のデータを多重化し、
これをテレビジョン信号に重畳して放送衛星15を介し
て受信側であるBSアンテナ16に送信する。一方、放
送衛星15による標準テレビジョン放送の標準方式にお
いては、音声は多重副搬送波をデジタル変調して伝送さ
れる。
【0032】BSアンテナ16で受信したテレビジョン
信号は、中継装置17に供給される。中継装置17は、
テレビジョン信号からデータパケットを抽出し、このデ
ータパケットを無線アンテナ18を介して各携帯端末装
置19に送信している。また、中継装置17は、ある一
定のエリア内の携帯端末装置19からの情報要求を受
け、その要求に見合った情報を放送衛星15から受信し
た場合に、無線を使ってその情報を携帯端末装置19に
転送する。
【0033】図2は、中継装置17の詳細を示してい
る。すなわち、中継装置17において、BSアンテナ1
6で受信されたテレビジョン信号は、BS受信回路17
1に供給される。BS受信回路171は、供給されたテ
レビジョン信号に復調処理を施し、これにより得られた
信号に対応するビットストリームをデータパケット抽出
部172に出力している。
【0034】データパケット抽出部172は、ビットス
トリームから映像、音声、コンピュータソフト、ゲーム
ソフト、新聞・雑誌等のデータに割り当てられているデ
ータパケットを識別し、抽出している。この抽出された
データは、情報種別比較部173の一方の入力端に供給
される。
【0035】ここで、無線アンテナ18より受信回路1
74を経由して得られた個人IDや必要としている情報
種別の要求は、取得情報種別記憶バッファ175に蓄積
される。取得情報種別記憶バッファ175により蓄積さ
れた情報種別の要求は、情報種別比較部173の他方の
入力端に供給される。
【0036】情報種別比較部173は、データパケット
抽出部172からのデータと、取得情報種別記憶バッフ
ァ175に蓄積された情報種別とを比較し、要求のあっ
たデータが受信された場合に、このデータを送信情報記
憶バッファ176に蓄積する。送信情報記憶バッファ1
76に蓄積されたデータは、順次、送信回路177に供
給され無線アンテナ18を介して携帯端末装置19に送
信されることになる。
【0037】携帯端末装置19では、中継装置17との
通信を可能とする小電力の無線装置を備えることによ
り、データ放送の情報を検索することができ、衛星から
のデータ受信装置を持つ必要がなく、携帯可能になる。
【0038】図3は、この発明の第2の実施の形態を示
している。図3において、図中符号20は中継局で、携
帯端末装置191〜195と相互間で双方向通信を行な
っている。中継局20は、携帯端末装置191に情報種
別Aの情報を送信しているときに、携帯端末装置192
から情報種別Bの要求を受け、次に携帯端末装置193
〜195から情報種別Cの要求を受けつけたとする。そ
して、情報Aの送信が終了し、次の情報を送出する段階
で、情報種別ごとの要求数により、送出順位を決定して
送信要求の多い順から送出する。要求順からいえば情報
Bを送出するところであるが、情報Cが情報Bより先に
中継局20から送出される。つまり、中継局20は、携
帯端末装置191〜195からの情報種別要求を統計処
理し、情報種別要求頻度により送信する順番を変更して
いる。
【0039】このように、より多くの携帯端末装置19
3〜195からの要求に対しては優先的に情報Cが送出
されることになり、多くの人に素早く情報を伝達できる
ようになる。
【0040】図4は、この発明の第3の実施の形態を示
している。図4において、データ放送受信アンテナ21
で受信された例えば携帯端末装置191からの要求信号
は、BS受信回路22に供給される。BS受信回路22
は、供給された要求信号に復調処理を施し、これにより
得られた信号を緊急情報判定部23に供給する。ここ
で、緊急情報判定部23は、要求信号である情報A,情
報B,情報Cを送信データバッファ24に蓄積する。送
信データバッファ24は、情報A,情報B,情報Cを順
次、送信切替器25,無線アンテナ26を介して携帯端
末装置191に送出する。
【0041】また、緊急情報判定部23は、衛星から緊
急情報を受信した場合に、この緊急情報を緊急情報送信
バッファ27に蓄積する。そして、例えば情報Aの送信
を停止し、緊急情報を送出するように送信切替器25を
切り替える。
【0042】さらに、携帯端末装置191では、他の情
