【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野)本発明は電動ズームレンズに関するものである。
〔従来の技術J従来、カム板を用いたレンズ移動装置は1)BP937
,245号公報2)実公昭39−13162号公報3)USP3,181,447号公報4)USP3,533,344号公報5)特公昭46−13110号公報6)特開昭59−104613号公報7)特開昭59−192212号公報8)特開昭60−91311号公報9)特開昭59−176711号公報10)特開昭62−139510号公報11)特開昭6
0−216319号公報12)特開昭60−21632
0号公報13)特開昭60−87310号公報14)特開昭59−176712号公報15)特開昭5
9−192214号公報16)特開昭59−19221
3号公報等に記載されているように構成されている。
【発明が解決しようとしている課題]ズームレンズの従来のレンズ移動には円筒状のカム筒を
用いてきたが、高い寸法精度が必要で円筒状であること
から加工時間も長く高価な部品となっていた。そのため
カムを平面状の部品とすることでプレス加工により安価
に作れるようにすることが提案されている。板状カムの
従来例はいくつか提案があるが、いづれも実用化された
ものはほとんどない。ズームレンズは2つ以上のレンズ
群を移動する必要があり実用的なズームレンズの場合、
すべてのレンズ群を板状カムで駆動するとカム板の面積
が広くなり、レンズ鏡筒が大型化する。特に円筒状のレ
ンズ形状にする必要があるときはなおさら大型化する。
又、板状カムを用いた従来例では電動でズーミングを行
なう場合、レンズを駆動するアクチュエータやギヤ列及
び駆動回路等を円筒型のレンズ鏡筒内部に配置しようと
した時に大型化してしまう。
[課題を解決するための手段1本発明は第1のレンズ群をモータにより光軸方向に移動
させ、この第1のレンズ群の光軸方向の移動によって板
カムを回転させ、この板カムの回転によって第2のレン
ズ群を光軸方向に移動させるようにしたことを特徴とし
、安価で且つ小型円筒状のズームレンズ鏡筒を提供でき
る。
[実施例]第1図から第4図は本発明の第1の実施例を示し、第1
図は移動装置の主要部分の斜視図である。同図に於いて
lはズームレンズを構成する第3のレンズ保持枠、2は
第1のレンズ保持枠、3及び4は光軸と平行に保持され
た案内棒、5は光軸と平行に保持されたリートネジ付き
ロッド、6は光軸平行な平面内で回転可能なカム板、7
は第2のレンズ保持枠、8は案内棒3.4とモータ9及
びカム板6を保持する固定部、9はズーム及びフォーカ
スレンズ駆動用のモータ、!0,11゜12.14.1
5及び16はギヤ、17はフォーカスレンズ駆動用回転
シャフト、18はフォーカスレンズ駆動用ギヤ、laは
第3のレンズ保持枠1の外側に形成されたフォーカス繰
出用へりコイドネジであり、不図示の第2のレンズ保持
枠7の内径のネジ部と噛合している。lbは第3のレン
ズ保持枠lの外側に形成された平歯車部、2aは第1の
レンズ保持枠2と一体に光軸方向に伸びたスリーブ、2
bは第1のレンズ保持枠2に一体的に形成されたカムビ
ン(カムフォロアー)、2Cは該保持枠2か案内棒3か
挿入され光軸方向移動の案内となるU字形溝、6aはカ
ム板6に設けられた第1のカム溝、6bはカム板6に設
けられた第2のカム溝、6cはカム板6が光軸方向平面
内で回転する回転軸(回転軸6Cの軸線は光軸直交方向
になる)、7aは第2のレンズ保持枠7から光軸方向に
突出したスリーブ、7bは該保持枠7から張り出して組
込後にはギヤ18を保持枠7との間で挟み込むとともに
、シャフト17軸受としての機能を果たす軸受部、7C
は該保持枠7を光軸方向移動案内するために、案内棒3
が挿入されるU字形溝、7dはギヤ18とギヤ1bと噛
合するために該保持枠7に形成された切欠き、17aは
シャフト17とギヤ18とを回転追従させるためのDカ
ット部である。
第2図、第3図は第1図に示したカム板6近辺を説明し
た図で、第2図は第1及び第2移動レンズLl、L2 
(レンズLlは第3のレンズ移動枠1に保持され、レン
ズL2は第1のレンズ移動枠2に保持されている。)が
望遠側にズーミングされた状態を示し、第3図は同様に
広角側にズーミングされた状態を示す。7eは第2のレ
ンズ保持枠7と一体に形成されたカムビン(カムフォロ
アー)で第1のカム溝6aに摺動可能に挿入している。
第4図は、第1図で説明したリードネジ付きロッド5の
回転により、第1レンズ保持枠2を光軸方向に移動させ
るための駆動装置の詳細を示す。19はスチールボール
、20はコイルバネ、2dはリードネジ付きロッド5に
直角に向いたカムビン2bの内部の穴、5aは該ロッド
5のV字形をしたリードネジ溝である。
上記構成において第2のレンズ保持枠7はスリーブ7a
が案内棒4に保持され、0字形溝70に案内棒3が挿入
され、光軸まわりの位宜決めを行なうことによって光軸
方向にのみ移動可能に保持されている。第1のレンズ保
