【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、復号映像信号等の輝
度、色差信号よりR,G,B信号を生成する信号処理方
式に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、複合映像信号に代表されるNTS
C方式の映像信号は輝度信号、色差信号、同期信号等に
よりなりたっている。輝度Y、色差R−Y,B−Yがあ
りその帯域はそれぞれ輝度信号約4MHz或はそれ以
上、色差信号約0.5MHzとされている。
【0003】図2に従来の実施例を示す。
【0004】図において、11、12は乗算器、13は
入力されるR−Y,B−Yに所定の係数を乗算器11、
12で乗算してこれを加算しG−Yを出力する加算器、
14は入力するYとR−Yを加算してRを出力する加算
器、15は入力するYと加算器13より出力するG−Y
を加算してGを出力する加算器、16は入力するY,B
−Yを加算してBを出力する加算器である。
【0005】上記構成において、Yは一般に、 Y=0.30R+0.59G+0.11B で現わされるのでG=Yは、 G−Y=−0.51(R−Y)−0.19(B−Y) で現わされる。
【0006】よって、上記Y,R−Y,B−Y,G−Y
より、R,G,Bが次式で得られる。
【0007】 R=(R−Y)+Y G=(G−Y)+Y B=(B−Y)+Y そしてこのような処理を行いR,G,B信号を生成して
いた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の方式でR,G,Bの信号を生成する場合、入
力信号は、輝度Yに比べて、色差R−Y,B−Yの帯域
幅が狭く設定されているので図4aのような波形になっ
ていた。そのため、これより信号処理しR,G,B信号
の生成を行うと図4bに示すような歪んだ波形となって
いた。
【0009】本発明は、このような波形歪みの発生を防
止することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、この目的を達
成するため帯域幅の異なる少なくとも2種の信号を入力
信号とし、より広帯域の第一の入力信号の帯域幅を制限
するフィルター手段と、フィルター手段より出力される
信号と、第一の入力信号以外の入力信号とにより処理を
行う信号処理手段と、前記第一の入力信号を前記フィル
ター手段より出力される信号で除算する除算手段と、前
記信号処理手段の出力に前記除算手段の出力を乗算する
乗算手段を有する信号処理装置を提供するものである。
【0011】
【作用】本発明に係る信号処理装置は、輝度信号の帯域
幅を色差信号の帯域幅と同程度になるようにローパスフ
ィルターを掛け、この輝度信号YLと色差信号R−Y,
B−YよりR,G,B信号の生成を行い、この各信号に
Y/YLを乗算することにより、より良好なR,G,B
信号を得ることを特徴とする。
【0012】
【実施例】図1に本発明の実施例を示す。
【0013】図において、1は入力する輝度信号の帯域
幅を色差信号の帯域幅と同程度にするためのローパスフ
ィルター、2は入力する輝度、色差信号を信号処理し
R,G,B信号の生成を行う信号処理部でありその詳細
は上記従来例と同等であるためここでは省略する。3は
輝度信号Yとローパスフィルター1の出力YLを入力と
しY/YLを出力する除算器、4,5,6は信号処理部
2で生成されたR,G,B信号に除算器3の出力Y/Y
Lを掛ける乗算器である。
【0014】上記構成において、その動作について、図
3に示す各点における波形に従って説明する。
【0015】入力信号は従来例同様輝度Yに比べて、色
差R−Y,B−Yの帯域幅が狭いので図3aのような波
形となる。この信号をローパスフィルター1を介すこと
により、色差信号の帯域幅と同程度の帯域幅にすること
により図3bのような波形となる。
【0016】これを信号処理部2で処理してR,G,B
信号を生成すると図3cのような波形となり、従来例の
ような波形歪が生じない。
【0017】さらに、この波形と除算器3の図3dに示
す出力波形とを乗算器4,5,6で乗算すると図3eに
示すように高域成分が補償されたRを生成することがで
きる。
【0018】尚、除算器3においてYLが0になること
を防ぐためにY/YLの代わりに例えば、(Y+0.
1)/(YL+0.1)のように所定定数即ち、オフセ
ットを加える等、何等かの方法を取ってもよい。
【0019】また、信号処理部2は輝度、色差信号を信
号処理しR,G,B信号の生成を行う従来例と同等であ
るため、その処理過程における方式は問わない。
【0020】
【発明の効果】以上の説明から容易に理解できるよう
に、本発明に係る信号処理装置は、帯域幅の異なる少な
くとも2種の信号を入力信号とし、より広帯域の第一の
入力信号の帯域幅を制限するフィルター手段と、フィル
ター手段より出力される信号と、第一の入力信号以外の
入力信号とにより処理を行う信号処理手段と、前記第一
の入力信号を前記フィルター手段より出力される信号で
除算する除算手段と、前記信号処理手段の出力に前記除
算手段の出力を乗算する乗算手段を有し、これにより、
より良好な色(R,G,B)信号を得ることができる。
【図面の簡単な説明】【図1】本発明の実施例の構成ブロック図である。
【図2】従来の実施例及び本発明の実施例の構成ブロッ
ク図である。
【図3】本実施例の波形図である。
【図4】従来例の波形図である。
【符号の説明】 1 ローパスフィルター 2 信号処理部 3 除算器 4,5,6 乗算器 11,12 乗算器 13 加算器 14,15,16 加算器