報を表示中でも、一般緊急情報および自分宛の緊急情報
を受信したら、その情報を表示する。以上のような構成
によれば、いち早く緊急情報を確認できるようになる。
また、緊急情報を中継局20から発することも可能とな
り、広域のエリアに対する緊急情報を衛星から、境域エ
リアの緊急情報を中継局20からといった使い分けも可
能となる。さらに、携帯端末装置191は、個人的な緊
急情報も個人IDに基づいて素早く中継局20に伝える
ことができるようになる。
【0043】図5は、この発明の第4の実施の形態であ
り、図1における携帯端末装置19の動作を説明するた
めに示すフローチャートである。図5において、開始
(ステップS21)されると、携帯端末装置19は、ス
テップS22で、利用者からの情報要求があるか否かを
判別する。そして、利用者からの情報要求があると判定
された場合(YES)、携帯端末装置19は、ステップ
S23で、情報要求を中継装置17に送信し、ステップ
S24で、要求した情報種別を図示しないメモリ等に記
憶する。
【0044】また、利用者からの情報要求がないと判定
された場合(NO)、携帯端末装置19は、ステップS
25で、利用者からの電源のオフ指示があるか否かを判
別する。そして、利用者からの電源のオフ指示がないと
判定された場合(NO)、携帯端末装置19は、ステッ
プS22の処理に戻される。
【0045】また、利用者からの電源のオフ指示がある
と判定された場合(YES)、携帯端末装置19は、ス
テップS26で、メモリ等に記憶した情報種別の要求解
除を中継装置17に送信する。そして、携帯端末装置1
9は、ステップS27で、電源をオフ状態に設定して終
了(ステップS28)する。
【0046】以上のように、携帯端末装置19が電源オ
フ検出により、情報要求をした情報種別の解除信号を送
ることにより、中継装置17は、携帯端末装置19の要
求を解除する。このため、中継装置17では、電源オフ
の携帯端末装置19に対する要求をいつまでも保持する
ことがなくなり、他の要求情報を素早く送信できるよう
なる。
【0047】図6は、この発明の第5の実施の形態を示
している。図6において、図中符号31はデータ送信局
主装置で、インターフェース32を介して接続された送
信制御部33と利用者情報処理部34とにより構成され
ている。このうち、送信制御部33は、利用者が携帯す
る例えば携帯端末装置19に対してデータを送信する部
分であり、送信装置331、送信バッファ332、送信
制御用プロセッサ333、ROM(Read Only Memory)3
34、RAM(Random Access Memory)335、回線イン
ターフェース336によって構成されている。また、送
信制御部33は、回線インターフェース336を介して
通信回線35に接続され、さらに送信ソースとなる膨大
なデータベース361〜36nと接続されている。
【0048】利用者情報処理部34は利用者が携帯する
携帯端末装置19に無線通信によってアクセスし、携帯
端末装置19の内部に格納された個人情報を読み取り集
計処理する部分であり、通信回路341、利用者情報処
理用プロセッサ342、ROM343、RAM344で
構成される。
【0049】送信制御部33において、利用者からの要
求信号は、アンテナ37により受信され、送信装置33
1を介して送信バッファ332に蓄積される。同時に、
送信制御用プロセッサ333は、回線インターフェース
336を介してデータベース361〜36nに蓄積され
た番組またはデータを読み出す。なお、送信制御用プロ
セッサ333は、ROM334に記憶されたデータに基
づいて動作する。
【0050】送信バッファ332に蓄積された要求信号
は、送信制御用プロセッサ333により、データベース
361〜36nに蓄積された番組またはデータと比較さ
れる。そして、利用者からの要求に対応した番組または
データは、送信装置331に供給され、アンテナ37を
介して利用者の入力操作に応答した携帯端末装置19に
送信されることになる。また、送信制御部33におい
て、利用者からの要求信号またはデータベース361〜
36nから読み出された番組またはデータは、RAM3
35に蓄積される。
【0051】一方、携帯端末装置19には、データ放送
を受信する装置の他に、外部からのアクセスによって携
帯端末装置19の内部に格納された個人情報を送出する
機能をもつ。
【0052】ここで、上記構成による動作を説明する。