持枠2も第2のレンズ保持枠7と同様にスリーブ2aに
リードネジ付きロッド5が挿入され、U字形溝20に案
内棒3が挿入されることによって光軸方向にのみ移動可
能に保持されている。モータ9が回転するとギヤ10か
ら11−12→13→14→15へと回転力が伝達され
、ギヤ15と固着関係にあるり一ドネジ付きロッド5が
回転される。
第4図においては、リードネジ付きロッド5のリードネ
ジ溝58内にスチールボール19をバネ20により押圧
している。したがって、該ロッド5がモータ9により回
転すると、リードネジ溝5aとスチールボール19の作
用により第1移動レンズ保持枠2は光軸方向に移動する
。
一方、第2図に示されるように、回転軸6cを中心に揺
動するカム板6の第2のカム溝6bに、上記保持枠2と
一体のカムビン2bが嵌入されている。第2のカム溝は
光軸に対しである角度をなしているため、上記ロッド5
の回転により第1移動レンズ保持枠2が光軸方向へ移動
すると、該保持枠2と一体のカムビン2bに従動しカム
板6は回転(揺動)移動する。
第3図は第1移動レンズ保持枠2が移動することによっ
てカム板6が所定角度回転した状態を示す。
保持枠7のカムビン7eは、カム板6の第1のカム溝(
第1のカム溝6aは第1移動レンズがズーミングするた
めに必要なカム曲線に形成されている)6aに挿入され
ているので、上記保持枠2が光軸方向に移動することに
よってカム板6が回転すると、第1のカム溝68に挿入
されたカムビン7eによって第2のレンズ保持枠7は光
軸方向に所定の量だけ移動する。
次に第1図においてフォーカス調整を説明する。
第3のレンズ保持枠1は第2のレンズ保持枠7の内側に
へりコイドネジ1aにより螺合している。該保持枠1の
外側の平歯車部1bにはギヤ18がかみ合い、ギヤ18
が回転すると第3のレンズ保持枠lが回転しヘリコイド
ネジ1aにより繰り出し移動しフォーカシングを行なう
、ギヤ12を図中矢印方向へ切り換え移動することによ
って、モータ9の回転力をギヤ16へ伝達しシャフト1
7を回転させる。シャフト17のDカット部17aはギ
ヤ18に回転力を伝達するためのもので、光軸方向へは
ギヤ18は自由に動くことができる。従ってモータ9の
回転力によりギヤ18が回転し、第3のレンズ保持枠1
が合焦のため移動することができる。
第5図及び第6図は第4図に示した駆動装置の別の実施
例を示す、第5図においてリードネジ付きロッド5のリ
ードネジ溝5aには先端が円錐形のビン21が板バネ2
2により押圧されている。
ビン21は上記保持枠2の穴2eにガタなく嵌入してい
るため、該ロッド5の回転により第1のレンズ保持枠2
は光軸方向に移動する。
第6図は上記ロッド5のリードネジ溝に押圧されている
部材が板バネ24と一体的に形成され、リードネジ溝5
8に当接している部分はV字形をしている。なお、2f
はニゲ穴である。
上述した実施例は以下の効果を得ることができる。
■ 板状カムを用いることによって従来の円筒状カム筒
に比べてカム部品を安価に製造することができる。
■ リードネジ付きロッドによって第1のレンズ保持枠
(バリエータ)の保持とズーム移動が同時に行なえるた
め、保持のための特別な部材が不要。
■ リードネジ付きロッドの回転で第1のレンズ保持枠
(バリエータ)の移動ができるため電動でズーミングす
ることが容易にできる。
■ リートネジ付きロッドのリードネジのリードを適当
に選ぶことによってモータからの駆動力伝達速度の減速
比を自由に選ぶことができる。
リードを小さくすることによって大きな減速比が得られ
るため、歯車を用いた部分の減速装置がきわめて簡素化
できる。
■ ズームレンズ内にモータを配置する場合、光軸と平
行に配置した方が効率よく配置できる場合が多く、リー
トネジ付きロッドは光軸と平行に回転するため、モータ
からの動力を伝達する場合平歯車だけで簡単に接続でき
るため伝達効率が良い。
■ カム板が第1のレンズ保持枠(バリエータ)に従動
するため第2のレンズ保持枠(フンペンセータ用)のカ
ム形状を最適なものにでき、カム板を小型化できる。し
たがって、板カムを用いても小型円筒のズームレンズ鏡
筒を提供することができる。
〔発明の効果〕本発明は電動によるズーミングを板カムを用いて簡単な
構造としたと共に、仮カム自体を小さくすることができ
るので小型円筒なズームレンズ鏡筒を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】第1図は実施例としてのズームレンズ鏡筒の斜視図、第2図は第1図に示したカム板部分を説明した説明図、第3図も同様にカム板部分の説明図で第2図からカム板
が移動した状態を示す。第4図は第1図で説明したロッドの回転により保持枠が
移動する駆動装置の説明図、第5図及び第6図は第4図で説明した駆動装置の他の実
施例を示す斜視図である。2は第1のレンズ保持枠、5はリードネジ付きロッド、
6はカム板、7は第2のレンズ保持枠、9はモータ、6
a、6bはカム溝。g久