まず、利用者が携帯端末装置19を携帯して放送の受信
可能な領域に入った場合、携帯端末装置19は、放送の
キャリアを検出してデータ送信局主装置31と交信す
る。データ送信局主装置31の利用者情報処理部34に
おいて、利用者情報処理用プロセッサ342は、アンテ
ナ38を有する通信回路341で応答した携帯端末装置
19に対して、個人情報要求のためのデータをアンテナ
38を介して送信する。なお、利用者情報処理用プロセ
ッサ342は、ROM343に記憶されたデータに基づ
いて、処理動作を行なっている。
【0053】個人情報要求のためのデータを受信した携
帯端末装置19は、直ちに内部メモリに格納された個人
情報をデータ送信局主装置31の利用者情報処理部34
に送信する。データ送信局主装置31の利用者情報処理
用プロセッサ342は、受信した個人情報をRAM34
4に蓄積し、直ちに携帯端末装置19との通信を切断す
る。
【0054】このようにして、データ送信局主装置31
の利用者情報処理用プロセッサ342は、複数の携帯端
末装置19に順次アクセスし、RAM344に個人情報
を蓄積している。そして、蓄積件数が所定値に達した場
合、利用者情報処理用プロセッサ342は、情報の内容
を分類集計して、その結果をインターフェース32を介
して送信制御用プロセッサ333に送出している。送信
制御用プロセッサ333は、個人情報の集計データに基
づいて放送可能なデータベース361〜36nから最も
放送に適したデータを選択して放送する。
【0055】ここで、データ送信局主装置31は、例え
ば放送エリア内に女性が多い場合、女性向けのデータを
優先的に送信し、スポーツ観戦を趣味とする人が多い場
合、スポーツの途中経過のデータを送信する。
【0056】図7は、上記利用者情報処理用プロセッサ
342の動作を説明するためのフローチャートである。
まず、開始(ステップS31)されると、利用者情報処
理用プロセッサ342は、ステップS32で、利用者の
入力操作による携帯端末装置19からの応答があるか否
かを判別する。そして、携帯端末装置19からの応答が
ないと判定された場合(NO)、利用者情報処理用プロ
セッサ342は、ステップS32で、携帯端末装置19
からの応答待ちを実行する。
【0057】また、携帯端末装置19からの応答がある
と判定された場合(YES)、利用者情報処理用プロセ
ッサ342は、ステップS33で、通信回線の接続を行
ない、ステップS34で、個人情報要求のためのデータ
を携帯端末装置19に送出する。
【0058】次に、利用者情報処理用プロセッサ342
は、ステップS35で、携帯端末装置19からの個人情
報の受信ができるか否かを判別する。そして、携帯端末
装置19からの個人情報の受信ができる状態でないと判
定された場合(NO)、利用者情報処理用プロセッサ3
42は、ステップS35で、繰り返し受信状態の判別を
実行する。
【0059】また、携帯端末装置19からの個人情報の
受信ができる状態であると判定された場合(YES)、
利用者情報処理用プロセッサ342は、ステップS36
で、個人情報をRAM344に記憶し、その後に、ステ
ップS37で、通信回線を切断する。
【0060】次に、利用者情報処理用プロセッサ342
は、ステップS38で、個人情報の記憶件数のカウント
を実行する。そして、利用者情報処理用プロセッサ34
2は、ステップS39で、カウント値に基づいて、個人
情報の記憶件数の判定処理を実行する。この判定処理
は、個人情報の記憶件数に対応するカウント値が所定の
値に達したか否かを判別するもので、所定の値に達して
いないと判定された場合(NO)、利用者情報処理用プ
ロセッサ342は、ステップS32の処理に移行され
る。また、カウント値が所定の値に達したと判定された
場合(YES)、利用者情報処理用プロセッサ342
は、ステップS40で、個人情報の分類・集計を実行
し、ステップS41で、その集計結果を送信制御用プロ
セッサ333に送出する。
【0061】次に、利用者情報処理用プロセッサ342
は、ステップS42で、再び上記ステップS32〜S4
1の処理を継続して実行するか否かを判別する。そし
て、継続すると判定された場合(YES)、利用者情報
処理用プロセッサ342は、再びステップS32の処理
に移行し、継続しないと判定された場合(NO)、終了
(ステップS43)する。
【0062】以上のようにこの第5の実施の形態によれ
ば、データ送信局主装置31は、放送エリア内のデータ
放送の対象となる複数の携帯端末装置19の内部に内蔵
するメモリに格納された個人情報を自動的に読みとり、
個人情報を集計した結果によりデータ送信局14側から
の放送内容を決定する。このため、携帯端末装置19の
利用者が複雑な設定や操作をすることなく、自動的に利
用者の適性や要求に適合した内容の放送を提供できる。
また、この第5の実施の形態では、放送エリア内の利用
者が変動する状況下においても、多くの利用者の要求や
好みに合致した内容のデータまたは番組を提供すること
が可能となる。
【0063】さらに、この第5の実施の形態によれば、
携帯端末装置19から個人情報を受け取った際に、携帯
端末装置19との通信回線を切断するようにしたので、
多数の携帯端末装置19からの要求が集中した場合、利
用者からの要求応答が低下してしまい、利用者からの要
求を実現させるまで、時間が長くかかってしまうことを
防止できる。
【0064】図8は、この発明の第6の実施の形態であ
る携帯端末装置の詳細を示している。図8において、図
中符号41は携帯端末装置で、インターフェース42を
介して接続された通信制御部43とデータ処理部44と
により構成されている。このうち、通信制御部43は、
通信回路431、通信制御プロセッサ432及び第1不
揮発メモリ433によって構成されている。ここで、通
信回路431は、アンテナ45で受信したデータ送信局
主装置31からの信号を復調して、この信号を通信制御
プロセッサ432に供給している。また、通信回路43
1は、通信制御プロセッサ432からのデータを変調し
て、このデータをデータ送信局主装置31へ送ってい
る。
【0065】また、データ処理部44は、データ放送受
信部441、表示部442、操作部443、メインプロ
セッサ444、ROM445、RAM446及び第2不
揮発メモリ447によって構成されている。ここで、デ
ータ放送受信部441は、アンテナ46で受信した一般
放送のテレビジョン信号またはデータを復調して、メイ
ンプロセッサ444に供給している。なお、携帯端末装
置41は、メインプロセッサ444と通信制御プロセッ
サ432によって制御される。
【0066】一方、メインプロセッサ444は、データ
放送受信部441、表示部442、操作部443、RO
M445、RAM446、および個人情報が格納されて
いる第2不揮発性メモリ447を制御する。また、メイ
ンプロセッサ444は、利用者の入力操作に応答した操
作部443により、要求されたデータを表示部442に
表示させる。操作部443は、アンテナ46で受信され
た番組・データも表示する。同時に、要求されたデー
タ、番組・データは、RAM446に蓄積される。
【0067】また、通信制御プロセッサ432は、デー
タ送信局主装置31の通信回路341と通信するための
通信回路431と、データ送信局主装置31の通信回路
341に送信するための個人情報を格納する第1不揮発
性メモリ433とを制御する。そして、通信制御プロセ
ッサ432は、メインプロセッサ444がいかなる動作
状態のときにおいても、データ送信局主装置31側から
個人情報送信要求を受信後、速やかに第1不揮発性メモ
リ433に格納された個人情報を送信する。ここで、個
人情報とは、個人の生活全般に関わる様々な情報であ
り、例えば、名前、性別、生年月日、血液型、住所、職
業、身長、体重、健康状態、趣味などを含んでいる。
【0068】なお、通信制御プロセッサ432は、バス
で接続された第1不揮発性メモリ433からの読み出し
が可能で、メインプロセッサ444がアクセスする第2
不揮発性メモリ447の内容を読み出すことができな
い。このため、利用者は、データ送信局主装置31に知
られたくない情報を第2不揮発メモリ447に格納して
おくことができる。
【0069】ここで、上記のような構成による動作を説
明する。まず、利用者が、過去の使用状況により自動あ
るいは手動操作で第2不揮発性メモリ447に蓄積され
た個人情報の中からデータ送信局主装置31側に送信す
るための指定の個人情報を選択する。すると、メインプ
ロセッサ444は、選択された指定の個人情報をインタ
ーフェース42を介して通信制御プロセッサ432に送
り、その個人情報を第1不揮発性メモリ433に格納す
る。そして、データ送信局主装置31側からの個人情報
送信要求信号を受信すると、通信制御プロセッサ432
は、メインプロセッサ444の動作状態に関係なく第1
揮発性メモリ433に格納された個人情報を速やかに通
信回路431を経由してデータ放送局主装置31に送信
する。
【0070】図9は、上記通信制御プロセッサ432の
動作を説明するためのフローチャートである。まず、開
始(ステップS51)されると、通信制御プロセッサ4
32は、ステップS52で、データ送信局主装置31か
らの応答があるか否かの判定処理を実行する。そして、
データ送信局主装置31からの応答がないと判定された
場合(NO)、通信制御プロセッサ432は、データ送
信局主装置31からの応答待ちを実行する。また、デー
タ送信局主装置31からの応答がある場合(YES)、
通信制御プロセッサ432は、ステップS53で、デー
タ送信局主装置31へ通信回線接続の要求を送出する。
すると、通信制御プロセッサ432は、ステップS54
で、データ送信局主装置31と無線等の通信回線で接続
される。
【0071】そして、通信制御プロセッサ432は、ス
テップS55で、図示しない内蔵タイマを駆動させ、一
定時間Ts の経過を待つ期間にデータ送信局主装置31
からの応答待ちを実行する。
【0072】次に、通信制御プロセッサ432は、ステ
ップS56で、データ送信局主装置31からの応答が個
人情報の送信要求であるか否かを判別する。ここで、個
人情報の送信要求でないと判定された場合(NO)、再
びステップS55の処理に戻される。
【0073】また、個人情報の送信要求であると判定さ
れた場合(YES)、通信制御プロセッサ432は、ス
テップS57で、個人情報をデータ送信局主装置31に
送出し、以後ステップS58で、データ送信局主装置3
1と接続された通信回線が切断されて、再びステップS
52の処理に戻される。
【0074】また、上記ステップS55で、一定時間T
s が経過すると(YES)、通信制御プロセッサ432
は、内蔵タイマの動作を停止させるとともに、データ送
信局主装置31と接続された通信回線が切断されて、再
びステップS52の処理に戻される。
【0075】以上のように、この第6の実施の形態によ
れば、放送エリア内で、携帯端末装置41自体がいかな
る動作状態であっても、データ送信局主装置31が、送
信要求により速やかに格納された個人情報を自動的に読
み取ることが可能な第1不揮発メモリ433と、データ
送信局主装置31側から読みとり不可能な第2不揮発メ
モリ447とに分離することで、プライバシーを保護す
るとともに、データ送信局主装置31側からの送信要求
に対する応答性を向上せしめ、良好な操作性をもつこと
が可能となる。
【0076】図10は、この発明の第7の実施の形態に
おける端末装置の詳細を示している。図10において、
アンテナ51で受信された放送データD1は、受信回路
52で受信データD2に復調される。この受信データD
2は、リンク情報解析回路53に供給されて表示データ
D3に生成され、表示回路54に供給される。表示回路
54は、表示データD3を画面に表示可能なディスプレ
イデータD4に変換し、そのディスプレイデータD4を
タッチパネル機能付きディスプレイ55に出力してい
る。タッチパネル機能付きディスプレイ55には、ショ
ッピングにおける家電製品やイベント情報等が表示され
ている。
【0077】一方、リンク情報解析回路53は、受信デ
ータD2内のリンク情報を解析し、その後受信する放送
データD1内でそのリンク情報に適合したデータD5
を、データメモリ56に転送する。データメモリ56
は、データD5をファイル名と共に記憶する。この記憶
されたデータは、リンク情報解析回路53に表示データ
D6として供給され、タッチパネル機能付きディスプレ
イ55の表示に供される。一方、リンク情報が別のチャ
ンネルを示している場合、リンク情報解析回路53は、
受信回路52に受信チャンネル制御信号S1を出力し、
目的のチャンネルを選択する。
【0078】ここで、利用者がタッチパネル機能付きデ
ィスプレイ55上のタッチパネルを操作して目的のデー
タを選択すると、タッチパネル機能付きディスプレイ5
5は、どの位置情報からどのファイルが選択されたかを
認識し、選択された目的の情報をアクセス情報D7とし
てリンク情報解析回路53に供給する。そして、リンク
情報解析回路53は、データメモリ56に目的のファイ
ルがあるか否かを問い合わせ、ある場合は受信回路52
からの受信データD2を待たず、データメモリ56から
データD6を読み出し、表示回路54に出力する。この
ようにして、高速に次のデータを表示することができ
る。
【0079】したがって、この第7の実施の形態によれ
ば、受信した文書内に記述されているリンク情報を利用
して、利用者が実際にアクセスの指示をする前に、リン
クの張られたデータD5を端末装置内のデータメモリ5
6に取り込むことで、実際に利用者により指示されたと
きに、直ちにその文書を表示することができる。
【0080】図11は、この発明の第8の実施の形態を
示している。図11において、図10と同一部分には同
一符号を付して説明する。図10と異なる点は、リンク
の張られた次の情報や文書データ等が端末装置内に取り
込み済みか否かを、利用者が判断できるように、タッチ
パネル機能付きディスプレイ55に表示するようにした
点が異なる。すなわち、リンク情報解析回路53は、受
信データD2内でそのリンク情報に適合したデータD5
を、データメモリ56へ転送すると同時に、表示回路5
4にその受信したリンク情報名を供給する。
【0081】表示回路54は、既に表示されているタッ
チパネル機能付きディスプレイ55上の該当する項目部
分の表示を、他の物と区別して表示する(図中では網掛
け表示)。このようにして、利用者は、次の項目を選択
すると直ちに続くデータが表示されるか認識できる。
【0082】すなわち、この第8の実施の形態によれ
ば、リンクの張られた次の情報や文書データ等が端末装
置内に取り込み済みか否かを、その部分の表示色を変え
るとか枠で囲むとか点滅させる等の手段で、利用者に知
らせることにより、その部分を指定した時に直ちにその
文書が表示されるか否かを知ることができる。
【0083】図12は、この発明の第9の実施の形態を
示している。図12において、図10と同一部分には同
一符号を付して説明する。図10と異なる点は、受信し
た放送データD1を、その作成日時やレビジョン番号と
共にデータメモリ56に可能な限り記憶するようにした
点が異なる。そして、これらが現在放送中の物と同一か
否かを、利用者が判断できるように、タッチパネル機能
付きディスプレイ55上に表示する手段を持つようにし
ている。
【0084】すなわち、データ送信局側では、受信デー
タD2内に含まれるリンク情報にそのファイル名に相当
する内容の他に、レビジョン番号を付加している。ま
た、受信データD2にも同様にレビジョン番号を付加し
ている。
【0085】また、データメモリ56に記憶されたデー
タD5は、データを記憶する容量が残っている限り消さ
れずにデータメモリ56に保持されている。そして、再
び同一のタッチパネル機能付きディスプレイ55画面が
表示されたとき(例えばショッピング画面)、リンク情
報解析回路53は、既にデータメモリ56に記憶されて
いるファイルのレビジョン番号と、現在リンクが張られ
ているファイルのレビジョン番号とを比較し(例えば最
新のファイルをrev2.0としている)、古いリンク
情報のファイル名を表示回路54に供給する。表示回路
54は、既にタッチパネル機能付きディスプレイ55画
面上の該当する項目部分の表示を、他の物と区別して表
示する(図中では斜線表示)。
【0086】このようにして、利用者は、次の項目を選
択すると一応直ちに続くデータが表示されるが、そのデ
ータは古いことが認識できる。これは、商品のカタログ
やイベントの情報等、内容の大部分が古いファイルでも
最新のファイルでも、ほとんど内容に差異がない場合に
有効である。
【0087】すなわち、この第9の実施の形態によれ
ば、過去に受信した受信データD2内に含まれるリンク
情報D5を、その作成日時やレビジョン番号と共にデー
タメモリ56に可能な限り記憶することにより、高確率
で次の文書が表示可能となる。そして、従来のURLに
相当する内容を、チャンネル番号、放送事業者、番組
名、等ファイル名に相当する情報の他に、その作成日時
やレビジョン番号情報をも付加した内容とすることによ
り、現在端末装置内のデータメモリ56に記憶されてい
るデータと受信すべきデータとが同一のデータか否かを
判断することができる。
【0088】ここで、たとえ古い情報だと判断された場
合も、タッチパネル機能付きディスプレイ55画面に表
示させることにより、更に高確率で次の文書が表示可能
となる。また、データメモリ56に記憶されているデー
タが古い場合、文書内の関連づけられた部分の表示色を
変えるとか枠で囲むとか点滅させる等の手段で、利用者
に知らせることにより、その部分を指定した時に表示さ
れる文書の内容が最新の物か否かを、利用者に通知する
ことができる。
【0089】図13は、この発明の第10の実施の形態
を示している。図13において、図10と同一部分には
同一符号を付して説明する。図10と異なる点は、リン
ク情報解析回路53によってリンクを張られた情報に対
し、例えば地域別や契約別の適合性をチェックし、表示
回路54によって適合したリンク情報のみをタッチパネ
ル機能付きディスプレイ55画面上に表示するととも
に、適合しないデータのアクセスを制限するようにした
点が異なる。
【0090】すなわち、データ送信局側では、受信デー
タD2内のリンク情報にそのファイル名に相当する内容
の他に、例えばサービス地域情報を付加している。そし
て、サービス地域情報が付加された受信データD2内の
リンク情報は、リンク情報解析回路53に貯蓄される。
ここで、例えば東京に設置されている端末装置の場合、
表示回路54は、/tokyo あるいは/japan の地域デー
タのリンク情報が指定された項目をタッチパネル機能付
きディスプレイ55に表示する表示処理を施している。
なお、表示回路54は、/saitama のリンク情報が指定
された項目の場合、表示処理を施さない。
【0091】このようにして、同じ「ショッピング文書
データ」を放送していても、受信する端末装置により適
切な表示がなされ、利用者に使いやすいばかりでなく、
番組提供者は個別のデータを用意する必要もなくなる。
【0092】したがって、この第10の実施の形態によ
れば、従来のURLに相当する内容を、ファイル名に相
当する情報の他に、そのデータ表示を許容する制限事項
(例えば特定の地域、契約種別、端末の用途等)を示す
情報をも付加した内容とすることにより、受信した文書
等のキャラクタ表示に当たり、リンクを張られた情報が
その端末装置の保有する地域情報や契約種別の内容に適
合性しているか否かをチェックし、適合したリンク情報
のみをタッチパネル機能付きディスプレイ55画面上に
表示することができる。また、この第10の実施の形態
では、全ての端末装置に対して同一のリンク情報を持っ
た1つの文書データを送れば良いため、管理と伝送デー
タ量の削減を図ることができる。
【0093】図14は、この発明の第11の実施の形態
を示している。図14において、図10と同一部分には
同一符号を付して説明する。図10と異なる点は、リン
クを張られた情報に対し、例えば地域別や契約別の幾つ
かのバリエーション別に、複数のリンク情報を用意し、
その中で端末装置側で適合した物を提供する点が異な
る。
【0094】すなわち、アンテナ51によって受信され
た放送データD1には、そのファイル名に相当する情報
が同じ物に、例えば様々な地域の固有の情報が付加され
ている。そして、利用者がタッチパネル機能付きディス
プレイ55に表示された例えば「美術展」を選択したと
き、リンク情報解析回路53は、東京に設置された端末
装置では次に表示するデータとして「chl /abcd/shop
/art.htl /tokyo 」を、埼玉県に設置された端末装置
では次に表示するデータとして「chl /abcd/shop/ar
t.htl /saitama 」を、それぞれ受信データD2内のリ
ンク情報から検索し、この検索結果を表示回路54に出
力し、タッチパネル機能付きディスプレイ55への表示
に供させる。
【0095】このようにして、同一の、同じ「ショッピ
ング文書データ」を放送していても、受信する端末装置
により適切な表示がなされ、利用者に使いやすいばかり
でなく、番組提供者は個別のデータを用意する必要もな
くなる。
【0096】したがって、この第11の実施の形態によ
れば、ファイル名に相当する情報が同一の内容で、各端
末装置固有部分用の情報(例えば特定の地域、契約種
別、端末の用途等)にバリエーションを持たせた複数の
ファイルを放送することにより、利用者からの指示に基
づく文書等のキャラクタ表示に当たり、リンクを張られ
た情報がその端末装置の保有する地域情報や契約種別の
内容に適合性しているか否かをリンク情報解析回路53
でチェックし、適合した文書をタッチパネル機能付きデ
ィスプレイ55画面上に表示することができる。また、
この第11の実施の形態では、全ての端末装置に対して
同一のリンク情報を持った1つの文書データを送れば良
いため、管理と伝送データ量の削減を図ることができ
る。
【0097】上記第7〜第11の実施の形態では、ショ
ッピング情報やイベント情報について説明しているが、
番組の放送時間や有料放送等の情報を利用者に知らせる
番組情報についても行なうことができる。
【0098】
【発明の効果】以上詳述したようにこの発明は、様々な
利用状況に応じて、利用者に対して好適かつ必要な情報
を素早く提供し、かつ端末装置に対して小型化が図れて
携帯性に好適し得るデータ放送システムを提供すること
ができる。また、ハイパーテキストを使用した端末装置
に対して、レスポンスと操作性を向上させ得るデータ放
送における端末装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】【図1】この発明に係るデータ放送システムの一実施の
形態を示す図。
【図2】同実施の形態における中継装置の詳細を示すブ
ロック構成図。
【図3】この発明の第2の実施の形態を示す図。
【図4】この発明の第3の実施の形態を示すブロック構
成図。
【図5】この発明の第4の実施の形態における携帯端末
装置の動作を説明するために示すフローチャート。
【図6】この発明の第5の実施の形態を示すブロック構
成図。
【図7】同第5の実施の形態における利用者情報処理用
プロセッサの動作を説明するために示すフローチャー
ト。
【図8】この発明の第6の実施の形態である携帯端末装
置の詳細を示すブロック構成図。
【図9】同第6の実施の形態における通信制御プロセッ
サの動作を説明するために示すフローチャート。
【図10】この発明の第7の実施の形態を示すブロック
構成図。
【図11】この発明の第8の実施の形態を示すブロック
構成図。
【図12】この発明の第9の実施の形態を示すブロック
構成図。
【図13】この発明の第10の実施の形態を示すブロッ
ク構成図。
【図14】この発明の第11の実施の形態を示すブロッ
ク構成図。
【図15】従来のデータ放送システムを示す図。
【図16】同従来システムにおける端末装置の詳細を示
すブロック構成図。
【図17】同従来システムにおける端末装置内の情報種
別比較部及び取得情報種別入力部の動作を説明するため
に示すフローチャート。
【図18】他の従来の有線系放送システムにおけるWW
Wサーバの表示画面を説明するために示す図。
【図19】同他の従来のWWWサーバの表示画面におけ
るHTMLファイルの内容を説明するために示す図。
【符号の説明】 11…データ送信局、12…放送衛星、13…家庭、1
31…BSアンテナ、 132…BS受信回路、13
3…データパケット抽出部、134…情報種別比較部、
135…取得情報種別入力部、136…表示制御部、1
4…データ送信局、 15…放送衛星、16
…BSアンテナ、 17…中継装置、171
…BS受信回路、172…データパケット抽出部、17
3…情報種別比較部、 174…受信回路、175
…取得情報種別記憶バッファ、176…送信情報記憶バ
ッファ、177…送信回路、18…無線アンテナ、
 19…携帯端末装置、20…中継局、 191〜
195…携帯端末装置、21…データ放送受信アンテ
ナ、22…BS受信回路、 23…緊急情報判定
部、24…送信データバッファ、 25…送信切替
器、26…無線アンテナ、27…緊急情報送信バッフ
ァ、31…データ送信局主装置、32…インターフェー
ス、 33…送信制御部、331…送信装置、
 332…送信バッファ、333…送信制御用プロセ
ッサ、 334…ROM、335…RAM、 336…
回線インターフェース、34…利用者情報処理部、
 341…通信回路、342…利用者情報処理用プロセ
ッサ、343…ROM、344…RAM、35…通信回
線、361〜36n…データベース、 37…アンテ
ナ、38…アンテナ、 41…携帯端末装
置、42…インターフェース、 43…通信制御
部、431…通信回路、 432…通信制御プロセッ
サ、433…第1不揮発メモリ、 44…データ処理
部、441…データ放送受信部、 442…表示
部、443…操作部、 444…メインプロセッ
サ、445…ROM、 446…RA
M、447…第2不揮発メモリ、 45…アンテ
ナ、51…アンテナ、 52…受信回
路、53…リンク情報解析回路、 54…表示回
路、55…タッチパネル機能付きディスプレイ、56…
データメモリ。
フロントページの続き  (72)発明者 鈴木 俊幸 東京都港区新橋3丁目3番9号 東芝エ ー・ブイ・イー株式会社内